第153回 本物か? 偽物か?〜ギャラリーフェイク〜

 腹巻猫です。サントラDJイベント・Soudtrack Pub【Mission#38】2018年劇伴大賞&メモリアルの開催が、いよいよ今週末となりました。3月23日(土)15時〜20時、蒲田studio80にて。昨年発売されたサウンドトラックと、昨年以降に亡くなった映像音楽ゆかりの音楽家を振り返ります。思い出の曲、お気に入りの曲をお持ちください。大好きだった藤田淑子さんの追悼コーナーを設けようと思っています。お時間ありましたら、ぜひおいでください。
http://www.soundtrackpub.com/event/2019/03/20190323.html


 魔夜峰央のマンガを原作にした実写劇場作品「翔んで埼玉」が快進撃を続けている。「テルマエ・ロマエ」の武内英樹監督だけに、奇天烈なことを大真面目にやる面白さが炸裂。劇場を出るとき、つい「埼玉ポーズ」をとってしまいそうになる(埼玉県民じゃないのに)。
 この「翔んで埼玉」の音楽を手がけているのが2人組の音楽プロデューサー・ユニット、Face 2 fAKE。筆者はサウンドトラック・アルバムの解説書のインタビューを担当させていただいた。2人で楽しみながら作ったというケレン味たっぷりの音楽が、埼玉の「伝説」に説得力を持たせている。
 Face 2 fAKEはAchilles DamigosとOh!Beの2人で結成されたユニット。Achillesはギリシャ人の父と日本人の母の間に生まれ、10歳までギリシャで育った。Oh!Beはシャンソン歌手の母と讃美歌作家の父の間に生まれた日本人。2人はそれぞれソロで音楽プロデューサー、作・編曲家として活動していたが、Oh!Beがオーストラリアに住んでいたときに出会って意気投合。ユニットを組んで活動するようになった。「Face 2 fAKE」というユニークなユニット名は「Face to Face」をもじってつけられた。2人のマルチな音楽性を合わせるとフェイクっぽい音楽も作れるという意味が込められているそうだ。EXILE、Kinki Kids、SMAP、BoA、島谷ひとみ、郷ひろみら多彩なアーティストとコラボレーションしているポップス界のヒットメーカーである。
 Face 2 fAKEが映像音楽を手がけるようになったのは武内英樹監督との出会いがきっかけだった。たまたまとあるバーで知り合ったことから、フジテレビのTVドラマ「できちゃった結婚」(2001)の音楽の一部を依頼されて手がけることになる。以降、「ウエディングプランナー SWEETデリバリー」(2002)、「電車男」(2005)、「小早川伸木の恋」(2006)、「ホームレス中学生」(2008)、「全開ガール」(2011)といったTVドラマで武内監督と組んでいる。筆者がFace 2 fAKEの名前を覚えたのも、「電車男」だった。
 だから、「翔んで埼玉」の音楽をFace 2 fAKEが担当したのは、いわば必然。武内監督と長年組んできた2人だからこそのアイデアやセンスが「翔んで埼玉」の音楽に盛り込まれている。
 R&B、ポップス、ジャズ、ロック、ダンスミュージック、クラシックと駆使する音楽スタイルは多彩。「音楽ユニット」でなく「音楽プロデューサー・ユニット」と名乗っているところからも、作・編曲にとどまらない戦略的な音楽づくりをしていることがうかがえる。単に音楽を提供するだけでなく、アーティストをどう見せるのか、映像とどう絡んでいくのか、そんな演出的視点、もしくはメタ音楽的視点で音楽づくりをしているのがFace 2 fAKEなのである。
 そのFace 2 fAKEが音楽を担当したTVアニメが、2005年に放映された『ギャラリーフェイク』だ。

 『ギャラリーフェイク』は細野不二彦のマンガを原作にしたTVアニメ作品。2005年1月から同年9月まで全37話が放送された。アニメーション制作はトムス・エンタテインメントと東京キッズが担当している。
 贋作専門の画廊ギャラリーフェイクのオーナー藤田玲司を主人公に、美術品の売買や鑑定・修復などにまつわる人間ドラマを描く作品。石坂浩二がナレーションを担当しているのがニヤリとさせられる。
 『ギャラリーフェイク』の音楽にFace 2 fAKE。「フェイク」の符合は意図したものだろう。偶然かもしれないが、そう思ったほうが面白い。
 本作でFace 2 fAKEが採用した音楽スタイルはジャズとクラシック。現代的なデジタルサウンドは控えめに、ビッグバンドジャズの曲や70年代クロスオーバー風の曲、しっとりしたピアノ曲、弦主体のクラシカルな曲などが全編を彩っている。美術品と贋作をテーマにしたミステリータッチの作品にぴったりの音楽である。
 サウンドトラック・アルバムは放映終了間際の2005年9月にアニプレックスから発売された。収録曲は以下のとおり。

  1. Theme of Gallery Fake
  2. ラグタイム(歌:勝手にしやがれ)
  3. Bad person
  4. Victoria’s Secret
  5. Cat walk
  6. Magi! Magi!
  7. 思い過ごしの効能(歌:サンタラ)
  8. Mystery Clock
  9. Theme of Sara
  10. Tanz like a Gun
  11. だから、私は歌う(歌:ナチュラル・ハイ)
  12. pray
  13. December rain
  14. the past
  15. the past (piano ver.)
  16. ビューティフルライフ!(歌:OUTLAW)
  17. Theme of Fujita
  18. Chain Reaction
  19. Memories
  20. Autumn leaf
  21. Anything For You(歌:PUSHIM)

 番組で使用された2曲のオープニング主題歌と3曲のエンディング主題歌がすべて収録されている。ファンにはうれしい1枚だ。
 構成はBGMの間にボーカル曲を挿入するスタイル。BGMが3〜4曲続いたあとにボーカル曲が現れて空気が変わる。メリハリの効いた、うまい構成である。
 お気に入りのトラックをいくつか紹介しよう。
 トラック1の「Theme of Gallery Fake」はビッグバンドジャズのスタイルで書かれたテーマ曲。ミュージカルのオープニングのような、ゴージャスな幕開けの曲だ。ここは、華やかなオークションの開幕という雰囲気だろうか。
 トラック3「Bad person」は、海外の刑事ドラマやスパイドラマの音楽を思わせる、緊迫感と高揚感のあるアップテンポのジャズ。本作のミステリーものとしての一面を象徴する曲である。フェイク(贋作)を使ったたくらみが成功するのか? そんなサスペンスに富んだシーンが浮かぶ。この曲は次回予告にも使われていた。
 トラック9の「Theme of Sara」は、藤田のアシスタントを務める少女・サラのテーマ。エキゾティックなメロディラインを持つジャズが、アラブの王族の娘・サラによく似合う。劇中でサラの登場シーンにたびたび流れていた。
 この曲を沈んだトーンにアレンジした曲「Memories」も悲しみや孤独を表現する曲としてよく使われている。
 藤田が絵画の修復に挑む場面などに使われていたのがトラック10「Tanz like a GUN」。爽快感のあるフュージョン風の曲である。「Tanz」とはドイツ語でダンスのこと。軽快なギターのバッキングの上で自在に歌うサックスやフルートのソロが気持ちいい。
 「祈り」と題されたトラック12「pray」は、ピアノ・ソロから始まるリリカルな曲。後半から弦が加わり、情感豊かに展開していく。サラにスポットを当てたエピソード「レディー・サラ(後編)」(第24話)のラストで、すれ違っていたサラと藤田の心がようやく通いあう感動的な場面に使用されていた。
 トラック13「December rain」は全編を通して耳に残る悲哀曲。ハープのイントロに導かれ、弦楽器が切なくもロマンティックなメロディをたっぷりと奏でる。後半に現れる哀感に満ちたヴァイオリン・ソロが胸を打つ。第2話「傷ついた『ひまわり』」でサラの悲しい過去が明かされる場面に流れていた。
 主人公・藤田のテーマであるトラック17「Theme of Fujita」は本アルバムの聴きどころのひとつ。ファンキーなイントロから始まり、ブラスとフルートがスリリングなかけあいを聴かせる。70年代クロスオーバー風のカッコいい曲だ。第1話「贋作画廊の男」で藤田がオークションで勝利する場面など、手に汗握るクライマックスに使用されることが多かった。1曲目の「Theme of Gallery Fake」よりもこちらのほうが本作のメインテーマという印象である。
 BGMパートのラストは、小さなバーの中だけでドラマが展開する第25話「雨やどり」やメトロポリタン美術館を舞台にした最終話「メトロポリタンの一夜」でくり返し流れたピアノと弦合奏の曲「Autumn Leaf」。繊細で、ちょっとメランコリックで美しい。美術館や画廊で静かに絵を眺めている気分にぴったりの曲だ。派手でケレン味たっぷりの1曲目「Theme of Gallery Fak」と対をなすような、穏やかな終幕の曲である。

 『ギャラリーフェイク』の音楽は、ちょっと古いスタイルの人間臭い音楽である。ジャズを貴重にした曲調は60〜70年代の映画音楽を思わせる。アクションよりもドラマをじっくり見せる本作には、こういうスタイルがはまっている。良質の映画音楽アルバムを聴くような充実した1枚だ。
 しかし、気になることがある。
 ところどころにミュージカルやジャズの名曲、ミシェル・ルグランやニーノ・ロータ、ヘンリー・マンシーニといった海外の映画音楽作曲家の名曲を思わせるフレーズやリズムが顔を出すのだ。これはオマージュなのか、お遊びなのか。それとも、巧妙にしくまれたフェイクなのか……?
 いや、そんなことを考えること自体、すでにFace 2 fAKEの術中にはまっているのだろう。

ギャラリーフェイク オリジナル・サウンドトラック
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「翔んで埼玉」オリジナルサウンドトラック
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アニメ様の『タイトル未定』
196 アニメ様日記 2019年2月24日(日)

2019年2月24日(日)
早朝に新文芸坐に。オールナイト「新文芸坐×アニメスタイル セレクションvol. 112 SPECIAL PROGRAM 幻魔・妖獣・迷宮・AKIRA!!」の終盤に立ち合う。前回の日記で書き忘れていたけれど、今回のオールナイトで久しぶりに、りんたろう監督にお目にかかった。相変わらず、りん監督はダンディだ。

2019年2月25日(月)
「アニメスタイル014」発売日。難産ではあったけれど、内容の詰まった号になったと思う。皆さま、よろしくお願いします。

2019年2月26日(火)
「劇場版『若おかみは小学生!』絵コンテ 高坂希太郎」発売日。最初に『若おかみは小学生!』の絵コンテを見たのは、有楽町マルイで開催された「劇場版『若おかみは小学生!』公開記念原画展」だった。展示されていたのが1色のコピーだったので、僕はこの作品の絵コンテは1色だと思い込んでいた。だから、絵コンテ本の企画はオール1色で出したし、絵コンテ本としては大型のB5判にしようかとも思っていた。ところが、絵コンテの現物をお借りしたら、驚いたことに色がついていた。何色もの色鉛筆を使って描かれたページもある。ここでフルカラーで出版しないと、この絵コンテがオリジナルのかたちで世に出ることがないかもしれない。そう考えて、フルカラーの本にすることにした。当然、フルカラーは1色よりも印刷費がかかる。サイズや本の構成を考えていくつか印刷の見積もりをとった(横長の本にして、1ページにコンテを2枚ずつ掲載する構成の見積もりもとった)のだけれど、最終的にスタンダードなA5判に落ち着いた。本編未使用シーン、カットの絵コンテも収録した。皆さま、よろしくお願いします。
夜は「アニメスタイル015」の最初の取材。この8年くらい気になっていた謎が解けた(後日追記。この段階だと「アニメスタイル015」で進めていた書名が「アニメスタイル インタビューズ01」に変更することになった)。

2019年2月27日(水)
午前中はこれから出す書籍の企画で、ある制作会社の方と打ち合わせ。夜はテレビ局系のプロデューサーと食事しつつ打ち合わせ。何故か『機動戦士Vガンダム』の過激さについて熱く語る。

2019年2月28日(木)
午前中は事務所。昼から、三鷹の森ジブリ美術館の企画展示「映画を塗る仕事」展に。多数のセルが解説付きで展示されていた。アニメの技術や表現に興味がある方は必見の展示だ。僕も勉強になった。マシントレスの線が極めて細く、綺麗なセルが何点かあり、これは凄いなあと思った。高畑勲監督、宮崎駿監督がアニメーション制作の参考にしたというロシアの絵本の挿絵のコピーも展示されており、興味深かった。夜は映像制作会社のプロデューサーと食事しつつ打ち合わせ。

