第626回 またOPコンテムービー

ポニーキャニオン様の公式に『コップクラフト』のオープニング・コンテムービーを上げていただきました!

■TVアニメ『コップクラフト』オープニングコンテムービー

 ここ何作かはコンテ自体をStoryboard Proで描いてたりするので、コンテ撮ムービーは簡単にできます。ってか動きを確認しながらカットを割ってる感じですから常に。  絵コンテ——今まで何回もこの連載で語ってきたこの絵コンテというヤツに憧れてアニメ業界に入ったのが板垣です。中学3年生の頃「月刊アニメージュ」で初めて目にした出崎統監督の絵コンテのショック! 出崎監督特集で紹介されていた、たった1ページの『あしたのジョー2』のコンテに理由も分からず「凄えっ!!」と感動し、「出崎アニメのカッコよさのすべてがここにある! 自分もこんなコンテを描いて『ジョー2』のようなアニメを作りたい!」と。出発点はそれ。小・中・高とマンガを描いてたけど、カリカリとペン入れをしてペタペタとホワイトで修正する繰り返しの作業に、なんとなく面白味を感じなくなった俺の目の前に、”アニメーターにイメージを与えるラフが画の連なり”に将来の希望を見たのです。その時見た「アニメージュ」の特集で、出崎監督のコメントに「(アニメをやって)初めて描いた動画が動いた時も面白いと思ったけど、バイトで初めてコンテを切った時、これはなんて面白い仕事だ! と思った」とありました。「しかも動いて音までつく!」とも。

 う、時間です、申し訳ありません!

新文芸坐×アニメスタイル セレクションVol. 120
スクリーンで観る『モブサイコ100 II』

 2019年10月12日(土)に開催するオールナイトは「新文芸坐×アニメスタイル セレクションVol. 120 スクリーンで観る『モブサイコ100 II』」。
 ONEの同名マンガを映像化した『モブサイコ100』は、現在までにふたつのシリーズが制作されている。今回のプログラムでは、第2シリーズ『モブサイコ100 II』全13話と、OVA『モブサイコ100 第一回霊とか相談所慰安旅行~ココロ満たす癒やしの旅~』を上映。愛すべきキャラクター達の活躍を劇場のスクリーンで楽しんでいただきたい。

トークのゲストは立川譲監督とキャラクターデザインの亀田祥倫。前売券は9月14日(土)から新文芸坐窓口とチケットぴあで発売となる。

新文芸坐×アニメスタイル セレクションvol. 120
スクリーンで観る『モブサイコ100 II』

開催日

2019年10月12日(土)

開場

開場:22時15分/開演:22時30分 終了:翌朝6時(予定)

会場

新文芸坐

料金

当日・一般3000円、前売・友の会2800円

トーク出演

立川譲、亀田祥倫、小黒祐一郎(司会)

上映タイトル

REDLINE(2010/102分/35mm)
TVシリーズ『モブサイコ100 II』全13話
OVA『モブサイコ100 第一回霊とか相談所慰安旅行~ココロ満たす癒やしの旅~』

備考

※オールナイト上映につき18歳未満の方は入場不可
※トークショーの撮影・録音は禁止

●関連サイト
新文芸坐オフィシャルサイト
http://www.shin-bungeiza.com/

アニメ様の『タイトル未定』
220 アニメ様日記 2019年8月11日(日)

2019年8月11日(日)
コミックマーケット96の3日目。午前中は事務所。馬越嘉彦さんが会場に来るのにあわせて、自分も午後に会場へ。馬越さんにはアニメスタイルのブースの前で看板を持っていただく。
コミケの行き帰りで、Kindleで「さすがの猿飛G」を読む。細野不二彦さんが描いている「さすがの猿飛」の続編だ。あまりにも絵柄が変わっていて驚くが、細野さんの絵が変わっているのは「さすがの猿飛G」を読む前から分かっていたことだ。そのこと自体で文句を言ってもしかたがない。「さすがの猿飛G」はリメイクとか、息子の話とかではなくて、「さすがの猿飛」の続編だった。あれ、原作「さすがの猿飛」の最終回ってどんな感じだったっけ? と思って「さすがの猿飛」の最終刊をKindleで購入して読む。あ~、こんな話だったか。続編が描かれてもおかしい終わり方ではない。だけど、やっぱりこの頃の細野さんの画が好きだと思ってしまう。

2019年8月12日(月)
コミックマーケット96の最終日。事務所で作業をして、午後から会場に。久保田誓夫妻がブースに遊びに来てくれたので、久保田君にアニメスタイルの看板を持ってもらう(久保田君は「さんづけ」にすると「さんづけはやめてください」と言うので、久保田君と表記します)。
話は前後するが、午前中に取材のまとめ作業をやって、テープおこしのクオリティが高くて驚いた。おこしをしている人が、文章の書き手として美意識が高くて、きちんと推敲している感じ。さらに話が変わるが、SNSで「お似合いですよ」と書こうとしたら「『お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ』ですよ」と変換された。すっかり忘れていたけど「お似合い」で『お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ』と変換するように単語登録していたのだ。

2019年8月13日(火)
コミケ明けで、事務所はお休み。暗いうちから散歩。午前中にグランドシネマサンシャインで「ライオン・キング」【IMAXレーザーGT3D字幕版】を鑑賞。一部のシーンで「画角が1.43:1のフルサイズまで広がる」仕様で、クライマックスがとんでもなくよかった。映画の一場面に立ち合っているような臨場感だった。それだけでも観たかいがあった。その後は事務所を片づけたり。

2019年8月14日(水)
暗いうちから散歩。午前中にグランドシネマサンシャインで劇場版『ONE PIECE STAMPEDE』を観る。盛り沢山だし、新しい魅力もあるし、さらに見せ方のポイントもおさえている。トータルで現代の観客が求めるものになっていると思う。「ここでウソップの活躍がほしい」と思ったところでウソップの活躍があるとか、そういうところがいい。今まで、劇場版『ONE PIECE』に関して、最後が「強い敵VSルフィ」になってしまうのがちょっと不満だった。今回の『STAMPEDE』も最後には「強い敵VSルフィ」になってしまうのだけど、そこまでに各キャラクターの活躍と見せ場がたっぷりあるので、不満は感じなかった。ハンコックの扱いが難しいというのも分かった。活躍させすぎると別のアニメになってしまう。それが分かっていても、いつかハンコック大活躍編が観たい。

2019年8月15日(木)
一日、デスクワーク。いろいろ片付けたけど、まだまだ終わらず。

2019年8月16日(金)
風が強かったけど、暗いうちから散歩。その後は「設定資料FILE」の構成。同じことを何度も書いているかもしれないけれど、同じ仕事を30年以上も続けると上手になるなあ。他にはAmazonのへの搬入スケジュールについての相談など。
作業をしながら「全裸監督」を最終話まで視聴した。僕的には黒木香さんの撮影のエピソードが、飛び抜けて面白かった。作品全体としては、テレビではできない内容だし、映画でやったとして、多くの人が観に行くかというと、そんなことはないだろう。その意味ではネット配信ならではの作品になっている。今後、このくらいの企画と作り込みの作品が連発されるようになるのだろうか。
Amazon Prime Videoで「LUCY/ルーシー」を観た。最初はAmazonのオリジナルかと思ったけど、2014年に公開された映画なのね。『GHOST IN THE SHELL』に似ていることについては、wikiでも指摘されていた。『モブサイコ100』と似ているのは偶然? それとも両作がお手本とした作品があるのだろうか。
15時からある方と早すぎる晩ご飯。そして、早めに就寝。

2019年8月17日(土)
暗いうちから散歩。昼間はデスクワークと昼寝。オールナイト前に、Blu-rayソフトで『リトル・ニモ』月岡貞夫版のパイロットフィルムを観る。4分×2本で計8分かな。テレコム版(近藤喜文×友永和秀版)、出崎統版よりも原作に忠実。作画は普通。月岡貞夫版はペンシルテストのようなものだという説と、セルアニメで90秒のものが3本あるという説を聞いていたけど、どれも違った。夜はオールナイト「新文芸坐×アニメスタイル セレクションvol.118 『この世界の片隅に』三度目の夏」に。

以下はトークで語られたことのメモ
・『リトル・ニモ』の近藤喜文×友永和秀版パイロットフィルムは、近藤喜文さんが監督だった時期に制作したもの。高畑さんが監督だった時代のイメージを利用している。具体的に言うと、高畑監督時代に友永さんが描いた絵コンテがもとになっている。足りないカット等は片渕さんがコンテを描いている。
・近藤喜文×友永和秀版パイロットフィルムは、スタッフがアメリカ研修で学んだことをかたちにするために作った習作であり、「こういった映画を作るぞ」というプランをかたちにするのものではない。
・同パイロットフィルムは近藤喜文さんが映画のプランを組み立てる間に、手があいたスタッフが作ったものであり、近藤さんは「夜空の色はこうしたい」といった意見は言っているが、制作にはほとんど参加していない。
・これは前に取材でも話題になっているが、近藤喜文×友永和秀版パイロットフィルムはカメラを横にして撮影し、フィルムの1コマの面積を大きくした70ミリフィルムで制作されている。当時、『リトル・ニモ』の本編を70ミリ作品にすることだけは決まっていた。
・70ミリで制作するにあたって、トレスマシンではなく、ゼロックスを使用した。

新文芸坐×アニメスタイル セレクションVol. 119
ハード&スタイリッシュ 小池健の世界

 ハードかつダンディな作風で知られる監督&アニメーターの小池健。2019年9月28日(土)開催のオールナイトでは彼の作品にスポットをあてたプログラムをお送りする。上映作品は『LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標』『同・血煙の石川五ェ門』『同・峰不二子の嘘』『REDLINE』の4本だ。

 『LUPIN THE IIIRD』はハードな内容とアニメーションとしてのクオリティの高さで『ルパン三世』ファンから高く評価されているシリーズだ。『次元大介の墓標』『血煙の石川五ェ門』『峰不二子の嘘』で小池健は監督、キャラクターデザイン、作画監督などを務めている。
 『REDLINE』はオリジナルの長編アクションアニメ。この作品でも小池健は、監督、デザイン、作画監督などを兼任。彼の個性が色濃く出た作品であり、代表作だ。

 前売りチケットは、9月7日(土)から新文芸坐窓口とチケットびあで発売となる。

新文芸坐×アニメスタイル セレクションvol. 119
ハード&スタイリッシュ 小池健の世界

開催日

2019年9月28日(土)

開場

開場:22時45分/開演:23時00分 終了:翌朝5時(予定)

会場

新文芸坐

料金

当日・一般3000円、前売・友の会2800円

トーク出演

企画中

上映タイトル

REDLINE(2010/102分/35mm)
LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標(2014/51分/DCP)
LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門(2017/54分/DCP)
LUPIN THE IIIRD 峰不二子の嘘(2019/56分/DCP)

