SPECIAL

第7話 それはお前がやるんだよ!

第7話 それはお前がやるんだよ!

●ヴィラルの再来、そして要塞型ガンメン「ダイガンザン」との対戦が描かれるアクション編。ここでゾーシィ、キッド、アイラック、ジョーガン&バリンボーといった多彩な面々が仲間に加わり、カミナをリーダーとする「大グレン団」が結成される。絵コンテは6話に引き続き板垣伸が担当。演出は『西の善き魔女』監督などを手がけるGAINAX所属の演出家・アニメーター、中山勝一。

脚本/中島かずき|絵コンテ/板垣伸|演出/中山勝一|キャラ作画監督/本村晃一|メカ作画監督/雨宮哲|原画/山口智、渡辺敬介、西垣庄子、久保田誓、長谷川ひとみ、小島大和、阿部慎吾、小竹歩、すしお、富田浩章、本村晃一、雨宮哲

取材日/2007年11月9日、2007年12月11日、2008年1月16日、2008年2月20日 | 取材場所/GAINAX | 取材/小黒祐一郎、岡本敦史 | 構成/岡本敦史
初出掲載/2008年1月15日

── 7話で本筋に戻る感じですね。

今石 でも、中島さん的には、6話、7話、8話がひと続きという感じになっていましたね。

大塚 カミナのシリーズ。

── コンテはまたまた板垣伸さん。

今石 6話のコンテ・演出をやっている人間が、また続けてコンテを描くという無茶な事になってますが(笑)。多分、板垣君もコテコテのギャグの回と、ちょっと毛色の違う回と2本やりたかったんだろうな……と思ったら、アクションはやっぱりギャグ調でしたね。

大塚 コンテはかなり遊んでたよね。

今石 7話では、ギャグ成分はかなり削っちゃいました。「いや、来週カミナ死ぬんだからさ」って(笑)。板垣君本人もどこかで言っていたと思うけど、コンテでは、カミナがダイガンザンに巻きグソの落書きをして、チミルフが怒るという場面があった。要するに「チミルフが怒り出す動機がほしい!」と。なんでこいつがカミナを目の敵にしているのか分からない、と板垣君が言い出して、「これで動機づけができた!」みたいな事を言ってたんだけど(笑)。

大塚 そこは凄くこだわってたよね。ウンコ出したかったのかな?

今石 ウンコは出したかったと思いますよ(笑)。

── そこは監督の美意識的には許せなかった?

今石 まあ、ウンコ出すのはいいんですけど、話数がまずかったかな(苦笑)。ちょっとここは我慢しようか、というところだったので。あと、また例によって尺とカット数がオーバーしたんですよね、信じられないぐらい膨大に。コンテ撮で5分以上はオーバーしていて、カット数も400カットはあったと思うな。それを切っていく作業をやってたら、「まあウンコは切るよなあ……」という事で。

── なるほど。

今石 ギャグだけじゃなくて、戦艦サイズの巨大ロボと小型ロボの対決なんかも、もう少し真面目に描いてあったんですよ。それこそ上によじ登っていって、辿り着いて、みたいな事を板垣君も描いてくれていたんだけど、そのあたりも泣く泣く切りました。1話では人間サイズ対ガンメンサイズの対決をやって、今度はさらにでかいガンメンと小さいガンメンが戦って、以降どんどん大きくなっていく。本当はそういった対比のインフレを7話から始めたかった。だけど、火だるまキックとかになってましたよね。

大塚 うん。

今石 なんでああなったんだっけ? ああ、そうか。中島さんのホンに「燃える男の火の車キック!」とか書いてあったんだっけ。そのノリだな。7話はコンテが上がるのが遅かったんだよな……あっ、思い出した! 先に8話のコンテの方を上げたんだ。

大塚 そうだね。8話が終わってから、7話のチェックをしたんだ。

今石 やっぱり、板垣君もあれだけ掛け持ちしてるから、当然7話のコンテには時間がかかって。だから8話から先にコンテを上げて、作画インしちゃったんですよね。7話と8話でシーンが繋がっているにもかかわらず。だから8話のアタマに合わせるために、あとから7話のケツを相当いじくり回した記憶がある。板垣君がシナリオから変えてきた部分を、「これだと繋がらないから、ごめん」って元に戻したり。

大塚 ヨーコとカミナの会話をどうするかで、かなり調整していたよね。

今石 板垣君は台詞やシチュエーションを自分なりに変えようとしていて、その意図はよかったんだけど、8話は僕の方がシナリオをほとんど変えてなかったんですよね。そっちとの辻褄が合わなくなっちゃうから、だいぶ苦労したな。

大塚 ヨーコとカミナとシモンの会話がわりと被ってたんだよね。だから7話のケツの方は、もう少しシンプルにまとめてくれないか、みたいな事を言ったと思う。

── この回は監督がレイアウトチェックをされたんですか?