2019年3月1日(金)
新宿ピカデリーで『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第七章 新星篇』を観る。ラストについては「気持ちは分かる」だ。たとえば、僕が「『さらば宇宙戦艦ヤマト ―愛の戦士たち―』のリメイクを考えてみて」と言われたら、ああいったラスト(この日記がアップされる頃にも未見の方がいると思うので詳しくは書かない)を考えるかもしれない。だから、「これはよくない」とは言えない。一言だけ言うなら「気持ちは分かる」なのだ。僕の隣で観ていた初老の男女(おそらくはご夫婦)は上映が終わったところで拍手をしていた。お二人はラストを含めて『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』に納得し、感動したのだろう。そんな観客がいることも分かる。
僕としてはシリーズ全体について「ここはいいなあ」と思うところもあったし、首をひねるところもあった。前にも書いたかもしれないが、昔からのファンにとっては「ここはいい」「ここは納得できない」と言い合うのが楽しい作品なのだと思う。『宇宙戦艦ヤマト2199』と『2202』に対する僕の想いは複雑だ。いずれまとめてどこかで話したい。

2019年3月2日(土)
TOHOシネマズ新宿で『スパイダーマン:スパイダーバース』を3D IMAXで観た。確かによく出来ているし、映像のスタイルも魅力的。ただ、作っている人達にはすでに「次のステージ」が見えているのではないかなあと思った。

新文芸坐×アニメスタイル セレクションvol. 113
2018年傑作アニメ! リズ・ペンギン・若おかみ

 2019年4月13日(土)に、オールナイト「新文芸坐×アニメスタイル セレクションvol. 113 2018年傑作アニメ! リズ・ペンギン・若おかみ」を開催する。
 上映作品は、山田尚子監督を筆頭に『聲の形』の主要スタッフが集結し、2人の少女の関係を繊細に描いた『リズと青い鳥』。石田祐康監督とキャラクターデザイン・新井陽次郎のコンビによる初の長編であり、初々しくも洗練された仕上がりとなった『ペンギン・ハイウェイ』。人気児童文学シリーズを原作にベテラン・高坂希太郎監督が腕を振るい、多くの観客の涙を絞った『劇場版 若おかみは小学生!』。2018年に公開されたアニメ映画の中から、傑作中の傑作3作品を選んだプログラムだ。

 トークのゲストは、『劇場版 若おかみは小学生!』の高坂希太郎監督、『ペンギン・ハイウェイ』の石田祐康監督を予定。前売券は3月16日(土)から新文芸坐窓口とチケットぴあで発売となる。

新文芸坐×アニメスタイル セレクションvol. 113
2018年傑作アニメ! リズ・ペンギン・若おかみ

開催日

2019年4月13日(土)

開場

22時15分/開演:22時30分 終了:翌朝5時30分(予定)

会場

新文芸坐

料金

当日・一般2600円、前売・友の会2400円

トーク出演

高坂希太郎、石田祐康、小黒祐一郎(司会)

上映タイトル

リズと青い鳥(2018/90分/DCP)監督:山田尚子
ペンギン・ハイウェイ(2018/118分/DCP)監督:石田祐康
劇場版 若おかみは小学生!(2018/94分/DCP)監督:高坂希太郎

備考

※オールナイト上映につき18歳未満の方は入場不可
※トークショーの撮影・録音は禁止

●関連サイト
新文芸坐オフィシャルサイト
http://www.shin-bungeiza.com/

第603回 お疲れさまでした!

 時系列的(?)に、昨日の興奮が冷めないうちに筆をとります(現在3月9日早朝)。一言で言って

「Wake Up, Girls! FINAL LIVE〜想い出のパレード〜」感動でした!

エイベックス様、とてもいい席ありがとうございました。『てーきゅう』絡みで花澤香菜さんの武道館ライブにお呼ばれした時買ったオペラグラスを持参し、自前の望遠アングルも織り込んで楽しませていただきました。

ライブはもう、最高でした!!! WUGさんたちはいつにも増して可愛く美しく、そしてカッコよく! 自分がコンテ切る時に幾度となく聴いた名曲に次ぐ名曲の数々が、彼女たちの生歌・ダンスでリアルタイムで再現される、本当に贅沢な空間に包まれた3時間半(以上)! けしてオーバーな表現ではなく、まるで夢のよう。WUGさんたちも、熱狂するファンたちも、すべてが輝いていました!!


一段上の列の松田恵里子さん(脚本)も、隣の席の神前暁先生始め、田中秀和さん、広川恵一さんら(MONACA)音楽チーム、そして自分と同じ誕生日の監督も皆同じ気持ちだったと思います。WUGさんたち7人、完璧に凄い! そんな彼女たちと仕事をご一緒できたなんて幸せなことでした。公演中後ろの席のテレビ東京の菅沢正浩プロデューサー(アニメ内では仙台ローカルTV局のPのモデルの方)から握手を求められ、

と感慨深げに仰られました。お手伝いコンテから始まって、最終的に『新章』を監督しただけの板垣と違い、最初っから『WUG!』アニメのアフレコに(毎回美味しい差し入れ付きで)立ち会われていた菅沢さんにとって、思い入れはハンパなかったんでしょう。

で、終盤。WUGさんたちからの「手紙」では感涙(まわり皆)!


 そして今回のFINALの公演が終わった時にお渡しするプレゼント用に

我々アニメ制作スタッフよりWUGさんたちへ寄せ書き色紙を7枚、ご用意させていただきました!


と制作さんに寄せ書きを集めてきてもらったのです。撮影やCG班などは外の人たちなので。もちろん最終段階で社内スタッフも総出。内容的には

7人それぞれの似顔絵とアニメWUG!キャラの共演、且つ7枚合わせると大きな1枚の絵になる仕掛け。いつか再び7人集まりますように、との願いを込めました!

が、この7枚の色紙、エイベックスのPより「こういうのは(ネットなどに)上げない方が美しいかと!」とのご意見があり、「ああ、なるほど。そうかもな」ということで、今回は一般公開はしないことになりました。あしからず。あと、今回の公演後の関係者挨拶はなしと決まっていたので、色紙はP経由でWUGさんたちの手に渡ったのでした。

 (ここからは3月13日筆)さらに今週『COP CRAFT』のアフレコ時、吉岡茉祐さんとの会話。

アニメ様の『タイトル未定』
195 アニメ様日記 2019年2月17日(日)

2019年2月17日(日)
キッズステーションで放映された『幽★遊★白書』の新作「TWO SHOTS」「のるか そるか」を視聴。2本あわせて30分ほどの小品で、オープニングはなし。キャストとスタッフはエンディングでまとめてクレジットされる。キャラクターデザインは北山真理さんと渡邊敬介さんが連名で、総作画監督は丸藤広貴さん。監督と絵コンテは阿部記之さん。音響監督は森田洋介さん。作品として派手さはないが、外してはいない。ちゃんと『幽★遊★白書』になっている。飛影が邪王炎殺黒龍波を使う時に、BL影が入ってケレンのある画になっている(エフェクトもあの感じになっているカットもあり)ところも「わかっている」感じ。「のるか そるか」のサブタイトルの出方はTVシリーズと同様で、「TWO SHOTS」は違ったパターン。「のるか そるか」はTVシリーズの各話に連なるエピソードという意味か。エンディングで「ジョルジュ早乙女/西村知道」とクレジットされているけど、ジョルジュ早乙女のセリフはコエンマの脇で「あ⋯⋯ああ⋯⋯」と小声で言っているあれだけ? レギュラーを勢揃いさせるために呼んだのだろうか。

2019年2月18日(月)
昼に資料の雑誌をKindleで次々に購入し、次々に目を通す。後で確認したら、大した金額ではなかった。よかったよかった。『プリキュア』シリーズの『ハートキャッチプリキュア!』『ハピネスチャージプリキュア』以外の作品で、ショッカーの戦闘員のような戦闘員が出てくるシリーズがあったかどうかを事務所スタッフに確認してもらう。なんと、最新作の『スター☆トゥインクルプリキュア』に出ていたことが判明。確認してもらってよかった。

2019年2月19日(火)
「この人に話を聞きたい」原稿の仕上げ。久しぶりにタイマーをかけて作業をする。45分でセットして、タイマーが動いている間は原稿以外のことはしない。メールの返信も後回し。それを繰り返す。原稿のための確認で、またまた『ハートキャッチプリキュア!』と 『ONE PIECE FILM Z』を視聴する。夜はワイフと飲み放題30分299円の居酒屋に。ファミレスのドリンクバー感覚で、様々なお酒が飲み放題。ワイフの言葉を借りると「色んな意味でダメになりそう」。

2019年2月20日(水)
「アニメスタイル014」の見本が編集部に届く。2月25日発売です。よろしくお願いします。夜は平松禎史さんとイベントの打ち合わせ。アニメスタイルのイベントで、事前に打ち合わせをするのは珍しいことだ。

2019年2月21日(木)
池袋HUMAXシネマズで『劇場版 Fate/stay night [Heaven's Feel] Ⅱ.lost butterfly』を観る。1本目同様に盛り沢山で、物語のボリュームが凄いのだが、流れが分かってきたこともあって、今回のほうが物語が追いやすかった。生々しいところもあって、それが新鮮だった。午後は馬越嘉彦さんと打ち合わせ。

2019年2月22日(金)
まなびwithのCMのナレーションが増山江威子さんだった。ちょっと嬉しい。取材の予習で『名探偵コナン』TVアニメの初期話数を視聴。画が違うのは分かっていたこととして、新一と蘭の関係性が今とまるで違う。2話で蘭は新一のことを「気になる」「大好き」と言っている。それがこの前のスペシャルで「わたし達 付き合ってるって 事で、いいん だよね?」にまでたどりついた。20数年かけてここまで関係が進んだのだなあ。
ササユリカフェの「ペンギン・ハイウェイ展」に行く。今回の展示も貴重な資料が沢山あった。キャラクターデザインの初期稿もよかった。ポーズ集が決定稿になるまでの過程は、石田祐康監督と新井陽次郎さんのやりとりがうかがえて興味深かった。ポスター案はおそらくは画描きではない、宣伝サイドの方の案も入っていて、それもよかった。

2019年2月23日(土)
昼間は床屋などのプライベートな用事が多くて、取材の予習は進まず。夜はオールナイト「新文芸坐×アニメスタイルVol.112 SPECIAL PROGRAM 幻魔・妖獣・迷宮・AKIRA!!」を開催。トークのゲストはりんたろう監督と丸山正雄プロデューサー。今回は『妖獣都市』のBlu-ray発売がきっかけのプログラムなので、上映の最初は『妖獣都市』。他は公開順に並べた。『妖獣都市』と『幻魔大戦』に関しては9割くらいのお客さんが初見で、それだけでもプログラムを組んだかいがあるというもの。

第602回 賀東さんに村田さん、津田さん、吉岡さん

『COP CRAFT』メインキャスト・スタッフが発表されたらしいです!(板垣も発表前日に急に知った)原作・シリーズ構成は賀東招二先生!

 賀東先生より第一声で「先生はやめてください」とのことでしたので、以降は賀東さんで! 賀東さんと言えば、ゴンゾ時代、某プロデューサーより『フルメタル・パニック!』の演出を振られたのですが、当時スケジュールが合わず(多分、他社でコンテ・演出と原画で忙しい時期だったからだと)、監督と顔合わせまでして結局お断りしてしまったことを思い出します。ゴメンナサイ。原作イラスト・キャラ原案の村田蓮爾さんとは同じくゴンゾ時代、ちょくちょくお話したことがありました(2002〜2003年頃?)。その後、自分が『BLACK CAT』をやる前、実は別タイトルが候補に挙がってて、その企画のキャラ原案が村田さんの予定だったのです。こちらは結局流れて、自分は『BLACK CAT』をやることに。もちろんその時は村田さんとは会わずじまい。そして今回、15~16年ぶりの再会で、当時のゴンゾ話で盛り上がりました。
 ホン読み(脚本打ち)時、賀東さん村田さんとは、とても役に立つアドバイスから下らないエロ話までいろいろ繰り広げて、毎週毎週勉強になって本当に楽しかったです! で、現時点で残すは最終話のみ。ちなみにコンテは先週言ったとおり、自分が描いた端からカッティング(編集)。それが毎週。とにかく頑張ります!
 キャストはマトバ役が津田健次郎さん。ティラナ役に吉岡茉祐さん。この間、第1話のアフレコでしたが最高でした! 津田さんは賀東さんの一推しで、大人の男っぽさがマトバにピッタリ! 吉岡さんは『Wake Up, Girls! 新章』から結果的に引き続きっぽくなった感じですが、特に『WUG! 新章』とは関係なく、正規にオーディションで決まったんです。で、自分が聴いて「あ、ティラナだ!」と感じたから推しました。自分が「WUG! びいきだ」と言われるのを覚悟で

俺、ティラナは吉岡さんがいいと思うんですけど!

