COLUMN

アニメ様の『タイトル未定』
424 アニメ様日記 2023年7月9日(日)

2023年7月9日(日)
ワイフとほおずき市開催中の浅草に。露店のほおずきを見て、浅草寺に参拝する。ほおずきは買わないで、ワイフのために風鈴を買った。浅草は午前10時台から吞み屋が営業していた。若いカップルや女性で賑わっている居酒屋もあった。ホッピー通りの店で呑んで、その後、鈴芳に移動して生ホッピーを吞んだ。ワイフの希望で壽々喜園 浅草本店で「世界で一番濃い抹茶ジェラート」をいただく。事務所に戻って書籍の作業をやるつもりだったけれど、アルコールが入っていたので、それ以外の作業を進めた。

7月以降は土曜から日曜にかけての深夜アニメがかなり多い。以下がそのタイトル(小黒の観測範囲内)。
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『レベル1だけどユニークスキルで最強です』
『ライアー・ライアー』
『BLEACH 千年血戦篇 訣別譚』
『ホリミヤ -piece-』
『Atelier Ryza ANIMATION 常闇の女王と秘密の隠れ家』
『TIGER & BUNNY 2』
『魔王学院の不適合者II ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~』
『EDENS ZERO[第2期]』
『AYAKA ‐あやか‐』
『てんぷる』
『うちの会社の小さい先輩の話』
『実は俺、最強でした?』
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2023年7月10日(月)
CSで録画した「ビューティ・ペア 真赤な青春」を観た。1977年の映画だ。ビューティ・ペアをビューティ・ペアが演じるドキュメンタリー風のフィクション。試合シーンの映像は大味だけど、映画館で観たら臨場感があったかも。
書籍「作画マニアが語るアニメ作画史 2000~2019」の校正等を進める。17時から伊東食堂でライターの前田久さん、事務所のメンバーと食事。前田さんにたっぷりと食べてもらう。ワイフが新潟で探して見つからなかった『らんま1/2』のカップ酒が伊東食堂にあった。
中古で購入した「鋼の錬金術師 BOX SET-ARCHIVES-」について。これは凄い。書籍ではなくて映像・音楽・書籍のセットなのだが、ムックとも記録全集とも違うアニメ書籍の理想のかたちかもしれない。作品に対する愛情と誇りが詰まった商品だと感じた。一番イケてると思ったのは、イベントポスターを含めた公式ポスターの収録とパッケージ用イラストの収録。劇場版チケット等のグッズの復刻も凄い。デザインが垢抜けているのもよい。
『BLACK★ROCK SHOOTER』のPILOT Editionを観る必要が生じて、Amazonを検索してみたところ「購入回数: 2回。」の文字が。購入回数2回だとお。ジャケット画像を見てみると、確かに事務所で見かけた記憶がある。

ライターの廣田恵介さんが亡くなったことを知る。自分の仕事にプライドを持っており、体当たりで仕事をしている。彼についてはそのように思っていた。廣田さんがキュレーターを務めた「GIANT ROBOTS 日本の巨大ロボット群像」で資料協力をしたのが、最後の付き合いになった。その時にもっと話をしておけばよかった。彼の昔のブログが好きだった。ご冥福をお祈りいたします。

2023年7月11日(火)
朝の散歩の途中で、大塚の山下書店で編集中の書籍に関して、製本のサンプルになりそうな本を買い込む。赤本も買った。赤本買うなんて、大学受験以来だ。新文芸坐の13時5分からの回で「ヨーヨー」(1964・仏/98分/DCP)を鑑賞。プログラム「世界の映画作家Vol. 236 ピエール・エテックス」の1本。洒落た描写が多くて、それが楽しい。映画前半のほうが楽しめた。父親が豪邸を出て、親子3人で旅を始めたあたりが一番よかった。終盤はよく分からなかった。どうして、象? お父さんとお母さんは? ピエール・エテックス監督の作品はこれしか観ていないので無責任な発言になるが、同じような作りなら、短編のほうがいいかもしれない。監督の短編も観てみたい。映画の後でジュンク堂に。朝に続いて製本のサンプルになる本を買い込む。就寝前に『君たちはどう生きるか』初日のチケットをネットで購入する。

2023年7月12日(水)
「わく 別誂 寄り路処ふう」でお世話になっているある方と吞む。この店はランチで入ったことはあるけど、夜に来たのは初めて。いい店だった。

