COLUMN

アニメ様の『タイトル未定』
305 アニメ様日記 2021年3月28日(日)

編集長・小黒祐一郎の日記です。
2021年3月28日(日)
日曜ではあるけれど、散歩以外はデスクワーク。
3月27日に「満員電車」を鑑賞した流れで、Amazon prime videoで市川崑監督の「青春怪談」を観る。1955年の邦画だ。原作小説は既読。タイトルに「怪談」の文字が入っているが、原作も市川崑版も、幽霊も出なければ妖怪も出ない。先進的な若者である奥村千春と宇都宮慎一、そして、やや変わり者の千春の父と慎一の母の恋愛模様を描く。原作は小説としてはあっさりしているのだけど、登場人物が魅力的で、楽しく読んだ。市川崑版は物語に関しては、原作をなぞっているけれど、慎一の現代っ子ぶりについてはもうひとつ。慎一の役者さんの風貌が大人過ぎるのではないか。原作を読んでいるからそう思うのかもしれないけれど。それに対して、千春のボーイッシュな感じは悪くない。「青春怪談」は同じ原作を、別の映画会社、別の監督で映像化した映画が同じ日に公開されているらしい。観客は同じ原作の映画を選んで観ることができたわけだ。

2021年3月29日(月)
午前中に、ワイフとグランドシネマサンシャインで「ノマドランド」を鑑賞。とてもよくできた映画だった。自分がもっと年齢を重ねてからだと、受け取り方が変わるかもしれない。ワイフはかなり感銘を受けた模様。午後はデスクワーク。録画で『ちびまる子ちゃん』で、キートン山田さんの最後の出演回を観る。

2021年3月30日(火)
この日も映画を観にいこうかと思っていたのだけど、「ノマドランド」で映画を観たい欲が治まったので、とりやめる。事務所でデスクワーク。原稿やこれから作る書籍の企画書の作業等。
『おそ松さん』第3シリーズ未視聴分を最終回まで観る。『おそ松さん』はこれからも、ゆったりと続いてくれると嬉しい。
『BEASTARS』第2シリーズ未視聴分を最終回まで観る。面白かったけど、原作はこの後もずっと続くのね。そろそろ原作をきちんと読んだほうがいいかな。

2021年3月31日(水)
昼までデスクワーク。午後は『映画大好きポンポさん』の試写会に行く。平尾隆之監督で『映画大好きポンポさん』を映像化すると知った時には、意外な組み合わせなので、ちょっと驚いた。だが、平尾監督が次回作としてこのマンガを映像化するのは面白いし、よい作品になるだろうとも予想できた。完成したアニメーション映画『映画大好きポンポさん』は非常にテクニカルな作品であり、なおかつ、娯楽作。原作を活かしている上にプラスアルファがある。全体として平尾監督らしい映画にもなっていた。期待以上の仕上がりだった。
「佐藤順一の昔から今まで」で確認したいことがあって『ストレンジドーン』を再見。U-NEXTで配信が始まっていた。ありがたい。 事務所が入っているビルの裏にある自販機の缶コーヒーがアイスだけになった。早いよ。毎年、梅雨くらいまでホットの缶コーヒーが飲みたい日があるのだ。

2021年4月1日(木)
新文芸坐の特別モーニングショーで「ひまわり 50周年HDレストア版」(1970・伊/107分/DCP)を鑑賞。プログラムのタイトルは「不朽の恋愛映画が、美麗映像で甦る ひまわり 50周年HDレストア版」。「ひまわり」は有名な映画だが、自分は初見。あらすじも知らなかったのにメインテーマは聞き覚えのある曲だし、観ていて「ああ、このカットはスチルになっているなあ」と思ったりと、不思議な鑑賞だった。脚本はよく練ってあるし、演出も腰がすわっている。「よく撮ったなあ」と思うカットもいくつもあった。音楽を担当したヘンリー・マンシーニが気になって、Amazon Musicで楽曲を探したところ、プレイリストがあった。
ワイフの体調がいまひとつで、のんびりと休んでもらうために「天然温泉 豊穣の湯 ドーミーイン池袋」に宿をとる。ドーミーイン池袋は事務所近くのホテルで、3月18日に開業したばかり。池袋のホテルなのに温泉に入れるのだ。15時にチェックインして、自分は事務所に戻ってデスクワーク。

2021年4月2日(金)
深夜にホテルで起きて、暗いうちに出社。早朝散歩の後、ホテルで朝食をとってからまた出社。寝起きしているのと食事をとっているのがホテルである以外、自分の生活パターンは普段とあまり変わらない。
早朝散歩ではAmazon Musicのプレイリスト「Henry Mancini Essentials」を聴いた。音楽好きの人には笑われてしまうかもしれないけれど、ああ、この曲もヘンリー・マンシーニだったのかと、素朴に驚く。「Baby Elephant Walk」もそのひとつで、あとで検索して映画「ハタリ!」の曲だと知る。

2021年4月3日(土)
『おじゃる丸』『忍たま乱太郎』はずっと録画をしているのだけれど、あまり再生していない。反省して、数日前から新作があったら、なるべく翌日の朝に観ることにした。4月2日に放送されたのは『おじゃる丸』も『忍たま乱太郎』も夫婦愛の話でしみじみとした。愛ちゃんの「あー、私なんだか、手をグーってしたくなったわ。グーって」が超甘々でよかった。これも自分が若い頃に観たら、受け取り方が違うだろうなあ。
昼前にホテルをチェックアウト。ワイフは充分に休めたようでご機嫌。自分は阿佐ヶ谷ロフトAに移動して、イベント「ぼくらの動画祭」に途中から参加。吉松さんが作った動画を流すイベントで、出演は吉松さん、ドクトルFさん、水島精二さん。自分が登場して、やたらはしゃいでいる動画も上映された。その後、事務所に戻ってデスクワーク。
「仮面ライダー生誕50周年企画発表会見」で新作「シン・仮面ライター」の製作が発表された。脚本・監督は庵野さんだ。『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』の公開からひと月足らずで、新しい監督作を発表するイケイケ感が素敵だ。