COLUMN

第684回 今の心境


 まあ、そんなわけで今回もなんの話を、とか言うと「ほぼ丸14年の週間連載やってて、ついにネタ切れか?」などと思われるかもしれませんが、それはまずあり得ません。アニメ様(小黒編集長)より頂いたテーマ「古今東西アニメに関することならなんでも」ならネタは尽きないでしょう。なぜなら、

アニメの仕事は無限に面白く、奥深いものだから!

です。あとその辺にある話題に噛み付いたり、愚痴ったりなどはしたくないし、政治や経済とかろくに知りもせず、不勉強な意見を無責任にアニメスタイルに上げるわけにもいきません。そもそも、そういったことが言いたいなら、とっくに手前でTwitterやってますよね。
 とか言いつつ、この連載も10年前はもっとトゲトゲしいことをいっぱい書いてたと思います。ところがここ数年はあまり激しい論調は控え気味になったと思います(そう思いません?)。別に日和ったとかではなく、ちゃんと理由があるのです。それは、

今の自分が、今まで生きてきた中でいちばん幸せだと思えてるから!

です。だから、年とって牙をなくしたわけではなく、世間に唾棄したり愚痴ったりしたいことがないんです(これはマジ)。身の丈にあった仕事もいっぱい頂けてるし(来年以降の話も、もうあります)。
 あと、人生も折り返し地点を迎えて

世界のいろいろな事、物、そして人。できるだけ多くを「肯定」して死んでいきたい!

とも。そして、二十歳前後の新人を毎年面倒見て、いろいろな不満や悩みを打ち明けられると「ああ、俺も同じこと考えてたなあ」とか、アニメ業界に入ってくる新人を面倒見させてもらえる環境もまた幸せ。あ、時間切れ。