COLUMN

第422回 CGと作画と13とてーきゅう

 たまたま今、手元にあるDVD、

出崎統監督作品『ゴルゴ13 劇場版』(1983年度作品)

を観ながら『てーきゅう』の作監やってました。だいぶ前にも自分が大好きな出崎作品として紹介したと思いますが、アニメ業界的に話題となるのは9割9分の確率で作品内における「CGの使い方」ですね、まず。ご存知ない方に軽く説明すると、さいとう・たかお/さいとう・プロ原作の誰もが知ってる「ゴルゴ13」を「特捜最前線」「怪傑ズバット」の長坂秀佳脚本、『あしたのジョー』『宝島』の出崎&杉野コンビが劇場アニメーション化した作品で、最愛の一人息子をゴルゴに殺された石油王レオナルド・ドーソンの復讐劇という長坂さんらしい(「特捜」などでも”父と子”は長坂脚本の基本テーマ)骨太で重厚なストーリーラインに、出崎さんらしいアクション演出が重なって、個性的で迫力のある映像を作り上げており、そのまま普通に全作画で作り上げていれば充分申し分ない傑作アニメ映画になったはずが、当時「COMPIX(コンピクス)」(「コンピューター」と「ピクチャー」のミックス)と銘打たれた、単純に今だとCGで作られたオープニングアニメと、本編クライマックス・ヘリコプター対ゴルゴのアクションシーンの粗末さ(監督とプロデューサーがオーディオコメンタリーでハッキリ仰ってるのでいいでしょう?)ゆえ、業界的に話題になる際は「劇場ゴルゴのCG(失笑)」と揶揄されるハメになってる少々残念な作品です。
 ただ30年以上経った現在、観直してみると、クライマックスのアクションシーンなどは現状のアニメ制作におけるCGと作画それぞれの得意不得意が、当時(1983年)と今とで全然変わってない事に改めて気づかされます。出崎監督が(オーディオコメンタリーで)仰る「なんでこんなに設計図みたいに動くの?」ってのは、今のCGにも残っているし、その前後のゴルゴのアクション作画は筆舌尽くしがたいほどカッコよく、「感性で描かれている気持ちよさ」に満ちているのに、今の作画が逆に計算しすぎて迫力がなくなってしまったわけです。つまり、CGはその「すべて計算から導き出す映像」ゆえ自然な動きを作るのは難しいが「何しろ正確な画」を作るのは得意。作画は逆にパースがバレない程度の嘘をガンガンに用いて「ほぼすべて感性で作る映像」だから「感覚的に迫力ある、歪でもなんとなくしっくりくる画」が得意。ところで『てーきゅう』は、