第841回 コンテチェック終了

ハイ、本日最終話のカッティング(編集)終了しました!

 当然、その前にコンテも全話チェック終了しました。今作は前作『いせれべ(異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する)』同様、社内の監督&各話演出にコンテを全部振って、こちらで全面的にチェック・修正・所々描き直しして、総監督・板垣のほうでコンテ決定稿を作っています。社内のコンテ・演出が育つまで頑張るしかありません。
 何年か前にも話題にしたと思いますが、経年数や現状の会社などを鑑みて改めて説明をすると、監督にとって

コンテとは、自分がゼロから切る(描く)コンテと、他人のコンテを修正して使う、の2種類!

があります。
 前者の自前コンテは脚本と設定に従っている限り、比較的好きに描けます(出﨑統監督はコレが楽しいのでしょう)。それに対し後者の場合、つまり他者のコンテを直す場合は、素で7~8割使える上りであれば間違いなく“振った甲斐”があるし、心底有難いモンです! ところがその逆、“7~8割描き直し必須”な素上りを目にした時、監督の目は血走ります! それくらい“他者コンテの使える箇所を探して1本に繋げる”作業は本当に苦痛です。ハッキリ楽しくはありません!

これこそ正直「結局ゼロから描いた方が早かった!」と思わされるコンテも屡々!

 監督にもよると思います。「基本的に他人に振ったからにはそのまま使う!」という監督もいらっしゃいます(ここ近年は減ったかも?)。
 それに対し板垣は他の監督より比較的手を入れて使うほうかも知れない、と最近自覚しました。大体「たくさんコンテ描きたくて監督になった」ような人間ですから、本音を言うとその“楽しいコンテ”を人に任せること自体が嫌なんですよね。ただ、作画・美術・撮影などをより良いモノにしようとすると、他者のコンテを認めざるを得ない、という物理的な問題もあるのです。
 それと、たとえ監督自ら毎週1本ずつコンテを上げ続けることができても、各話演出を制御しきれないというのが実感です。なぜなら、監督自前のコンテを他者(この場合各話演出)に渡す際、その“話の根幹”“各キャラの心情”“各シーンの場面設定”などを一気に説明して理解してもらう必要があるからで、この説明・解説が本当に苦労します。苦労した割に作画や処理の指示・リテイクがおざなりになりがちです(己のコンテじゃないフィルムなんて、当然流し作業になりやすい……)。
 ところが、各話演出に“コンテから振る”と、前後の脚本を読みキャラやシーンの繋ぎも探った上で、その話数に取り掛かってくれる(ハズ。でないとそもそもコンテ切れないから)ので、たとえ監督のほうで“コンテ全修”することになろうとも、その後各話演出に理解を促しやすいです。一旦は、コンテで一とおり演出作業をしていますし、話自体が変わることはそーそーありませんから。
 よって、まだまだ未熟で手が掛かったとしても、できるだけ板垣は“コンテ・演出”で受けてくれるウチの社内の若手にのみコンテを振りたい訳です。

アニメ様の『タイトル未定』
430 アニメ様日記 2023年8月20日(日)

2023年8月20日(日)
オールナイト「【新文芸坐×アニメスタイル vol. 164】真夏の『Sonny Boy』Night」は、午前5時35分に二度目のトークを含めて終了。駅まで夏目監督を見送る。自宅に戻って朝食とシャワー。横にはならないで事務所に。昼間はデスクワークと事務所の片づけ。明るいうちに帰宅。17時前に就寝したはず。

2023年8月21日(月)
この日に見た夢。現実には存在しない行きつけの古本屋に行ったら、リニューアル中で店の半分くらいが空いていた。店内で何故か『超電磁ロボ コン・バトラーV』の原画が売られていた。一目で分かる安彦良和さんの原画だった。一枚一枚がビニール袋に入れてあり、天井からぶら下げられている。コンVの原画が2万7千円くらい。バトルマシンはメカが描かれている部分だけを切り抜いたものが売られていて、そちらはそれぞれが7千円か8千円。ちょっとお高いなあと思っていたら、見たことのない『BIRTH』のムックがあった。近づいて手に取ってみると、それは『BIRTH』のムックではなくて『マッドマシン』の豪華本だった。ページをめくってみると、記事のタイトルの文字がやたらと大きかったり、本文が変わったフォントだったりとデザインが過剰だったけれど、丁寧な作りの本だった。『マッドマシン』の豪華本は3冊組みで2700円。これは買っておこうと思ったところで目が覚めた。
グランドシネマサンシャインで『SAND LAND』【IMAXレーザーGT版】を鑑賞。アニメーションとしてはよく出来ている。映画としても出来は悪くない。だけど、お客さんがあまり入っていない理由もよく分かる。現在の娯楽映画のストライクゾーンの狭さを痛感した。自分もその狭いストライクゾーンで作品を判断してしまうことがよくある。
事情があって『アニメンタリー 決断』を数話観る。

2023年8月22日(火)
朝の散歩は池袋から明治通りを歩いて、明治神宮を経由して原宿駅まで。
上映プログラムのタイトルを考えるために『妄想代理人』本編を観直す。10話でアニメの制作進行である猿田直行の声が吉野裕行さんで「タローじゃん」と思った。逆だ。『妄想代理人』の制作進行の猿田直行を演じた役者さんと『SHIROBAKO』の制作進行のタローを演じた役者さんが同じなのは理由があったけ? と思って「アニメスタイル006」の『SHIROBAKO』特集の堀川憲司プロデューサーのインタビューを読むと、ちゃんとそのことを訊いている。えらいぞ自分。記事によれば、堀川プロデューサーはオーディションテープを聞いて吉野さんを選んで、後から『妄想代理人』でも制作進行を演っていたことに気づいたとある。少なくとも、P.A.WORKS側としては偶然だったようだ。久しぶりに読んだけど、『SHIROBAKO』特集は面白かった。
新文芸坐で「ソフト/クワイエット」(2022・米/92分)を鑑賞。「全編ワンショット」のコピーに惹かれて、どんな内容か、ほとんど知らないで観た。全編ワンショットはかなり上手にやっている。92分の映画で、途中で主人公が寝たり、気絶したりしていないし、それ以外の時間の省略もないので、進んだ時間も92分のはずなんだけど、劇中では6時間以上の時間が流れているはず。ではあるけれど、違和感を感じさせない。それが上手い。その点に関しては同じ趣向の「1917 命をかけた伝令」よりもいい。「全編ワンショット」のために観客は主人公達と時間を共有し、まるでその場に自分が立ち合っているような感覚になる。主人公達は白人至上主義のグループ(公式サイトにあった表現)だ。主人公達がヤバい発言を繰り返し、どんどん危険な方向に突き進んでいく。その行動に自分が巻き込まれている感覚になる。嫌な没入感だ。序盤のグループ結成会がかなりキツくて「うわあ、この連中と一緒にいたくない」と思った。普通にカットを割っていたら、ここまではキツいと思わなかったはず。

2023年8月23日(水)
税理士さんと打ち合わせをしたり、買い物に行ったり。デスクワークを色々と進める予定だったけれど、思ったほどは進まず。
『プロジェクトA子 完結編』北米版Blu-rayを視聴。作品としては、今までも何度か視聴している。この作品のタイトルは『プロジェクトA子 完結編』だと認識しているけど、作品中で表示されるタイトルは「PROJECT A-KO ―FINAL―」だなあ(国内版のソフトでも同様)。北米版Blu-rayの見どころは映像特典に静止画で入っているキャラ設定の「ベランダの親子」だ。親子の母親はあるキャラクターのパロディで、オリジナルのキャラクターの声優がキャスティングされている。キャラ設定を見ると、完成作品だと顔を出していないそのパロディキャラの顔が分かる。「画面では絶対顔を見せない!」という注意書きもあった。『完結編』で見てみたい美術設定があるんだけど、北米版Blu-rayには美術設定の収録はなし。美術設定でなく、絵コンテでも知りたいことは分かるかもしれないけど、絵コンテを見る機会はあるかなあ。

2023年8月24日(木)
事務所スタッフと新刊の企画について話しているうちに、20年前に出した原画集を復刻するのはどうかという話が出て「無理だよ。当時のデータなんて残っていないよ」と言うと「いや、事務所でMOを見たことがありますよ」と返された。残っていても、簡単には見つからないだろうと思っていたら、1週間もかからず「MOが見つかりました」との報せが。もしも、入っているのが入稿データならイラストレーターのデータのはずだから、今のMacでも開けるかもしれない(後日追記。MOにはその原画集の入稿データの一部と、入稿するためにゴミ取りした原画のデータの一部が入っていた。入稿データと原画のデータを合わせても1冊分にはなならなかった。残念)。
午後から「バービー」を観るつもりだったけれど、シアター・イメージフォーラムで『オオカミの家』を観ることにした。これは芸術作品だ。「芸術的」ではなくて「芸術」。映像は刺激的であるけれど、似た映像が続くので途中で少し飽きる。それから、この物語とこのテーマが、この映像と合っているのかについては考えたい。
ようやく『妄想代理人』一挙上映のプログラムタイトルが決まった。