と進言したところ、賀東さんにも村田さんにもプロデューサーさんらにも即賛同が得られて決定となりました! 自分的には、ただの可愛いヒロインではなく、常に自分を律し、凛としつつもどこか健気なところを、吉岡さんのティラナから感じたんです。でも、今並べてみると、やっぱりまゆしぃと近いのかも?

第156回アニメスタイルイベント
『若おかみは小学生!』絵コンテ コメンタリー

 4月7日(日)に「劇場版『若おかみは小学生!』絵コンテ 高坂希太郎(以下、絵コンテ本と表記する)」刊行を記念したトークイベントを開催する。タイトルは「『若おかみは小学生!』絵コンテ コメンタリー」だ。タイトル通り、高坂希太郎監督に絵コンテ本の内容にそって、作劇や演出についてのコメントをいただくという企画である。聞き手はアニメスタイルの編集長である小黒祐一郎が務める。
 トークはイベント来場者が、絵コンテ本を持っているという前提で進める。是非とも絵コンテ本を持って来場するか、イベント会場で絵コンテ本を購入していただきたい。また、今回のイベントのトーク部分は、通常のアニメスタイルイベントよりもやや短く、おおよそ2時間を予定。

 トーク終了後に同会場で高坂監督のサイン会を行う。会場で販売した絵コンテ本に、サインを入れてもらうかたちだ。イベント会場で販売する絵コンテは50冊を予定している。

 今までのイベントと同様に、トークの一部を「アニメスタイルチャンネル」で配信する。前売り券は3月9日(土)から発売開始。詳しくは、以下のリンクのLOFT/PLUS ONEのページを見てもらいたい。

■関連リンク
アニメスタイルチャンネル
https://ch.nicovideo.jp/animestyle

LOFT/PLUS ONE
https://www.loft-prj.co.jp/schedule/plusone/113464

【アニメスタイルの新刊】劇場版『若おかみは小学生!』絵コンテブックをフルカラーで刊行! 未使用シーンも収録!!
http://animestyle.jp/news/2019/02/18/15109/

第156回アニメスタイルイベント
『若おかみは小学生!』絵コンテ コメンタリー

開催日

2019年4月7日(日)
開場12時00分 開演13時00分 

会場

LOFT/PLUS ONE

出演

高坂希太郎、小黒祐一郎(司会)

チケット

前売1500円 当日1800円(共に飲食別・要1オーダー)

■アニメスタイルのトークイベントについて

 会場となるLOFT/PLUS ONEはトークライブができる居酒屋。入場料(今回は前売1500円、当日1800円)とは別に飲食(最低でもドリンク1杯)をお願いしている。ソフトドリンクもあるので、未成年の方でも大丈夫。 アニメスタイル編集部が開催する一連のトークイベントは、イベンターによるショーアップされたものとは異なり、クリエイターのお話、あるいはファントークをメインとする、非常にシンプルなものだ。出演者のほとんどは人前で喋ることに慣れていないし、進行や構成についても至らないところがあるかもしれない。その点は、あらかじめお断りしておく。

第152回 サントラ一本勝負 〜YAWARA!〜

 腹巻猫です。3月23日(土)にサントラDJイベント・Soundtrack Pub【Mission#38】を蒲田・Studio80にて開催します。特集は「2018年劇伴大賞」。大賞といっても得票数でベストを決めるなんて野暮なことはせず、サントラファンの琴線に触れた曲を流しながら、2018年の映像音楽(サントラ)シーンをふり返ります。推薦したい曲、思い出の曲があればお持ちください。リクエストもどうぞ。詳細は下記を参照ください。
http://www.soundtrackpub.com/event/2019/03/20190323.html


 今回は1989年にスタートしたTVアニメ『YAWARA! a fashionable judo girl!』を取り上げる。
 原作は浦沢直樹が1986年から1993年まで「ビッグコミックスピリッツ」に連載したマンガ作品。祖父から柔道の英才教育を受けた女子高生・猪熊柔が柔道界にデビューして勝ち進み、バルセロナオリンピックをめざす物語だ。
 TVアニメは1989年10月から1992年9月まで全124話が放送された。ほかに劇場版が1992年に公開、TVシリーズ終了後の1996年にTVアニメスペシャルが放映されている。めっぽう強いのに愛らしい主人公・柔に人気が集まった。「柔ちゃん」のニックネームを生んだヒット作である。アニメ版に先立って公開された浅香唯主演の実写劇場版(1989年4月公開)を記憶している人も多いだろう。
 TVアニメ『YAWARA!』の音楽を手がけたのはピカソの森英治。ピカソはTVアニメ『めぞん一刻』の主題歌「シ・ネ・マ」などで注目された3人組のバンドで、森はキーボーディスト、作・編曲家として活躍していた。アニメ音楽では、ほかに『めぞん一刻 完結編』(1988)、『空中ブランコ』(2009)などを担当。ちなみに作詞家・森雪之丞は森英治の実兄である。
 『YAWARA!』は柔道を題材にした作品だが、ちょっとユーモラスな青春ものとしての側面が強い。音楽も、スポ根的な熱血系の曲や力強い曲はどちらかというと脇役で、さわやかな曲やしゃれたポップス風の曲、しっとりした曲が主役になっている。都会的なポップスを発表していたピカソのカラーが強く出た印象だ。

 サウンドトラック・アルバムはキティレコードから3タイトルが発売された。一見するとサウンドトラックであると気づかない、独特のアルバム名がつけられている。
 1枚目は1990年9月に発売された「YAWARA! 恋の一本勝負 オリジナル・サウンドトラック」。「YAWARA! 恋の一本勝負」という作品のサントラ盤のようだが、TVシリーズのBGMを中心としたサウンドトラック・アルバムである。
 2枚目は1991年4月に発売された「YAWARA! 名場面サウンドセレクション!!」。名場面を彩ったBGMを収録したアルバムだ。解説書には各曲の使用場面が紹介されている。
 3タイトル目が1992年9月に発売された「YAWARA! MEMORIES」。ボーカル集とBGM集の2枚組。BGMはTVシリーズ後期の音楽を森英治と共同で担当したAXISSの曲が中心になっている。
 この他にソングアルバム「YAWARA! SONGS!!」「YAWARA! COVERS!!」と劇場版『YAWARA! a fashionable judo girl! それゆけ腰ぬけキッズ!!』のサウンドトラック盤が発売されていた。

 1枚目の「YAWARA! 恋の一本勝負 オリジナル・サウンドトラック」から紹介しよう。収録曲は以下のとおり。

  1. Introduction
  2. ミラクル・ガール (Opening Theme)(歌:永井真理子)
  3. Jingle(Half Size)
  4. MC 猪熊滋悟郎/永井一郎
  5. 《BGM希望編》
  6. さやかの決意
  7. 柔の決断
  8. 優しい少女
  9. 猪熊家のだんらん
  10. 希望
  11. MC 松田耕作/関俊彦
  12. GLORIA(歌:関俊彦)
  13. 《BGM戦い編》
  14. 決勝進出
  15. さやかの猛特訓
  16. 対決・対戦・敵意
  17. 挑戦デビューさっそうと
  18. Eye Catch
  19. MC 本阿弥さやか&風祭進之助/鷹森淑乃&神谷明
  20. 《BGMくつろぎ編》
  21. 憧れ
  22. 清らかな人
  23. なんとなく
  24. 理解
  25. 夢、そして感動
  26. MC 猪熊 柔&滋悟郎/皆口裕子&永井一郎
  27. 夢がはじまる時(歌:皆口裕子)
  28. 《BGM刹那編》
  29. もの憂げに…
  30. 回想
  31. 少女の迷い
  32. ひとり海を見て
  33. もの想い
  34. Jingle(Full Size)
  35. MC 猪熊 柔(皆口裕子)
  36. スタンド・バイ・ミー (Ending Theme)(歌:姫乃樹リカ)

 音楽+セリフ(MC)+ボーカル曲で構成した充実の内容だ。
 BGMを「希望編」「戦い編」「くつろぎ編」「刹那編」の4つのブロックにまとめて収録。各ブロックの前後にジングル、アイキャッチ等の短い曲、ボーカル曲、MC(セリフ)を収録して大きな流れを作っている。
 ブックレットはオープニング&エンディングのカットと劇中の名場面を掲載したフルカラー豪華版。帯では名場面集を「写真集」と表記しているのが面白い。
 単なるサウンドトラック・アルバムでない。かといって、子ども向けの「歌とおはなし」とも違う。「CDでアニメの世界を楽しみたい」というファンの気持ちに応えた、秀逸な構成とパッケージだ。
 1曲目の「Introduction」はオルゴール風の音色が奏でる「ミラクル・ガール」のスローテンポアレンジ。『YAWARA!』の世界へのおだやかな導入である。
 すぐに続いて、軽快なイントロの「ミラクル・ガール」が流れ始めるのが最高に気持ちいい。永井真理子がはつらつと歌う初代主題歌である。1989年から1990年にかけてのヒットソングとしても思い出に残る曲だ。
 サブタイトルやエンディングに使われた短い曲「Jingle」のあとに猪熊滋悟郎のセリフ(MC)がインサートされる。短いセリフだが、永井一郎の名調子が楽しい。
 「BGM希望編」は明るくさわやかな曲が集められたブロック。
 トランペットが軽快なメロディを奏でる「さやかの決意」。フルートとサックスが軽やかな「柔の決断」。クラリネットが飄々と歌う「猪熊家のだんらん」。躍動感のある「希望」。主要人物が次々現れる導入編といった趣だ。
 トラック10は柔の才能をいち早く見抜いたスポーツ記者・松田のセリフ。試合に向かう柔に向けた応援の言葉になっている。松田(関俊彦)が歌う軽快なロック調のボーカル曲「GLORIA」が続く。
 次の「BGM戦い編」は、柔道界での柔の活躍を描くブロックだ。
 緊張感ただよう「決勝進出」。畳みかけるようなスピード感のある曲調で聴かせる「さやかの猛特訓」。焦燥感をあおる重厚な曲「対決・対戦・敵意」。勝利を予感させるヒロイックな「挑戦デビューさっそうと」。いかにも「スポーツアニメ」という雰囲気の曲が集まっていて、アルバムの中でも盛り上がるところである。
 トラック16「Eye Catch」で一息ついたあと、柔のライバル・本阿弥さやかとそのコーチ・風祭のセリフが挿入される。バックはピアノ、ギター、シンセなどによるしゃれた雰囲気の曲。二枚目半の風祭と勝気なさやかとのかけあいが『うる星やつら』を思わせてニヤリとさせられる。
 続く「BGMくつろぎ編」はあこがれや感動など、華やぐ心情を表す曲を集めたブロック。
 80年代らしいキラキラ感、フワフワ感のあるシンセの音がたっぷりフィーチャーされている。ポップでしゃれたサウンドは、大人向けの青春ドラマに流れてもおかしくない。このあたりが「YAWARA!」の音楽が他のスポーツアニメと一線を画すところだ。
 柔(皆口裕子)が歌う挿入歌「夢がはじまる時」は柔の心情を描いたアイドルポップ風の曲。歌詞の中で柔道のことはまったく触れられず、柔の恋する気持ちだけが歌われているのが本作らしい。
 「BGM刹那編」は柔のゆれる気持ちや迷いを描いたブロック。ピアノソロによる「もの憂げに…」やアコースティックギターとストリングスによる「回想」、もの思う柔の場面によく流れたヴァイオリンとピアノの曲「少女の迷い」など、森英治の持ち味が生かされた端正で美しい曲が堪能できる。じっくりと落ち着いて聴きたい、本アルバムのクライマックスである。
 最後のMC(セリフ)は柔のモノローグ。3分近いリリカルな曲をバックに、柔道で勝ち進むよりもふつうの女の子としての日常を願う柔の気持ちが語られる。まるでアイドルのアルバムみたいに。

 いや、まるで、ではないのだ。
 アルバムを最後まで聴いて気がつく。本アルバムは、柔をアイドルに見立てた、「YAWARA! 恋の一本勝負」というイメージアルバムなのである。ブックレットに掲載されたアニメの名場面集が「写真集」と表記されているのも、アイドルのアルバムと考えればおかしくない。
 キャラソンをメインにしたキャラクターアルバムというのはあるが、サントラでキャラクターアルバムを作ってしまったのが、本作のユニークなところである。『うる星やつら』『みゆき』『めぞん一刻』といったアニメ作品の音楽制作に関わってきたキティレコードの経験とノウハウが結実した1枚と言えるだろう。
 本アルバム以外の『YAWARA!』のアルバムも、同様のコンセプトで作られている。サントラにはこんな聴かせ方もあるのだ。新時代の到来を感じさせる意欲的なアルバムである。

YAWARA! 恋の一本勝負 オリジナル・サウンドトラック
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アニメ様の『タイトル未定』
194 アニメ様日記 2019年2月10日(日)