備考

※オールナイト上映につき18歳未満の方は入場不可
※トークショーの撮影・録音は禁止

●関連サイト
新文芸坐オフィシャルサイト
http://www.shin-bungeiza.com/

第625回 日々『コップクラフト』

 前回の続き、『コップクラフト』の各話。2話は1話の続き、当たり前です。マトバが自宅にティラナを連れていく〜マトバの「おやすみ」までのくだりが、自分的に描いて気に入ってたところだったりします。原作を読んだ時からティラナとマトバって、自分の初監督作『BLACK CAT』のイヴとスヴェンにダブってたんですが、『コップクラフト』2話は『BLACK CAT』とは違った角度から見た「オジサンと少女」の関係を楽しんで描きました。公園のベンチでマフラーを巻いて震えてる負けん気なティラナの表情と白い息、作画もいい感じに上がったと思います。マトバの家の玄関から自室までのくだりでの、1話の同ポジ(レイアウト・背景の兼用)の多用はもちろん意図的で、日常感を出すための常套でよくある演出。手抜きとかではありません。同ポジの繰り返しに一部分の変化(ティラナ)を加えることで、そこを立たせるのが目的ってヤツ。
 3話、はっきり言って最初の作画外撒き話数。今、あらゆるアニメ制作現場で作画監督が足りてません。最初から先方より「作監が半分しか入れられません」と泣きが入っている場合も少なくありません。それでもこちらはお願いせざるをえないわけですから、今回も恨むどころか受けていただけただけでも感謝しかないのです。ただ「直させていただきます」と。その直しに社内のスタッフを駆り出して、自分も陣頭指揮に当たったり、原画を描いたり直したりとやり倒し、キャラデの木村(博美)さんにもティラナなどをガッツリ直してもらい、とにかくラストの動仕素材のデジタル修正に至るまで相当苦労した話数。あと、いわゆる「パンツを見せるかどうか問題」は賀東(招二)さん村田(蓮爾)さんと「無理に重力に逆らってまで隠すよりは、アクションの中で自然に見えるのはOK」とホン読みの時から決めてあったし、木村さんがその設定を描かれていたので、使わぬわけにはいかないので見せました。BD版ではもう少し見えるカットが増えてると思います。エルバジとのチャンバラはなんでもあり! な自由な作画で遊び心で描きました。
 で、4話はまた社内話数。1、2話とこの4話あたりまでは、自分が別会社の『ユリシーズ』でボロボロになってた時で、ウチの社内の若手らが本当によく頑張ってくれて嬉しかったです! そう、観た方々が多少驚かれたであろう、A・Bパートで話を割ったくだり。ことの成り行きは賀東さんより「3話で収めるのは無理そうで、かと言って4話まるまるはもたない(汗)」の一言からです。ホン読みでそれを打ち明けられて誰からともなく「じゃ最初の章は3.5話で切りましょうか」と。俺も「そのほうがどこで話の区切りがつくか分からなくなって面白い! 残りのページ数からオチが先読みできちゃう間の抜けた推理小説みたいなのを回避できるし!」って感じで決まりました。じゃ、続きはまた次週。

ササユリカフェで「馬越嘉彦 原画展」を開催

 「馬越嘉彦 アニメーション原画集 第二巻」の刊行を記念し、2019年9月5日(木)から、東京のササユリカフェで「馬越嘉彦 原画展」を開催する。展示物は『僕のヒーローアカデミア』『ハートキャッチプリキュア!』『キャシャーンSins』『おジャ魔女どれみ』の原画、そして、「馬越嘉彦 アニメーション原画集 第一巻」「同・二巻」の表紙のために馬越が描きおろした原画風イラスト、特典用に描いた色紙だ。原画は原画集に収録していないものも見ることができる。原画はコピー、原画風イラストと色紙は生原稿での展示となる。

 また、会場では「馬越嘉彦 アニメーション原画集 第一巻」「同・二巻」に加えて、アニメスタイルの新刊「中村豊 アニメーション原画集 vol.1」「交響詩篇エウレカセブン アーカイブス」「『なつぞら』のアニメーション資料集[オープニングタイトル編]」も販売する。

■イベント詳細
イベント名/「馬越嘉彦 原画展」inササユリカフェ
会場/ササユリカフェ http://sasayuricafe.com
期間/2019年9月5日(木)~10月14日(月)(火曜・水曜定休、その他短縮営業や貸切営業などあり)
営業時間/11:30~20:00ラストオーダー
入場料/ワンオーダーをお願いしております(カフェは通常営業の予定ですが、来場者数が多く見込まれる日には展示専用・立ち見に変更されることもございます。詳しくはササユリカフェtwitterアカウント@sasayuricafeで最新情報をご確認ください)

主催/ササユリカフェ
協力/アニメスタイル

■関連リンク
【アニメスタイルの書籍】「馬越嘉彦 アニメーション原画集」! 充実の第二巻が刊行!!
http://animestyle.jp/news/2019/09/02/16189/

第164回 スーパーなアニソンを生み出すスーパーな作曲家 〜渡辺宙明大全〜

 腹巻猫です。9月25日、辰巳出版より「スーパーアニソン作曲家 渡辺宙明大全」という本を上梓します。作曲家・渡辺宙明の作品を本人の証言と資料で紹介した本です。便宜上、著者は腹巻猫になっていますが、渡辺宙明の言葉が大半を占める構成。作曲家がどのようなことを考えて音楽を作ったか、音楽ができあがるまでにどのような苦心があったか、そこにフォーカスしました。歌だけでなく、劇音楽(BGM)にもページを割いています。9月22日には出版記念イベント「渡辺宙明トークライブ Part13」を阿佐ヶ谷ロフトAで開催します。本の先行販売もする予定ですので、ぜひ、ご来場ください。

スーパーアニソン作曲家 渡辺宙明大全
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4777823644/

渡辺宙明トークライブ Part13
https://www.loft-prj.co.jp/schedule/lofta/126944


 本コラムでは、5年前に渡辺宙明作品を取り上げたことがある。そのとき、渡辺宙明は89歳。現在は94歳である。この5年間、渡辺宙明は毎年のように新曲を書き、それがCDで発売されている。驚くほかないパワフルさだ。
 今回は本の予告も兼ねて、渡辺宙明のアニメ・特撮音楽の歴史を簡単に振り返ってみたい。参考音源としては、渡辺宙明90歳の年に発売された格好の作品集がある。「渡辺宙明 卒寿記念 CHUMEI 90 SONGS」(日本コロムビア発売)である。「人造人間キカイダー」(1972)以降の渡辺宙明のアニメ・特撮作品の主題歌を90曲集めた4枚組CD-BOXだ。
 渡辺宙明のプロの作曲家としての活動は1953年のラジオドラマ「アトムボーイ」(中部日本放送)から始まる。映画音楽作曲家としては1956年の新東宝作品「人形佐七捕物帖 妖艶六死美人」がデビュー作になった。1960年代は劇場作品、TVドラマを中心に活動するが、この時代の作品は鑑賞の機会が少ないこともあり、あまり話題に上ることはない。
 渡辺宙明といえば、やはり、アニメ・特撮音楽なのである。

 「スーパーアニソン作曲家 渡辺宙明大全」の本文は「人造人間キカイダー」(1972)から始めた。多くの読者が興味があるのは、ここからだろうと考えたからだ。CD-BOX「CHUMEI 90 SONGS」もまた、この作品から始まる構成になっている。
 「人造人間キカイダー」は「仮面ライダー」(1971)のヒットを受けて、同じ石ノ森章太郎原作で東映が制作した特撮TVドラマ。それまでの子ども向け番組では聴いたことのない、ジャズのハーモニーとブラスロックを取り入れたサウンドが鮮烈だった。これが評判を呼び、渡辺宙明は同じ年の12月から始まるTVアニメ『マジンガーZ』の音楽を担当する。
 『マジンガーZ』の音楽は『キカイダー』よりもパワフルで、カッコよさを追求した印象だ。特撮ものとアニメ、等身大ヒーローと巨大ロボットという違いもあったかもしれない。2作目にして、キャッチーで高揚感あふれる宙明サウンドが完成している。
 この2作のあと、渡辺宙明は、特撮TVドラマ「キカイダー01」(1973)、「イナズマン」(1973)、TVアニメ『グレートマジンガー』(1974)を手がけ、このジャンルの仕事が増えていく。「スーパーアニソン作曲家 渡辺宙明大全」では、1972年から1974年までの作品に1章を割いてじっくり紹介した。
 1975年、音楽的な転機となる作品が現れる。「秘密戦隊ゴレンジャー」である。続いて手がけたのがTVアニメ『鋼鉄ジーグ』。「ゴレンジャー」と『ジーグ』の音楽には共通性があり、「バンバラバンバンバン」「ダンダダダダン」といった擬音風スキャット路線がここで開花するのだ。『グレートマジンガー』までは剛球勝負! という感じだったのが、このあたりから、主題歌にも軽快で明るい曲調が入ってくる。ポップな名曲として人気が高い再放送版『サザエさん』の主題歌「サザエさんのうた」「あかるいサザエさん」も1975年の作品である。
 「CHUMEI 90 SONGS」では、ここまでがCD1枚目に収録されている。収録曲を順に聴くと、宙明サウンドの変化の過程が感じとれて、なかなか興味深い。
 「CHUMEI 90 SONGS」のCD2枚目は1976年から1978年までの作品が収録されている。ヒーローもの以外に作品の幅が広がり、音楽もより多彩になっていく時代だ。アニメでは、『マグネロボ ガ・キーン』(1976)、『合身戦隊メカンダーロボ』(1977)、『おれは鉄兵』(1977)、『野球狂の詩』(1977)といった作品が、この時期に登場した。ヒーローソングであっても聴いて楽しく、歌って楽しい作品が多い。そして、サウンドも初期の野性味のあるゴツゴツした感じから急速に洗練されていく。『野球狂の詩』のテーマ曲を聴くと、「『マジンガーZ』から5年間でこの進化!」と驚いてしまう。
 「スーパーアニソン作曲家 渡辺宙明大全」では、1975年から1970年代後半を「宙明サウンド快進撃」の時代として紹介した。
 劇場版『宇宙戦艦ヤマト』(1977)の大ヒットを契機にアニメブームが巻き起こった1970年代終盤から1980年代前半、レコードメーカーは中高生のアニメファンを意識した音楽作りを進めた。この時期の作品が収録された「CHUMEI 90 SONGS」のCD3枚目を聴くと、渡辺宙明の楽曲が子ども向けの枠から脱し、より音楽的に楽しめるものに進化していることがわかる。
 当時流行のディスコサウンドが取り入れられ、シンセドラムや打ち込みによるシンセサウンドが導入されて、新時代の音になっていく。アニメでは、『とんでも戦士ムテキング』(1980)、『最強ロボ ダイオージャ』(1981)といった作品に、その成果を聴くことができる。女声スキャットの入ったカラフルなサウンドが現れるのもこのころからだ。渡辺宙明は音楽の流行だけでなく、最新の機材や録音方式にも敏感だった。
 『スーパーアニソン作曲家 渡辺宙明大全』では、この時期を「進化する宙明サウンド」の時代として紹介している。

 80年代前半の渡辺宙明の仕事の中心は、東映の特撮ヒーロー作品だった。「電子戦隊デンジマン」等のスーパー戦隊シリーズ、「宇宙刑事ギャバン」に始まる宇宙刑事シリーズなどに力が入れられた。同時期のTVアニメ『光速電神アルベガス』(1983)、『ビデオ戦士レザリオン』(1984)は少し影が薄い。
 しかし、1985年、渡辺宙明は大きな転機となる作品と出逢う。OVA『戦え!!イクサー1』である。
 『戦え!!イクサー1』は女性が主人公のSFアクションもの。ヒーロー番組の女性版ととらえてもよい。これが渡辺宙明の創作意欲を刺激した。男性主人公のヒーローものだと、どうしても、悲壮感や力強さが求められる。『戦え!!イクサー1』にはその縛りがなく、主題歌も女性ボーカルで作られた。結果、軽やかでポップな、でもカッコいい、新しいタイプのアクションソングが誕生した。ここで重要な役割を果たすのが新興のアニメ音楽レーベル・ユーメックスである。
 ユーメックスでは、渡辺宙明のほとんどの歌曲を曲先(曲を先に作り、あとから詩をはめる作り方)で発注している。それまでのアニメ・特撮作品は、詩先(先に作った詩に曲を付ける作り方)が主流だった。そして、ユーメックスはメロディにもサウンドにも、注文や制約をつけなかった。この自由な作り方が渡辺宙明の新しい音楽を引き出した。『戦え!!イクサー1』に続き、OVA『レイナ剣狼伝説』でも、魅力的な女性ボーカルの曲が多数作られている。
 OVA作品ということで、アニメファンの間でも、これらの作品はあまり知られていないかもしれない。けれど、宙明サウンドの進化の先に登場したのが、こうした女性ボーカルによるアクション曲であったことは、とても面白い。この路線が、2000年代の『ふたりはプリキュア』(2004)の挿入歌「キュア・アクション」「プリティー・エクササイズ」にもつながっていくのである。多くの人に聴いてもらいたいし、再評価してもらいたい音楽だ。
 残念ながら、これらのOVA作品の曲は「CHUMEI 90 SONGS」には収録されていない。しかし、『戦え!!イクサー1』『レイナ剣狼伝説』の楽曲は「卒寿記念CD-BOX 渡辺宙明 ユーメックス・イヤーズ」(ユニバーサルミュージック発売)に収録されているので、渡辺宙明ファンはぜひ押さえておきたい。
 筆者が偏愛する渡辺宙明作品は、90年代の『流星機ガクセイバー』(1991)である。これはコミックス、ラジオドラマ、OVA等でメディアミックス展開された作品で、渡辺宙明はラジオドラマの音楽とOVA版主題歌を手がけている。女性ボーカル路線の頂点とも呼べるカッコよさと爽快感をあわせ持つ主題歌「流星機ガクセイバー」、ちょっと懐かしい曲調のポップな挿入歌群。再生するたびに音楽を聴くよろこびにふるえてしまう。こちらの音源は、渡辺宙明の卒寿を記念して発売されたCD「渡辺宙明コレクション CHUMEI RARE TREASURES 1957-2015」(サウンドトラックラボラトリー)にまとめて収録されている。
 「スーパーアニソン作曲家 渡辺宙明大全」では、渡辺宙明が女性ボーカル路線に新境地を開いた時期に1章を割き、「新天地を求めて」として紹介した。