2023年8月25日(金)
試写会で『アリスとテレスのまぼろし工場』を鑑賞。内容についても、アニメーションとしても、いいところが沢山ある。「ああ、ここは平松さんがラフを描いているな」と分かるところもあった。だけど、ひっかかるところもある。劇場公開されたら、改めて観ることにしよう。

2023年8月26日(土)
Netflixの『範馬刃牙』を最終回まで視聴。これはお見事。ピクル編も親子喧嘩編も原作よりもずっと面白くなっている。特にピクル編は冗長だと思ったところが、観やすくなっていた。僕的にはアニメの「刃牙」がここで完結してもいいし、「刃牙道」に進んでもいい。原作第1部「グラップラー刃牙」の再アニメ化もいいんじゃないかなあ。

第275回 熟練の手業 〜機動戦士ガンダムSEED FREEDOM〜

 腹巻猫です。2月11日にミューザ川崎シンフォニーホールで開催されたフィルムスコア・フィルハーモニック・オーケストラのコンサート「GEKIBAN! -Anime Symphonic Journeys-」に足を運びました。日本のさまざまなアニメ音楽をオリジナルスコアで演奏する画期的なコンサート。1960年代の『ジャングル大帝』から2020年代の『すずめの戸締まり』までバラエティに富んだ選曲と演奏を堪能しました。
 中でもオーケストラの豊かな響きに感動したのが、「交響組曲 機動戦士ガンダムSEED」からの1曲「Finale 第十章 闘いの果て届けられた想い」。『SEED』の音楽のすばらしさを改めて実感しました。
 今回は1月26日に公開された「SEEDシリーズ」最新作『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』を取り上げます。


 『機動戦士ガンダムSEED』は2002年〜2003年に放映されたTVアニメ作品。21世紀初のガンダムシリーズとして幅広い世代の人気を集め、2004年〜2005年には続編『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』が放映された。『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』は、その『DESTINY』の2年後を描く、完全新作劇場アニメだ。
 C.E.(コズミック・エラ)75、遺伝子調整がおこなわれた人類(コーディネイター)と従来の人類(ナチュラル)とのあいだの闘争はひとまず終息したが、世界各地ではまだ紛争の火種がくすぶっていた。その事態を鎮めるために世界平和監視機構コンパスが設立され、キラ・ヤマト、シン・アスカらはコンパスの一員として平和維持活動を続けていた。そんな折、新興国家ファウンデーションからの要請を受けて出動したコンパスは、何者かの罠にかかって猛攻撃を受け、敗走。コンパス総裁であるラクス・クラインが拉致されてしまう……。
 『DESTINY』から『FREEDOM』まで、物語の中では2年しか経っていないが、現実の時間では20年が経過している。そのブランクを感じさせないエネルギッシュな映像に感嘆した。戦闘描写も人間ドラマも実に濃厚で『SEED』らしい。それもそのはずで、本作には『SEED』『DESTINY』の主要スタッフ、キャストが集結している。もちろん、音楽を担当した佐橋俊彦も。
 もともと「SEEDシリーズ」は音楽の人気が高かった作品である。佐橋俊彦による劇中音楽を収録したサウンドトラックCDは、『SEED』『DESTINY』ともに4枚が発売され、ほかに両作品の交響組曲「シンフォニーSEED」シリーズ、キャラソンとドラマと佐橋俊彦作曲のインスト曲を収録した「SUIT CD」シリーズなど、多彩な音楽商品が発売されている。また、梶浦由記が手がけたエンディング主題歌や挿入歌も評判を呼んだ。筆者も『SEED』で初めて梶浦由記の名を意識した思い出がある。
 佐橋俊彦は、ウルトラマンシリーズや仮面ライダーシリーズ、スーパー戦隊シリーズなど、日本を代表するヒーロー作品の音楽を手がけた作曲家。が、『機動戦士ガンダムSEED』の音楽は、そうしたヒーロー音楽とはひと味違うアプローチで作られている。繊細な人間ドラマや心情を描写するために不協和音を取り入れたり、モビルスーツのスピード感と重厚さを表現するためにシンセサイザーのリズムにオーケストラを重ねたりと、サウンドが複雑かつ現代的になっているのだ。いっぽうで、佐橋俊彦が得意とする勇壮で胸躍るような楽曲も登場する。ガンダムシリーズらしいシリアスな曲とスーパーロボットアニメを思わせる燃える曲が共存するのがSEEDシリーズの音楽の魅力であり、人気のゆえんだろう。

 『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』でも、20年前のTVシリーズとまったく変わらない熱量のある音楽を聴くことができる。サウンドトラックCDのライナーノーツで佐橋は、「作曲に入ったとたん、この長かったブランクがまるで無かったかのようにTVシリーズ終了時の情熱を取り戻すことができ、このシリーズの持つパワーの凄さを改めて実感した」とコメントしている。
 映画音楽の核として佐橋が設定したのは、新たに登場する宇宙戦艦ミレニアムのテーマ、新たな敵キャラクター・オルフェのテーマ、そして、今回の物語のカギとなるキャラクター・ラクスのテーマである。
 この3つのテーマの変奏が随所にちりばめられる中、『SEED』『DESTINY』で使われた懐かしいメロディも劇中で聴こえてくる。古くからのSEEDファンにはたまらない音楽演出である。そして、激しい戦闘シーンを彩る楽曲のダイナミックでパワフルなこと。劇場で音を浴びるよろこびを感じさせてくれる作品だ。
 本作のサウンドトラック・アルバムは映画公開日と同じ2024年1月26日に「『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』オリジナルサウンドトラック」のタイトルでバンダイナムコミュージックライブから発売された。CD2枚組。収録曲は以下のとおり。

〈DISC1〉

  1. 序章
  2. ミレニアム出動
  3. フリーダム突入
  4. アークエンジェルのクルー達
  5. ラクスの憂い
  6. 心待ちな刻
  7. 逡巡する者たち
  8. 航行するミレニアム
  9. オルフェ
  10. ファウンデーション
  11. 挑発
  12. 優雅なる円舞曲
  13. 魅惑的な対話
  14. 月と光
  15. 作戦始動
  16. 陥穽
  17. 孤立無援
  18. 迫る危機と混乱
  19. 必死の攻防
  20. 援軍

〈DISC2〉

  1. 憂慮
  2. レクイエム
  3. 宣告
  4. 知られざる真実
  5. 打開策
  6. 然ればこそ
  7. 潜入開始
  8. 勇壮なる出航
  9. 強行
  10. 突進
  11. 平行線
  12. 中央突破
  13. 出撃!デスティニー
  14. 総力戦
  15. 熾烈な戦い
  16. 艦隊戦
  17. 自由への祈り
  18. 決意の出撃
  19. 対決の刻
  20. 自由を賭けた決戦

 すべてが佐橋俊彦によるもので、主題歌、挿入歌は収録されていない。劇場版で使用された全曲を使用順に収録している。
 ディスク1の1曲目「序章」は冒頭のプロローグに流れる曲。この曲で早くも「オルフェのテーマ」が提示されている。ラクスを篭絡しようとする謎めいた美青年オルフェのテーマは、哀愁を帯びたクラシカルな旋律で奏でられる。劇場パンフレットに掲載されたインタビューによれば、福田己津央監督から「オルフェの曲はチャイコフスキーのイメージで」というリクエストがあったそうだ。劇中では、ラクスとオルフェの対面の場面の曲「オルフェ」(ディスク1:トラック9)、ラクスとオルフェが語らう場面の優雅なワルツ「魅惑的な対話」(ディスク1:トラック13)、オルフェが真の目的を明らかにする場面のサスペンスタッチの「宣告」(ディスク2:トラック3)などでオルフェのテーマの変奏を聴くことができる。
 トラック2「ミレニアム出動」は、宇宙戦艦ミレニアムの出動場面に流れる「ミレニアムのテーマ」。佐橋俊彦の本領発揮とも言うべき、高揚感たっぷりの楽曲だ。このテーマは、「航行するミレニアム」(ディスク1:トラック8)、「勇壮なる出航」(ディスク2:トラック8)、「中央突破」(同:トラック12)など、ミレニアム活躍シーンでたびたび使用されている。「SEEDシリーズ」では、アークエンジェルやミネルバといった宇宙戦艦にそれぞれテーマ曲が書かれており、「ミレニアムのテーマ」もその流れを汲んで作られたのだろう。
 そのアークエンジェルのテーマ曲(『SEED』で作られた)が劇中で流れるのが、TVシリーズからのファンには胸アツなところである。始まって間もなく流れる「アークエンジェルのクルー達」(ディスク1:トラック4)でアークエンジェルのテーマのゆったりした変奏が聴ける。さらに中盤のクライマックスを飾る「必死の攻防」(ディスク1:トラック19)にもアークエンジェルのテーマが現れ、続く「援軍」(ディスク1:トラック20)ではアークエンジェルとの別れを惜しむように同じテーマが奏でられるのだ。
 『SEED』『DESTINY』から受け継がれた曲はほかにもある。
 特に印象深いのは、弱気になったキラにアスランが喝を入れる場面に流れた「然ればこそ」(ディスク2:トラック6)。『DESTINY』のサントラに収録された「信じればこそ」をリアレンジしたものである。2人の友情を想起させる曲として、最高の効果を挙げている。
 もうひとつ印象に残ったのが、シンがデスティニーガンダムで出撃する場面に流れた「出撃!デスティニー」(ディスク2:トラック13)。『DESTINY』の曲「出撃!インパルス」のリアレンジである。スリリングな導入部から勇壮なメロディに転じるスーパーロボットアニメ的な楽曲で、聴くと「来た来た!」と思わず拳を握りしめてしまう。
 こうした「音楽の引用」による世界観継承の工夫は、ほかにもまだあるはず。『SEED』『DESTINY』のサントラをお持ちの方はぜひ『FREEDOM』のサントラと聴き比べてほしい。
 本作の音楽の核となる3つのテーマの最後のひとつ「ラクスのテーマ」は、「ラクスの憂い」(ディスク1:トラック5)で初登場する。ラクスがキラやファウンデーションのことを心配する場面に流れた曲だ。憂いをたたえたメロディーをピアノ、ストリングス、木管が歌い継いでいく。このメロディの一部は『SEED』で佐橋俊彦が作曲したラクスが歌う曲「静かな夜に」から引用されている。
 ラクスのテーマは、キラとラクスが互いを気遣うシーンに流れる「逡巡する者たち」(ディスク1:トラック7)の後半でも変奏される。しかし、大きくフィーチャーされるのは終盤のラクスの演説シーンに流れる「自由への祈り」(ディスク2:トラック17)とラクス出撃シーンに流れる「決意の出撃」(同:トラック18)である。これらの場面では、音楽の力も手伝って、ラクスが主役に躍り出た印象がある。
 そのあとの音楽演出は興味深い。「対決の刻」(ディスク2:トラック19)では『SEED』の曲「翔べ!フリーダム」の変奏をはじめとする勇壮なメロディが次々と現れてキラの気持ちが表現される。が、最後の曲「自由を賭けた決戦」(同:トラック20)は「オルフェのテーマ」で締めくくられる。なぜ、ラクスのテーマではなく、オルフェのテーマで締めくくられるのだろう?
 筆者はこう考えた。劇場版では「自由を賭けた決戦」のあとにエンディング主題歌「去り際のロマンティクス」が流れ、物語をフィナーレへ導く。キラとラクスのドラマは歌で決着をつけ、オルフェのドラマは劇伴で決着をつけたのではないか。「自由を賭けた決戦」で奏でられる「オルフェのテーマ」の変奏は、オルフェへのレクイエムのように聞こえる。ドラマでは深く描写されなかったオルフェの哀しみを佐橋俊彦の音楽が表現しているのである。