2019年2月10日(日)
TOHOシネマズ新宿で『劇場版CITY HUNTER 新宿PRIVATE EYES』を観る。TOHOシネマズ新宿を選んだのは、新宿が舞台だろうから、くらいの軽い理由だったのだけど、映画冒頭にTOHOシネマズ新宿そのものが登場。お客さんも沸いていた。今回の劇場版は『CITY HUNTER』のリブートでありつつ集大成のような内容。レギュラーキャラそれぞれに見せ場があるし、歴代主題歌がかかりまくる。「Get Wild」が始まるタイミングと、エンディングの最初の映像も百点満点。エンディングのアニメ歴代名場面のリメイクも相当よかった。冴羽リョウ(「リョウ」の文字は正しくは「犭」に「尞」)と槇村香の物語としても、これが完結編でよいのではないかと思ったくらいだ。ただし、画作りに粗がないわけではない。また、演出が今ふうでないのだが、それが狙ったものなのかどうかが気になる。今回は盛り沢山な内容であったけれど、もしも次があるのなら、まるで違った作りにしてもいいと思う。

2019年2月11日(月)
三連休の3日目。最近、Huluで「ロボコップ」などの有名アクション映画をながらで観ている。あまり大きな声で言えないが、今日まで「スピード」と「ワイルド・スピード」をごっちゃにしていた。「スピード2」が「スピード」っぽくないのも初めて知った。
引き続き『名探偵コナン』の原作を読み進めている。88巻FILE10「ガールズバンド」は、アニメ化された時に冒頭の『けいおん!』ネタが気になっていたのだけど、その部分のセリフは原作のママのようだ。園子は『映画 けいおん!』をTV放映で観たと思われるが、「アニメ映画」ではなく「映画」と言っていた。『名探偵コナン』世界では『けいおん!』は実写映画なのだろう。園子達が自分達をマンガキャラ(アニメキャラ)と意識している可能性もあるけど。

2019年2月12日(火)
「アニメスタイル014」の編集作業が一段落した。お世話になった方々、ありがとうございました。読者の皆さま、よろしくお願いします。そして、「アニメスタイル014」が一段落した日に「アニメスタイル015」の特集がひとつ決まった。
Eテレを流しっぱなしにして作業をしていたら、『ガラピコぷ~』という番組のオープニングアニメーションがいい感じで、見知らぬアニメ作家かと思って検索したら、久野遥子さんの仕事だった。知りませんでした。すいません。ちなみに『ガラピコぷ~』は独立した番組ではなくて「おかあさんといっしょ」のコーナーだった。

2019年2月13日(水)
「アニメスタイル015」の記事の企画書を2本、書く。それから、3月イベントのタイトルが決まった。「第155回アニメスタイルイベント 平松禎史 デザインの話・彼氏と彼女の話」だ。

2019年2月14日(木)
郷里から戻ったワイフに付き合って、TOHOシネマズ新宿で『劇場版CITY HUNTER 新宿PRIVATE EYES』を鑑賞。まさか1週間のうちに同じ映画を同じ劇場で2度も観ることになるとは思わなかった(席もほぼ同じ席)。そして、2度目の方が楽しめた。事務所で『抱かれたい男1位に脅されています。』を1話から観た。『【俗・】さよなら絶望先生』でお世話になった龍輪直征さんの監督作品なので、落ち着いて観られる時に観ようと思っていたら、放映終了後になってしまった。原作は知らないけれど、おそらく龍輪さんは原作をリスペクトして、変にアレンジしたりせずに、ナチュラルに作っているのではないだろうか。その印象も含めて、彼らしい作品だと思った。

2019年2月15日(金)
平松禎史さんのイベントの告知をし、『若おかみは小学生!』コンテ本の告知の準備を進める。

2019年2月16日(土)
スケジュールの確認をしたり、テキストを書く前の準備をしたり。Amazonから雑誌のバックナンバーが何冊か届く。「ダ・ヴィンチ」とか「オトナファミ」とか。いずれも取材の予習に使うものだ。「2019/02/23にプライムの閲覧期間が終了します」とのことだったので、Amazon Prime Videoで『惑星ロボ ダンガードA 宇宙大海戦』を視聴。印象は前に観たときと変わらない。シリーズ中の1エピソードという感じ。『惑星ロボ ダンガードA対昆虫ロボット軍団』の方は有料レンタルなのね。

第601回 幸せにやっとります!

早朝出勤は気持ちいいです! 朝、セブン○レブンでホットコーヒー(Lサイズ)を買って、人気のない会社(スタジオ)でコンテ切るのは最高!

です。新しい作品のコンテを切ってはカッティング(編集)の繰り返し、本当面白い! いちばん幸せなルーチンかもしれません。板垣は幸せ者です。近々次回作のPV発表! そして来月からは、さらに次の作品のホン読み開始で、頑張ります! 短い! ゴメンナサイ!!

アニメ様の『タイトル未定』
193 アニメ様日記 2019年2月3日(日)

2019年2月3日(日)
「アニメスタイル014」の追い込み。『スター☆トゥインクルプリキュア』の1話を観る。テレビマンガっぽいところがあって、ちょっと驚く。『HUGっと!プリキュア』最終回からの飛躍が大きくて、それがよい。

2019年2月4日(月)
「アニメスタイル014」の追い込みは続く。NHKオンデマンドで、噂になっていた1月25日の「あさイチ」の「プレミアムトーク 富田靖子」を視聴。ああ、確かにシャア・アズナブルの話をしている。デビュー時に好きなマンガの登場人物の主人公と同じ、惣領麻実という名前をつけたいと言って、却下になったという話から、マンガとアニメが好きという話に。シャアが好きで画面の写真撮りをしていたとか。シャアがマスクを外したときの、キャスバル兄さんではないちょっと冷酷な顔が好きだとか。一番好きなのは最終回でアムロと対決した後の、額から血が流れているシャアのアップだそうだ。台本があったのかもしれないが、博多華丸さんの「シャアが好きなの? それとも、キャスバル兄さんではなく?」(発言ママ)という質問もナイス。博多大吉さんの「ア・バオア・クーでね」という相づちも効いていた。
ケーブルテレビの受信が不調。いや、受信ではなくて、配信が不調なのか。とにかく不調。

2019年2月5日(火)
「アニメスタイル014」の追い込みは続く。作業をしながら、WOWOWで録画した実写映画「ちはやふる -上の句-」「ちはやふる -下の句-」を観る。「ちはやふる -結び-」も録画してあるのだけれど、初見がながら見なのは勿体ないので、後回しに。他にはAmazon Prime Videoで『ボス・ベイビー』を観る。ケーブルテレビは昼には通常の状態に戻った。

2019年2月6日(水)
「アニメスタイル014」の追い込みは続く。「アニメスタイル014」のカラーページ抜粋の色校正(試し刷り)が出る。メインマシンのMac miniに外付けのスピーカーをつけた。安いやつなんだけど、臨場感が倍増。Amazon Prime Videoで「マイティ・ソー バトルロイヤル」を観た。楽しめた。

2019年2月7日(木)
「アニメスタイル014」の追い込みは続く。Amazon Prime Videoで「インターステラー」と「最強のふたり」を観る。「インターステラー」は観ていないのに、何故か観たつもりになっていた。これは映画館で観ればよかった。「最強のふたり」は面白かったし、吹き替えもよかった。映画館で予告を観ているはずなのにアクション映画だと思っていた。編集作業の大詰めでドタバタしている時期だけど、自宅にいなくてはいけない用事があって、自宅でPDFをチェックをしたり、原稿を書いたり。
「BEASTARS」がTVアニメになることを知る。原作は面白そうで、たまに連載を目に通しているんだけど、きちんと頭から読んだわけではない。アニメが始まる前に読むか、アニメの放映が一段落してから読むかちょっと悩む。

2019年2月8日(金)
「アニメスタイル014」の追い込みは続く。

2019年2月9日(土)
連休1日目。スケジュールの整理など。今日は「アニメージュ」2019年3月号(vol.489)の発売日だ。「この人に話を聞きたい」第二百二回は長峯達也さんの[前編]。「設定資料FILE」vol.240は『劇場版シティーハンター<新宿プライベート・アイズ>』。
最近、『名探偵コナン』の原作を読んでいる。アニメで同エピソードが放映された時も思ったけれど「蘭GIRL」「新一BOY」の構成は、氷室冴子さんの小説「なぎさボーイ」「多恵子ガール」を下敷きにしているはず。パロディではなくて、同じスタイルで作ったエピソードととらえるべきか。

第600回 作画と気分

 なんと600回ですが知らん顔して作画の話。

「気分が出てる」っちゅーのはアニメーションでは大事なんですよ!

 遡ること20数年前のテレコム時代、大塚康生さんが俺の描いた炎(研修課題)を見て仰った一言でした。

 さらに遡って専門学校時代、恩師・小田部羊一先生が次のような課題を出されました。

小田部先生独特の可愛くデフォルメされたベートーベンもどきのキャラにポーズをつけると。たしか先生は「イメージで描いてもいいです」と仰いました。当時(1993年)はケータイなどはまだ学生まで普及しておらず、その場でネット検索をする人もいなかったでしょうが、調べるのも大事だけどこの課題のように

自らの記憶を総動員して「指揮者」と聞いてイメージするポーズを自由に描ける!

のも大事ということでしょう。

 上の図のようなハッキリとシルエットの違うポーズを10枚ほど描いて提出。小田部先生より4重マルをいただいた上、「プロの現場でもいい仕事をもらえることでしょう!」と一言が添えられており、とてつもなく嬉しかったので、いまだに保管してあります(が、先生の許諾なしにここで勝手に見せるわけにはいきません)。まあ、この時の課題「指揮者のポーズ」と前述の大塚さんの「炎の気分」、お二人の巨匠が仰ってることには共通項があると思います。要は

何事も描き手(アニメーター)の記憶にあるイメージが重要だということ! 現代よりもはるかに記録ツールの乏しい世代の先達らは、画像だ動画だ検索だと安易に頼らないのです!

 小田部先生は「『アルプスの少女ハイジ』のロケハンの時、宮(崎駿)さんは写真撮るより触って覚えてたよ」と教えてくださいました。
 もちろん現代のハイテクを使って作画のレベルを上げることも重要です。スマホやネット検索を否定しても始まりません。ポンポンとネットに上がる写真やムービーを参考にしつつも、それらプラス「記憶による誇張」で原画を描くように後輩には教えています! 実写や3DCGをまんまトレスするだけでもダメで、ちゃんとそれらを「外回りする誇張」を加えて、初めて魅力あるアニメーションになるんです。そしてその「誇張」は手描きアニメーターの修練が手っ取り早いと。
 あ、ちなみに『Wake Up, Girls! 新章』のモーションキャプチャーのダンスも、ちゃんとカットごとに所々誇張してるしコマもいじってるんです。『ベルセルク』も同様でした。てとこで、

頼まれたイラスト入り色紙7枚描かなきゃっ!

