COLUMN

アニメ様の『タイトル未定』
423 アニメ様日記 2023年7月2日(日)

2023年7月2日(日)
朝の散歩でワイフと第十三回すがも朝顔市に行く。この朝顔市は午前6時30分からやっている。ワイフが一鉢買った。昼間はジュンク堂と三省堂書店に寄って本を見る。読む本を探していたわけではなく、これから作る本の判型と文字組みの参考になるものを探したのだ。しっくりとくるものは見つからなかった。
7月の新番組を片っ端から観る。この日に観たのは『ホリミヤ -piece-』『Atelier Ryza ANIMATION  常闇の女王と秘密の隠れ家』『AYAKA ‐あやか‐』『うちの会社の小さい先輩の話』『実は俺、最強でした?』。

2023年7月3日(月)
『青のオーケストラ』がどんどんよくなっている。昨日の回は演出がよかった。話を進める以上のことをやっていた。グランドシネマサンシャインの10時10分からの回で『劇場版美少女戦士セーラームーンCosmos≪後編≫』を鑑賞。『Crystal』以降の『セーラームーン』で一番充実した仕上がりだったと思う。ただし、≪後編≫より≪前編≫のほうが面白かった。とにかく終わってよかった。難しいとは思うけれど、10年後くらいに再々アニメ化があるといいなあ。イケ・サンパーク近くの寿司屋でランチ。前から入ってみたかった店で、頻繁に前を通っているのに中に入ったのは初めて。これも「時間に余裕があるうちに、色んな店でランチを食べておこうシリーズ」だった。
Zoom打ち合わせ、そして、歯医者。歯医者の後で中央線沿線の某プロダクションに行く予定だったけれど、それが無くなったので新文芸坐に。15時10分からの回で「祈り」(1967・ジョージア/78分/DCP)を鑑賞する。プログラム「日本最終上映 ジョージアの巨匠テンギズ・アブラゼ「祈り三部作」」の1本。画作りはよかったけど、映画としては入りづらかった。オールナイトの1本として観たい感じ。

2023年7月4日(火)
新文芸坐の9時45分からの回で「茶飲友達」(2022/135分/PG12)を鑑賞。予告を何度か観て、気になって鑑賞した。高齢者売春を斡旋するグループとそこで働く老婆達の話で役者がよく、演出もいい。老人同士の行為を素敵なものとしてあつかっているのも、老婆達を愛らしく描いているのもいい。高齢男性にとっては扱いづらい若い女性よりも、落ち着いて接してくれる高齢者女性のほうが好ましいということを、それをセリフでは言わず、ドラマを通じて描いているのもよい。「これは巧いなあ」と感心するセリフがいくつもあった。映画前半は「大変な傑作ではないか」と思いながら観ていたのだけれど、話を広げ過ぎたのかもしれない。1本の映画として上手く着地しなかった印象。高齢者になっても他人との触れ合いが欲しいし、性愛も必要かもしれない。ひょっとしたら、人生の終幕近くに楽しい時間があるかもしれない。それを前半でポジティブなものとして提示しただけで、充分に価値のある映画だと思う。午前中の回にしては客が入っていたが、9割くらいがお年を召した方だった。ご夫婦で来ているお客さんも何組かいた。どんな気持ちでこの映画を観たのか気になる。
午後はワイフと出かけて、先日も行ったラーメン屋の浮浪雲に。美味しかったので、ワイフを誘ったのだ。普段は通らない道で自転車修理の店の前に人なつっこい猫がいた。近くに寄っても逃げない。ワイフは猫を撫で回していた。
劇場で録画した『GUN SMITH CATS』を視聴した。1話と2話以降で随分とキャラ作画が違う。3話は作画メンバーが豪華。あれ? これってDVDを買っていなかったっけ? と思ったらDVDを買ったのは『ライディング・ビーン』だった。

2023年7月5日(水)
打ち合わせで「『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』にはOVAがあるけど、最初のTVシリーズの『鋼の錬金術師』にはOVAが無いですよね」という話になって、それに対して、僕が「いやいや、あるよ。『国家錬金術師とホムンクルスの宴会大会』みたいなタイトルのやつ。それから実写編と現代編とか」と返した。打ち合わせの後で確認したら、正しくは「七大ホムンクルスVS国家錬金術師軍団」だった。それと別に短編で「宴会篇」があって、それとごっちゃになっていたようだ(さらに付け加えると「七大ホムンクルスVS国家錬金術師軍団」はUSJで上映されたイベントムービーであって、OVAではなかった。「宴会篇」等はOVA扱いのはず)。
駒込の「もつ焼 髙賢」に。業界のある方と食事。吞んで食べる。
『好きな子がめがねを忘れた』の1話はかなりインパクトだった。素晴らしい。凝った映像が好きな人、尖った作品が好きな人は必見だと思う。
ドラマ『DIY!!』1話も視聴。アニメ版を徹底的に再現しようとして、ちょっと驚く。アニメと実写の違いについて、改めて考えるきっかけにもなった。

2023年7月6日(木)
夕方、ワイフと鬼子母神の夏市に行く。途中で、朝の散歩で顔馴染みの猫が物陰でだらーんと昼寝をしているのを目撃する。夏市は賑やかで、子どもも多かった。ワイフは金魚掬いで金魚を掬いまくった。
引き続き新番組を片っ端から観る。『自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う』が凄い内容だった。主人公が本当に自動販売機なのだ。録画で東映チャンネルの『サイボーグ009』(1968)の13話、14話。「Gメン’75」9話、10話を視聴。『サイボーグ009』13話は作画がいいところがあった。木村圭市郎さんの作画が金田伊功さんのルーツだということがよく分かる。

2023年7月7日(金)
仕事の合間に新文芸坐で「蛇の道」(1998/85分/35mm)を鑑賞。ブログラム「呼応する二つのビート 北野武と黒沢清」の1本だ。画像がやたらと粗かったけれど、16ミリフィルムをブローアップしたものだそうだ。その粗さも味わいだと思えた。愛娘を殺された宮下(香川照之)の復讐を、新島という男(哀川翔)が手伝う。二人は犯人と思しきヤクザを拉致監禁するが、さらにもう一人のヤクザを拉致することになり、さらにもう一人⋯⋯。元がVシネマなのも関係しているかもしれないけど、映画として贅肉がほとんどないのに感心した。ロケーションもいい。前半は緊張感があってそれがよかった。最後のどんでん返しは物語としては面白かったけど、映画とてしてはもっとパンチが効いてもよかったと思う。細部に関しては受け止めきれないところがあったけれど、印象に残る作品だ。
『呪術廻戦 懐玉・玉折』1話(25話)を観た。いいものを観せてもらった。画的な見どころが山盛りで、演出もよい。「画がいい」以上の仕上がりだった。原画も見たいけど、演出修正も見てみたい。

2023年7月8日(土)
「第207回アニメスタイルイベント ここまで調べた『つるばみ色のなぎ子たち』」を開催。トークはタイトル『つるばみ色のなぎ子たち』の解説に始まり、つるばみ色の説明。清少納言の衣装設定も公開。YouTubeにも上がっているメイキング動画。さらにメイキング動画のコメンタリー。「枕草子」の研究が進んだために生じた謎について。清少納言の記述はレトリックが入っているのでなく、視覚を優先して書いているのではないか。片渕監督達が作っている映画とはどんなものなのか、どこがドラマの核になるのか。等々。体調不良だった前回と比べると、片渕さんの話は三倍くらいの密度があった。お客さんは今までよりも人数が多かった。