 本作はぜひ、音響設備のよい劇場で鑑賞してほしい。音楽に包まれているだけで心が燃え立つような気分になる。映画館で体験してよかったと思う作品だ。佐橋俊彦の音楽は、旧作のサウンドを継承しつつ、新しいサウンドを盛り込み、音楽的な聴きどころを随所に配して、劇場版を盛り上げる。こういうのを「熟練の手業」と呼ぶのだろう。
 なお、本作のサウンドトラック・アルバムはCD、配信のほか、3月21日にアナログ盤の発売も予定されている。なんと3枚組。いまどきのアナログレコードなのでけっこうな値段だが、佐橋俊彦作品初のアナログ盤(LPレコード)であり、CDにはついてない佐橋俊彦の全曲楽曲解説インタビューブックレットが同梱されるというから見逃せない。

『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』オリジナルサウンドトラック(CD)
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『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』オリジナルサウンドトラック(アナログ盤)
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第840回 才能と平等

才能がある人は、金も地位も名誉も思いのまま! これが罷り通る世の中はもう終わり!

と、昨今世間で起こっている事例を見て、そう思います。
 今も昔も自分の周りの人は知っているし、憶えているでしょうが、板垣はやたら“平等”に拘る人間です。20年以上前、学生時代友人の一人が「僕は才能否定派だ! 才能なんて不平等なモノ、この世にない!(板垣を指し)お前の画力だって、子供の頃から他人より画をたくさん描いて努力してきたからに違いない」と。これ実は、何年か前にもここ(この連載)で取り上げた話題で、学生の頃どう返したか正確には憶えていませんが(おそらく、カドがたたないように流した?)、俺の本音を改めて言うと、

才能というモノは存在します! しかも“かなり不平等”に親ガチャ同様、“才能ガチャ”として!

 先に言っておくと、俺自身のことを才能に満ち溢れている天才なんて思っていません(強調)!! ただ、学生時代の友人が言う“努力”とやらは、それほどしていませんでした。いや最低限、趣味の延長にあるお絵描きくらいはしていましたよ、確かに。しかしそれまで、努力と言えるほど巧くなるために画を描いてこずとも、学生時代の美術の成績は満点だったし、アニメ業界に入ってからも大塚(康生)さんや友永(和秀)師匠、その他先輩方の言うとおりに描いたら何となく芝居・アクション・エフェクトと大概のモノが迷わず描けるアニメーターになりました。パースでもデッサンでも指摘されたら即理解でき、そもそも「描けない……描けない……」と、苦悩して画を描いた記憶がそれほどない。つまり、一流クリエイターの才能は自分にはないけど、運の良いことに“要領良く普通に画を描く”くらいの才能ガチャは当たって生まれてきたのかも知れない——くらいには思うからです。

 そう、全ては運が良かっただけ。とっくの昔に自覚済み。

所詮、人生なんて努力より運の方が優先……でしょう!

どれだけ努力を促し続けても、やっぱりどうしてもできない人っているんですよ! 俺にとっては“運動・スポーツ”がそうでした。脳筋体育教師が自身ができるのをいいことに、俺ができないことを「こんなこともできないのか?」「皆できて当たり前!」と放課後、居残りまでさせて鉄棒にしがみ付かせるとか。これ、昭和あるあるですよね?
 ところが現在、運良く比較的得意分野の仕事に就けている自分はやっぱり幸せ者。その程度の才能ガチャの当たりは引けた——つまり、ただただ俺は運が良かっただけ、と分かっているからこそ、その時々で“思うようにできなくて苦しんでいる人”を目の前にして毎回考えてしまうのです。その人に対して「どこまで期待するべきか?」を。もう十分努力をして神経をすり減らしている者に別の道・手段を一緒に考えてあげる時期ってのもあるはずですから。例えばAIの導入とかって、ぶっちゃけガチャに外れた人たちにとっては、プラスに働くことも今後期待できるハズです。
 海外ではすでにAIで脚本書いたりとか、それに対してまたプラカードを掲げて反対している脚本家らがいるとかも聞いたことがあります。しかし、これからは脚本に限ったことではなく我々アニメーターや演出家、はたまたマンガ家までもAIによって仕事の在り方が変わっていくと思っています。それは、

AIに「助けてもらって能力格差を埋めてくれる」と取るのか、単に「仕事が奪われる」と取るか?

だと思います。おそらく後者は「今の仕事で豪遊できているのが“運”だと認めたくない人」ではないでしょうか? まあ、何しろ、

才能ガチャに当たっただけの強者だけが勝つこの世の中がひっくり返って、もう少し“平等”になりますように!!

 あ、才能・運に恵まれた人たちが全く努力していないとは一言も言ったつもりはありませんが、そう感じられた強者の方がいらっしゃったら、謝罪します。申し訳ありませんでした。

【新文芸坐×アニメスタイル vol. 171】
映画監督 原恵一『かがみの孤城』『オトナ帝国の逆襲』

 2024年2月24日(土)にお届けする新文芸坐とアニメスタイルの共同企画プログラムは「【新文芸坐×アニメスタイル vol. 171】映画監督 原恵一『かがみの孤城』『オトナ帝国の逆襲』」。
 原恵一監督が手がけた劇場アニメーションを、原監督のトーク付きで上映するプログラムの第二弾です。『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲』は劇場版『クレヨンしんちゃん』の第9作であり、映画ファンをはじめとする大人の観客にも高く評価された作品。『かがみの孤城』は等身大に近い少年少女を真摯に描いたファンタジーで、多くの観客に支持されました。今回のブログラムは新旧ヒット作の2本立てです。
 トークコーナーの聞き手はアニメスタイル編集長の小黒が務めます。

 「映画監督 原恵一」は全三回の予定です。第三弾も近々に開催します。お楽しみに。

 チケットは2月17日(土)から発売。チケットの発売方法については、新文芸坐のサイトで確認してください。

【新文芸坐×アニメスタイル vol. 171】
映画監督 原恵一『かがみの孤城』『オトナ帝国の逆襲』

開催日

2024年2月24日(土)16時55分~ 

会場

新文芸坐

料金

一般2800円、各種割引 2400円

トーク出演

原恵一(監督)、小黒祐一郎(聞き手)

上映タイトル

『かがみの孤城』(2022/116分)
『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲』(2001/89分/35mm)

備考

※トークショーの撮影・録音は禁止

●関連サイト
新文芸坐オフィシャルサイト
http://www.shin-bungeiza.com/

アニメ様の『タイトル未定』
429 アニメ様日記 2023年8月13日(日)