第151回 危険な街のブルース 〜CITY HUNTER〜

 腹巻猫です。『劇場版 CITY HUNTER 新宿PRIVATE EYES』を観ました。旧作の復活というと現代的なリブート版が多い中、当時のままのテイストで作られていることに驚きつつ満足。音楽は『CITY HUNTER』のスピンオフとも呼べる『Angel Heart』の音楽を手がけた岩崎琢が担当していますが、オリジナル版の音楽も多数使われているのがうれしい。声優陣もオリジナルキャストが集結。個人的にはエンディングクレジットの「In Memory of 藤田淑子」に泣きました。


 『劇場版 CITY HUNTER 新宿PRIVATE EYES』の公開を記念して、オリジナルのTVアニメ『CITY HUNTER』のサウンドトラック・アルバム5タイトルがリマスターされて2月27日に再リリースされる。
 今回はTVアニメ『CITY HUNTER』のサントラ盤の話。

 『CITY HUNTER』は、新宿を拠点に活動するプロのスイーパー(殺し屋)・冴羽リョウ(けものへんに尞)の活躍を描くアクション作品。『CAT’S・EYE』で知られる北条司の原作マンガをサンライズがアニメ化した。TVアニメは1987年4月から放映開始し、『CITY HUNTER2』(1988)、『CITY HUNTER3』(1989)、『CITY HUNTER’91』とタイトル、放映時間を変えながら、1990年1月まで放映された(途中、中断あり)。TVシリーズ終了後もTVスペシャルが制作・放映されている人気作品である。
 今回再リリースされるのはTVシリーズのサントラ5タイトル。発売はいずれもソニー・ミュージックエンタテインメントだ(発売当時のレーベルはEPIC・ソニー)。

「CITY HUNTER オリジナル・アニメーション・サウンドトラック」
「CITY HUNTER オリジナル・アニメーション・サウンドトラック Vol.2」
「CITY HUNTER 2 オリジナル・アニメーション・サウンドトラック Vol.1」
「CITY HUNTER 2 オリジナル・アニメーション・サウンドトラック Vol.2」
「CITY HUNTER 3 オリジナル・アニメーション・サウンドトラック」

 『CITY HUNTER』のサントラの再リリースはなんと放映当時以来約30年ぶり。2005年に「City Hunter Sound Collection」と題した2枚組ベストアルバムが3タイトル、アニプレックスとソニーミュージック・ダイレクトから発売されたが、オリジナル盤のリイシューはなかったのだ。
 『CITY HUNTER』のサウンドトラック・アルバム、実は発売当時はそれほど注目していなかった。サントラファンとしてはちょっと食指が動かない……というか、とまどう内容だったからだ。
 というのも、このアルバム、「サウンドトラック」とタイトルがついているにもかかわらず、収録内容の大半がボーカル曲なのである。
 筆者のような古いサントラファンには、サウンドトラック=劇中で流れたインスト曲(BGM)という刷り込みがある。
 しかし、80年代半ばから、「サウンドトラック・アルバム」の定義は拡大した。劇中で使用されたボーカル曲(多くは有名アーティストの曲)を集めたコンピレーション・アルバムも「サウンドトラック・アルバム」と呼ばれるようになったのだ。いわゆる「音楽映画」のジャンルに入らない作品——「ゴーストバスターズ」(1984)、「ビバリーヒルズ・コップ」(1985)、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(1985)、「グーニーズ」(1985)、「トップガン」(1986)——などのサウンドトラック・アルバムが、そういう作り方でヒットした。
 1980〜90年代に青春時代を送った映画ファン・音楽ファンの中には、「サウンドトラック・アルバム」=「ボーカル・アルバム」という印象を持っている人が多いのではないか。実際、「サントラなのにインスト曲ばかりでボーカル曲が入ってない」という意見を目にしたことがある。
 実際のところ、サウンドトラックの本来の意味(映像フィルムに記録された音声トラックのこと)を考えれば、サントラ=インストと限定する理由はない。ボーカル曲も、作中で流れる曲である以上はサントラに含まれてしかるべきだ。
 80年代後半は、サウンドトラック・アルバムがポップス・アルバムのように聴かれる時代の始まりだった。高揚感のある曲やおしゃれな曲を集めたサントラ(=ボーカル)・アルバムが人気になり、ヒットした。『CITY HUNTER』のサウンドトラックは、そんな流行のスタイルをいち早く取り入れたアルバムだったのである。
 発売元のEPIC・ソニーは、小比類巻かほる、TM NETWORKなど、J-POPシーンで活躍するアーティストをたくさん擁していたレーベル。多彩なアーティストが『CITY HUNTER』のサウンドトラック・アルバムに参加した。結果、アニメサントラのイメージを覆す、ぜいたくなアルバムが作られることになった。

 さて、『CITY HUNTER』の音楽といえば、矢野立美である。東映スーパー戦隊シリーズやウルトラマンシリーズ、SFロボットアニメなどのダイナミックかつシャープな音楽でファンを魅了する作曲家だ。『CITY HUNTER』では、独特のキラキラサウンドをまぶしたスタイリッシュな音楽を提供して本編を鮮やかに盛り上げている。
 が、今回は、矢野立美が参加していない1枚目のアルバム「CITY HUNTER オリジナル・アニメーション・サウンドトラック」を取り上げたい(矢野立美LOVEのみなさん、お許しを)。
 収録曲は以下のとおり。

  1. CITY HUNTER〜愛よ消えないで〜(歌:小比類巻かほる)
  2. COOL CITY(歌:The City Crackers)
  3. MR.PRIVATE EYE(歌:大滝裕子)
  4. MIDNIGHT LIGHTING(Instrumental)
  5. BLUE AIR MESSAGE(歌:大内義昭)
  6. Get Wild(歌:TM NETWORK)
  7. THE BALLAD OF SILVER BULLET(Instrumental)
  8. WHAT’S GOIN’ON(歌:小比類巻かほる)
  9. BLOOD ON THE MOON(Instrumental)
  10. GIVE ME YOUR LOVE TONIGHT(歌:鈴木聖美)

 全10曲のうち、7曲がボーカル曲。インストが3曲。大滝裕子、大内義昭、鈴木聖美、いずれもEPIC・ソニーで活躍していたボーカリストである。
 ボーカル曲が7〜8割を占める構成は、以降の『CITY HUNTER』のサウンドトラック・アルバムでも踏襲されている。ただし、ビクターと東芝EMIから発売された劇場版とTVスペシャルのサントラはインスト曲中心の一般的なサウンドトラック・アルバムのスタイル。それだけに、EPIC・ソニーのアルバム作りのユニークさが際立つ。
 小比類巻かほるが歌うオープニングテーマ「CITY HUNTER〜愛よ消えないで〜」とTM NETWORKが歌うエンディングテーマ「GET WILD」は、いずれも大ヒットを記録した。番組とアーティストの人気の相乗効果でヒットをねらうタイアップ路線を推し進め、決定づけた楽曲として印象深い。
 正直に言うと、筆者は、この2曲がそんなに好きではなかった。タイアップのヒット曲という印象が強く、当時は「安易にアーティストの曲を持ってきて〜」みたいに思っていたのだ。
 ところが最近、小比類巻かほるがTV番組で本作の思い出話をしているのを観て、印象を改めた。小比類巻かほるは、原作者の北条司とも打ち合わせをし、『CITY HUNTER』の世界観の中の女性の気持ちを大事にして歌ったという。また、ヒロイン・香役での出演もオファーされたものの、「声優なんて無理……」と辞退したそうだ。安易に持ってきた曲じゃなかったのだ。ファンのみなさん、ごめんなさい。ちなみに小比類巻かほるがアニメの歌を歌うのは、OVA『GALL FORCE』のエンディングテーマ「両手いっぱいのジョニー」に続いて2曲目だった。
 「Get Wild」も番組を観ていたファンには忘れがたい楽曲だ。本編のラストからイントロが流れ始め、そのままエンディングに突入する使い方が鮮烈である。これも、物語の終わりからフェードインさせたいからと、わざわざイントロを長く手直ししたのだという。物語の余韻にひたる気持ちをさらに高揚させるように疾走感のあるイントロが聴こえてくる演出は、ぞくぞくするほどカッコいい。スタッフはこの演出を「火曜サスペンス劇場」にならって「マドンナたちのララバイ方式」と呼んでいたそうだ。よみうりテレビのプロデューサー・諏訪道彦は、当時のアニメ雑誌のコメントで、この方法は「テレビシリーズとしては初めて」と語っている。TM NETWORKは本作以前にOVA『吸血鬼ハンター“D”』(1985)の主題歌を歌っていて、小比類巻かほる同様、アニメの歌は2曲目だった。

 劇中音楽の話に戻ろう。
 『CITY HUNTER』の音楽は、初期は国吉良一が担当している。矢野立美の名前がクレジットされるのは第7話から。第26話までは国吉良一と矢野立美が連名でクレジットされ、第27話から矢野立美の単独クレジットになる。『CITY HUNTER』の初期エピソードの雰囲気を固めたのが国吉良一のサウンドだったのだ。
 国吉良一は山口県出身。青山学院大学在学中よりプロのキーボーディストとして活動を始めた。数々のバンドやセッション、レコーディングに参加したのち、1975年からソロ活動を開始。作曲家、アレンジャー、キーボーディストとしても活躍の場を広げた。1980年にデイビッド・マシューズの助言を得てフロリダ州マイアミ大学音楽科に入学。帰国後、オリジナルアルバム「Asia Dream」をリリースするとともに、映像音楽の分野にも進出した。映像音楽の代表作に、劇場作品「幕末純情伝」(1991)、「鉄道員(ぽっぽや)」(1999)、「ホタル」(2001)などがある。アニメでは、眉村卓原作、真崎守監督の劇場アニメ『時空(とき)の旅人』(1986)の音楽を担当している。
 「CITY HUNTER オリジナル・アニメーション・サウンドトラック」の収録曲のうち、国吉良一は6曲を作・編曲、1曲を編曲している。残る3曲はオープニング&エンディングテーマと小比類巻かほるの主題歌シングルのB面曲「WHAT’S GOIN’ON」だ。国吉サウンドの色濃いアルバムなのである。
 トラック2「COOL CITY」はコーラスが「COOL CITY」とくり返すソウル風のナンバー。第1話でリョウが歌舞伎町の店で依頼人・菜摘と会う場面で使用されている。ちょっと退廃の香りがただようような新宿のテーマだ。作詞も国吉良一が担当。
 トラック3、大滝裕子が歌う「MR.PRIVATE EYE」は、リンダ・ヘンリックの作詞、国吉良一の作・編曲による軽快なポップス風の挿入歌。リョウが孤独な少女・道子のために依頼を引き受ける第7話などで使われた。
 「PRIVATE EYE」とは私立探偵のこと。助けを求める依頼人が冴羽リョウに呼びかけるイメージの歌詞になっている。この曲は『劇場版 CITY HUNTER 新宿PRIVATE EYES』にも挿入されていて、『CITY HUNTER』の世界を象徴する曲のひとつと言ってよいだろう。
 同じくリンダ・ヘンリック作詞、国吉良一作・編曲のトラック10「GIVE ME YOUR LOVE TONIGHT」は第1話でリョウが菜摘の部屋に泊まろうとする場面や第2話のワクチン開発シーンに流れていたボーカル曲。ミディアムテンポの、これもソウルっぽい大人びたナンバーだ。
 トラック4「MIDNIGHT LIGHTNING」は淡々としたシンセのリズムの上でシンプルなフレーズがくり返されるインスト曲。夜の新宿の闇を映し出すような、軽いサスペンスタッチの曲だ。
 トラック7「THE BALLAD OF SILVER BULLET」はシンセのリズムとPAD音にサックスのメランコリックな演奏が重なるバラード調のインスト曲。バラードといっても情感を抑えたストイックな曲調になっている。
 トラック9「BLOOD ON THE MOON」はシンセのベース音をバックにトランペットがジャジーな演奏を聴かせるブルース・スタイルのインスト曲。軽快な曲調ながら、明るくはじけるわけではなく、トランペットやピアノのアドリブが渋く展開される。聴きごたえのある1曲である。
 あらためて聴いても、アニメのサントラらしくないアルバムだ。
 国吉良一のインスト曲は、感情移入を拒む抽象画のようなトーンで書かれていて、2枚目のアルバムから登場する矢野立美のメロディアスな楽曲とは対照的である。

 『CITY HUNTER』のサントラ・アルバムで国吉良一の音楽が中心になっているのは1枚目だけだ。2枚目以降は矢野立美の音楽がメインになる。本編でも、第7話以降、矢野立美の楽曲の使用頻度が高くなっていく。
 けれど、国吉良一の音楽が『CITY HUNTER』の世界に合わなかった、と考えるのは違うと思う。その証拠に、『劇場版 CITY HUNTER 新宿PRIVATE EYES』では、国吉良一の楽曲が3曲も使われているのだ。
 国吉良一の音楽からは、大人のムードがただよう。サスペンスを内包した淡々とした曲や感情を抑えたバラード曲は、危険な街「新宿」の負の面を表現しているように感じられる。ニューヨークの闇を描いたマーティン・スコセッシ監督の「タクシードライバー」のバーナード・ハーマンのスコアに通じるような音楽だ(音楽スタイルは違うけれど)。『CITY HUNTER』のスタッフが最初に求めたのは、そのような緊張感に満ちた音楽だったのではないだろうか。
 冴羽リョウが活躍する80年代末の新宿。その大都会のカオス、闇をすくいとっていたのが国吉良一の音楽だと思うのだ。今にもバランスを崩しそうな、不安定な世界を表現した音楽。『CITY HUNTER』の世界が立ち上がるために、国吉良一の音楽は欠かせないものだったのである。
 今回のリマスター再リリース5枚の中では唯一、矢野立美が参加していなくて、サウンドの印象が違う1枚目のアルバム。しかし、『CITY HUNTER』の原点に触れる意味でも、また、80年代後半に現れたサントラ・アルバムの新潮流を知る意味でも、ぜひ聴いてもらいたい1枚なのである。

CITY HUNTER オリジナル・アニメーション・サウンドトラック
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CITY HUNTER オリジナル・アニメーション・サウンドトラック Vol.2
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CITY HUNTER 2 オリジナル・アニメーション・サウンドトラック Vol.1
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CITY HUNTER 3 オリジナル・アニメーション・サウンドトラック
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アニメ様の『タイトル未定』
192 アニメ様日記 2019年1月27日(日)