 90年代以降の渡辺宙明は、ゲーム「スーパーロボット大戦」関連の一連の楽曲や特撮作品の挿入歌等を中心に活躍。女性ボーカル路線から離れ、むしろ、男性ボーカルのアクション路線に回帰していく(というより、ファンや制作者からそちらの路線を求められるようになる)。その先にあるのが、TVアニメ『神魂合体ゴーダンナー!!』(2003)である。「CHUMEI 90 SONGS」では、CD4枚目を締めくくる作品だ。
 21世紀、音楽は打ち込みサウンドが主流になり、メロディアスなものから、踊って盛り上がれるEDM(エレクトリック・ダンス・ミュージック)に人気が集まるようになる。新しい音楽に敏感に反応してきた渡辺宙明だが、そちらの方面には食指が動かなかったようだ。生のブラスやギターを入れた、メロディ主体のハートにぐっとくる音楽というスタイルを貫き、現在も作曲活動を続けている。
 2010年代以降も、東日本大震災被災地の復興を支援するローカルヒーローソング「東北合神ミライガー」(2012)、ライトノベル原作のアニメ『俺、ツインテールになります。』(2014)の挿入歌「テイルオン!ツインテイルズ」、NHK-FMのラジオ番組のテーマソング「アニソンアカデミー校歌」(2017)、2019年の最新作「SFX巨人伝説ライン」30周年記念ソングなど、新しい楽曲が途切れることなく生み出されている。「スーパーアニソン作曲家 渡辺宙明大全」では、そうした最新作まで、余すところなく紹介した。巻頭にはフルカラーのジャケットギャラリー、巻末には作品リスト、音盤リストを掲載したのでお楽しみに。
 90歳を超えて商業音楽の世界で現役で活躍する作曲家・渡辺宙明。生み出す曲は時代を越えて歌われ続けている。スーパーなアニソンを生み出すスーパーな作曲家。『渡辺宙明大全』のタイトルにつけた「スーパーアニソン作曲家」には、そんな意味を込めている。

スーパーアニソン作曲家 渡辺宙明大全
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渡辺宙明卒寿記念 CHUMEI 90 SONGS
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渡辺宙明 卒寿記念 CD-BOX ユーメックス・イヤーズ
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渡辺宙明コレクション CHUMEI RARE TREASURES 1957-2015
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アニメ様の『タイトル未定』
219 アニメ様日記 2019年8月4日(日)

2019年8月4日(日)
トークイベント「第160回アニメスタイルイベント 帰ってきた亀田祥倫の思い出のアニメを語る会」を開催。亀田さん達の発案で、二部の最初で亀田さんと益山亮司さんと山田有慶さんとで寸劇(朗読劇)をやって、僕も少しだけ出演した。アニメスタイルイベントで寸劇をやったのは初めて。亀田さんを含めた3人がやたらと芝居が上手かった。前回同様、楽しいイベントになったと思う。

2019年8月5日(月)
夏の3書籍の作業も終わったので、次の次の本の原稿作業に入らないといけないのだけど、片づけなくてはいけない用事が多くて、なかなか作業に入ることができない。
年下の友人と「長電話」ならぬ「長LINE」をする。「長LINE」のテーマは、京都アニメーションの作品について。話した内容をまとめると『CLANNAD』から『けいおん!』にいたるところで、京都アニメーションの作品は大きく変わっており、『CLANNAD』までに培ったものが、『けいおん!』以降を支えているのではないか。その培ったものがクオリティやテクニックを生み出す源のひとつであるはずだ。ということ。この話は印象によるものであり、裏付けはない。

2019年8月6日(火)
暗いうちから散歩。13時から三鷹で打ち合わせ。15時過ぎに事務所で打ち合わせ。他はデスクワーク。「『なつぞら』のアニメーション資料集[オープニングタイトル編]」の作業も進む。
Netflixでドキュメンタリー「アニメ世界への扉」を観る。ボディビルでマッチョになっている岸誠二監督が、スポーツジムに行く場面があって「裸になるのね」と思ったんだけど、裸にはならなかった。「アニメ世界への扉」はアニメのドキュメンタリーをかっこよく作ろうとしているところがよかった。
撮影した日に書くのを忘れていたけれど、シネフィルWOWOWの「世界がふり向くアニメ術」に解説者として出演した。これからも出演する予定だ。その最初の回である『銀河鉄道の夜』の自分の出演パートを、動画で確認した。撮影の段階で僕の喋りはメロメロだったのだけど、番組スタッフはさすがにプロだ。編集で上手くまとめている。言い訳をしておくと、撮影の日は夏の3書籍の編集中で、撮影の前の準備にあまり時間がとれなかった。それから、下半身は映らないだろうと思ってハーフパンツで行ったら、全身を撮られてしまった。メガネはこの番組のために購入したもので、伊達メガネである。ヒゲを伸ばしたのもこの番組のため。

2019年8月7日(水)
暗いうちから散歩。朝はデスクワーク。昼はワイフと「ポケモンGOフェスタ横浜」(Pokemon GO Fest 2019 Yokohama) に。日傘を差したままイベントに参加。昼飯をはさんで、またイベントに。事務所に戻って、夏の3書籍の見本を手にする。デスクワークの後、中村豊さんと打ち合わせ。事務所に戻ってコミケ前に片づけなくてはいけない用事を片づける。
8月6日(火)に増岡弘さんが『サザエさん』『それいけ!アンパンマン』を降板することをネットで知った。それでは「ぶらぶらサタデー」の「有吉くんの正直さんぽ」のナレーションはどうなっているのだろうか。気になって「正直さんぽ」の録画をチェックしてみた(僕は「正直さんぽ」も録画しているのだ)。増岡さんのナレーションは現状では6月29日放映分まで。その後の2回はそれぞれ別の方が担当している。最初に別の方がナレーションをやった回(7月13日放映分)では「皆さん、今日は増岡さんがおやすみのため」と言っているなあ。僕は「有吉くんの正直さんぽ」の増岡さんのナレーションがかなり好きだ。

2019年8月8日(木)
アニメスタイルのスタッフの男性陣はコミケの搬入。僕は「『なつぞら』のアニメーション資料集[オープニングタイトル編]」関連の作業。それから事務的な仕事。午後は馬越嘉彦さんと打ち合わせ。夜は声優博士と打ち合わせ。

2019年8月9日(金)
コミックマーケット96の1日目。アニメスタイルのブースでは「交響詩篇エウレカセブン アーカイブス」「中村豊 アニメーション原画集 vol.1」「馬越嘉彦 アニメーション原画集 第二巻」を先行販売した。
巻末にも書いたが「中村豊 アニメーション原画集 vol.1」では、原画は現存するもののタイムシートが紛失しているカットについて、アニメスタイル編集部の村上修一郎君と中村豊さんの共同作業で、タイムシートを「復元」して掲載した。具体的に言うと、村上君が原画を見ながら映像をコマ送りして、原画と原画の間に何枚の動画が入っているかをチェック。仮のタイムシートを書いて、それを中村豊さんが確認。場合によっては中村さんが改めてコマ送りをして確認した。最終的に村上君が書いたタイムシートを、中村さんが「清書」して完成形に。カット数としてはタイムシートを「復元」したカットのほうが多かった。

2019年8月10日(土)
コミックマーケット96日の2日目。現地での販売はスタッフに任せて、僕は昼過ぎまで事務所で作業。午後からコミックマーケットに。

第624回 『コップクラフト』いろいろ

放映が始まるといっきに駆け抜けるように納品。
納品に次ぐ納品。これがTVシリーズです!

 ホン読み(脚本打ち合わせ)が毎週、コンテが毎週、演出ほか各セクションの打ち合わせが毎週、そして画を作ってる真っ最中でどんだけ不完全な画でも否応なく始まるカッティング(編集)・アフレコ・ダビングが毎週。で、締めはV編(納品)! ま、いつものことです。『コップクラフト』も例外ではありません。あまりの忙しさに詳しい説明をし損ねてましたが、今回の『コップクラフト』の監督のお話をいただいたのは『ユリシーズ』が決まってほどなくして、だったかと。で、仕事は故意に重ねない主義なので

『ユリシーズ』のホン読みが終わらない限り『コップクラフト』のホンは読めないし、『ユリシーズ』のコンテを全話出し切らないうちは『コップクラフト』のコンテには入れません! それでもいいですか?

と。しかしこう言って引き受けたとしても、現場の状況次第ではどうしてもそう都合よくはことが運ばないというのはよくある話で、今回は前作『ユリシーズ』の制作が少々てこずってしまい俺自身もガタガタ。まあ『ユリシーズ』は制作がミルパンセではないので、作画云々の直接ダメージはなかったのですが、板垣個人のスケジュール管理がボロボロとゆーありさま(汗)。
 そんな中でなんとか今作もほぼ全話コンテです。吸血鬼編、4話Bパート〜5話の1本半分のみ先に助監督に振ってから、それに全面的な直しを入れましたが、それ以外はすべて自分のコンテ。すべての話数に思い入れがあります。まず第1話、海外ドラマ風のセリフまわしを監督自身も楽しみつつコンテを切りました。マトバから見たティラナ(Aパートラスト)と、そのティラナから見た地球の様々な文化を彼女の主観から描くことにテーマを置いてたと思います。マトバの煙草にむせるティラナのくだりは、脚本にはなく、俺がアドリブで足したところでした。あ、1話のコンテはBD1巻の特典で付くらしいですね。じゃ、そちらを見てください!
 で、続いて第2話、と思ったところで時間切れです。ちなみに『ベルセルク』『WUG新章』『ユリシーズ』に続き、またコンテムービーを近々お見せできそうです。もう少々お待ちください!

第162回アニメスタイルイベント
中村豊の作画を語る!

 数多くの作品で素晴らしい仕事を残してきたアニメーターの中村豊。アニメスタイルは2019年10月6日(日)に、彼の仕事にスポットを当てたトークイベントを開催する。現在、決まっている出演者は中村豊自身。そして、井上俊之、沓名健一だ。井上俊之と沓名健一には、中村豊の作画の魅力についてたっぷりと語ってもらう予定だ。

 会場では、中村豊の原画を収録した「中村豊 アニメーション原画集 vol.1」を販売する(なお、同書籍は9月21日(土)から一般販売がスタートする予定だ)。

 また、今までのイベントと同様に、トークの一部を「アニメスタイルチャンネル」で配信する。前売り券は9月1日(日)から発売開始。詳しくは以下にリンクしたLOFT/PLUS ONEのページを見てもらいたい。

■関連リンク
アニメスタイルチャンネル
https://ch.nicovideo.jp/animestyle

LOFT/PLUS ONE
https://www.loft-prj.co.jp/schedule/plusone/127164

第162回アニメスタイルイベント
中村豊の作画を語る!