2023年8月13日(日)
コミックマーケット102の2日目。午前中は事務所でデスクワーク。「この人に話を聞きたい」の原稿に着手した。午後から東京ビックサイトに。しばらくアニメスタイルのブースにいてから、CLAPのブースに行って『夏へのトンネル、さよならの出口』の本を購入した。
この日の『ONE PIECE』も作画がよかった。噂話として太平さんがやっているのは聞いていたけど、あんなにしっかりとやっていると思わなかった(後に担当したのは1カットだけだと、ご本人がSNSで発言した。前後のカットは他のアニメーターが大平さんに合わせたのだろうか)。

2023年8月14日(月)
「この人に話を聞きたい」の原稿を進めるつもりだったけど、疲れていてまともに進みそうもなかったので、原稿以外の作業を片づけることにした。
新文芸坐で「JAWS/ジョーズ」(1975・米/124分/PG12)を鑑賞。プログラム「夏休みだよ スピルバーグ・スペシャル」の1本。映画館で観たのはこれが初めてのはず。映画前半で「サメが出るかと思わせて出ない」を何度も繰り返していた気がするんだけど、そうでもなかった。記憶よりもスムーズに物語が進む。映画中盤で主人公達がサメ退治のために海に出る。最初にサメと遭遇したあたりが素晴らしい。演出がいい。スコープサイズを活かした画作りで、観ている自分も海いるかのような臨場感。このあたりだけで映画館で観てよかったと思えた。終盤のサメとの戦いは、公開当時には充分にエキサイティングだったのだろうなと思った。

2023年8月15日(火)
連休明けだけあって、やることが多い。「この人に話を聞きたい」の原稿はあまり進まず。富士そばの『機動警察パトレイバー』コラボそばを食べた。一般販売開始を前に「作画マニアが語るアニメ作画史 2000~2019」を増刷することを決めた。

2023年8月16日(水)
「この人に話を聞きたい」の原稿を進めた。午前中にようやく記事の流れがつかめた。だけど、記事を完成させるために確認することが多い。Netflixの『メック・カデッツ』全10話を流し観。人物の芝居の動きに手描きっぽいところがあっていい。それから『Back Street Girls -ゴクドルズ-』の観ていなかった話数を観た。

2023年8月17日(木)
スターチャンネルでやっていた「愛と哀しみの果て」の吹き替え版を途中から観た。ロバート・レッドフォード(役名はデニス・フィンチ・ハットン)を古川登志夫さんがアテていた。セリフを聞いていると、たまに僕らが知っている古川登志夫さんらしい感じになる。それ以外は低い声の芝居が続く。こういうお芝居もされるんだなあ。勉強になった。1989年の日本テレビ版の「愛と哀しみの果て」はカレン・ブリクセンが池田昌子さんで、ロバート・レッドフォードが野沢那智さん。他に富山敬さんや肝付兼太さんが出ていたらしい。こちらも最近、スターチャンネルで放送したそうだ。録画しておけばよかった。
突然、思い出したけど、1993年に野沢那智さんに取材した時に、野沢さんが「今までの僕の仕事についてまとめた本が出るんだ」とおっしゃっていた。結局、その本は出なかった。読みたかったなあ。

2023年8月18日(金)
昼前後に「この人に話を聞きたい」の本文原稿が終わって、社内チェックに回す。その後、リードや注を書く。WOWOWで「カイジ 人生逆転ゲーム」「カイジ2 人生奪回ゲーム」「カイジ ファイナルゲーム」「カイジ 動物世界」の連続放送をやっていて、それを流し観した。
ワイフのためにマンガ「美味しんぼ」を月に1冊ずつkindleで買い続けてきたのだが、この日、最新の111巻を購入して、全巻が揃った。いやあ、長かった。10年近くかかったはずだ。

2023年8月19日(土)
コピー機(複合機)を新しいものと入れ替えるので、コピー機の周りを片づけた。その過程でどこにいったのかと思っていた未開封のCDや読みかけの小説を見つける。届いたままにしてあったAmazonの箱を次々と開けた。11時頃に昼食のために池袋駅西口に。目当ての洋食屋に行列が出来ていたので、チェーンの居酒屋に入る。この店はホッピーの中(焼酎)で、コーヒー焼酎を選ぶことができるのが面白い。作り置きではないのに頼んだものがあっという間に出てくるのも嬉しいし、店のお姉さんがやたらと元気なのもよかった。考えてみたら、最近は飲食店で店員さんが元気なのをあまり見なくなった。マンションで昼寝をして、夕方に事務所に戻る。オールナイトの予習をしてから新文芸坐に。
オールナイト「【新文芸坐×アニメスタイル vol. 164】真夏の『Sonny Boy』Night」を開催。マニアックな企画なので、あまりお客さんが入らなくても仕方がないと思っていたのだけれど、8割くらいの席が埋まった。お客さんは若い人が多かった。しかも、お洒落な若い女性が多い。いつものアニメスタイルのお客さんとの重複は少ない感じで、濃い目のサブカル系というわけでもないような。トークの最初にアンケートをとったら、このオールナイトで初めて『Sonny Boy』を観る人が4割くらい。Blu-ray BOXを購入した人が3割くらい。『Sonny Boy』を観たことがない人とBlu-ray BOXを購入するくらいのファンを足すと全体の7割になる。『パトレイバー』特集でも『ナデシコ』上映でも初見のお客さんがかなりの量いるのだが、『Sonny Boy』を観たことがなくて、オールナイトに足を運ぶ人がこんなにいるとは思わなかった。
オールナイトのゲストは夏目真悟監督。上映前のトーク(40分ほど)は企画の話、監督としての狙いの話を中心にして、キャストの話もうかがった。客筋がつかめないので、キャストの話はやっておこうと思ったのだ。夏目さんが、渡辺信一郎さんや川尻善昭さんに「もっと売れるものを作れ」とか「マジメにやれ」と言われた話も。だけど、夏目さんはメジャーな作品を作っているつもりだったそうだ。
僕も夏目さんも、関係者席で朝まで観た。『Sonny Boy』のクールさ、捻った感じ、あるいは画作りが予想以上にオールナイト向きだった。昼間のプログラムでやったら、こんなには楽しめなかっただろう。内容については理解しているつもりだったのだけど「分からない!」と思ったところがいくつもあった。ひとつひとつの話も密度が高いので、一晩で2クール以上観た手応え。集中して観ると、各話の作り込みの差がはっきりと分かる。後に『ぼっち・ざ・ろっく!』を監督として手がける斎藤圭一郎さんの絵コンテ・演出回(8話では脚本・絵コンテ・演出を担当)が抜きん出ていた。それから前から思っていたことではあるけれど、11話の作画がいい。
今まで気がつかなかったけれど『Sonny Boy』って、1話から11話までタイトルロゴも出なければサブタイトルも出ないのね。ちなみにオープニングもない。作品タイトルが出るのはエンディング最後のマルシー表記だけ。タイトルロゴもタイトル表記もなく、最終回の12話のエンディングで初めてタイトルロゴが表記される。『うる星やつら2 ★ビューティフル・ドリーマー★』でやった本編最後に作品タイトルが出るのを、TVシリーズで、しかも、全話を使ってやったということだ。
ロングショットで(たまに寄りのカットでも)キャラクターの顔を描かないで、さらに輪郭を色トレスにする手法は劇場で観たほうが違和感がないかも。トークで夏目監督も言っていたけど、劇場で観ると「黒のしまり」がいい。
上映後のトーク(10分ほど)は夏目さんが久しぶりに自作を再見して、その感想をファンの前で言うところが、企画的なポイントだった。トータルでの感想は「やり過ぎですね」というものだった。そこまでは言っていなかったけれど、渡辺さんや川尻さんに苦言を呈されるのも仕方ないということだろう。それから、若いから作れた作品で、これからこういったものを作るかどうかは分からないとのこと。
上映後にTwitterで検索してみると「すてきな夏をありがとうこざいました。」「自分の中ではアニメというよりアート作品に感覚が近いです。」「漂流してました。」「最愛の作品を劇場で、監督と一緒に観られた。これ以上の喜びはない。ありがとう。本当にありがとう。」「一緒に漂流を体験したような濃密さと、上映後の朝日の清々しさが最高でした。サニボを観ると、ゆっくりでいいから未来を見つめて生きていこうなんて前向きな気持ちになりますね。」「夏に一晩でサニーボーイ全部見る行為自体、終わってみれば夢っぽくてサニーボーイ感があるのが良いよね」等々、素敵なツイートがいくつもあった。

第219回アニメスタイルイベント
ここまで調べた『つるばみ色のなぎ子たち』5【あらためて、清少納言の前半生大検証 編】

 片渕須直監督が制作中の次回作のタイトルは『つるばみ色のなぎ子たち』。平安時代を舞台にした作品のようです。

 『つるばみ色のなぎ子たち』の制作にあたって、片渕監督はスタッフと共に平安時代の生活などの調査研究を進めています。アニメスタイルは「ここまで調べた片渕須直監督次回作」のタイトルでイベントを開催し、現在は「ここまで調べた『つるばみ色のなぎ子たち』」のタイトルでイベントを続けています。

 2024年3月2日(土)に開催する「ここまで調べた『つるばみ色のなぎ子たち』5」のサブタイトルは【あらためて、清少納言の前半生大検証 編】。今までのイベントでも清少納言の生涯について、度々触れてきましたが、今回はその総まとめになると思われます。

