2022年も、もう3月! 早い! 40過ぎてから時が過ぎるの、本っ当、早い!!
来月、新人が入ってきます。去年後半から今年初めまで、何人面接したでしょうか? 会社発足から10年、毎年新人の面接は自分でやってきました。もちろん合格・不合格も板垣の方で決めてます。あ、作画と演出だけです、俺がやるのは。ちなみに自分は会社で実技試験はやりません。送られてくるポートフォリオを見て、「描けそうかな~」て思った人だけ、後日呼んで面接。やはり自分は面接の方を重んじます。面接の内容は、その時々相手次第で変わるし、ほぼアドリブで、出たとこ勝負。その方の“好きなアニメ”の話だったり、“昨今のアニメで感じたこと”や“将来、アニメで何やりたいか?”とかを訊き話した後、質問を受け付けます。ウチの会社に関してに限らず、広く“アニメ全般”もあり。ネット上で話題になる業界噂話の真偽なども「板垣個人が知ってる範疇で」と前置きして、大概お答えしております。そして最後に会社の勤務形態や契約内容を説明して終わり。「ウチで良い」とその場で即決する人もいれば、他に受けた会社の結果待ちを申し出る人もいたり、その方の希望を優先するようにしています。 何しろ、自分の半分ぐらいの年齢な若者らが、アニメのどこが好きでこの仕事をやりたいと思ったのか? を訊くのが楽しみで、これは本当に無理して謙虚ぶるつもりではなく単純に勉強になります。はっきり言うと、我々世代が崇めたスター監督やスーパーアニメーターのことをことごとく「知りません」で一蹴してきます。特に好きなアニメを作った会社は知ってても、その作品の監督は「知りません」がほとんど。だから、我々世代より上の監督で、“(演出)処理やらない”・“スタジオ入らない”・“若いスタッフを相手にしない”で自宅作業を貫いている人は要注意! 気づいたら監督扱いしてくれる会社がなくなってますから! もちろんウチ(ミルパンセ)を受けに来る人も、板垣なんて知らずに受けに来る人がほとんどですし、自分はそれで全然構いません。
ただ、アニメという表現に興味を持った若者と一緒に仕事させて貰える場を大切にしたい!
と普通のおじさん的に思ってるのと、やっぱり、若い人が語る夢の話を聞くのは、歳を取れば取るほど自らの栄養になる気がします。そりゃあ「考え甘いな」と思うことは多々あるけど、自分自身の出発点と重なる部分があって、昔というか「初心」を思い出して、ちょっとだけ“ピュア”になれます。——って、また短い。