開催日

2019年10月6日(日)
開場12時00分 開演13時00分

会場

LOFT/PLUS ONE

出演

中村豊、井上俊之、沓名健一、小黒祐一郎(司会)

チケット

前売1500円 当日1800円(共に飲食別・要1オーダー)

■アニメスタイルのトークイベントについて
 会場となるLOFT/PLUS ONEはトークライブができる居酒屋。入場料(今回は前売1500円、当日1800円)とは別に飲食(最低でもドリンク1杯)をお願いしている。ソフトドリンクもあるので、未成年の方でも大丈夫。 アニメスタイル編集部が開催する一連のトークイベントは、イベンターによるショーアップされたものとは異なり、クリエイターのお話、あるいはファントークをメインとする、非常にシンプルなものだ。出演者のほとんどは人前で喋ることに慣れていないし、進行や構成についても至らないところがあるかもしれない。その点は、あらかじめお断りしておく。

アニメ様の『タイトル未定』
218 アニメ様日記 2019年7月28日(日)

2019年7月28日(日)
半休の日。朝から昼まで、原稿以外のデスクワークと散歩。昼寝をはさんで、16時からワイフとポケモンGO。ロケット団のジムを攻略して歩く。ワイフの希望で、18時35分から池袋HUMAXシネマズで『海獣の子供』を鑑賞。僕はスクリーンで観るのは4回目で、ワイフは3回目。『海獣の子供』は4度目でも飽きない。それから、夏の暑い日に観たほうがいいな。

2019年7月29日(月)
嵐のような忙しさ。午後に打ち合わせが一件。「交響詩篇エウレカセブン アーカイブス」の告知を開始。SNSで投稿した話題について、ここにも記しておく。Aプロ時代に『パンダコパンダ』TVシリーズの企画書が作られている。『パンダコパンダ』のスチルが使われていたので、『パンダコパンダ』の後に作られたものだろう。トピックスとしては、ミミ子のおばあちゃんがレギュラーで、パパンダとパンは一緒に暮らすわけではないということ。あらすじを読む限り、「パパンダとパンも出てくる『長くつ下のピッピ』」を狙ったのではないかと。その企画書を読ませてもらったのも、40年くらい前のことだ。

2019年7月30日(火)
「馬越嘉彦 アニメーション原画集 第二巻」の詳細告知と先行販売の受付を開始。午前中はラフを描きまくる。12時から高田馬場である監督と打ち合わせ。14時から中野で「アニメスタイル015」の取材。事務所に戻ってデスクワーク。一度マンションに戻ったのだが、チェックするものがあり、22時くらいに事務所に戻って、0時過ぎに帰る。

2019年7月31日(水)
「中村豊 アニメーション原画集 vol.1」の詳細告知と先行販売の受付を開始。この数日「尾石達也的」とは何かについて、色んな人と話をしている(尾石さんの特集の準備をしているわけではありません)。

2019年8月1日(木)
寝不足だったので、午後に自宅に戻って昼寝。それ以外はデスクワーク。夏の3書籍の校正など。それから、夏の3書籍の次の書籍の作業等々。『ケンガンアシュラ』をNetflixで一気観した。面白し、よくできている。3DCGによる肉体表現が上手くいっている。キャラクターの表情もいい。

2019年8月2日(金)
午前中から、ワイフと東京国立近代美術館で開催されている「高畑勲展 日本のアニメーションに遺したもの」に。非常に充実した展示だった。「分かっている人」が丁寧に、そして、熱心に構成しているという印象。『太陽の王子ホルスの大冒険』は1万円くらいの資料集を出してほしいなあ。少しマンションで休んでから、事務所に。夏の小冊子最後の一冊の作業が終了。そのまま次の書籍の打ち合わせに入る。それから、冬の書籍と来年の書籍の打ち合わせも。
「馬越嘉彦 アニメーション原画集 第二巻」について少し記しておく。この書籍には『ハートキャッチプリキュア!』の原画を載せている。だけど、お借りした原画の画像データは話数別にまとめられているわけではなく、各原画にも話数やカット番号は書かれていない。そこで掲載する原画を選んでから、ビデオを観ながら、その原画が『ハートキャッチプリキュア!』の何話なのかを確認していく作業をすることになった(話数が判明した後でコンテを見て、カット番号を確認する)。しかし、確認作業はなかなか進まない。そこで、「プリキュアの凄いファン」こと祥太さんに確認作業を頼むことになった。事情を説明すると「『ハートキャッチプリキュア!』なら大半のカットは頭に入っています」という頼もしい言葉。事実、次々に話数が判明していく。「この表情はこのカットの映像にないようですが」との編集部スタッフからの質問に「エフェクトが手前にきて、顔が隠れているコマの原画です」と明瞭な返答が。さすがだ、さすがすぎる。

2019年8月3日(土)
午前11時から阿佐ヶ谷で、久しぶりの方と打ち合わせ。事務所に戻ってデスクワーク。16時からワイフと、ポケモンGOのコミュニティデイに。今回はラルトスが大量発生。僕は色違いを6匹ゲット。

第623回 ただ今戻りました(汗)

V編(ビデオ編集)とは納品の儀式。
TV局に納める最終形態がここで決まります!

 V編は、まずその話数のスタッフロールや字幕のテロップを組み、その後TV局のプロデューサーさんらによる考査(?)チェック——パカパカ(激しい明滅)やエロ・グロ潰しなどがやることのスタンダード。その次にあくまでサービスとして(自分はそう認識してます)演出や作画の微調整。例えば黒パラ(画面の一部を暗く落すこと。アナログ時代はパラフィンシートを用いたことの名残)や簡単な口パクの直し(デジタルで切って貼る)など。あとは原版(オフライン編集)に間に合わなかったカットの直差し。アニメ業界は今、当たり前のように「ここまでスケジュールとして計算する」クセがついてます。自分が育った古巣(テレコム)では「V編で加工するなど邪道! 演出の仕事は原画チェックですべて終わらせるべき!」という風潮が、当時の社長を中心にあったため、アニメーターだけやってる時はそれを信じてた俺ですが、2001年版『グラップラー刃牙』で演出を始めてから考えがガラリと変わりました。だって散々待った挙げ句、全く満足いく作画があがってこなかった時、もちろん俺もアニメーターだからギリギリまで直そうとするけど、それでも直しきれなかった場合どーする? 諦めるか? いや、作画でダメだったらその作品を捨てるようじゃ演出じゃないでしょ!

撮影処理だろうがV編加工だろうが、その時考え得るすべての技を総動員し、最後まで決して諦めない姿勢こそが演出家としていちばん大事なんじゃないか!

と気づいたからです。それから10数年、納品は闘いで、本日は朝までV編で格闘して戻ってきた板垣でした(疲労)。原稿も半日遅れ(汗)。

第163回 サントラ盤がニュッとでる!! 〜空飛ぶゆうれい船〜

 腹巻猫です。8月30日(金)19時より神保町・楽器カフェにてトーク&DJイベント「レッツゴーサントラさん4〜大暴れ!サントラさん大集合〜」を開催します。出演:貴日ワタリ、早川優、腹巻猫ほか。ゲスト:麻宮騎亜。サントラLOVEの出演者が集まり、お奨めのサントラや秘蔵の音盤を紹介します。お時間ありましたら、ぜひご来場ください。料金は1000円+ドリンク代500円。詳細・予約は下記ページを参照ください。
https://gakki-cafe.com/event/20190830/


 『わんぱく王子の大蛇退治』『太陽の王子 ホルスの大冒険』のサウンドトラック盤をリリースしたCINEMA-KANレーベルが、今度は9月に『空飛ぶゆうれい船』のサウンドトラックを発売するという。10月には70年代のマイナー特撮劇場作品「恐竜・怪鳥の伝説」のサントラ盤まで出るらしい。CINEMA-KANレーベルの狂った、いや、すばらしいリリース攻勢はとどまるところを知らない。今回は応援の意味も込めて、『空飛ぶゆうれい船』の音楽を取り上げたい。
 『空飛ぶゆうれい船』は1969年に公開された東映動画(現・東映アニメーション)制作の劇場アニメ。「東映まんがまつり」の1本として上映された。同時上映は「飛び出す冒険映画 赤影」『ひみつのアッコちゃん』『もーれつア太郎』など。1966年公開の『サイボーグ009』、1967年公開の『サイボーグ009 怪獣大戦争』に続く、石ノ森章太郎原作の劇場用漫画映画である。
 この頃はTVアニメが大人気の時代。東映動画の劇場用漫画映画も、『白蛇伝』(1958)以来の名作・メルヘン路線からTVアニメ的なテンポの速い作品に移行しつつあった。『空飛ぶゆうれい船』も上映時間60分というコンパクトな作品で、巨大ロボットが登場する少年向けSF冒険ものである。
 ちなみに朝ドラ「なつぞら」的ポイントは、作画監督が小田部羊一で、原画に奥山玲子が参加していること。

 音楽は小野崎孝輔が担当した。
 小野崎孝輔は東京芸術大学楽理科卒業後、ジャズピアニストとして、また、作・編曲家、指揮者として活躍した。ラジオ、テレビ、CM、劇場等の音楽を多数担当し、アニメでは、TVアニメ『おらぁグズラだど』(1967)、『ピンク・レディー物語 栄光の天使たち』(1978)、『大雪山の勇者 牙王』(1978)、『アニメーション紀行 マルコ・ポーロの冒険』(1979)、『ヒロシマに一番電車が走った』(1993)等の音楽を手がけている。特撮ファンには「キャプテン・スカーレット」「謎の円盤UFO」の日本語版主題歌の作曲も忘れられない仕事だ。ポップスの編曲も多く手がけ、小椋佳の楽曲のアレンジを数年にわたって続けた。『マルコ・ポーロの冒険』もその1本である。余談だが、渡辺岳夫が作曲し、小椋佳が歌った「大いなる旅路」(1972年の同名ドラマ主題歌)の編曲も小野崎孝輔が手がけていて、これが実に胸にしみる名アレンジ。数ある渡辺岳夫ソングの中でも筆者フェイバリットの1曲である。小野崎孝輔は残念ながら2017年に逝去している。
 本作の音楽は、1996年に発売された10枚組CD-BOX「東映動画長編アニメ音楽大全集」の1枚に『海底3万マイル』の音楽とカップリングで収録されている。上映時間が60分しかないため、大半の曲がこのCDに収録された。今回は、本編とこのCDを参照しながら、本作の音楽の魅力を語ってみよう。
 本作の音楽はすべて映像に合わせて作曲・録音されている。CM音楽を多く手がけた小野崎孝輔は、画にタイミングを合わせるのは慣れていたが、音楽が多いことと時間がないことに苦労したという。録音は、朝から晩まで続けて5日くらいかかったそうである。