 会場は阿佐ヶ谷ロフトA。今回のイベントも「メインパート」の後に、ごく短い「アフタートーク」をやるという構成になります。配信もありますが、配信するのはメインパートのみです。アフタートークは会場にいらしたお客様のみが見ることができます。

 配信はリアルタイムでLOFT CHANNELでツイキャス配信を行い、ツイキャスのアーカイブ配信の後、アニメスタイルチャンネルで配信します。なお、ツイキャス配信には「投げ銭」と呼ばれるシステムがあります。「投げ銭」による収益は出演者、アニメスタイル編集部にも配分されます。アニメスタイルチャンネルの配信はチャンネルの会員の方が視聴できます。また、今までの「ここまで調べた~」イベントもアニメスタイルチャンネルで視聴できます。

 チケットは2月17日(土)昼12時から発売となります。チケットについては、以下のロフトグループのページをご覧になってください。

■関連リンク
LOFT  https://www.loft-prj.co.jp/schedule/lofta/257833
LivePocket(会場)  https://t.livepocket.jp/e/qu54v
ツイキャス(配信)  https://twitcasting.tv/asagayalofta/shopcart/291637

アニメスタイルチャンネル  https://ch.nicovideo.jp/animestyle

 なお、会場では「この世界の片隅に 絵コンテ[最長版]」上巻、下巻を片渕監督のサイン入りで販売する予定です。「この世界の片隅に 絵コンテ[最長版]」についてはこちらの記事をどうぞ→ https://x.gd/57ICr

第219回アニメスタイルイベント
ここまで調べた『つるばみ色のなぎ子たち』5【あらためて、清少納言の前半生大検証 編】

開催日

2024年3月2日(土)
開場12時30分/開演13時 終演15時~16時頃予定

会場

阿佐ヶ谷ロフトA

出演

片渕須直、前野秀俊、小黒祐一郎

チケット

会場での観覧+ツイキャス配信/前売 1,500円、当日 1,800円(税込・飲食代別)
ツイキャス配信チケット/1,300円

■アニメスタイルのトークイベントについて
 アニメスタイル編集部が開催する一連のトークイベントは、イベンターによるショーアップされたものとは異なり、クリエイターのお話、あるいはファントークをメインとする、非常にシンプルなものです。出演者のほとんどは人前で喋ることに慣れていませんし、進行や構成についても至らないところがあるかもしれません。その点は、あらかじめお断りしておきます。

第839回 面接と採用と『沖ツラ』

2月。毎年この時期、ウチの会社ではまだまだ採用のための面接やってます!

 そして相変わらず、未だに実技試験はやっていません。ポートフォリオと面接のみ。ミルパンセの新入社員採用までの手順は至って簡単。

• ポートフォリオを送る。→作品と履歴書を見てOKなら面接、NGなら不採用通知を送る。
• 板垣が面接。→後ほど合否の通知を送る(電話かメール)。

これだけです。
 繰り返しますが実技試験は一度もやったことがありません。なぜなら動画の中割りや原画のトレスのような露骨に“即戦力求む!”的試験で合否を決めるとなると、アニメ専門学校卒が圧倒的に有利で高・大卒は不利だし、そもそも入社してからプロの作画を指導するのが当たり前だと板垣は考えているからです。少なくとも自分を育ててくれたテレコム(・アニメーションフィルム)はそうでしたから。そして、ただの“絵心の有無”を見極めるだけならポートフォリオで十分かと。
 あと、ちゃんとした試験課題を作って「合格!」と太鼓判を押したとて辞める人は辞めていくもので、残留率には何にも寄与しません。それは今まで自分が渡り歩いた幾つかの会社(スタジオ)における新人採用試験と結果を見てきて知っていますから。それこそ「○○○に入れれば一生幸せ!」とか「スタジオ●●●に入社できて辞めていく人の気持ちが分からない!?」くらいのことを言ってた新人が1~2年で「原画になったのでフリーになりました~」と簡単に退社——何人いたことか……。
 で、じゃあ「ポートフォリオで何(どこ)を見るか?」を、あくまで俺基準で言うと、まず申し訳ないのですが「模写」は何枚描いてあっても、採点対象にはなりません。むしろ自前の画(皆さんが“オリジナル”と表記してくる画)との“落差”を計る基準になるかと思います。そして、その自前の画が、

楽しそうに描かれているか? そして、描くのを面倒臭がっていないか?

を、見ていると思います。もちろん、巧い・下手も重要ですが、個人的な実感としては、パース・デッサンは理解してても画を描くこと自体が苦痛・面倒臭いという方は、少なくとも作画(手描き)のアニメーターには不向きかと。昔、大塚(康生)さんに教わっていた頃、宮﨑駿監督についてこう仰ったのを覚えています。

僕が宮﨑(の画)を初めて見た時、「あ、僕よりたくさん画を描いてる!」と思った!

と。巧い・下手ではなく、自分より10歳若いのに“自分以上の量、画をすでに描いてきている”ことのほうを重視していたのです。実際、メイキング映像などで宮﨑監督が喋りながら、その瞬間脳内に思い浮かぶモノを、恐ろしいほどの速さで画にしていく様が観られますよね? 「あ、大塚さんが言ってたのはコレか!」と。アニメーターにとって「画を描く」とは「語る」こと! つまり、「語る」のが面倒な人はアニメーターにはなれない思う訳です(あくまで私見)。
 で、さらに面接はと言うと、履歴書とポートフォリオを再度見直しつつ、質疑応答。それと、ウチ(ミルパンセ)の就業規則。その後、アニメ業界に関する疑問・質問(時事ネタも含む)などに、自分の知る限りお答えするくらい?
 それに対し、控えめに会社概要を確認するだけでお帰りになる人もいらっしゃれば、ざっくばらんに“歓談”のようになる人、中には「企画書見てください!」と本題と関係ないことを持ち込んで来られる方も10年間で1~2人。

 こんな感じで、今年も新入社員がやって来ます!

 お、そろそろ時間なので締めは『沖ツラ』!

『沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる』、ティザーPVが公開されました!

是非、観てください。追って続報をお待ちください!
鬼頭明里さんもファイルーズあいさんも、前作『いせれべ』から引き続き。お二人共、沖縄方言巧い!!

第274回 ふたつのトットちゃん 〜窓ぎわのトットちゃん〜

 腹巻猫です。「音楽物語『窓ぎわのトットちゃん』」をコンサートホールで聴いたことがあります。黒柳徹子さんの語りとオーケストラの生演奏による音楽劇でした。『勇者ライディーン』や『くまの子ジャッキー』などのアニメ音楽で知られる小森昭宏が作曲を担当。メインテーマは「窓ぎわのトットちゃん」と自然に歌えるメロディになっていて、終演後もつい歌ってしまいます。物語の中で子どもたちが歌う「トモエ学園」の歌も印象的でした。
 『窓ぎわのトットちゃん』が劇場アニメになると聞いて、いちばん気になったのは音楽でした。「音楽物語」の音楽は使われるのか? 使われないとしたらどんな音楽になるのか?
 今回はその劇場アニメのお話。


 「窓ぎわのトットちゃん」は黒柳徹子が1981年に発表した自伝的小説。日本でヒットしただけでなく、世界中で翻訳され、発行部数は全世界累計2500万部を超える。大ベストセラーである。
 その小説をもとに作曲された「音楽物語『窓ぎわのトットちゃん』」は1982年に初演され、2022年までに32回も公演されている。こちらも広く親しまれた名作だ。レコードやCDにもなっているので、生で聴いたことがなくても知っている人は多いだろう。
 劇場アニメ『窓ぎわのトットちゃん』は、原作小説の初のアニメ化作品。監督・脚本・八鍬新之介、アニメーション制作・シンエイ動画のスタッフで作られ、2023年12月に公開された。
 映像のない「音楽物語」では自由に想像をふくらませてトットちゃんの物語をイメージしていたので、アニメ化すると知ってちょっと心配した。イメージと大きく違っていたら辛いなと思ったのだ。
 しかし、心配することはなかった。劇場アニメ『窓ぎわのトットちゃん』はすばらしい作品だった。冒頭、トットちゃんの登場シーンで描かれる街の人々の動きから心をつかまれる。スタッフが本気で、丁寧に作品を作っていることが伝わってくる。アニメならではの表現を駆使した、小説や音楽物語とは異なる魅力を持った感動的な作品に仕上がっていた。

 気になる音楽は、劇場アニメ『耳をすませば』『猫の恩返し』、TVアニメ『日常』などの音楽を手がけた野見祐二が担当。
 結論から言えば、アニメ版『窓ぎわのトットちゃん』の音楽は「音楽物語」とは別ものだった。生楽器による音楽という共通点はあるが、「音楽物語」からのメロディの引用などはない。アニメ版『窓ぎわのトットちゃん』にふさわしい独自の音楽になっている。子どもたちが歌う「トモエ学園」の歌(サントラには未収録)は「音楽物語」と同じようだが、これは小森昭宏の創作ではなく、黒柳徹子と子どもたちが実際に歌っていた歌なのだろう。
 本作の舞台は1940年前後から1945年まで。野見祐二は、「その時代にはあり得なかった音楽のスタイルや楽器の音は使わない方針で」音楽を作った、とサントラCDのライナーノーツでコメントしている。現代的なリズムや電子楽器の音は使わないと作曲の枷をはめたわけだ。といっても当時の日本で流行していた音楽の再現というわけでもない。当時あり得たかもしれない音楽としての劇伴なのである。
 八鍬監督は本作についてのインタビューに答えて、ケレン味を削った「引き算」の演出を心がけた、という意味のことを語っている。その考え方は、音楽作りにも反映されている。
 結果、本作の音楽はトットちゃんの世界に自然になじむ、素朴でどこか懐かしい響きのものになった。サウンドトラックだけを聴くと地味に感じるかもしれないが、映像と一体となったときに効果を発揮する。正攻法の映画音楽である。

