COLUMN

第632回 『コップクラフト』本編9話以降〜

 9話はAパートがティラナとクロイ(猫)入れ替わり話完結編。もともと脚本段階でカットされてた「ヘルマンデス(CV:三木眞一郎)の犯行動機の説明」をアフレコ時に復活させたことで、本編がより面白くなりました。つまり、アフレコ時に自分の方から賀東(招二)さんに「やっぱりヘルマンデスの動機、説明させません?」と進言して「ティラナにボコられる際、喚かせましょう」ってことで現行のものになったんです。「お、押収品でひと儲けしようと! 許してく(れ)〜」と。そしてラストが「私の人生が(涙)」でしょっぴかれる。アフレコ時、三木さんの名演技でゲラゲラ笑わせていただきました! で、世界観説明BANKをAパート後にもってきたのは、編集の平木(大輔)さんのナイスアイデア。
 で、9話Bパート。ここから最終回(12話)まで続く大きな一編。1〜4A話と9B〜12話の長編2本の間にバラエティーに富んだ短編(中編?)を挟むのが今作のシリーズ構成となっています。9話後半になってマトバの料理趣味のエピソード。全12話パンパンに原作が詰まってると、マトバの趣味をネタにする尺がここまでなかなか取れなかったわけ。もし2クールのシリーズだったら、割と早いうちにクリアしたはずです、マトバの日常は。あとプールの「水」はこれまたアニメーター泣かせ。自分らの世代にとって水だ炎だは、歩きや走り同様、アニメーターなら誰でも学ぶ必須科目です(え? 違う?)。特に俺個人は新人時代、大塚康生さんの研修でやったし、友永和秀師匠からも原画としてしっかり描かされたのは幸いでした。だって気づけばエフェクト作画で困ったことはありません。この9話は社内話数なので、ミルパンセ若手による作画。「水」はもっと教えなきゃ! と再認識。パッケージリテイクでグレードアップしてると思います。
 ついに10話。この話数は本当に大変でした。その話はまた次回。