 本作は、霧に包まれた海のシーンから始まる。納谷悟朗の「近頃、このような深い霧の夜になると、決まって船の沈没事故が世界各地で起きている……」というナレーションに続き、女声ボーカリーズによる妖しい幽霊船のテーマが流れる。オープニングタイトルの曲(M-1)である。メインタイトルとクレジットが表示されるバックには不気味な幽霊船の姿。音楽はスリラー音楽風に妖しさを増し、観客の心をざわつかせる。実にキャッチーな導入だ。
 一転して、主人公の少年・隼人とその家族がボートで海を進むシーンに変わり、音楽も明るい調子に(M-2)。このメリハリは心地よい。
 自動車事故を目撃したことをきっかけに、隼人たちはさびれた洋館でドクロの顔をした幽霊船長と対面することになる。ハマープロのホラー映画を思わせる怪奇ムードたっぷりの展開。冒頭に流れた女声ボーカリーズの曲の変奏を含む、スリラー感満点の音楽が流れる(M-3〜M-6)。音楽が観客の情感をリードし、本編に没入させる。古典的だが効果のある音楽設計である。
 次に、この作品の見どころのひとつとなるシーンが現れる。突如出現した巨大ロボット・ゴーレムが町を破壊する場面である。
 音楽(M-8)は、重いティンパニのリズムと荒々しいブラスのフレーズでゴーレムの脅威を描写。歪んだエレキギターの音を重ねて、怪獣とは異なるロボットの質感を表現している。
 隼人が傷ついた父の口から自らの出生の秘密を知る場面の曲(M-11)は、弦楽器と木管主体の悲哀曲。隼人の心情を伝え、観客の涙を誘う。現代ならもう少し抑えた曲調の音楽をつけるところだが、この時代らしいストレートな表現である。
 ここまでで、サスペンス、明るい日常、スペクタクル、悲哀、とバラエティに富んだ音楽が流れたことになる。テンポのよい展開とシーンに密着した音楽で観客の心をつかむ。娯楽作品の王道をゆく演出だ。
 『空飛ぶゆうれい船』でゴーレムとともに話題に上るのが、劇中に流れるボアジュースのコマーシャルである。
 このシーンはやや唐突だ。隼人が見ているTVのニュースが中断し、ボアジュースのCMソング(M-14)が挿入される。このCMソングも本作のためのオリジナル。小野崎孝輔はCM音楽もたくさん手がけているので、こうした曲もお手のものだったろう。劇中では5秒くらいしか流れないが、公開当時、長尺版を収録したレコードが発売されていた(曲名表記は「ボワジュースのうた」)。長尺版は当時の名作CMソングのパロディを織り込んだ愉快な曲になっている。今回のサウンドトラック盤にも当然収録されるはずなので楽しみだ。
 このあと、海上に浮上した幽霊船がゴーレムと死闘をくり広げる短いスペクタクルシーンがあり、戦争音楽風のダイナミックな曲(M-15)が付けられている。隼人はゴーレム騒動の黒幕を知り、対決を決意する。ここが全体の折り返し点である。
 後半の音楽は、ボアが送り込んだマシン生物が暴れる場面の怪獣映画風サスペンス曲(M-24)、隼人が、幽霊船が実は超近代兵器であったことを知る場面のリズムとフルートを使った近未来的なミリタリー調の曲(M-26)など、ぐっとSF映画的になる。
 本作のヒロインと呼べる少女・ルリ子の登場場面に流れるハープとストリングスによる曲(M-29)は、本作の数少ないリリカルな音楽。少ししか流れないのがもったいない。ルリ子の登場が本編の半分を過ぎてからというのも遅すぎるではないか。正統派の石ノ森ヒロインなのに……(個人の感想です)。
 隼人が幽霊船長の正体を知る場面は、音楽的にもドラマの上でも、大きな転換点となる。ここで初めて、主題歌「隼人のテーマ」のメロディ(M-30)が流れるのである。これはタイトルどおり、隼人のテーマと呼べる曲だが、ここでは隼人の成長、旅立ちを予感させる役割を果たしている。このテーマは、ルリ子と隼人の語らいの場面でも変奏される(M-34)。
 クライマックスは、幽霊船が、すべての元凶であるボアの本拠地を破壊する場面。SFスペクタクルにふさわしい、オーケストラを駆使した重厚な曲(M-38〜M-40)が最後の戦いを盛り上げる。ここはサントラ盤で聴いても熱くなるところだ。
 ラストは、主題歌「隼人のテーマ」の歌入り(M-41)。スケールの大きい、颯爽とした印象の旅立ちの歌だ。作詞は本作の脚本家・辻真先。作曲はもちろん小野崎孝輔。どこかヒーローソングの趣もあるこの歌は、本当にカッコいい。歌っている泉谷広は、新田洋と名を変えて、本作の公開後にスタートしたTVアニメ『タイガーマスク』の主題歌を歌うことになる。カッコいいのも当然だ。主題歌は劇中バージョンとレコードバージョンでアレンジが異なるので、そこもサントラ盤を聴くときのお楽しみである。
 60分という尺にドラマを詰め込んだ『空飛ぶゆうれい船』は、劇場作品としてはもの足りない印象もあるが、音楽は聴きどころ満載である。小野崎孝輔が音楽を担当した劇場アニメは本作1本のみ。躍動的なジャズのテイストと情感をあわせもった小野崎孝輔の劇音楽をもっと聴きたかった。サントラ盤としてリリースされた作品がわずかしかないのももったいない。そういう意味でも、今回の単独盤リリースはよろこばしい。

 さて、ここまで来たら、CINEMA-KANには『海底3万マイル』の単独サントラ盤発売も期待したいところ。こちらの音楽は渡辺岳夫。しかも、渡辺岳夫が愛してやまなかった海をテーマにした作品である。いや、もちろん『どうぶつ宝島』でも『ちびっこレミと名犬カピ』でもいいですけれど。実現できるよう、みんな、買って応援しましょう。

空飛ぶゆうれい船 オリジナル・サウンドトラック
Amazon

アニメ様の『タイトル未定』
217 アニメ様日記 2019年7月21日(日)

2019年7月21日(日)
夏の書籍の編集作業の追い込み。久しぶりに暗いうちからウォーキング。そして、朝のうちに投票に。夕方、作業が手空きになったところで、ワイフとポケモンGOのコミュニティ・デイに参加。西口公園の窓際の席でコーヒーを飲みながら、優雅にミズゴロウをとりまくる。それから、次の書籍の準備を始める。Netflixの『聖闘士星矢』を観る。今回の配信は6話までなのね。黄金聖闘士の布石は合っているから、当然、続きの予定はあるんだろうけど。『通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?』1話も観た。アニメ化が発表される前からタイトルだけは知っていて、ちょっと気になっていた作品だ。

2019年7月22日(月)
朝からストレスが高まる。ストレス対策で昼飯はいきなり!ステーキで、ワイルドステーキ300グラムとワイルドハンバーグ150グラムのセットに、スパイシーカレーをトッピング。その後、都内某所である取材に同席。結局、同席ではなくインタビュアーをやることになった。映像での取材なので、取材中に相づちはあまりしないほうがいいだろうし、後でインタビューイの発言をテキストで補足するわけにもいかない。そういう意味では、普段の取材とちょっと勝手が違う。インタビューイとは近々にお茶をすることを約束して、事務所に。
書籍関連でインタビューのチェックが戻る。取材をさせていただいた方から「上手くまとめてくださってありがとうございます。自分について色々と整理がつきました」とのお言葉をいただき、修正は無し。ありがたや。

2019年7月23日(火)
夏の3書籍の作業は続く。それはそれとして、ポケモンGOの話。高田馬場の駅前に「古代支那兵士」というポケストップがあって、高田馬場の駅前のどこに古代支那兵士がいるんだ、と思っていた。打ち合わせ帰りに高田馬場駅前の中華料理屋に入ったら、そこにあった。「古代支那兵士」は中華料理屋店内に飾りで置かれた人形だったのだ。

2019年7月24日(水)
夏の書籍の編集の大詰め。自分の原稿は終わっているんだけど、嵐のような忙しさ。吉松さんが差し入れを持って事務所に。その後、一緒に昼飯。

2019年7月25日(木)
夏の書籍の編集の大詰め。ワイフとグランドシネマサンシャインで『ガールズ&パンツァー 最終章 第2話』7.1ch上映を観る。知波単学園が健闘。そんなわけにはいかないけど、知波単学園が勝ってもいいと思った。今回も「え~、ここで終わりなの」というところで終わった。

2019年7月26日(金)
朝の7時から9時の2時間が、嵐のような忙しさ。午前9時30分の回でグランドシネマサンシャインで、ワイフと『トイ・ストーリー4』【IMAXレーザー/GTテクノロジー字幕版】を鑑賞。午後はずっとデスクワーク。

2019年7月27日(土)
午前9時30分からシネ・リーブル池袋で『センコロール コネクト』を鑑賞。ようやく観ることができた。設定がいろいろと分かって、ここからいくらでも話を展開できそう。最初の『センコロール』を観た時も思ったのだけど、作家性の強い作品で、こういった少年マンガ的なアクションもの、あるいはキャラクターものの方向性で作るのはありだ。同日同劇場で「夢見るコリア・アニメーション2019」というプログラムがあり、知り合いが何人も来ていた模様。他はメールとかスケジュールの調整とか。来週の撮影にあわせて床屋に行って、髪と髭を整えてもらう。午後は上京していたガイナックス京都の佐藤裕紀さんとワイフと食事。早めに就寝。

第161回アニメスタイルイベント
『エウレカセブン』を語ろう!

 「交響詩篇エウレカセブン アーカイブス」の刊行を記念して、トークイベントを開催する。出演者は監督の京田知己、キャラクターデザインの吉田健一、デザインワークスのコヤマシゲト。開催日は2019年9月1日(日)で、会場は阿佐ヶ谷ロフトAだ。
 トークの第1部はお客さんの質問に答えながら進行し、第2部は主に『交響詩篇エウレカセブン』のデザインについてお話をうかがう予定だ。また、今までのイベントと同様に、トークの一部を「アニメスタイルチャンネル」で配信する。
 チケットは8月20日(火)昼12時から発売となる。詳しくは以下にリンクした阿佐ヶ谷ロフトAのページをどうぞ。また、会場では「交響詩篇エウレカセブン アーカイブス」をはじめとするアニメスタイルの書籍を販売する。
(追記)前売チケットは完売しました。当日券の販売はありません。

 出演者に質問、あるいは話してほしいことがある方は、TwitterのWEBアニメスタイルのアカウント( @web_anime_style )にリプライするか、「WEBアニメスタイル」のcontactで「その他」の項目にチェックしてメッセージを送っていただきたい。質問を受け付ける期間は8月20日(火)昼12時から、22日(木)昼12時まで29日(木)昼12時まで。全ての質問に答えることはできないが、なるべく答えてもらう予定だ。

■関連リンク
【C96新刊】『交響詩篇エウレカセブン』のイラストとデザインの集大成!
http://animestyle.jp/news/2019/07/29/15865/

阿佐ヶ谷ロフトA
https://www.loft-prj.co.jp/schedule/lofta/126320

アニメスタイルチャンネル
https://ch.nicovideo.jp/animestyle

第161回アニメスタイルイベント
『エウレカセブン』を語ろう!

開催日

2019年9月1日(日)
開場12時00分 開演13時00分

会場

阿佐ヶ谷ロフトA

出演

京田知己、吉田健一、コヤマシゲト、小黒祐一郎(司会)

チケット

前売1500円 当日1800円(共に飲食別・要1オーダー)

■アニメスタイルのトークイベントについて
 会場となる阿佐ヶ谷ロフトAはトークライブができる居酒屋。入場料(今回は前売1500円、当日1800円)とは別に飲食(最低でもドリンク1杯)をお願いしている。ソフトドリンクもあるので、未成年の方でも大丈夫。 アニメスタイル編集部が開催する一連のトークイベントは、イベンターによるショーアップされたものとは異なり、クリエイターのお話、あるいはファントークをメインとする、非常にシンプルなものだ。出演者のほとんどは人前で喋ることに慣れていないし、進行や構成についても至らないところがあるかもしれない。その点は、あらかじめお断りしておく。

第622回 落ちかけ?

 すみません。先週はお盆休みで休載(もちろん『コップクラフト』の制作現場での自分はバリバリ稼働中)。で、今週はちゃんと原稿を書けると思ってたら、急遽各話演出のフォローに入らなければならなくなり、やや遅れてしかもお茶濁し的内容になることをご容赦ください(汗)! もともとこの連載、アニメ様の温情により「(現場の)仕事が忙しい時はイラストだけでもOK」と。そして確か「現場の仕事より優先はしないように」的な気遣いの一言もいただいたのを憶えています。あくまでアニメ制作現場を応援する立ち位置から、仕事を振ってくださるアニメ様に感銘を受け、俺は誓いました。「絶対に落さない!」と。

で、申し訳ありません、今回もお茶濁し(汗)!
しかも半日遅れ。重ね重ねゴメンナサイ!

アニメ様の『タイトル未定』
216 アニメ様日記 2019年7月14日(日)

2019年7月14日(日)
午前中からテキスト作業。雨が降っていたけど、昼前後にウォーキング。ウォーキングの途中で公園脇のレストランでランチ。なんとなく、日曜日気分を味わった。マンションで休んでから、午後も事務所に戻ってテキスト。16時から、ワイフとポケモンGOのエンテイのレイドに参加。
『交響詩篇エウレカセブン』の再々々視聴(再々々々か再々々々々かもしれない)が終了。続けて『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション1』を観る。TVシリーズを完走した直後だったせいか、冒頭のサマー・オブ・ラブのシークエンスが猛烈に面白い。テロップの出し方のシャープさも、映像の密度も、TVシリーズからわかりやすく進化したかたち。以下、思いつくままに。ある人が『ハイエボリューション1』について「(レントンを襲った)あの犬はなんなんだ」と言っていたけど、BONES作品だから犬を出したのでは? いや、最近は「BONES作品だから犬を出す」ということはないんだけど。それから、テロップで、レントンの身長が158センチと出ている。イメージよりも背が高い。そんなことよりも驚いたのは最後についていた「交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション2 One World One Future』の予告編(「ANEMONE/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション」ではない)。ロードショー時にも観ているはずなんだけど、こんな内容だったっけ。えらく豪華で、おそらくは全カットが新作画。サッカーシーンまである。なお、シリーズのサッカー回とは全然違う内容だ(以下は後日、関係者に教えてもらったことだが「One World One Future」はサブタイトルではなくて、キャッチコピーのようなものだそうだ)。

2019年7月15日(月)
明け方に事務所へ入り、Amazon Prime Videoで『蟲師 続章』を観ながら、「馬越嘉彦 アニメーション原画集 第二巻」の長峯達也さんの取材記事をまとめる。昼まで事務所で作業。午後からワイフと秩父の温泉旅館に。この後のスケジュールを考えて強制的に休みを入れたのだ。風呂に入って寝て、食べて、風呂に入って、寝た。