 本作のサウンドトラック・アルバムは「映画『窓ぎわのトットちゃん』オリジナルサウンドトラック」のタイトルで、2023年12月6日にNBCユニバーサル・エンターテイメントから発売された。収録曲は以下のとおり。

  1. 映画『窓ぎわのトットちゃん』タイトル
  2. トットちゃん興奮する
  3. トットちゃんはどんな子?
  4. トットちゃんのまどろみ
  5. おはよう
  6. ロッキーは良い子
  7. 夢の客車は走る
  8. 「犬」〜「うぐいす」
  9. よくかめよ
  10. お財布探し
  11. お家に帰ろう
  12. 一日の終わりに
  13. 教室がやってきた
  14. 水のフェアリー
  15. 君はともだち
  16. 木の上の世界へ
  17. 魔法の箱ってなに?
  18. こんにちは、ひよこさん
  19. リトミック
  20. こま
  21. コマ変奏曲
  22. 友だちを乗せて走れ
  23. 皇紀2600年奉祝曲オープニング
  24. 皇紀2600年奉祝曲エンディング
  25. トモエ学園の運動会
  26. 日がくれた 独唱
  27. 日がくれた
  28. 日がくれた エンディング
  29. ぼんやりした不安
  30. あの人は何処に?
  31. よくかめよ
  32. 雨にかめば
  33. Deep River
  34. タイスの瞑想曲 ヴァイオリン独奏
  35. 賛美歌474番
  36. 心の窓
  37. トットちゃんの悲しみ
  38. よくかめよ
  39. トットちゃんは良い子
  40. さよならトモエ学園

●ボーナストラック

  1. 竹に雀
  2. 水のフェアリー (Piano solo ver.)
  3. Deep River(Instrumental)
  4. 心の窓(Instrumental)

 あいみょんが歌う主題歌「あのね」は収録されていない。
 曲数が多いのは、1分に満たない短い曲が多いから。フィルムスコアリングで細かく音楽をつけていることがわかる。
 本アルバムで注目してほしいのは、トットちゃんが通うトモエ学園の校長先生・小林宗作が書いた曲が聴けること。小林宗作は実在の人物で、トモエ学園で「リトミック」と呼ばれるユニークな音楽教育を行っていた。サウンドトラックに収録された以下の曲が、小林宗作の作品である。

「犬」〜「うぐいす」(トラック8)
よくかめよ(トラック9、31、38)
リトミック(トラック19)
こま(トラック20)
日がくれた(トラック26、27、28)

 また、「皇紀2600年奉祝曲」(トラック23、24)、「タイスの瞑想曲」(トラック34)、「賛美歌474番」(トラック35)は西洋の既成曲で、それぞれ、リヒャルト・シュトラウス、ジュール・マスネ、レジナルド・ヒーバーの作曲。「Deep River」(トラック33、43)、「竹に雀」(トラック41)も既成曲だが、こちらは作曲者不詳となっている。
 こうした当時の実在の楽曲と、野見祐二が手がけたオリジナル楽曲が自然に共存しているのが、本作の音楽のユニークさであり、魅力である。
 「音楽物語」とアニメ版の音楽は別ものと書いたが、アニメ版音楽の中には「音楽物語」をほうふつさせる楽曲もある。
 作品が始まってまもなく流れる「トットちゃん興奮する」(トラック2)である。アコーディオンやピアノが奏でるメロディが「トットちゃん」と歌っているように聴こえる。「音楽物語」のメインテーマを思わせるのだ。「トットちゃん」という言葉を素直に音楽にするとこういうメロディになると思うので、「音楽物語」を意識したわけではないだろうが、観ていてちょっとうれしかった場面だ。トラック10「お財布探し」にも「トットちゃん」と歌えるフレーズが登場する。
 音楽とともに印象に残るシーンといえば、なんといってもトットちゃんの「空想」のシーンである。
 トラック7「夢の客車は走る」は、トモエ学園の校庭に置かれている古い客車(教室として使われている)の座席にトットちゃんが座って、客車が走り出すのを想像する場面の曲。この場面は「映画『窓ぎわのトットちゃん』イメージシーン」としてYouTubeの東宝MOVIEチャンネルで一部が公開されている。



 トットちゃんが空想をめぐらすと、日常の場面とは絵柄ががらりと変わり、アニメーションならではのファンタジックな映像が展開する。本作の見どころのひとつである。音楽も日常シーンとは異なる躍動感たっぷりの曲調になって、トットちゃんの空想世界を彩る。
 トラック14「水のフェアリー」も同様の空想シーンに流れる音楽。こちらはドビュッシーやラベルの音楽を思わせる幻想的で華麗な曲調だ。
 トラック33「Deep River」はちょっと怖い空想シーンに流れる黒人霊歌。悪夢を思わせる暗い曲調にアレンジされている。
 いずれも本アルバムの聴きどころと言えるだろう。
 トラック16「木の上の世界へ」は、トットちゃんと泰明ちゃんとの友情を描く、本編の中でもとりわけ感動的な場面に流れるクラシカルな曲。この旋律はのちに登場する「心の窓」と共通していて、音楽的伏線になっている。
 本作の音楽の中で、筆者がもっとも深く印象に残ったのが、その「心の窓」(トラック36)という曲だった。野見祐二の作詞・作曲による讃美歌風の合唱曲だ。古くから歌われているような素朴な曲調から、トットちゃんと周囲の人々の切なさ、悲しみ、愛情、祈りなどの想いが伝わってくる。その想いは、トットちゃんの時代にとどまらず、現代のわれわれの心にも響いてくる。本作のもうひとつの主題歌と呼べる楽曲である。

 劇場アニメ『窓ぎわのトットちゃん』は現在も一部の劇場で公開中だ。
 未見の方はぜひ観ていただきたいし、アニメ版が気に入った方は、もうひとつのトットちゃんの音楽「音楽物語『窓ぎわのトットちゃん』」もぜひ聴いていただきたい。2022年の公演がYouTubeの黒柳徹子公式チャンネル「徹子の気まぐれTV」で映像とともに公開されている。音楽物語とアニメ音楽、それぞれの表現の違いを意識して味わうのも面白いだろう。どちらも、後世に残すべき作品である。

窓ぎわのトットちゃん オリジナルサウンドトラック
Amazon

アニメ様の『タイトル未定』
428 アニメ様日記 2023年8月6日(日)

2023年8月6日(日)
吉松さんとワイフと大塚 幸龍軒で吞む。セルフの350円缶アルコール飲料に始まり、ヤカンサワーに。沢山食べて吞む。21日ぶりの飲酒だった。
ずっと書いてきたけれど、いまだに仕上がっていないコラム。ここまでの書き方をやめて、違った感じでまとめることにする。

2023年8月7日(月)
「キン肉マン」の最新話をネットで読む。相変わらず意表を突きまくっていて面白いんだけど、マリキータマンって劇中の時間だと、つい最近に倒されたんじゃなかったっけ。と思って検索したら、やっぱり倒されたのは最近のようで、しかも、串刺しになって死んでいた。
病院Bに行く。この日は採血とCTスキャン。原稿以外の作業多くて、原稿は進まず。今週は通院が二度あるし、外出も多いので、どこかで原稿だけをやる時間を作らないと。
WOWOWの『タッチ 背番号のないエース』を録画で観た。

2023年8月8日(火)
ワイフと一緒に『しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦 ~とべとべ手巻き寿司~』を鑑賞。平日昼間の割りにお客は入っていて、子連れやカップルよりも、女性単独や女性2人組が多かった。いいところもよくないところもあるけれど、プラスとマイナスを合算するとプラスだった。CGに関してはイケないところもあるけれど、「『クレヨンしんちゃん』が3DCGになった面白さ」はあった。その域に達していた。美術がよい感じで、人物の表情は改善の余地あり。巨大物と比較したロングショットの人物も見どころのひとつ。細部だけど、まつざか先生のシャツとトレパンの着こなしがよかった。
内容に関しては、今までの映画『クレヨンしんちゃん』とは似て非なるものだけれど、こういう『クレヨンしんちゃん』があってもいいとは思った。プロットと脚本については明らかに練れていないと思った。文句をつけようと思えばつけられるけれど、上にも書いたようにプラスとマイナスを合算するとプラスだった。今までの映画『クレヨンしんちゃん』よりも面白いと思った人はいるはず。