2019年1月27日(日)
早朝、新文芸坐に。オールナイト「新文芸坐×アニメスタイル セレクションvol. 111 押井守映画祭2019 第二夜《天使のたまご&御先祖様》編」の終盤に立ち合う。その後、ひたすら「この人に話を聞きたい」の原稿作業。確認しなくてはいけないことがあって、新宿TSUTAYAに『デジモンセイバーズ THE MOVIE 究極パワー! バーストモード発動!』のDVDを借りに行く。この二日間は、土日の割には作業が進んだ。

2019年1月28日(月)
「この人に話を聞きたい」の原稿を終える前に、『映画 Yes!プリキュア5 鏡の国のミラクル大冒険!』の内容を確認。実はこの作品は、自分の中では『戦え!!イクサー1』に近い。キャラクターの作画に気持ちが入っている感じで、それもよい。王子の駅近くに書店があり、たまにのぞいている。その店頭のワゴンセールで『A-Girl』のビデオソフトを購入した。高坂希太郎さんの初監督作品で、未開封の新品が100円だった。『A-Girl』はこの数年ずっと店頭にあって、いつか購入しようと思っていたのだ。

2019年1月29日(火)
「アニメスタイル014」のロングインタビューで、ご本人のチェックが入った原稿を読み直す。チェックが入ったおかげで90点取っていた原稿が110点くらいになっている。これはこれで(記事の作り手としては)理想のかたちだ。

2019年1月30日(水)
早朝から「アニメスタイル014」の原稿作業。たっぷり寝て、頭がすっきりした状態で書いて、1時間40分で原稿終了。ぼんやりした頭で書いたら4時間はかかったであろう。そして、「劇場版『若おかみは小学生!』絵コンテ 高坂希太郎」を校了。

2019年1月31日(木)
編集作業がほぼ終わった書籍Aのあれこれ、雑誌Bのデザインの進行とテキスト作業、書籍Cのための資料スキャン、イベントの準備が同時進行。今日の事務所は編集部らしい慌ただしさだった。僕は、朝の暗いうちに事務所に入るので、20時くらいには帰宅するようにしているのだけれど、今日は深夜まで事務所に。

2019年2月1日(金)
気になることがあって、「アニメスタイル004」の『ヤマノススメ』の記事を見たら、いい原画が沢山載っていた。充実した特集だと思った。オールナイト「新文芸坐×アニメスタイル セレクションvol. 112 SPECIAL PROGRAM 幻魔・妖獣・迷宮・AKIRA!!」のチケットが完売した。よかったよかった。今日も0時過ぎまで事務所に。

2019年2月2日(土)
今日で僕は「生誕20000日」らしい。自分で数えたわけではなく、ネットのサービス(複数)に教えてもらった。今まで生きてきた年月を日数に換算すると、2万日なのか。感覚的にはピンとこないけれど、めでたいのだろうなあ。昼から、トークイベント「第154回アニメスタイルイベント 谷口淳一郎の仕事」を開催。谷口さんに相応しい和やかなイベントになった。谷口淳一郎さんと田中将賀さんによる「画描きの話」も興味深かったし、山﨑みつえさんのテンション高めのトークも楽しかった。イベント全体の情報量は多すぎることもなく、少なすぎることもなく、いい感じだったと思う。

第155回アニメスタイルイベント
平松禎史 デザインの話・彼氏と彼女の話

 『彼氏彼女の事情』『新世紀エヴァンゲリオン』『ユーリ!!! on ICE』など、多くの作品を手がけ、常に一線で活躍しているアニメーター&キャラクターデザイナーの平松禎史。2019年3月17日(日)に、彼のトークイベント「第155回アニメスタイルイベント 平松禎史 デザインの話・彼氏と彼女の話」を開催する。彼に仕事に対するこだわり、作品についての思い出などを語ってもらう。現在のところ、決まっている出演者は平松禎史とアニメスタイル編集長の小黒祐一郎。追加のゲストについては改めてお伝えする。

 今までのイベントと同様に、トークの一部を「アニメスタイルチャンネル」で配信する。前売り券は2月16日(土)から発売開始。詳しくは、以下のリンクのLOFT/PLUS ONEのページを見てもらいたい。また、イベント会場では平松の作品集「平松禎史 アニメーション画集」 「平松禎史 SketchBook」を販売する。

■関連リンク
アニメスタイルチャンネル
https://ch.nicovideo.jp/animestyle

LOFT/PLUS ONE
https://www.loft-prj.co.jp/schedule/plusone/111799

平松禎史 アニメーション画集[アニメスタイル ONLINE SHOP]
http://animestyle.jp/shop/archives/980

平松禎史の鉛筆イラスト&ラフ画集 いよいよ一般発売開始!!
http://animestyle.jp/news/2017/08/28/11865/

第155回アニメスタイルイベント
平松禎史 デザインの話・彼氏と彼女の話

開催日

2019年3月17日(日)
開場18時00分 開演19時00分 

会場

LOFT/PLUS ONE

出演

平松禎史、小黒祐一郎(司会)、他

チケット

前売1500円 当日1800円(共に飲食別・要1オーダー)

■アニメスタイルのトークイベントについて

 会場となるLOFT/PLUS ONEはトークライブができる居酒屋。入場料(今回は前売1500円、当日1800円)とは別に飲食(最低でもドリンク1杯)をお願いしている。ソフトドリンクもあるので、未成年の方でも大丈夫。 アニメスタイル編集部が開催する一連のトークイベントは、イベンターによるショーアップされたものとは異なり、クリエイターのお話、あるいはファントークをメインとする、非常にシンプルなものだ。出演者のほとんどは人前で喋ることに慣れていないし、進行や構成についても至らないところがあるかもしれない。その点は、あらかじめお断りしておく。

第599回 新宿のイベント!

前回イラストを描き損ねたので、今回は最初にはい! 去る2月5日、新宿ロフトプラスワンでの『ユリシーズ』トークイベントの風景から!

 新宿ロフトは久しぶりで楽しかったです。大野柚布子さんも全快したようで何よりでした! 最後に喋れるだけ喋ったので、あとは

また一緒に仕事しましょう、大野さん!

てことでした。
 さて次回作の発表がいよいよ来月。今はコンテコンテの毎日。その他某コンテ集の表紙を描いて、色紙描いたり。諸々忙しいので今週はここまでですみません。来週もう少し作画について書きたいと思ってます。

アニメ様の『タイトル未定』
191 アニメ様日記 2019年1月20日(日)

2019年1月20日(日)
午後は「劇場版『若おかみは小学生!』絵コンテ 高坂希太郎」のテキスト作業。「アニメスタイル014」の作業も続ける。

2019年1月21日(月)
「劇場版『若おかみは小学生!』絵コンテ 高坂希太郎」の本文とカバーまわりを印刷会社に入稿する。嵐のような一日。ちなみにこの書籍は色などを確認するため、先に絵コンテ全体から抜粋したものを仮入稿して、すでに色校正をとっている。今回のは本番の入稿だ。

2019年1月22日(火)
Netflixで『revisions』を視聴する。始まってから「あれれ」と思ったのだけど、この作品はNetflixだと最初から全話の視聴ができるのね。続けて観たほうが面白いようだ。編集スタッフに書いてもらった原稿があんまりにも「アニメ力(ぢから)」が弱いので、書き直しを命じる。「この原稿はアニメ力が足りない」と言うわけにもいかないので「このキャラクターの魅力はこうでしょ」とか「ファンはこういうふうにこの作品を認知しているわけでしょ」とか細かく説明する。

2019年1月23日(水)
このところウォーキングを控えていたのだけれど、風邪が治ったので再開。池袋の事務所から、北区の飛鳥山公園まで行って戻る。午後は、上京していたガイナックス京都の佐藤裕紀さんと食事。

2019年1月24日(木)
「アニメスタイル014」の作業を進める。いや、この日だけでなく、毎日進めているんだけど。「この人に話を聞きたい」の長峯達也さんのテープ起こしに目を通して、今回の記事を前後編にしたほうがいいと判断した。1回でまとめられないことはないのだけれど、細部がポイントの取材なので、1回でまとめると面白さが半減してしまう。いや、半減どころか10分の1くらいになってしまう。アニメージュ編集部に前後編になることを伝える。今日も飛鳥山公園まで行って戻る。途中で、王子駅近くの立ち食いおでん屋に寄る。「劇場版『若おかみは小学生!』絵コンテ 高坂希太郎」の色校正紙が出る。バイク便が都内を走る。

2019年1月25日(金)
「劇場版『若おかみは小学生!』絵コンテ 高坂希太郎」の色校正紙の残りが出る。唐突に話は変わるけれど、最近のお気に入りのマンガが「カラスのいとし京都めし」だ。内容は「京都」「ごはん」で、ちょっと「妖怪」。キャラクターに魅力があって、出てくる料理も美味しそうだ。ものすごく手間をかけてアニメにしたら楽しいだろうなあ。実写ドラマでもイケるかもしれない。

2019年1月26日(土)
「この人に話を聞きたい」の原稿を進める。書きながら『聖闘士星矢 冥王ハーデス十二宮編』のテロップを確認。『ゲゲゲの鬼太郎[第4期]』のテロップを確認。さらに『ドラゴンボールZ 龍拳爆発!!悟空がやらねば誰がやる』のテロップを確認。ちなみに『冥王 ハーデス十二宮編』はU-NEXTで観た。このシリーズはDVDソフトを買っていたんだけど、DVDで観たのは各話一度だけだなあ。作品が悪いわけではないんだけど、観返す機会がなかった。
夜はオールナイト「新文芸坐×アニメスタイル セレクションvol. 111 押井守映画祭2019 第二夜《天使のたまご&御先祖様》編」を開催。オールナイト前に、新文芸坐が入っているビルのエレベーターが故障で止まってしまう。押井さん達がエレベーターに乗っていたら大変だぞと思ったけれど、止まったのは押井さん達が乗り込む前だったようだ。後で故障したときに中に人はいなかったことが判明。よかった。開演前に西尾鉄也さんに、販売用の「西尾鉄也画集」にサインを入れてもらう。トークは今回も内容の濃いものとなった。トークの途中で、予定通りの時間に終わるかと思ったけれど、そんなことはなかった(すいません。汗)。それにしても、『御先祖様万々歳!』で満員になるとは。素晴らしい。

第598回 哲学の友人

作画は理念・思想・哲学などではなく、完全に実務の世界です! とことん!

 以前(何年も前)からちょくちょく学生の頃からの友人の話をしていたと思います。その友人は大学を出た後、専門学校に入ってきたので、自分と会った時はすでに4つ年上で、どちらかというと兄貴分のような友人でした。彼との会話は当時本当にショックで、理屈・議論・哲学、そしてまた理屈の応酬! 子どもの頃から「伸は理屈っぽい!」「口から先に生まれた」だのと親からも言われていた俺の目の前に、本物の理屈・哲学の塊が現れたのです! それはもう毎日彼と話すのが楽しくて、卒業した後も隔週末泊まりに行ってたくらい。で、朝まで飲んで哲学を語って、クラシック音楽を聴かせてくれました。某6大学・哲学科卒の彼との付き合いは、勉強勉強の毎日で、今でも非常に感謝してます。そのくらい、板垣の20代を形成するのに重要な人物でした。
 その友人との交遊は数年前突如絶えた——というか自分の方から「もう話すつもりはない」と言って切ってしまったのです。そのきっかけは、一緒にアニメ業界入りし、自分は作画、彼は制作進行からスタートし、10年後、こちらが先に監督になり、彼の方は制作から演出に転向し、奇しくも俺の監督作品を手伝うかたちになった時です。彼は理屈が先行して仕事が進まない。作監からも苦情が爆発したため、彼の演出指示を見たところ、ボロボロな画に分りづらい理屈が付け加えられ、終いには音楽オタクの面目躍如のつもりか五線に音符を描いて「〜なリズムで」とか書いてある(汗)。さすがに作監が気の毒になり、俺が彼に「この修正指示はなんだ? こんなのアニメーターに伝わるわけないでしょ!」と詰め寄ると「そうかなぁ〜。これ分かんないかぁ?」って悪びれることもなし。机に100カット以上積まれた際「なぜ出せないの?」と尋ねても屁理屈だらけ! その後、監督・演出の関係が数年続くも、同様なことが他にもいろいろあって、ついにこちらから「もういい! こちらから貴方に話すことはもうありません!」と。
 遡ると彼は学生制作で一緒だった時から、高畑勲・宮崎駿両監督の作品とそのお言葉にかぶれており、特に高畑監督の発言に傾倒し、よく引用して理論やらを連ねていたのですが、確かに高畑監督の言葉は面白いし興味深いにしても、だからといってプロの現場に来てまで

ここにあるカットが(チェックして)出せない理由に、高畑監督の高尚な演出論を被せられても何も解決しません!

