COLUMN

第515回 てーきゅうとイボ

さっき、『てーきゅう第9期』の「つづく」カードのラフ(レイアウト)を描いてました!

 あとは社内のスタッフに原画・動画にしてもらいます。最近では社内の若手スタッフが本当に頼りになるんです(感謝)!で、「つづく」について思い出した事をツラツラと。
 もともと、アニメ『てーきゅう』の監督テーマは

たった「2分」で最高のサービスを!!

なんです。作品の内容的なテーマはもちろん「ギャグ」なんですが、監督テーマとは「今回の作品を作るうえでの制作上のコンセプト」みたいなもので、自分は毎作それを決めて現場に上げるようにしてます。言葉は下手な設定100ページより、よっぽどスタッフの意識に残りますから。ちなみにアニメ『ベルセルク』では最初から

美しい未完の物語を演出する!!

と事あるごとに言ってます。「この作品を終わらせられるのは三浦建太郎先生だけ! 勝手にアニメオリジナルラストはあり得ない!」と。つまりこの一言でスタッフ全員が「あ、監督はこのまだ未完の原作を全肯定で作りたいと言ってるんだな」と共通の認識が生まれると思うんです。
 で、『てーきゅう』は「最高のサービス」というわけで、頭アバンから始まって、オープニングは絶対にいる! で本編も原作の内容を削るくらいなら無理してギュウギュウに詰め込み、エンドカードも楽しく次回予告も兼ね、最後の最後まで制作費の許す限りのサービスを尽くそう! と。それさえスタッフが理解していれば結構スムーズに現場が進みます。つまり「原作と少々違っても、プラスに膨らむならOK! 原作よりショボく変わってたらNGなんだな、このシリーズは」と思って描いてもらえれば、作画も美術も役者さんらの芝居や音響効果も元気で楽しいモノが上がってきます。こーなればこっちのもんでしょう? だから監督テーマは大事!
 そして、4人の女の子による「笑い」と「癒し」の2分間サービス『てーきゅう』も第9期まできました。なんとなくで始まり、いつ打ち切られてもおかしくないシリーズも気づけば100本を超え5周年。「制作費が安いから続けられる」とか「尺が短いから短期間で作れる」とか今まで何回も笑い話でしてきましたが、シリーズを重ねるにつれて、冗談ではなく本気で

『てーきゅう』はお金と時間の哲学だ!

と思えてきました。人(スタッフ)と現場を成長させつつ、常にお金(制作費)の問題が背中合わせ。その事がこれだけ分かりやすい現場は他にないのだから。
 でもスピンオフも含む『てーきゅう』全話マラソン(イベント上映会)やったら面白いかも〜とこちらも本気で思ってます(笑)。

そして、近いうちにイボを切りに行かなきゃならないらしい(汗)!


 親知らずを抜き歯の治療が終わりかけてる今、イボの治療。とにかく仕事の合間を見て病院行かなきゃならず、ホントに時間が欲しいです。