WOWOWの『タッチ2 さよならの贈り物』『タッチ3 君が通り過ぎたあとに -DON’T PASS ME BY-』を録画で観た。以下は1、2、3の感想だ。TVシリーズと同時進行で作られた『タッチ』の劇場版であり、3本とも過去にも視聴している。今回の放送は恐らくは最新のビデオマスター。配信も同じマスターかもしれないけど、配信は解像度を落としているようだし、Blu-rayソフトは出ていないはずなのでこの放送は貴重かもしれない。
『タッチ 背番号のないエース』は終盤まではいい感じなのだけれど、達也が死んだ和也の代わりにマウンドに立つ展開はかなり強引だ。90分前後で1本の映画にまとめるにはこれしかないと思うくらいの見事なアイデアだし、インパクトはあるんだけど、この展開に持っていくまでの積み重ねが必要なはず。だけど、前知識無しに映画館で観たら納得するんだろうなあ。
『タッチ2 さよならの贈り物』は3本の中では一番ラブストーリーの色、青春物の色が濃い。『背番号のないエース』は『タッチ2』があるかどうか分からないで作っているけど、『タッチ2』は『タッチ3』があるのが分かって作ってる感じ。南が達也に傘を渡すところで、観たことがないような面白いカット繋ぎがあった。面白いし、成功している。「南が甲子園に連れていって欲しいと言った」ので、達也は頑張っているのだと誤解している人がいるが、それは『タッチ2 さよならの贈り物』のせいかもしれないと思った。
『タッチ3 君が通り過ぎたあとに -DON’T PASS ME BY-』は画面で確認すると、確かにタイトルに「-DON’T PASS ME BY-」の文字がある。柏木の話(と須見工との試合)に絞り込んでいて、それゆえに見応えあり。初見時にはダイジェストのように感じて「TVシリーズのほうが面白い」と思ったはずだけど、TVシリーズと比較しなければ充分以上に面白い。新田との最後の対決は手に汗握った。ただし、試合が終わったところで本編が終わってしまうので、そこは物足りない。柏木のその後と、達也の南への告白はエンディングで、セリフ無しの画だけで表現されている。ちなみに新田の妹の由加の出番は無し。由加絡みの人間関係もなく、そのためにスッキリしているとも言えるはず。
色々と端折ってはいるけれど、90分ほどの映画3本で、劇中時間の3年分を描いて、それをまとめて観ると「3年分のドラマを描いている」と思えるのだから大したものだ。演出的なことで言うと、TVシリーズのほうが色々なことをやっていて、作品として「豊か」であるはず。
以下は余談。当たり前といえば当たり前だけど、『MIX』を観た後だと、西村と原田が若い。逆に言うと『MIX』だと見事に年をとっている。それから、この頃の原田は理性的だし、言っていることがロジカルだ。どうして、ああなった。それから『タッチ』の時に大人だったキャラクターって、『MIX』にはほとんど出ていないんだなあ。映画3本だと、南の見せ場ってあまりないんだけど、それでもやっぱり華がある。それに関しては、後のあだち充作品のヒロインは逆立ちしても敵わないのではないか。
さらに余談は続く。Wikipediaの劇場版『タッチ』3本の記述は「劇場アニメ70年史」が出典元になっているんだけど、「70年史」の劇場版『タッチ』の原稿って誰が書いたんだっけ。ひょっとして自分が書いているかもしれない。

2023年8月9日(水)
その気にならないと原稿の時間がとれないので「ここからの2時間は他のことはやらないで取材原稿のまとめをやる」と決めて、作業を始める。午後は病院Bに。先日の検査の結果を聞いた。年末の入院の後に肺炎になっていたらしい。そして、すでに治っているらしい。
「この人に話を聞きたい」の今千秋さんの回の原稿のためにYouTubeで「りぼんオリジナルアニメ」をチェックする。これは僕が知らなかった世界だ。ネット配信のみの作品で、映像中にスタッフクレジットが無いし、公式サイトも無いようなので、版権元か制作会社に問い合わせないと誰が作ったものなのかも分からない。遂にネット配信のために作られた作品について調べなくてはいけない日がやってきた。同じく「この人」原稿のために『BLEACH』15話、33話、『tactics』7話、17話を観た。インタビューで今石洋之さんの『小さな巨人ミクロマン』の影響を受けているという話が出たのだが、確かに33話は今石さんの影響らしき部分があった。
「磯光雄 ANIMATION WORKS preproduction」と「作画マニアが語るアニメ作画史 2000~2019」の見本が印刷会社から届いた。
暑いかと思ったら、雨、やたらと蒸したり、涼しくなったり。目まぐるしい一日だった。

2023年8月10日(木)
「文藝春秋」2023年9月号の本田雄さんの記事をkindleで読む。『君たちはどう生きるか』で本田さんがしっかり修正を入れたと思われる場面、本田さんが原画を描いたと思われるカットの多くが話題になっていて、その意味で満足。
渋谷TSUTAYAがCD、DVDのレンタルを終了することを知る。店頭でレンタルできる時代が終わりに近づいた。ネットレンタルはいつまで続くのか。
夕方に新文芸坐に。『マジンガーZ対デビルマン』と『マジンガーZ対暗黒大将軍』を観て、余力があったので『機動戦艦ナデシコ The prince of darkness』も観た。
「『マジンガーZ対暗黒大将軍』でグレートマジンガーに乗っていたのは不動明だった」という冗談がある。『マジンガーZ対暗黒大将軍』のグレートマジンガーのパイロットは声が田中亮一さんだし、素顔は見せないし、自分の名前を名乗っていないのだ。前作『マジンガーZ対デビルマン』で「俺でよかったらいつでも手を貸すぜ」と言った不動明がグレートマジンガーに乗って助けにきた、というわけだ。その冗談を念頭に置いて『マジンガーZ対デビルマン』と『マジンガーZ対暗黒大将軍』を連続して観ると、本当に不動明がグレートマジンガーに乗っているように見える。悪霊型戦闘獣ダンテの声が野田圭一さんだというのが、さらに事態を複雑化させている。

2023年8月11日(金)
「この人に話を聞きたい」の原稿を進めるつもりだったのだけど、他の用事が多くてあまり進めることができず。まずい。
僕の勘違いでなければサブスクにある「スーパーロボット魂」系の楽曲が減っている。これは困った。今のうちにCDを買っておいたほうがいいのか。

東映チャンネルの「Gメン’75」の19話、20話を録画で観た。19話「デカ部屋の悪霊」(脚本/高久進、新井光 監督/佐藤肇)では山田刑事(藤木悠)の弟が誘拐される。山田刑事はおそらくは40代で、弟は大学受験を控えていて、まだ少年の面影を残している。それくらい年齢が離れた兄弟もあるだろうけど、親子と言われたほうがしっくりくる。そのあたりには劇中の誰も突っ込まない。弟が誘拐された後、身代金として2000万円が必要になり、黒木警視(丹波哲郎)がその金を用意してくれる。その時のセリフが凄い。「Gメン全員の退職金を担保にしてな、警視庁から融通してもらったんだ。遠慮はいらん」。これは笑った。無茶苦茶すぎる。最後の「遠慮はいらん」も凄い。遠慮するよ。細かい見どころとしては、響圭子刑事(藤田美保子)が、山田刑事の弟をもてなすために、山田刑事のアパートにやってきて、手料理を振る舞ったこと。家庭的なところを見せることもあるのね。作った料理がオムレツ、焼肉、サラダ。料理が上手過ぎず、慣れていないわけでもない感じが絶妙だった。
20話「背番号3長島対Gメン」(脚本/池田雄一 撮影/下村和夫 監督/深作欣二)は「Gメン’75」で4本しかない深作欣二監督回の1本。サブタイトルのインパクトがかなりのものだが、勿論、Gメンと長嶋茂雄が戦うわけではなく、野球にちなんだ事件にGメンが挑む。前半にプロ野球選手の写真が何度か送られてきて、その写真に秘められた暗号をGメンが読み解くという展開があり、その部分が「Gメン’75」には珍しいコメディタッチ。推理の途中で黒木警視が昔の野球選手に関する知識を披露するのも可笑しい。「Gメン’75」ファンのサイトで「『バーディー大作戦』を思い起こさせるような」と書かれていたけれど、確かに「バーディ大作戦」だ。

