COLUMN

第786回 2023年開始!

 第785回から正月休み挟むかと思ったら、ちょうど1週間後で第786回。とりあえず、

 今年はシリーズの放映もある上、さらに次の後輩による監督作品をプロデュース・総監督する仕事、そして自分の監督作品も準備しなければなりません。アニメ作りでいっぱいの2023年も宜しくお願いします!
 で、正月の間はその社内若手・後輩がメインに立つシリーズの原作の読み込みをしていました。週明けから構成案とキャラクターデザインの開発を仕切らなければなりません。“仕切る”とは描き手のスケジュール管理——早い話“せっつき”です。近年社内の若手と話しているのは、

“作業者”自身がスケジュール管理に乗り出すべき!

という話です。これは単純な話、作業内容・難易度に応じて「これとこれは纏めて今日中」「この内容なら明日夕方まで」とか。つまり、ウチ(ミルパンセ)はもうすでに全員社員給(時給換算)なので、スタッフの皆に各々の実力に合わせた公平な仕事の配分が必須なわけです。特にアニメは作業内容・難易度に不公平が生じがち。「○○君は遅いから」と制作側から一蹴されるところを、俺の方は「でも、あの内容なら3日かかってもしようがない」とフォローも入れられ、さらにその逆「△△さんは手が速い」の場合でも「速くても雑だから、かえって作監で時間食ってる」と指摘し「上りを□□さんにチェックしてもらおう」といった手配もできます。よって、繰り返しますが、

やはり“作業者”自身、
つまり、俺がスケジュール管理に乗り出すべき!

なんです。昔、先輩らから「スケジュールなんて制作が考えるべきことで、我々アニメーターが気にすることじゃない!」と聞かされたものですが、それは“昭和のモノ作り”の話。令和の今、我々描き手に望まれるのは自分でやれることは自分で動き、スケジュールもしっかりと自己管理をする。これをモットーに掲げると制作の仕事を軽減でき、ひいては制作進行の人数を減らせる、ということはその分アニメーターを社員として雇える、と。
 令和のアニメ作りは“数字で見る”社長と“作業の質で見る”作業者側代表の両方の目が必要。すなわち、板垣も制作管理に参加せざるを得ない……と、色々並べてみると2022年よりさらに今年は忙しくなりそう。