 プロになっても直らなかった理屈先行型。哲学の濫用(インテリさんは他のインテリさんらが全員自分の味方だとでも思っているのでしょうか?)。自分が学生の頃ならともかく、卒業後、テレコム・アニメーションフィルムにてアニメーター修業——つまりそれこそ高畑・宮崎両監督にアニメーションを教えた巨人・大塚康生様、そしてそのアニメ映画を支えた先輩方と7年間一緒に仕事をした俺が、その後フリーになって、その哲学の友人と一緒に仕事をしてみた時、口ばかりで実務が伴っていなかった人と30代も学生時代と同じ付き合いをしたいと思えなかったのです(ゴメンナサイ……)。
 大塚さんの作画は確かに理屈が前提。でもそれはアニメの動きを作る際に用いる物理法則の方で、むしろ実務を行うための理屈であって、その友人のように自身が「画を描けない」のを「あえて描かないのだ!」と正当化するために引用する哲学的な理屈とかではないのです。もちろん、いくつになっても哲学は必要だと思います。でも、

それぞれの職人が仕事をこなす姿勢にこそ、本当の哲学に繋がる部分があるのではないでしょうか? 哲学の友人様、多感な20代に哲学や音楽を教えてくれたこと、心から重ね重ね感謝してます! だからこそ、自分の不出来を哲学語って正当化するような、哲学の濫用はやめてほしい。そして程よい哲学を持ち、皆の記憶に残る仕事がお互いできるようになった時、再会しまた酒を酌み交わしましょう! 10〜20年くらいなら待てますから!

 ちなみに、自分が先生や先輩方から伝え聞く高畑監督って、ファンなら皆さんご存知のとおり「なんに関しても勉強好き」なんですが、それは単にインテリゲンチャではなく、大塚さんいわく「高畑は演助の時から原画に関する質問をよくしに来た」とか、友永師匠も「高畑さんはアニメーター以上に作画に詳しくて、その原画マンの120点を引き出そうとする」と。それは、ただ何度もリテイクを出すだけではなく、間違いなく大塚さんから学んだアニメ理論の成せる技だと思うんです(あくまで私見ですが)。ただ演出から見て「気に食わないから」で何度もリテイク出してるだけだったら、大塚さんも友永さんも高畑監督に付いていかなかったと思います。あと、自分のもう1人の原画の師匠・田中敦子さんも「高畑さんのラフコンテはマルチョンなんだけど、アイレベルも演出意図も一発で分かる! その辺のアニメーター上がりのコンテより、よっぽど上手い!」らしく、そのことを学生時代の先生・小田部羊一先生に伝えると「パクさんはあまり言わないけど、中学生くらいまでは好きで画を描いてたみたいで、画は分かる人だよ」と。多少記憶違いはあるかもしれませんが、そう聞きました。

第150回 鬼気迫る和の響き 〜どろろ〜

 腹巻猫です。阿佐ヶ谷のミニシアター・ユジク阿佐ヶ谷で上映中の劇場版『おはよう!スパンク』デジタルリマスター版を観ました。スクリーンで観るにふさわしい高画質。青春ドラマ的なストーリーもぐっときます。2月8日までの上映ですが、めったにない機会ですので、ご都合つく方はぜひ。3月は劇場版『エースをねらえ!』を上映するそうです。

https://www.yujikuasagaya.com/ohayo-spank


 TOKYO MXやBS11で放映中(Amazon Primeでも配信中)のリメイク版TVアニメ『どろろ』がなかなかいい。旧作の設定・雰囲気を継承しながら新しい解釈や表現に挑んで、現代的な作品に作り変えている。邦楽器やコーラスを取り入れた池頼広の音楽も、旧作の冨田勲の音楽へのリスペクトが感じられる、力の入ったものだ。
 今回は、旧作『どろろ』の音楽の話。

 旧作のTVアニメ『どろろ』は、手塚治虫の同名マンガを原作に虫プロダクションが制作した作品。1969年4月から9月まで全26話が放送された。のちに「世界名作劇場」を放送する「カルピスまんが劇場」枠の第1作である。
 多くのTV番組がカラー制作に移行した時代に、本作はモノクロで制作・放送されている。パイロット版はカラーで制作されたが、赤い血が飛び散る描写がお茶の間にふさわしくないとスポンサーが難色を示したために、思い切ってモノクロにしたそうだ(杉井ギサブロー監督のインタビューより)。これが逆に功を奏して、妖怪もの・時代ものにふさわしい迫力を生んでいる。冨田勲の音楽が、またモノクロの映像に合っていた。
 『どろろ』の音楽は、冨田勲がそれまでに手がけた虫プロ作品=『ジャングル大帝』『リボンの騎士』のような、各話ごとに音楽を作曲・録音する作り方ではなく、多くの音楽をあらかじめ録音しておく「溜め録り方式」が採用されている。編成は少人数のオーケストラに琵琶、鼓、尺八、男声コーラスなどを加えたスタイル。TVシリーズ用には少なくとも3回の録音が行われたことが判明している。
 『どろろ』の音楽をひとことで言うなら、「鬼気迫る」という表現がぴったりくる。無常感ただよう琵琶の音、夢幻的な男声コーラス。小編成ゆえに各楽器の音が冴え、張り詰めた緊迫感がある。冨田勲によれば、琵琶は「百鬼丸が呪いを打ち破る感じ」、男声コーラスは「魔物が迫ってくる感じ」を表現しようとしたものだそうだ。その音楽イメージは、1968年1月に完成したパイロット版の音楽ですでに固まっている。
 冨田勲は1969年1月から放送されたNHK大河ドラマ「天と地と」の音楽を担当している。この「天と地と」のテーマ音楽も、霧の中から聞こえてくるような琵琶の音と男声コーラスが印象的な曲(冨田勲は舞台となる越後地方を訪れたときに見た、雪に覆われた淡色の情景をイメージしたという)。『どろろ』の音楽は、その「天と地と」に通じるサウンドである。どちらが先に作曲されたかは定かでないが、冨田勲が同時期に大河ドラマとTVアニメで呼応するような音楽を書いていたことは興味深い。
 本作のテーマ曲としては、藤田淑子が歌う「どろろのうた」(「どろろの歌」表記もある)が有名だ。はずむリズムに乗せて言葉遊びのようなコミカルなフレーズから始まる歌は、バイタリティあふれるどろろのイメージ。中間部でシリアスな曲調に転じ、ふたたびコミカルに戻る構成がユニークだ。作詞を手がけた設定・脚本の鈴木良武によれば、原作にある権力への抵抗のメッセージを反映したものだという。シリアスな部分が権力(侍)を表現し、コミカルな部分はそれを笑い飛ばすどろろを表現しているのだろう。不思議な歌だと思っていたが、鈴木良武のコメントを読み、ようやく腑に落ちた。惜しくも昨年末に亡くなった藤田淑子の表情豊かな歌唱がすばらしい。
 現存するフィルムは、この「どろろのうた」がオープニングとエンディングに使われている。が、ファンの間では知られた話だが、もともと『どろろ』のオープニングには別の曲が使われていた。男声コーラスによるシリアスで重厚な(大河ドラマ風の)音楽が流れていたのだ。それが、パイロット版から使われている本作のメインテーマある。しかし、スポンサーからの要望等により、途中から「どろろのうた」に差し替えられたという。男声コーラス版のオープニング映像は見つかっていないが、DVDの特典映像でオリジナルBGMテープを使用して再現されている。
 『ジャングル大帝』『リボンの騎士』と同様に、本作の音楽もなかなか商品化に恵まれなかった。1979年に日本コロムビアから初の単独LPアルバムが発売されたが、これはA面にパイロット版の音声、B面に最終話の音声を収録した、いわゆるドラマ盤だった。
 その後、サウンドトラック盤の発売が企画され、発売間近まで制作が進んだこともあるが諸事情により中断。2016年、冨田勲の死後に日本コロムビアから発売された10枚組CD-BOX「冨田勲 手塚治虫作品 音楽選集」の1枚として、初めて劇中音楽が商品化された。
 その収録内容は以下のとおり。

1〜4.百鬼丸誕生の章
 1M-21/1M-28/1M-44 T2/1M-55
5.『どろろ』オープニング
 メインテーマ1(百鬼丸のテーマ)〈2M-1 T2〉
6〜10.どろろの章
 1M-11T2/1M-61/1M-15 T2/1M-5′/1M-40
11〜14.百鬼丸の章
 1M-27/2M-62 T2/1M-34/琵琶法師の唄(歌:滝口順平)
15〜18.みおの章
 2M-60′/2M-78/2M-64/1M-5
19〜24.万代の章
 1M-24/2M-15/2M-37/2M-45 Test/1M-35/1M-39
25〜29.無残帖の章
 2M-90/1M-59/1M-51 T3/2M-63/2M-60
30〜42.ばんもんの章
 2M-29/1M-4/2M-23/2M-56/1M-58/2M-79/2M-85 T2/1M-30/2M-82/2M-52/1M-6/2M-48/1M-7
43〜45.「どろろのうた」ヴァリエーション
 2M-16/3M-27/3M-28 T2
46〜48.二人旅の章
 1M-31/3M-5 T5/3M-7 T2
49〜50.『どろろと百鬼丸』オープニング
 3M-24/どろろのうた(歌:藤田淑子)
51〜55.妖怪かじりんこんの章
 3M-9/3M-1/3M-3 T5/2M-88/3M-13
56〜57.妖馬みどろの章
 3M-10/3M-30 T2
58〜66.最後の妖怪の章
 2M-91/2M-70 T2/2M-25/2M-62′/1M-22 T4/3M-8/2M-42/1M-2/2M-17 T2
67.クロージング
 百鬼丸の歌(歌:葵公彦)

〈ボーナス・トラック〉
68.メインテーマ2(百鬼丸のテーマ)〈1M-1 T2〉
69.どろろのうた(2コーラス カラオケ)〈2M-13 2コーラス〉

 BGMは1曲1トラックで収録。構成・音楽解説は貴日ワタリ。エピソードごとに複数の曲をまとめたブロックを中心にして、全26話の物語の流れを追う構成である。
 最初の「百鬼丸誕生の章」は、第1話の百鬼丸誕生までを再現したブロック。闇の奥から響くような男声コーラス、弦楽器や木管、ピアノ、ティンパニなどが不気味なサウンドを構築して盛り上げる。恐怖映画音楽風の緊迫感あふれる曲が続く。
 そして、初期オープニングをイメージした「メインテーマ1(百鬼丸のテーマ)」。幻想的な中に運命の重さと哀しみを感じさせる、これぞ「『どろろ』の音楽」と呼びたくなる曲である。
 続く「どろろの章」は、第1話のどろろと百鬼丸の出会いまでを彩った曲を集めたブロック。低音の弦が奏でる2分を超えるメインテーマのバリエーション「1M-5′」が聴きごたえがある。
 「百鬼丸の章」「みおの章」は、百鬼丸の生い立ちが語られる第2話で使用された音楽を集めたブロック。やさしいメロディの「2M-78」、予告編にも使用されたサスペンスタッチのメインテーマのバリエーション「1M-5」が耳に残る。「琵琶法師の唄」は劇中で流れた琵琶法師が歌う曲だ。
 「万代の章」から、いよいよ、妖怪退治の音楽に突入。冨田勲は50〜60年代にサスペンス、怪談、時代劇、任侠ものなど、さまざまなジャンルの映画音楽を手がけているので、こういった効用音楽的表現もお手のものである。音にこだわる冨田勲らしく、電気的に加工したり、リバーブ(エコー)を加えたりしたサウンドも聴くことができる。
 そんな中、「無残帖の章」に収録された、幼いどろろに母親が粥を運ぶ回想場面の曲「2M-63」、オカリナが涼やかな「2M-60」などが心に残る。
 百鬼丸が自らを捨てた家族と邂逅するエピソードを描いた「ばんもんの章」はひときわドラマティックなブロック。メインテーマの琵琶によるスローアレンジ「1M-4」、同じくバイオリンによる物悲しい変奏「2M-79」、DVD特典の初期オープニング再現映像に使用されたメインテーマの力強いアレンジ「1M-6」などが聴きどころだ。
 明るめの道中物風の曲を集めた「「どろろのうた」ヴァリエーション」と「二人旅の章」のブロックを挟んで、『どろろと百鬼丸』とタイトルが改められてからの展開になる。
 「妖怪かじりんこんの章」の1曲目、軽快なリズムに乗ってストリングスが流れるようなメロディを奏でる「3M-3」が楽しい。第3回録音(Mナンバーの頭の数字が録音回数)の楽曲は初期の鬼気迫る感じが薄れて、ポップス風のモダンな音楽になった印象である。それはそれで魅力的だ。
 最後のブロック「最後の妖怪の章」には、最終話「最後の妖怪」で使用された曲が集められている。路線変更で明るい作風に変わった『どろろと百鬼丸』だが、最終話は百鬼丸の宿命に決着をつけるシリアスなエピソード。音楽も、第1回録音、第2回録音の楽曲がメインになっている。尺八による寂寥感ただようメインテーマの変奏「1M-2」、「どろろのうた」の希望的なアレンジ「2M-17」で物語は幕を閉じる。
 「クロージング」として収録されたのは、番組では使用されなかった挿入歌「百鬼丸の歌」。放送当時発売されたレコード等に収録されていたマカロニウエスタン調の名曲である。
 ボーナス・トラックはメインテーマのステレオ・バージョン、そして「どろろのうた」のカラオケ。どちらも冨田勲のすばらしいオーケストレーションが堪能できるトラックだ。