2019年7月16日(火)
午前11時まで温泉旅館に。帰りに乗った循環バスが『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』のラッピングバスだった。外装だけでなく、内装も『あの花』仕様で、途中でめんまの声のアナウンスも流れた。午後に事務所へ戻り、仕事に復帰。

2019年7月17日(水)
明け方に事務所へ入り、外が暗いうちにまた『蟲師 続章』を観る。やっぱり、『蟲師 続章』は深夜とか明け方に観るのがいいな。夏の書籍3タイトルと特典小冊子3冊の作業が並行して進む。原稿などの回収も2箇所。目が回るような忙しさ。『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』のOVA全4話をdアニメストアで観る。面白い。どれも、本編に対するサブエピソードなんだけど、ギャグあり、シリアスありで、バラエティに富んでいる。dアニメストアさん、いいものを観せてくれてありがとう。次は『天元突破グレンラガン』を視聴を始める。

2019年7月18日(木)
夏の3書籍のインタビュー原稿の作業が山を越える。ネットで京都アニメーションの事件を知る。事件についてテレビ局から取材のオファーがあるが、編集作業の佳境で、どう考えても時間がとれないので辞退する。テレビで事件についての報道を目にして、あまりの深刻さと報道の生々しさにショックを受ける。

2019年7月19日(金)
公開日の朝イチで、営業開始初日のグランドシネマサンシャインでIMAXの『天気の子』を観る。正確には【IMAXレーザー/GTテクノロジー】での上映だ。ヒット作『君の名は。』のテイストやポイントをある程度残し、新しいことにも挑戦。新海誠監督が「若者側」にいてくれることが嬉しい。グランドシネマサンシャインの第一印象はかなりいい。
事務所に戻って、夏の3書籍の編集作業。まだまだ作業は大量にある。確認したいことがあって『宇宙の騎士 テッカマンブレード』Blu-ray BOXのパッケージを開ける。『天元突破グレンラガン』は最終回まで視聴。色々と忘れていたなあ。11話のニア回想パートが記憶していたよりも、その後の劇団イヌカレーに近かった。それから、当時、ヴィラルが仲間になってから、もっと他のキャラとの絡みが観たいと思った、というのを思い出した。それが別キャラクターで『プロメア』で実現した。少なくとも僕にとってはそうだ。

2019年7月20日(土)
映画を観に行った以外はデスクワーク。今日の「なつぞら」で、公園らしき場所でメインの登場人物がボール遊びをしたり、木々の間を歩いたりするところが青春な感じでよかった。そのシーンで、マコ(大沢麻子)が結婚を機にアニメーターを辞めるという。マコのモデルは中村和子さんと思われるが、中村和子さんは結婚のためにアニメーターを辞め、しばらくしてから、虫プロダクションでアニメーターとして復帰している。マコは劇中でいったいどうなるのか。
午前中にシネ・リーブル池袋で『薄暮』を観る。内容としては非常にシンプルなもので、それ自体は悪くはない。技術的によくできた作品とはいえないが、最後まで飽きることなく観ることができた。

新文芸坐×アニメスタイル 特別編
日本アニメーション映画史『白蛇伝』『太陽の王子 ホルスの大冒険』

  新文芸坐とアニメスタイルが2019年9月14日にお届けするのは、恒例のオールナイトではなく、レイトショーだ。上映作品は東映動画(現・東映アニメーション)を代表する劇場アニメーション『白蛇伝』と『太陽の王子 ホルスの大冒険』である。現在、アニメーション黎明期をモチーフのひとつにした、連続テレビ小説「なつぞら」が放送中だ。このドラマを観て東映初期の長編アニメーションに興味を持った視聴者もいることだろう。

 『白蛇伝』は1958年に公開されたもので、日本初のカラーの長編アニメーションである。『太陽の王子 ホルスの大冒険』の公開は1968年。高畑勲、大塚康生、宮崎駿らの若き日の仕事であり、鮮烈な表現が素晴らしい作品だ。なお、『白蛇伝』はDCP、『太陽の王子ホルスの大冒険』は35mmフィルムによる上映となる。

 上映後のトークコーナーの出演者は映像研究家で、高畑勲・宮崎駿作品研究所代表の叶精二。上映作品について解説をしていただく。聞き手はアニメスタイル編集長の小黒祐一郎が務める。前売り券は新文芸坐の窓口では本日(8月14日(水))から、チケットぴあでは8月17日(土)から販売開始となる。

新文芸坐×アニメスタイル 特別編
日本アニメーション映画史『白蛇伝』『太陽の王子 ホルスの大冒険』

開催日

2019年9月14日(土)

開場

開場:17時15分/開映:17時30分 終了:21時20分(予定)

会場

新文芸坐

料金

当日・一般2000円、前売・友の会1800円

トーク出演

叶精二、小黒祐一郎(司会)

上映タイトル

白蛇伝(1958/81分/DCP)
太陽の王子 ホルスの大冒険(1968/82分/35mm)

備考

※トークショーの撮影・録音は禁止

●関連サイト
新文芸坐オフィシャルサイト
http://www.shin-bungeiza.com/

アニメ様の『タイトル未定』
215 アニメ様日記 2019年7月7日(日)

2019年7月7日(日)
早朝に新文芸坐へ。オールナイト「新文芸坐×アニメスタイル セレクションvol.117 完結30周年記念 OVAの金字塔『トップをねらえ!』」の終盤を見届ける。その後、ワイフとユナイテッド・シネマとしまえんに。午前9時5分からの2D吹き替え版で「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」を観る。このくらいだったらネタバレにならないと思うけど、ヒーロー物としては物語が変化球で、敵が小者なのだけど、それでも充分に面白かった。青春映画で、旅行映画で、ヒーロー映画。話が詰まっているうえにテンポもいい。僕的には、オタク向け恋愛映画として点数が高くて(「オタク向け恋愛映画」とは何なんだと言われると困るけど)、最終的にヒロインが主人公にとっての「素敵な恋人」に着地したのが楽しかった。主人公の相棒のデブ少年の恋愛描写は、決着も含めてとてもよかった。江古田で食事をして、池袋に。マンションで夕方まで休んで、事務所に。

2019年7月8日(月)
一日、デスクワーク。夏の3書籍と「アニメスタイル015」を進行中。ストレスがどんと来そうだったので、先回りしてランチにアルコールをつける。

2019年7月9日(火)
一日、デスクワーク。特に昼前から夕方まで猛烈なスピードで作業をこなす。だけど、自分の原稿にはほとんど手をつけられず。『からかい上手の高木さん』2期1話を観る。催眠術にかかった高木さんが鼻をほじろうとした場面で「このキャラデザインで鼻をほじるとどうなるんだ」と、本筋と別のところでドキドキした。ちょこんと描いてある鼻の下のほうに鼻の穴があるのだろうか。それはそれとして、Netflixで『からかい上手の高木さん』OADが配信されていたのにちょっと驚く。購入しないと視聴できないと思って、OADを購入したのだけど。いや、購入したことを後悔はしない。

2019年7月10日(水)
一日、デスクワーク。猛烈に忙しい。忙しい時に限って、面白そうな仕事の話がくる。今回は脚本関係のお仕事。ながらでAmazon Prime Videoで「リトル・フォレスト」を視聴。映画館で予告を何度か観ていた。原作を読んでから観たのだけど、よくぞあの原作をこんなにしっかりと映像化したものだと驚く。最初は、橋本愛さんはこの原作の主人公にしては可憐すぎるのではないかと思ったのだけれど、観ているうちにハマリ役に思えてきた。実写の映画よりも漫画である原作のほうが「リアル」に思えるのが不思議。「リトル・フォレスト」の春夏秋冬を観て、次は「海街diary」。こちらは劇場でも観ていて、配信で観るのも数度目。

2019年7月11日(木)
一日、デスクワーク。やっぱり大忙し。諸般の事情で『交響詩篇エウレカセブン』の再々々視聴を始める(再々々々かもしれない。いや、再々々々々かもしれない)。『交響詩篇エウレカセブン』3話の「男は家に帰ってきたらパンツ一丁って、決まってんだろ」というセリフは、本放送時には違和感があった。今になると、むしろ、いいセリフだよね。どうして、あんなに違和感を感じたんだろう。15話の「ゲッコーステイト第5次健康ブームとやらに火をつけてしまい」のナレーションで笑った。

2019年7月12日(金)
またまた一日、デスクワーク。やっぱり猛烈な大忙し。夏の書籍の特典冊子用の原稿が次々にあがってくる。自分の作業に関して言うと、7月でいちばんボリュームのある原稿が仕上がる。「こんなこともあろうかと」買っておいた『ガリバーの宇宙旅行』のDVDが役に立った後、同じく『青の6号』のDVDが役に立つ。
『交響詩篇エウレカセブン』を視聴中。29話「キープ・オン・ムービン」のラストのアクセル・サーストンが、ドミニクにかけるセリフが素晴らしい。青野武さんがすごい。これならドミニクが泣くのも納得。

2019年7月13日(土)
半休モードで、午前中は原稿作業。昼前後はウォーキングに。王子の飛鳥山公園まで行って、さらに歩く。午後はマンションで休んでから、事務所に。夜は早めに就寝。ようやく、自分が『交響詩篇エウレカセブン』についての感想を言語化するためのキーワード(切り口)が見つかったかもしれない。まあ、それはそれとして、この作品の最も幸福な視聴パターン(と思えるの)は、毎週日曜の朝7時の放送を1年かけて観ることだろう。作品のテンポもそうなっている。その意味では「名作劇場的」だ。1年の作品であることの価値は分かってはいるけれど、同じスタッフ、同じ設定、同じプロットで全26話の作品であったら、どんな手触りのものになっていたのだろうか。それを考えずにはいられない。

第621回 宝物と納品2

NHK? 朝ドラ? 「なつぞら」? あ、これ小田部羊一先生がアニメ時代考証で、奥山玲子先生がモデルなんだ!!

 時代に乗り遅れててスミマセン。忙しくて、まだ「なつぞら」観れていませんが、『コップクラフト』の音響現場で話題になったのでネットで検索すると小田部先生のお名前が。若い時の奥山先生がモデルになっているとの情報も。このコラムでも数回触れましたが、小田部・奥山両先生は自分の学生時代の恩師。東京デザイナー学院卒業後もちょくちょく先生に会いに学校に遊びに行っては、お二方と食事をご一緒させていただいたり、展覧会に呼んでくださったり、電話で雑談させてもらったり。奥山先生は電話より手紙派(ご本人談)で、テレコムに入社してからも大塚康生様宛に「板垣くんによろしく」的な手紙が届いて、大塚さんが「奥山さんからこんな手紙がきたよ(笑)」と見せてくれました。奥山先生の銅版画展を観に行った際、作品の搬出をお手伝いさせていただいたことがあるのですが、その数日後に直接自分に届いた直筆のお手紙(ハガキ)が今でも自分の宝物。その内容は「お越しいただいただけでなく搬出まで手伝っていただき〜」とお礼に始まり、学生時代の板垣の印象(?)、そして「思惑どおりいかないことはあるかも知れませんが、大塚さんのもとで頑張ってください」とありました。それはもう宝物!

そう、作品づくりは思惑どおりいかないのが普通! その中でもがき、あがき、言い訳をせず道を切り開くこと自体が作るということなのだ!

と何か勇気をもらった気がします。

で、なかなかその思惑どおりにいかない納品、『コップクラフト』の制作も後半戦真っ只中!

少しずつ語れることから。オープニングの話。「オープニングは大石昌良さんはどうでしょう?」とポニーキャニオンのP。「いいですね!」と割と早いうちに決まったと思います(去年とか?)でラフが上がってきたのは今年4月。この時点でほぼ現状のものになってました。何より初めて聴いた時の印象はイントロ部分の「バキューン!」!!

