COLUMN

第810回 最終話納品終了~『いせれべ』の話(2)

『いせれべ』最終話放映終了! で、すでに次、さらにその次と2シリーズ同時にシリーズ構成・脚本作業中! 両方ともまた総監督になる予定!

 で、前回の続きで『いせれべ』話。
 シリーズ構成に関して。当初シリーズ構成としては別な方が立っていらっしゃいましたが、構成案を1〜2回やり取りしたところで、その方がやりたい方向性と委員会のそれとの相性がよろしくなかったので、話し合いをして円満に離れていただくことになったのです。で、その時点でこれ以上スケジュールをズラす訳にいかなくなり、自分でやることになりました。
 シリーズ構成としての仕事は、『ベン・トー』以来10数年ぶり。『ベン・トー』の時、クレジット上は“構成”となっていますが、全12話分の構成は板垣の方で書き、コンテで忙しくなった頃から、ふでやすかずゆき(筆安一幸)君と一緒に脚本(シナリオ)チェックをするかたちでした。当時マッドハウスの某企画(結果ボツ)で知り合い、同学年で話し易かったというのもあり自分が直接電話して呼びました。実質は共同でシリーズ構成でしたが、俺の方はキャラクターも描いたりしてて、OPに何度もクレジットが載ることになるので、と当時の制作会社(david production)と相談の上ふでやす君に“シリーズ構成”を、自分が“構成・デザインワークス”の一括をいただいたという訳でした。話を戻して『いせれべ』のシリーズ構成を自分でやることになって、社内の演出陣にも脚本を書いてもらうことにしました。いつ何時にでも社内でチェックが入れられ、時間的短縮が可能なため。後は前述のふでやす君や『砂ぼうず』『BLACK CAT』の竹田裕一郎さんらプロの脚本家の方々にも参加していただきこちらも助かりました。
 次に音響監督の件。今回は『ユリシーズ~ジャンヌ・ダルクと錬金の騎士』(2018年)で御一緒した納谷僚介さんにまたお願いしました。さらに今作は自分も共同で。本音を言うと音響監督を自分でやるのが、絶対的正義だなんて思っていないのですが、どちらかと言うと“画作りの現場”のスケジュールを確保する方が目的だったりします。それは例えば音響現場(アフレコ・ダビング時)に“画が間に合わない”ことが、ウチ(ミルパンセ)の場合多々ありまして、その際音響スタッフさんらに対して、

“このシーンの各キャラの心情~表情は○○○○になります”などの役者(声優)さんに対しての要望から、“c-○の○分□秒△コマ~18コマ間○○○○のSEください”と言った効果さんに対しての発注など、未着の画を先回りして、メモで片っ端からほぼ全話全カット事細かく伝える! 

仕事をしていたのです。納谷さんからは「確かにこのメモがあれば、音は付きますね」とご納得をいただいて進めてました。納谷さんは画作り現場の今日(こんにち)に大変協力的な音監さんなのです!

 で、また仕事に戻らせて頂きます(汗)! 次回また~。