今石 6話も7話も、あんまり見てないです。ちょうど8話以降のコンテでうんうん言っている頃だから、レイアウトはお任せ。コンテだけはがっちり直したけど、7話は確かラッシュチェックすら全部は見てなかったと思う。

大塚 そうなんだ。

今石 確かね。V編で初めて見て「おお〜」みたいなカットがあったような。でも演出が(中山)勝一さんだったから、途中からもうお任せで。画面処理的にも「今までの画に合わせてくれればいいです」という感じだったので、緩かったですね。

── 作画についてはいかがですか。

今石 7話はまた、作監が本村(晃一)さん。これは錦織もほとんど見てないはず。錦織も時々、総作監的な事をやっていて、3話は見て、5話もちょっと見て、6話と7話はスルーだったのかな。本村さんだから見てないですよね、多分。

大塚 そうだと思う。本村さんの描くヨーコは、やっぱり頬を赤らめてる。

今石 そう、頬ブラシが入る。何に照れているんだ、と(笑)。

── そしてメカ作監は、5話と同じく雨宮哲さん。

大塚 この回、雨宮は(原画を)たくさん取ったよね。

今石 うん。とにかく量を描きたいタイプだったから。そういう意味では、前の5話はちょっと抑え目の、レイアウトで勝負するようなコンテにしてしまったので、今度はとにかく『マシンロボ』みたいにスカスカ描けるのをやらせてあげようと。板垣君の無茶なコンテも、通すところはそのまま通して、「雨宮がやるんなら、そんなに枚数はかからないだろう」と踏んで(笑)。あれをそのまま真面目にやると凄く大変になっちゃうんだけど、結局70カットぐらいやったのかなあ。

大塚 4分の1ぐらいはやってるね。

今石 Bパートのメカは、ほぼ全部、雨宮ですね。

── すしおさんはAパートのアクションですか。

今石 Aパート冒頭ですね。タイトル明けのところが久保田かな。グレンラガンとエンキが、タッチだけになってバンバンババン! とやり合うところが久保田。そのあと空中に上がった2機が落ちていく途中ぐらいから、ダイガンザンが来る前ぐらいまでが、すしお。いきなり冒頭で久保田・すしおの『ONE PIECE(オマツリ男爵と秘密の島)』コンビにツカミをやってもらってる。確か、小島(大和)君に、阿部(慎吾)君も入ってるよね。ダイガンザンの砲弾が飛んでくる背動のところは小島君だし、火の車キックは阿部君じゃなかったかな。

大塚 あの2人はここから参加したんだっけ?

真鍋(広報) そうです。あと阿部君は、DSの特典DVDもやってるんですよ。

今石 ああ、なるほど。

── DSの制作現場はGAINAXなんですか?

大塚 そうです。原画は外の人中心なんだけど、ガイナからも2人、福元(敬子)さんと阿部君が入ってるんですよ。

真鍋 本編のメインスタッフはいなくて、福元さんがキャラ作監を、その後本編の13話でメカ作監をやった阿部君が原画をやっています。ちなみに、この特別編に登場するオリジナルガンメンデザインを手がけた雨宮君は、「こういうのをやりたかったんだ!」って、ずっと言い続けているという(笑)。

今石 雨宮は『グレンラガン』がもっとユルいアニメだと思ってたんだよね、『マシンロボ』みたいな。こんな真面目な作品になるとは思ってなかった。

大塚 DSって、もうできたの?

真鍋 好評発売中です。

今石 僕はもう、びっくりするぐらいDSの方はチェックしてない。いまだに見てないですからね。「くれ!」ってせがんで、サンプルもらったんだけど、見てない(笑)。

── 放映中のシリーズを作っているのと同じ会社で、同時進行で作っているのも凄い話ですよね。えてして別会社が作ったりするものですけど。

今石 いやあ、いちばん凄いのは中島さんがDSの脚本を書いている事ですよ。

真鍋 中島さん、ノリノリで書いてましたけどね。確か、あの時点でほとんどシリーズ終盤までシナリオは終わっていて、「じゃあこっち(DS)書くわ」って感じでささっと書いてきたんです。「本当はもっとこういうのをやりたかったんだよねー」って、雨宮君と同じような事を言ってる(笑)。

今石 それはやっぱり、4〜6話みたいな回が10本ぐらいあるはずだったから。いろいろ考えて、やっぱり入らないねという事でボツにしちゃったけど、気持ち的にはやりたい。だからノリノリで書けたんでしょうね。僕がDS見ないのは、それが悔しいからだとも思うんですけど(苦笑)。

●アニメスタイルの書籍
【アニメスタイルの新刊】「天元突破グレンラガン アーカイブス」を刊行します!
http://animestyle.jp/news/2021/06/30/19952/

●関連リンク
『天元突破グレンラガン』ポータルサイト
http://www.gurren-lagann.net/