第162回 愛と再生の祈り 〜ヴァイオレット・エヴァーガーデン〜

 腹巻猫です。このたびの京都アニメーションの事件で被害に遭われた方に心より哀悼の意を表し、お見舞いを申し上げます。あまりに哀しく、痛ましく、無念の思いでいっぱいです。


 7月28日に開催した第58回日本SF大会・彩こん内の企画・空想音楽大作戦2019では、哀悼の意を込めて『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の音楽を1曲紹介させていただいた。
 『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』は2018年1月から4月まで全13話が放映されたTVアニメ作品である。2018年春からはNetflixで世界に配信されている。原作は京都アニメーションが主催する京都アニメーション大賞の大賞受賞作(小説)。アニメーション制作はもちろん京都アニメーションが担当した。生粋の京アニ・ブランドの作品だ。
 舞台は第一次大戦頃のヨーロッパを思わせる架空の国。戦場で活躍する「武器」として育てられた少女ヴァイオレット・エヴァーガーデンが、終戦後に手紙を代筆する代書屋(自動手記人形)として働き始めるところから物語が始まる。重い傷を負った体と空虚な心を抱えたヴァイオレットが、手紙を書くことを通して、人間らしい心を取り戻し、癒されていく。人は辛い出来事と悔恨の想いを乗り越えて生きる意味を見出せるのか。深いテーマを美しい映像と丁寧な描写で綴った作品である。

 音楽はアメリカ出身の作曲家・EVAN CALLが担当している。
 EVAN CALLは1988年生まれ、カリフォルニア州出身。バークリー音楽大学でフィルムスコアリングを学んだあと、日本で作曲家になる道を選んだ。アメリカでは「音楽家が多すぎて、かなりレベルの高い人でも簡単には仕事が得られない状況」だったため、日本のほうがチャンスがあるのではないかと、最初は観光ビザで来日したのだそうだ。運よく、音楽制作チーム・Elements Gardenに所属することができ、アニメ・ゲーム作品の音楽制作に参加する。現在はミラクル・バスに所属。EVAN CALL単独名義で担当した作品には『東京ESP』(2014)、『シュヴァルツェスマーケン』(2016)、『ビッグオーダー』(2016)、『時間の支配者』(2017)、『ハクメイとミコチ Tiny little life in the woods』(2018)などがある。
 ジャズやファンクなど作品によってさまざまなスタイルの音楽を聴かせるEVAN CALL。本作では、生楽器をふんだんに使ったオーケストラ音楽で、ヨーロッパの香りただよう落ち着いた雰囲気を紡ぎ出している。本人によれば、実は「こういう音楽の方が得意」で、ずっとやりたいと思っていたのだそうだ。
 本作の音楽は実にぜいたくに、手間をかけて作られている。最初にPV用の音楽が作られたあと、TVシリーズ用の音楽が3回に分けて録音された。第1回録音のメニューは第1話の映像に合わせたもの。2回目は以降のエピソードのための溜め録りの音楽。3回目は、第10話から最終話に向けた向けたエピソード用の音楽だ。録音は、広いスタジオに50人ものオーケストラがそろい、一斉に音を出して行われた。
 音楽へのこだわりはサウンドトラック・アルバムにも表れている。本作のサントラ盤は2018年3月28日にランティスからCD2枚組で発売された。驚くのはブックレットの厚さで、32ページもある。中には、EVAN CALLと主題歌歌手、音楽プロデューサー、音響監督、監督、演出家らとの対談インタビューをたっぷり掲載。さらにEVAN CALL単独のインタビューまであって、音楽制作の背景やEVANのプロフィールを知ることができる。近年のサントラ盤には珍しい、熱心なファンのニーズに応えた商品だ。また、ブックレットはつかないが、ハイレゾ音源のダウンロード販売も行われている。
 収録曲は下記のランティス商品ページを参照。
https://www.lantis.jp/release-item/LACA-9573.html

 アルバムの構成(選曲・曲順・タイトル決め)は作曲者のEVAN CALL自身が行った。「Automemories」というアルバム・タイトルもEVANがつけたものだ。
 ストーリーに沿った曲順であるが、厳密に本編で使用された順というわけではない。音楽アルバムとしての曲の流れが重視されている。
 ディスク1の1曲目に置かれたのは、PV用に書かれた「Theme of Violet Evergarden」。ピアノとボーカリーズによる導入部にタイプライターのタイプ音が重なる。本作の内容を音で表現する工夫だ。曲は管弦楽の合奏となって盛り上がり、その中にもタイプ音が挿入されてアクセントになっている。この曲で使われたメロディが本作のメインテーマとなり、TVシリーズの音楽にも使われていく。
 前述のように、TVシリーズ用の第1回録音の楽曲は第1話の本編に合わせて作曲・録音された。
 第1話の冒頭、兵士時代のヴァイオレットが上官・ギルベルト少佐にエメラルドのブローチを買ってもらう場面から流れる曲がディスク1のトラック2「A Doll’s Beginning」。曲名の「Doll」とは、作中で代筆を行う女性たちを呼ぶ「自動手記人形」の通称「ドール」にちなんだものだ。音楽は、戦闘で傷つき病院で目覚めたヴァイオレットがギルベルト少佐に報告書を書こうとする場面まで続いて流れる。曲の後半は物語の舞台である大陸の情景と海辺の都市を描写する雄大な音楽になり、PV用の曲と同じく、タイプ音が聴こえてきて終わる。ヴァイオレットの紹介と物語の始まりを伝える、プロローグにふさわしい曲である。
 続いて、第1話でギルベルトの旧友ホッジンズが病院にヴァイオレットを迎えに来る場面に流れたのが、ディスク1のトラック4「Unspoken Words」。淡々としたピアノの音から始まる、やや不安で寂しげな曲だ。「無言の言葉」という意味の曲名には、ヴァイオレットにギルベルトの消息を伝えることができないホッジンズの気持ちが込められている。
 ヴァイオレットがホッジンズの会社、C.H郵便社(クラウディア・ホッジンズ郵便社)に案内されて、ここで働くようにと言われる場面には、ディスク1のトラック7「The Voice in My Heart」が流れる。ニーノ・ロータを思わせるような哀愁を帯びた3拍子の曲で、以降のエピソードでも、ヴァイオレットやドールたちが代筆の仕事をする場面にたびたび流れている。働くドールのテーマとも呼ぶべき、印象的な曲である。
 第1話の終盤、ホッジンズはヴァイオレットの心の傷を気遣い、「いつか、自分がたくさんやけどをしていたことに気づく」と言う。その場面に流れる「Rust」(ディスク1のトラック8)は、ヴァイオレットの抱える心の虚無を第三者の視点から描く音楽である。「Rust(錆)」という曲名が意味深い。第2話で、ヴァイオレットが依頼人の言葉の裏を想像することができず、初めての代筆の仕事に失敗してしまう場面にもこの曲が流れている。
 第1話の続く場面では、ヴァイオレットが先輩ドール・カトレアが綴る手紙の言葉を聞きながら、戦場を回想する。ハープの爪弾きから始まる「Ink to Paper」(ディスク1のトラック10)はそのシーンに流れた、弦とピアノ、管楽器が絡み合うスリリングな曲。何かが起こりそうな緊張感のある曲調が耳に残る。第2話で、カトレアがヴァイオレットの両手が義手であることを知って驚く場面や、第5話で、ヴァイオレットが公開恋文を書くために王宮を訪れる場面などに使われている。
 第1話のラストシーン、ヴァイオレットがホッジンズに「ドールの仕事がしたい」と告げる場面に流れる曲がディスク1のトラック3「One Last Message」。管楽器の合奏から始まる、希望的な曲である。この場面では、ヴァイオレットがギルベルト少佐の最後の言葉「愛してる」の意味を知るためにドールの仕事を選ぶという動機が語られる。いわば、ヴァイオレットの第2の人生の始まりを告げる曲だ。第3話でヴァイオレットがドール育成学校の教師からドールとして認められる場面にもこの曲が流れて、ヴァイオレットの成長を伝えていた。
 フィルムスコアリングを本格的に学んだEVAN CALLにとって、絵に合わせた音楽作りは得意な分野だったはずだ。が、第1話のために作られた曲は一度使われただけで終わらず、その後のエピソードにも使用されて、みごとな効果を上げている。シーンに合わせながらも、曲としてもしっかり自立しているのが、EVANの音楽の特徴だ。

 第2回録音では、第4話の誕生パーティのシーンなどで使われた軽快な「To The Ends of Our World」(ディスク1のトラック12)、ブラスを使った躍動感のある曲「Back in Business」(同トラック13)、ヴィオラ・ダ・ガンバを使ったカントリー風の「A Place to Call Home」(同トラック14)など、さまざまな楽器・スタイルの曲が用意されて、本作の物語世界を彩っている。
 中でも印象に残る曲のひとつが、ディスク2の1曲目に置かれた「Across the Violet Sky」。第7話のクライマックス、ヴァイオレットが劇作家オスカーの言葉に応えて、湖を飛んで渡ろうとする場面に流れた、高揚感のある美しい曲である。ピアノの細かいフレーズから始まり、ゆったりと流れる弦が情感をかき立てる。後半からリズムが加わり、心の解放を表すような爽快な曲調に展開する。第3話でドール育成学校に通うヴァイオレットが同窓のルクレアと友だちになる場面、第4話で、里帰りした同僚アイリスの家族にヴァイオレットが優雅にあいさつする場面などに使われている。
 ハープとバイオリン、ピアノのアンサンブルがしっとりと奏でる「Never Coming Back」(ディスク2のトラック3)も心に残る曲だ。第2話、思い出のブローチを手にしたヴァイオレットを見たホッジンズが、沈痛な思いで「あいつはもう戻ってこない」とつぶやくラストシーンに流れた。曲名もそれに由来する。ほかにも、ヴァイオレットがギルベルト少佐を想う場面や手紙を通して家族の想いが伝えられる場面などにしばしば選曲されている。
 第9話では、ヴァイオレットが過去と対峙し、苦悩する姿が描かれる。そのラストシーン、ヴァイオレットが手紙を受け取るよろこびを知り、生きる意味を見出していく場面には「私たちを結ぶ愛」と名づけられた「The Love That Binds Us」(ディスク2のトラック7)が流れた。ピアノと弦の合奏から始まり、中盤から管楽器が加わって力強く盛り上がる。希望を予感させる、勇気の湧いてくる曲だ。3分55秒と、アルバムの中でももっとも長い、力の入ったナンバーである。
 ほかにも、第2話のラストで雨に濡れたヴァイオレットが同僚のエリカに「『愛してる』を知りたいのです」と言う場面の弦の悲痛な曲「Inconsolable」(ディスク2のトラック6)、第6話、ヴァイオレットが天文台の若き職員リオンと一緒に夜空に輝く彗星を見る場面の「Wherever You Are, Wherever You May Be」(ディスク2のトラック2)、第9話の回想シーンで、ギルベルト少佐がヴァイオレットに「心から愛してる」と告げる場面の弦とピアノによる愛のテーマ「The Ultimate Price」(ディスク2のトラック5)など、本作には、画と音楽とが一体となって記憶される名場面が多い。
 監督の石立太一は「音楽が先に上がっていたシーンは、劇伴ありきで演出を考えていたところもあった気がします」と語っており、本作における音楽の役割が非常に大きかったことがうかがえる。

 第3回録音は第10話以降のエピソードを想定した音楽が収録された。
 病気の母親のためにヴァイオレットが手紙を代筆するエピソード=第10話のために作られたのが、ディスク2のトラック11「Innocence」とトラック12「Always Watching Over You」。前者は母親を気遣う少女アンとヴァイオレットとの出逢いの場面に、後者はヴァイオレットがアンと遊ぶ場面に選曲されている。いずれもボーイソプラノをフィーチャーした、やさしく胸にしみる音楽である。
 同じエピソードの終盤、ヴァイオレットとアンの別れの場面に流れたのがディスク2のトラック18「Letters From Heaven」。ストリングスがたおやかに奏でる慈愛に満ちた曲だ。本編を観てからだと涙なしには聴けない名曲のひとつ。
 そして、本作を観たファンが忘れられない曲が、最終話のラストシーンに流れた「Violet’s Letter」(ディスク2のトラック20)だろう。物語の締めくくりの曲として書かれた曲で、アルバムでもBGMパートの最後に置かれている。
 曲はヴァイオレットが書くギルベルト少佐への手紙の言葉とともに流れ始める。ピアノと弦によるしっとりした導入からゆるやかに盛り上がり、第1話の冒頭に流れた「A Doll’s Beginning」の旋律が再び奏でられて、静かに終わる。ヴァイオレットの人生の次のステージの始まりを祝福する、愛情に満ちた調べだ。