 冨田勲は60年代に「キャプテンウルトラ」「マイティジャック」「空中都市008」などのSF特撮作品を手がけ、70年代にはシンセサイザーを使った新しいサウンドを追求するなど、未来的、先進的な音楽を作る作曲家という印象が(筆者には)ある。
 しかし、ドキュメンタリー「新日本紀行」や大河ドラマ「新・平家物語」「天と地と」、映画「たそがれ清兵衛」「千年の恋 ひかる源氏物語」などでは、日本的なサウンドや旋律を前面に出した音楽を提供しているし、「大モンゴル」「アジア古都物語」といった大陸を舞台にしたドキュメンタリー作品ではエキゾティックな冨田サウンドを聴かせてくれる。「誰も聴いたことがない音」を追求し続けた冨田勲にとっては、SFも時代劇も現代劇も、西洋も東洋も、区別がなかったのだろう。晩年には宮沢賢治の童話を題材にした「イーハトーヴ交響曲」を発表するなど、むしろ、日本的なものに回帰していた。
 『どろろ』は、初期の和の冨田サウンドが堪能できる貴重なアニメ作品である。そのサウンドは「新日本紀行」などの情緒的な音楽とは異なる、鬼気迫るような緊張感に富んだもので、冨田勲作品の中でも異彩を放っている。シンセサイザーに傾倒する直前の作品としても重要である。
 「冨田勲 手塚治虫作品 音楽選集」のディスク5には『どろろ』パイロット版の音楽と「百鬼丸の歌」の別バージョンも収録されている。他のディスクに収められた『ジャングル大帝』『リボンの騎士』『千夜一夜物語』などもサントラファン必聴のお宝音源。ぜひ一緒にお聴きいただきたい。

冨田勲 手塚治虫作品 音楽選集
Amazon

アニメ様の『タイトル未定』
190 アニメ様日記 2019年1月13日(日)

2019年1月13日(日)
三連休の2日目。午前中は「アニメスタイル014」と「劇場版『若おかみは小学生!』絵コンテ 高坂希太郎」の高坂希太郎さんのインタビューのテキスト作業。昼からトークイベント「第153回アニメスタイルイベント 『この世界の片隅に』に至る道(2)片渕さんイベント」を開催。今回は『NEMO』についての話題がトークの中心だった。夕方は国際展示場前まで行ってポケモンGOのEXレイド。

2019年1月14日(月)
三連休の3日目。大人しく事務所で仕事。

2019年1月15日(火)
届いていた『妖獣都市』のBlu-ray BOXをあける。封入特典の「妖獣都市 資料集」に、川尻さんのレイアウトが載っていて、それだけで満足。

2019年1月16日(水)
この日だけのことではないけれど、「劇場版『若おかみは小学生!』絵コンテ 高坂希太郎」と「アニメスタイル014」の作業が同時進行。WOWOWで放映された『劇場版 響け! ユーフォニアム ~北宇治高校吹奏楽部へようこそ~』の録画を再生し始めたら、あんまりも面白いので途中で止められず、作業しながら最後まで観てしまった。

2019年1月17日(木)
16日(水)の23時半に起きて、23時50分に事務所へ。TOKYO MXの深夜アニメを観ながら「アニメスタイル014」の作業を進める。『バーチャルさんはみている』『シティーハンター スペシャルセレクション』『コミックBAR Renta!』『盾の勇者の成り上がり』『この素晴らしい世界に祝福を!(再)』の流れはバラエティに富んでいてよかった。『CITY HUNTER』は映像が鮮明だった。『このすば』の1話もいい感じに懐かしかった。やっはり、『このすば』の1話はAパートとBパートの間はCMが入ったほうがいいなあ。

2019年1月18日(金)
「劇場版『若おかみは小学生!』絵コンテ 高坂希太郎」入稿直前。折り返しの紙を選んだり、束厚をデザイナーさんに伝えたり、見積もりを見ながら印刷部数を決めたり。

2019年1月19日(土)
風邪気味。あまり仕事は進まず。2月23日開催のオールナイトのタイトルを今日中に決めることになった。「過激かつ濃密!!」とか「伝説の1980年代アニメ」とか色々考えたけれど、なかなか決まらない。悩んだ時は頭を切り替えて、シンプルなものにしたほうがいい。作品タイトルを並べることにして「SPECIAL PROGRAM 幻魔・妖獣・迷宮・AKIRA!!」に決めた。

第154回アニメスタイルイベント
谷口淳一郎の仕事

 キャラクターデザイナー・アニメーターとして活躍する谷口淳一郎のトークイベントを開催する。
 彼の初めての作品集「谷口淳一郎 アニメーション画集」の刊行を記念しての企画だ。今まで手がけた作品、仕事へのこだわりなどを語っていただこう。他の出演者は、彼の専門学校以来の友人であるアニメーターの田中将賀、『月刊少女野崎くん』『多田くんは恋をしない』の監督である山崎みつえを予定。

 チケットはすでに完売。今までのイベントと同様に、トークの一部を「アニメスタイルチャンネル」で配信する。詳しくは、以下のリンクの阿佐ヶ谷ロフトAのページを見てもらいたい。

■関連リンク
アニメスタイルチャンネル
https://ch.nicovideo.jp/animestyle

阿佐ヶ谷ロフトA
https://www.loft-prj.co.jp/schedule/lofta/108376

【アニメスタイルの新刊】『魔法少女まどか☆マギカ』『刀剣乱舞-花丸-』の谷口淳一郎の初めての画集! 一般販売スタート!!
http://animestyle.jp/news/2019/01/07/14892/

第154回アニメスタイルイベント
谷口淳一郎の仕事

開催日

2019年2月2日(土)
開場12時00分 開演13時00分 

会場

阿佐ヶ谷ロフトA

出演

谷口淳一郎、田中将賀、山崎みつえ、小黒祐一郎(司会)

チケット

前売1500円(共に飲食別・要1オーダー)

■アニメスタイルのトークイベントについて

 会場となる阿佐ヶ谷ロフトAはトークライブができる居酒屋。入場料(今回は前売1500円)とは別に飲食(最低でもドリンク1杯)をお願いしている。ソフトドリンクもあるので、未成年の方でも大丈夫。 アニメスタイル編集部が開催する一連のトークイベントは、イベンターによるショーアップされたものとは異なり、クリエイターのお話、あるいはファントークをメインとする、非常にシンプルなものだ。出演者のほとんどは人前で喋ることに慣れていないし、進行や構成についても至らないところがあるかもしれない。その点は、あらかじめお断りしておく。

アニメ様の『タイトル未定』
189 アニメ様日記 2019年1月6日(日)

2019年1月6日(日)
トークイベント「第152回アニメスタイルイベント 井上俊之の作画を語ろう・2019」を開催。当初は昨年12月にやるはずだったのだが、僕の単純ミスで1月にズレこんでしまった。それで1月はトークイベントを2回やることになったのである。イベントの企画はもっと慎重に進めなくては。反省しております。トークの前半は『電脳コイル』の話題がメイン。イベント自体は、今回も楽しいものになったと思う。僕も楽しかった。

2019年1月7日(月)
株式会社スタイルの仕事始め。引き続き取材の予習で『ハピネスチャージプリキュア!』を観る。

2019年1月8日(火)
取材の予習は『ハピネスチャージプリキュア!』を終えて、『ハートキャッチプリキュア!』に突入。同じ監督なのに、コンテの切り方が全然違うのが面白い。それにしても元気のいいアニメだなあ。『ONE PIECE ~ハートオブゴールド~』も観る。昼から「この人に話を聞きたい」取材。今回登場していただいたのは長峯達也さん。たっぶりと話をしてもらい、大変に有り難かったけれど、面白いエピソードが多すぎる。連載一回分で収まるだろうか。

2019年1月9日(水)
正月にある方から届いたお菓子の箱を開けたら、普通の洋菓子と一緒に「アニメ様クッキー」が入っていた。僕がtwitterのアイコンで使っているイラストがプリントされたクッキーだ。すっごくよくできているけど、自分では食べづらいなあ。『若おかみは小学生!』絵コンテ本を刊行することをネットで発表した。

2019年1月10日(木)
「Animage」2019年2月号(vol.488)が発売。「設定資料FILE」は『レイトン ミステリー探偵社 ~カトリーのナゾトキファイル~』だ。元々の線が非常に細いのだけれど、印刷でその線が綺麗に出ていた。構成的にも画を詰め込んだので、今までの「設定資料FILE」の中でも密度の高い誌面となった。アナログ編集、アナログデザインの時代だったら、この密度感は出なかっただろうなあ。今号の「Animage」は税込で1200円。雑誌「アニメスタイル」と価格が近づいてきた(ちなみに、創刊40周年の2018年7月号も税込で1200円だった)。そして、ネットで「MdN」が休刊することを知る。お疲れさまでした。
新番組の『どろろ』1話を観る。よくできている。想像していたよりも原作のテイストを活かしている。始まった途端に最終回の話をして申しわけないけど、どんなかたちで物語を終わらせるのかが楽しみだ。
どうやら風邪をひいたようだ。まだ熱もないのだけれど、年末も同じような風邪を放っておいて、結果としてなかなか治らなくて困ったので、今回はひき始めに病院へ。

2019年1月11日(金)
新番組をいくつかチェック。風邪のことがあるので、しばらくウォーキングはお休み。

2019年1月12日(土)
「設定資料FILE」の構成をする。作業をしながら、配信で『CITY HUNTER 2』1話~5話を観た。面白かった。時の流れが作品に味わいを加味している。前にも思ったけれど、いのまたさんは冴羽リョウ(「リョウ」の文字は正しくは「犭」に「尞」)の裸にきっちりと修正をいれているのではないかなあ。

新文芸坐×アニメスタイルVol. 112
SPECIAL PROGRAM 幻魔・妖獣・迷宮・AKIRA!!

 2019年2月23日(土)に開催するオールナイトは「新文芸坐×アニメスタイルVol. 112 SPECIAL PROGRAM 幻魔・妖獣・迷宮・AKIRA!!」。『妖獣都市』のBlu-ray BOX化を記念しての特別企画だ。上映作品は『幻魔大戦』『妖獣都市』『迷宮物語』『AKIRA』の4本。いずれも1980年代に公開された濃厚かつ刺激的な作品であり、作画を始め映像的な見どころも非常に多い。

 『幻魔大戦』はりんたろう監督の超大作であり、大友克洋がキャラクターデザインの役職で初めてアニメーション制作に参加。その大友克洋と、アニメーターとして腕を振るってきた川尻善昭が、りんたろうと共に監督を務めたのがオムニバス作品の『迷宮物語』。『迷宮物語』に続くかたちで川尻善昭は代表作となる『妖獣都市』を手がけ、大友克洋は自身の原作を映像化した『AKIRA』を発表。今回のプログラムは、そういった作品の関係性を踏まえて組んだものだ。

 トークコーナーの出演者は未定。前売り券は1月26日(土)から新文芸坐窓口とチケットぴあで発売となる。 (追記)トークコーナーに、りんたろう監督、丸山正雄プロデューサーの出演が決定した。なお、前売チケットは完売。当日券の販売は予定していない。

新文芸坐×アニメスタイルVol. 112
SPECIAL PROGRAM 幻魔・妖獣・迷宮・AKIRA!!

開催日

2019年2月23日(土)

開場

21時30分/開演:21時45分 終了:翌朝6:05(予定)

会場

新文芸坐

料金

当日一般2800円、前売・友の会2600円

トーク出演

りんたろう、丸山正雄、小黒祐一郎(司会)

上映タイトル

妖獣都市(1987/82分/BD)監督:川尻善昭
幻魔大戦(1983/135分/DCP)監督:りんたろう
迷宮物語(1987/50分/35mm)監督:りんたろう、川尻善昭、大友克洋
AKIRA(1988/124分/35mm)監督:大友克洋

備考

※オールナイト上映につき18歳未満の方は入場不可
※トークショーの撮影・録音は禁止

●関連サイト
新文芸坐オフィシャルサイト
http://www.shin-bungeiza.com/