2023年7月13日(木)
朝の散歩はワイフと。普段と散歩の時間をズラして、午前4時くらいにマンションを出る。このくらいの時間なら、暑さと陽射しが苦手なワイフも大丈夫のはず。カルチュア・エンタテインメント株式会社から出ていた「季刊エス」と「SS」が、株式会社パイ インターナショナルから発売・発行されることを知る。次々に出版社を変えて出し続けているところがすごい。いやあ、大したものだ。
新文芸坐で「CURE 4Kデジタル修復版」を【4K上映】で鑑賞。1997年の映画だ。以下、ネタバレあり。評判がいい映画であることと、役所広司さんが刑事役をやっているくらいの事前情報で鑑賞した。途中までオカルトテイストの推理物かと思っていたけど、ホラーだった。主人公の高部(役所広司)が刑事で、犯人が間宮(萩原聖人)。捜査に協力するのが精神科医? の佐久間(うじきつよし)。それと高部の妻、19世紀末の人物の伯楽陶二郎。このあたりが主要登場人物(伯楽陶二郎は声だけが登場)。高部の妻は精神を患っており、高部は妻を愛しているが、その存在が重荷にもなっている。佐久間の設定上の位置づけはよく分からない。中盤までは殺人事件の描写、謎の提示、間宮の特異なキャラクターで、かなりの面白さ。後半も悪くない。高部が間宮を躊躇なく撃つところ等がよかった。怪奇事件が能力者による能力によるものだったみたいなところに落ち着いたのは、いまひとつしっくりこなかった。鑑賞後、Wikipediaやネットにあった監督インタビュー、いくつかの記事に目を通した。当初は「伝道師」のタイトルで制作が進んでいたが、当時の実際の事件に配慮して「CURE」のタイトルに変更したのだそうだ。劇中でも「癒し」という言葉が出ていたはずだけど、ある種の人達にとっては殺人が癒し(あるいは治療)になるということなのだろう。映画の途中で、間宮に誘導されて殺人を犯した女医が、殺人によって自分を解放した(と思われる)ように。映画のラスト、伯楽陶二郎から能力を受け継いだ高部は妻を殺害して(あるいはそれに近い状態にして)、次のシーンでそれまでになく、上機嫌になっていた。あれもCUREということなのだろう。演出は全体によい。特にエンドロール直前のラストカットの切れ味のよさは素晴らしい。よくぞ、あそこで終わらせた。実際にはあの後の展開も撮影されていて、そこは使わなかったらしい。個人的なことを書くと、高部の奥さんに感情移入して観た。

2023年7月14日(金)
グランドシネマサンシャインの8時15分からの回で、ワイフと『君たちはどう生きるか』をDolby Atmosで視聴。事前の情報がほとんどなかったので、どんな映画が始まるのか分からないで観た。ここまで事前の情報無しで映画を観るのは初めてで、上映が始まった瞬間のワクワクはかなりのものだった。内容に関してはどう受け止めていいのか分からないところもあったけれど、充分に楽しむことができた。先が分からないので楽しめたというところもある。作画はかなりよかった。本田雄さんがいい仕事をしているとは聞いていたが、予想以上だった。巧いし、やりきっているところが凄い。
東映株式会社から「宇宙海賊キャプテンハーロック Blu-ray BOX 豪華版」についてメールがあった。予約数が設定した数に達しなかったため、特典として制作する絵コンテが1冊になったのだそうだ。サイトを見ると「予約数が200に達した場合、復刻版絵コンテは2冊!」「予約数が400に達した場合、復刻版絵コンテは3冊!」とある。予約数が200に達しなかったのだろう。残念だ。それにしても寂しい数字だ。

2023年7月15日(土)
『君たちはどう生きるか』の感想がネットに出始めた。「肯定派」も「否定派」も、「分かる派」も「分からない派」も言っていることがバラバラで非常に面白い。むしろ、バラバラなところが、この作品らしいか。作品についての感想はバラバラだれど、作画ファンの作画についての感想は肯定的なものが多い。基本的には「本田雄さんが凄い」。それから「大平さんが目立っている」。
WHITE CINE QUINTOで『マルセル 靴をはいた小さな貝』を鑑賞。予告から想像したよりもずっとよかった。主人公が貝なのにどうして喋れるのか、どうして歩けるのかについては触れないで、しかも、それで違和感なしに物語を進めているところが巧い(ネット動画を観ている人達が、貝が喋っているので驚いているのか、マルセルがキュートなので感心しているのかを曖昧にしている)。悪党に主人公が誘拐されてとか、主人公が自宅に戻るまでの大冒険とか、有りがちなところに流れないで、静かで穏やかな世界を保ったのも好印象。描くべきことを決めて、それを描ききって、きちんと映画になった。そういうことなのだろう。気になったのは終盤に出てきたマルセルの仲間達。貝でないと思しきキャラクターがいた。作っている側が個々のキャラクターの設定を決めているなら、公開してほしい。いや、よく分からないのも魅力なんだろうけど。WHITE CINE QUINTOに行ったのは初めてかな。素敵な映画館だった。