 失ったものは戻らないけれど、それでも希望を捨てず、痛みを抱いて生きていくしかない。今できることをひとつひとつ進め、その先に光があると信じて。『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の音楽は、その道しるべとなるような、愛と再生の祈りを伝える音楽である。

アニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』オリジナルサウンドトラック
VIOLET EVERGARDEN:Automemories
Amazon

ハイレゾ版
(mora)
https://mora.jp/package/43000152/LACA-9573_HI-24_96/
(e-onkyo)
https://www.e-onkyo.com/music/album/laca9573/
(レコチョク)
https://recochoku.jp/album/A2001192534/

アニメ様の『タイトル未定』
214 アニメ様日記 2019年6月30日(日)

2019年6月30日(日)
早朝に新文芸坐に。オールナイト「新文芸坐×アニメスタイル セレクションvol.116 映画館で観る『ヤマノススメ』」の終盤を見届ける。その後はデスクワーク。16時まで作業。明るいうちからワイフと居酒屋で晩ご飯。

2019年7月1日(月)
毎日のようにウォーキングをしているが、ひょっとしたら、ランニングもいけるのではないかと思って、池袋から北区の飛鳥山公園まで走ってみる。その後、ラジオ体操もやった。体調的はよくなったけれど、足に筋肉痛が。録画で昨日テレビ放映された『君の名は。』を視聴する。やっぱり凄い作品だなあ。ちょっと太刀打ちできない。いや、僕が太刀打ちする必要はないんだけど。それから、今回の放送はCM等も凝っていて「お祭り感」があった。その「お祭り感」が成立したのは、作品そのものの明朗さのためでもあるはずだ。
レンタルDVDで『ドラえもん のび太と緑の巨人伝』を視聴。同じ渡辺歩監督の『海獣の子供』と『ドラえもん のび太と緑の巨人伝』が似ているのではないか、について確認する。確かに似ていると言えば似ている。混沌とした内容になった理由は違うはずだが。

2019年7月2日(火)
事務所に入った後、午前4時50分に24時間営業のジムに。この時間でも人がいるなあ。少しだけ運動。昼間は打ち合わせが1本。午後は夏の書籍関連で原稿の回収が一件。昨日のランニングがきっかけの筋肉痛で、移動中の階段で一苦労する。それから、時間がかかった原稿がようやく仕上がる。
Amazonから、大野雄二さんのCD「スペース・キッド」が届いた。SNSで話題になっていたアルバムで、聴いてみたら『新ルパン』に流用されている曲があった。以前、選曲の鈴木清司さんに聞いても分からなかった曲だ。CDで聴いた後で、同アルバムがApple Musicで聴くことができるのが判明。

2019年7月3日(水)
半休モードで、昼休みをとって自宅に戻って休む。大物原稿には手をつけなかったけれど、他の用事が山ほどあって大忙し。 昼休みに「メタモルフォーゼの縁側」を最新の三巻まで読んだ。以前、ネットで話題になったマンガだ。話題になった時にも一部のエピソードを読んだ。75歳の女性・市野井雪がBLマンガに出会うところから始まる物語であり、彼女ともうひとりの主人公である高校生の佐山うららの関係、さらに二人の他の人間関係なども描いていく。つまり、話が広がっている。三巻ラストでは次の大きな展開が見えてきた。お婆さんがBLや現代のマンガに触れて人生を豊かにしていくという、シンプルな内容でもよかったと思うけれど、それは読者の我が儘か。派手さはないけど、テレビドラマか実写映画向きの題材だと思う。映画にしたら、お婆さんが亡くなるところで終わるのだろうか。いや、意地悪なことを書きたいわけではない。お婆さんが死なないまでも、何らかのかたちで死が描かれるような気がした。
この日に読了したわけではないが、別の本の感想も記しておく。タイトルは「『舞姫』の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界が明治に存在したので20万字くらいかけて紹介する本」。凄いタイトルだ。内容以外の部分で僕にとってはしんどいところがあり、途中から飛ばし読みになってしまったが、なるほどと感心するところがいくつも。この本のキモなので、ここで具体的なことは書かないが、確かに戦後のフィクションに対して、振り返られることの少ない「明治娯楽物語」が影響を与えている部分があるのだろう。

2019年7月4日(木)
夏の書籍の先行分の入稿。昼までに短めの取材原稿を1本まとめる。午後はある仕事の打ち合わせ。その打ち合わせは、初めて会う方との顔合わせでもあったのだけど、着替える時間がなかったので、短パン、Tシャツ、ヒゲ面で打ち合わせに。すいません。その打ち合わせには地方在住の編集者さんにも同席してもらう。諸般の事情でウォーキングはお休み。
イベントの予習で『名犬ラッシー』を再視聴する。8話「ラッシーなんか大嫌い」、9話「空から来たおてんばお嬢様」、10話「はじめてのケーキ作り」がぶっちぎりの面白さ。3本ともキレキレだ。10話は狭義の「アニメ」的でもある。

2019年7月5日(金)
編集作業とイベントの予習、オールナイトの予習。最近、朝の公園でラジオ体操をやるようになった。ラジオ体操をやりながら「ここで堺三保さんが現れたら、ラジオ体操をしている写真を撮られるのだろうなあ」と思っていたら、堺さんがやってきて、やっぱり写真を撮られた。僕が体操をしている写真が、Instagramなどにあがっているはずだ。オールナイト関連で「トップをねらえ! Blu-ray Box Complete Edition」で、2チャンネル版のコーチのセリフと5.1チャンネル版のコーチのセリフを聞き比べる。

2019年7月6日(土)
昼に新宿LOFT/PLUS ONEでトークイベント「第159回アニメスタイルイベント 『この世界の片隅に』に至る道(3)」を開催。夜はオールナイト「新文芸坐×アニメスタイル セレクションvol.117 完結30周年記念 OVAの金字塔『トップをねらえ!』」を開催。トークイベントの日時は何ヶ月も前から決まっていて、後からオールナイトの開催日を『トップをねらえ!』最終巻の発売日とノリコとおねえさまが地球に戻った日に合わせようと思いつき、同日開催にした。
話は前後するが、朝のことから記す。午前中はトークイベントの予習で、片渕さんが演出を担当したテレビアニメを何本か観る。『ちびまる子ちゃん』2期48話「『青春って何だろう』の巻」が猛烈に面白かった。トークイベントは片渕さんが作ってきてくれた作品年表が非常に充実。『名犬ラッシー』についてしっかりと話を聞けたのもよかった。トークイベント終了後に、歌舞伎町の「『シン・エヴァンゲリオン劇場版』0706作戦」の会場を見てから池袋に戻った。オールナイトが始まる前に、ネットで『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の冒頭10分40秒を観る。オールナイトのゲストは日高のり子さんと佐久間レイさんで、トークは非常に楽しいものだった。佐久間さんが語る、5.1チャンネル版の若本規夫さんの芝居についてのコメントは、僕も同じことを思っていた。佐久間さんの「次元波動超弦励起縮退半径跳躍重力波超光速航法」を生で聞けたのも嬉しかった。

アニメ様の『タイトル未定』
213 アニメ様日記 2019年6月23日(日)

2019年6月23日(日)
暗いうちからたっぷり散歩。谷端川緑道を池袋から見て右側を歩いて、下板橋まで行って戻る。これで谷端川緑道を全部歩いたことになる。その後はデスクワーク。日曜にしては画期的に作業が進んだ。16時に作業が一段落。一段落したところで「大蜘蛛ちゃんフラッシュ・バック」4巻を読んだ。今回も面白かった。1巻を読んだ時には、基本設定の部分で「ヘンタイだ」と思ったけれど、今となってはまるで気にならない。その基本設定は、大人で子持ちのヒロインを魅力的に見せるための装置になっている。オマケページの「ある日のお母さんのカラオケ曲リスト」は、ほとんどの曲が、お母さんの年齢設定とあっていないはず。というか、これはオジサンがこのキャラクターに歌ってほしい曲リストだな。もしも、アニメになったら、お母さんの声優さんに全曲歌ってもらってCDにしてほしい。息子(主人公)のコメントを合間に入れてほしい。あ、アニメにしないでCDドラマでもいいや。かるーい感じのやつで。何を書いているんだ、僕は。

2019年6月24日(月)
昼間はデスクワーク。夕方から新宿で馬越嘉彦さんの取材で、取材の前にBAHI JDさんの個展「MOMENT」に立ち寄る。イラストあり、パラパラマンガあり、フェナキストスコープ(おどろき盤)もあり。意欲的な企画だ。取材の後は食事。
ここ数日で『盾の勇者の成り上がり』を一気見した。23話「カルミラ島」まで配信で観て、最新24話「異世界の守護者」は録画で観た。話が面白い。デスクワークをしながら「モヤモヤさまぁ~ず2」の録画を再生する。代打の大橋未歩アナをTOKYO MXに送り届けた後、さまぁ~ずが喫茶店でTOKYO MXの「5時に夢中!」の放送を観るパートが自由すぎる。と思ったら、その後、「5時に夢中!」の生放送を、出演者の背後からさまぁ~ずが見るという展開が。気になって検索したら、当時、そのことがネットでニュースになっていた。ワイフが「5時に夢中!」が好きで、自宅のレコーダーでずっと録画しているはずなので、録画が残っているかどうか確認してみよう。

2019年6月25日(火)
夕方まで夏の3書籍の編集作業。それから取材の予習。『天空のエスカフローネ』最終回を観た。すっごくいいアニメだ。当時は、この作品のシリーズ全般について、少し物足りないと思ったはずだ。なんて贅沢だったんだろう。『カウボーイビバップ』も何本か観返す。「センスがいい」のも「スタイリッシュ」なのも間違いないが、それよりも「作り手の意欲」が素晴らしい。過去に自分がやったインタビューを読み直す。夕方から、中村豊さんのインタビュー。

2019年6月26日(水)
事務所のテーブルに32インチのモニターを置いて、ノートパソコンに繫いで、皆でテキストを見ながら打ち合わせをする。どうして今までこんな簡単で便利なことをやっていなかったのだろう。32インチのモニターは、注文した時に「こんなに安いの?」と思ったけれど、使ってみたら「こんなに安いのに、こんなに性能がいいの?」と思った。
「なつぞら」の最新話数で、なつと坂場一久のフラグが立つ。なつのモデルが奥山玲子さんで、坂場一久のモデルが高畑勲さんだと思うと、ハラハラしてしまう。高畑さんと小田部羊一さんは東映動画の同期であるはず。今、登場していないということは「なつぞら」の世界に小田部さんをモデルにした人物はいないのだろう。
Amazonのプライムビデオの「シネマコレクション by KADOKAWA」と「+松竹」に入ってみた。KADOKAWAの方は古谷一行の「横溝正史シリーズ」があった。それから「おくさまは18歳」。いや、他にも映画が沢山あるんたけど、まず目についたのがそれだった。「+松竹」は小津安二郎監督作品がある。早速、「横溝正史シリーズ」をながら観する。今観ると、自分が金田一耕助の何が好きだったのかがちょっと分かる気がする。好きだった理由はいくつかあって、そのひとつが、彼のモラトリアム感なのだろう。

2019年6月27日(木)
デスクワーク。昼にマンションに戻って休む。引き続き、夏の3書籍が同時進行中。

2019年6月28日(金)
15時までデスクワーク。編集スタッフが構成したラフを、デザイナーさんに渡せるかたちにするために整理する作業がメイン。それから、打ち合わせテーブルの上に置いた32インチモニターにPDFを映して、今やっている書籍の内容を、編集スタッフの皆で見た。「ここの順番を入れ替えます」「これ、トリミングがおかしくないっスか」といったやりとりがあって、編集部っぽい。今まで打ち合わせスペースにモニターがなかったので、こういうかたちでできなかった。
その後、ワイフと渋谷の「幻夢戦記レダ展」に。非常にこぢんまりとした展示ではあったが、2019年に『幻夢戦記レダ』のグッズが作られ、展示があったということだけでも夢のようだ。早めの晩飯で焼き鳥屋に入ったら、やたらとメニューがシンプルだけど、無闇に美味しい店だった。後でネットで調べたら、歴史のある名店だった。事務所に戻って、またデスクワーク。

2019年6月29日(土)
オールナイトの予習で『ヤマノススメ』を第1期から観直す。夜はオールナイト「新文芸坐×アニメスタイル セレクションvol.116 映画館で観る『ヤマノススメ』」を開催。