COLUMN

第758回 ダビング開始

#04までアフレコ終了! 来週は#05のアフレコ、そしていよいよ#01からダビング開始!

てとこが現状。あ、今制作中のシリーズです。昨今、3ヶ月前とかに納品する(放映開始前に全話納品する)作品が増えています。よって、本作もまだ未告知にもかかわらず、制作は先へ先へ進んでいるという訳。
 ダビング開始ということは、毎週選曲リストにも迫られます。今回も自分が共同で音響監督でもあるので。もちろん、先週#01の選曲は提出しました。その選曲を基に、共同の音監さんに現場でアドバイスをいただく、という感じです。これは前作(『蜘蛛ですが、なにか?』)も同様で、自分はまだ“音響監督を勉強中”の立場ですから。やはり、板垣はまだ音響に関して唯我独尊にはなり切れないし、客観的な意見が欲しくて、共同の方やミキサーさんから別の提案が出てきたら、「有難うございます」と、従う場合が多いです。
 今回は総監督ということで、コンテチェックまでやって監督に指示を出したところで、その話数の画に関する自分の仕事は一旦終了。演出・作画・美術の発注・打ち合わせなどはほぼ監督任せ。コンテチェック後直ぐに音響関連に頭を切り替えることができるお陰で、アフレコ済のロールを細かく確認し、音響スタッフさんらに宛てて詳細な“音響メモ”を渡すことができています。そこは前作よりやり易いシステムが敷けたと思っています。詳細と言っても音響のプロフェッショナルからすると、まだまだ緩いメモでしょうけど。
 ダビング前に声優さんの芝居を改めて聴いていると、やっぱり凄いですね、“役者の力”って! 余談ですが、以前は自分“声優さん”ではなく、“役者さん”と呼んでいました。ところが数年前、ある若い声優さんに

“声だけでも役者であり俳優だ”と言う大御所がいるけど、俺は逆にそういう方達こそ、声の仕事に誇りを持っていないと思うんですよ! 自分は声の仕事に誇りを持ってるからこそ“声優”と呼ばれたいです!

と言われて「なるほど!」と思い、それ以来、敬意を込めて“声優さん”と呼ぶようにしています。
 で、今回の作品は“友達との楽しい学園ライフ(+アクション)”系で、声優さんらの息の合った掛け合いがポイントなはずが、昨今のアフレコでは、コ●ナの影響で一度に録音ブース入りできる声優さんが3〜4人まで(※録音スタジオにより、多少の違いあり)。コ●ナ以前は一度に10~20人入ることも可能で、その場で「○○さんと△△さん、ここら次カットまでアドリブで埋めてください」と言えたのです。ところが現在は2~3人ずつグループ分けでスケジュールが組まれての収録になっているため、掛け合い相手が別グループになったりします。だから、ここもアフレコ前の音響メモで、間を埋める用の掛け合い台詞を板垣の方で書き、前もって音響制作さんに送ります。それでも現場で意欲的にアドリブをぶち込んで下さる声優さんは尊敬するし、本当に助けられています(現在進行形)!

 ——という訳で、現在制作中の作品で語れる(書ける)のはここまで。

 で、7月以降は去年~今年始めにかけてお手伝いした他社からのグロス(下請け)作品がポン・ポン・ポンと3本ほど、放映されると思います。興味のある方は観てください。

 そして、『ベルセルク』が“原作・三浦建太郎 漫画・スタジオ我画 監修・森恒二”として連載再開! の発表が! 先程、白泉社・島田明さんにメールしました。「応援しています!」と。