2023年8月12日(土)
コミックマーケットの1日目であったが、新文芸坐でのトークが入ってしまったため、この日のコミケ会場は事務所スタッフに任せて、僕は不参加となった。新文芸坐のプログラムは「【新文芸坐×アニメスタイル vol. 162】映画館で出逢うアニメの傑作『マジンガーZ対デビルマン』『マジンガーZ対暗黒大将軍』」と「【新文芸坐×アニメスタイル vol. 163】公開25周年!『劇場版 機動戦艦ナデシコ』」の2本立て。順番としては劇場版『マジンガー』2本を上映した後に、羽原信義さんと僕のトーク。次が佐藤竜雄さんと僕のトークで、その後が『機動戦艦ナデシコ The prince of darkness』の上映だった。
いつものように新文芸坐さんに関係者席を用意してもらっていたのだけれど、8月10日(木)の上映で劇場版『マジンガー』2本は前の席で観たほうがいいことが分かったので、自分と羽原さんのために前の席のチケットを購入して、その席で鑑賞した。トークでは自分はアニメ映画史における2作の位置づけ、TVシリーズとの関係などを簡単に説明。TVシリーズでマジンガーが初めて空を飛んだ4日前に、『マジンガーZ対デビルマン』でマジンガーが飛んだと言ったところ、羽原さんから34話の予告で飛ぶことは分かっていたとナイスな突っ込み。羽原さんには主に技術的な部分を語っていただいた。『マジンガーZ対デビルマン』『マジンガーZ対暗黒大将軍』を初めて観たお客さんが半分近く。予定していた前説をやらなくてよかった。トークの間、ずっと頷き続けているベテランファンらしき女性がいて印象に残った。
『機動戦艦ナデシコ The prince of darkness』は作品未見の人は1割くらい。こちらのトークは初心に返って、劇場版を作ることになった理由、大月俊倫さんからどんなオーダーがあったのか、佐藤竜雄監督とXEBECスタッフのモチベーション等について。そして、アキトに過酷な運命を与えた理由について。当時のパンフレットやムックで話してもらえなかったことについて話してもらえた。それから「ルリが初登場時に『こんにちは』と言うのは観客に挨拶しているということでよいのか」「ルリがハーリー君と一緒に寝たのはどういうつもりだったのか。その描写の意味は」といった意外と訊いていなかった(はずの)ことについて。トークの後、佐藤竜雄監督と羽原さんと軽く呑んだ。

第838回 50代の抱負

さて、1月28日で50歳になりました!
水島精二監督、そしてテレコム・アニメーションフィルム時代の先輩・西見祥示郎監督、同日誕生日でおめでとうございます!

 去年入ったミルパンセの新人・Nさんも同じ誕生日、とのことでした。ま、当たり前な話ですが誕生日なんて365しかなく、こじつければ誰でもどこかの有名人と被る訳で、どーってことない話題でしょう。ただ、何か「あの人もこの人も、今日俺と一緒に歳を取るのか~」と想いを馳せてしまうのは自分だけでしょうか?
 特に前述の西見先輩もそうですが、『けいおん!』キャラクターデザインの堀口悠紀子さんや業界大先輩『長靴をはいた猫』の森康二さんらといった超巧い同業者と誕生日が同じだと、何か光栄な感じがするのは、これも自分だけでしょうか? 勿論、御二方とも面識は全くありませんが(汗)。
 そんな感じで50代に突入して、まだまだ監督をやらせていただけるようなので増々頑張っていくには違いないのですが、今までどおりではダメなこともあります。それは、

もっと能動的に仕事を作る!

 まあ単純に言うと「自分のやりたいことを積極的に探す」のです。こちらについては何度も語ってると思いますが、俺は“出﨑統監督憧れ”で業界に入ってきた人間なので、

原作かオリジナルか拘らず、来た仕事は何でもやる!

というスタンスで40代終わりまでやりとおしたつもりで、それ自体には全然不満はなかったのです。それは生前の出﨑監督がインタビューで周りのスタッフに「来た仕事は全部やれ! 仕事を断るなんて10年早い!」的な檄を飛ばしていると仰ってたので、その影響は大きかったと思います。
 で、それは基本これからも変えるつもりはないのですが、50歳を迎えたこれからはそれに加えて「自分はこれがやりたい!」をもっと言っていこうと。

問題はその自分がやりたいモノが観る人にとって面白いかどうか? で(汗)

アニメ様の『タイトル未定』
427 アニメ様日記 2023年7月30日(日)

2023年7月30日(日)
朝の散歩で午前4時半に事務所を出て、渋谷を目指す。宮下公園のラジオ体操に参加できるのでは? と思ったのだけれど、6時半に宮下公園は間に合いそうもなかったので、明治神宮の宝物殿前のラジオ体操に参加。その後、明治神宮を歩いた。朝の6時台から明治神宮のベンチで読書をしている人を二人ほど見かけた。優雅だなあ。
取材の予習で『美少女戦士セーラームーンCrystal』第3部と『劇場版 美少女戦士セーラームーンEternal』を観た。
時間に余裕があったら、午前中に新文芸坐で映画を観るつもりだったけど、無理だった。やっぱり校了前日と取材前日が重なるとハードだ。

2023年7月31日(月)
社内打ち合わせで『ポケットの中の戦争』のタイトル表記は『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』ではなくて『MOBILE SUIT GUNDAM 0080 ポケットの中の戦争』が正しいのではないですか、という話になる。校了直前になってタイトル表記の話か。だったら、僕も気になるところがあるぞ。ちなみに「磯光雄 ANIMATION WORKS preproduction」の話だ。
「この人に話を聞きたい」で今千秋さんの取材。JCスタッフで「この人」の取材をするのは2012年4月号の神戸守さん以来かな。かなり予習したつもりだったけど、各話演出時代の仕事について予習が足りなかったかもしれない。事務所に戻って「作画マニアが語るアニメ作画史 2000~2019」の校正紙をざっと見て、Zoom打ち合わせ。その後も編集作業。
夕方にWOWOWでやっていた実写映画「百花」を流し観。前にも途中から途中まで観たけれど、今回はながら観とはいえ、最初から最後まで観た。雰囲気はいい。主人公の母親で認知症の百合子(原田美枝子)に妙に色気がある。いや、主人公と百合子の関係に色気があるのか。主人公の妻役の長澤まさみさんもよかった。映画的なムードが濃くて、その意味では楽しめた。映画館で観たら楽しめたかなあ。ロードショー時に映画館で観るかどうか悩んで、行きそびれたのだった。
Amazonから届いた『未来少年コナン』のムックに目を通す。

2023年8月1日(火)
グランドシネマサンシャインの11時40分からの回で『おそ松さん 魂のたこ焼きパーティーと伝説のお泊り会』を鑑賞。平日の割りにはお客が入っていた。女性客が多いが、男性客もチラホラ。つまらなくはないけれけど、話を詰めきれていない感じだと思った。SNSで感想をいくつか読んだけど、評判は悪くない。これもSNSで得た情報だけど、劇場限定版Blu-rayに付いた絵コンテを読むと、トト子がたこ焼きパーティーに参加し、奇行に走った理由が分かるらしい(すいません。あくまで「らしい」です)。
「ザ・フラッシュ」をU-NEXTのレンタルで視聴。現状でのレンタルは1980円もするので、映画館で観るのとほぼ同額。ポイントを使っているので懐は痛まないけれど。レンタルしたのはサッシャ・カジェのスーパーガールをもう一度観たかったのと、吹き替えがどうなってるのかが気になっていたため。結論だけ書くと、橋本愛さんのスーパーガールはかなりよかった。キャラクターの魅力を維持している。橋本愛さんのイメージとキャラクターのイメージも近い。バットマンは山寺宏一さん。劇中に出てきた全てのバットマンを山寺さんが吹き替えているわけではなく、時間を遡った世界での老バットマンを山寺さんが演じている。これは面白かった。字幕で観た印象とかなり違っている。字幕だと老バットマンはポンコツなイメージなのだけど、吹き替えだと言動がスマートで、頭も冴えている感じに。

2023年8月2日(水)
仕事の合間に、ワイフと新文芸坐で「若き仕立屋の恋 Long version」(2004・香港/56分/DCP/PG12)と「花様年華」【4K上映】(2000・香港/98分/DCP)を鑑賞。「花様年華」【4K上映】は去年の11月にも観ているが、ワイフの付き合いで再見。「若き仕立屋の恋 Long version」は初見。短いけれど、内容を絞り込んでいるため物足りなさはない。予想以上にエロティック。演出が強い作品で、その意味で映画充できた。ラスト寸前に主人公の背中を見せるカットがあって「次は正面から撮って主人公の表情を見せるカットだな」と予想できたのだけど、正面のカットの表情が思っていたのと違ったのでちょっと驚く。本編最後に「完」の文字が出るタイミングもいい。キレキレ。
「花様年華」については前に観た時のほうが楽しめたかな。前回の鑑賞ではラストの展開がよく分からず、あとでWikipediaで確認したのだけれど、今回も同じことをやった。お話としてはそんなに楽しめないのだけれど「映画を観たぞ」という気になる。ワイフの目当てはヒロインのチャイナ服で、劇中で着るチャイナ服が何着あるかを数えながら観たそうだ。たしか、22着だったかな。自分も衣装に注目して観たのだけれど、ひとつのカットで「チャイナ服の柄とカーテンの柄と画面奥のソファーの柄と持っているカップの柄を全部花柄にする」なんてことをやっているのね。他にもこだわりは多そうだ。
Netflixで『範馬刃牙』の「外伝ピクル+野人戦争編」を全話観る。気になって、kindleで原作を確認しながら観た。この辺りの原作は連載で読んでいるのだけれど、それでも驚くくらいに面白かった。原作とやっていることは同じなのに、より面白くなっている。これは作りが上手い。感心した。
「作画マニアが語るアニメ作画史 2000~2019」の編集作業が終了。

2023年8月3日(木)
深夜の散歩はワイフと。午前3時過ぎにマンションを出て要町方面に。水天宮の公園で、母猫と子猫3匹の親子に出逢う。子猫はまだ小さくて可愛い。要町まで歩いて、次は谷端川南緑道を歩く。緑道の近くでやたらと人なつっこい猫に会う。お腹が空いているのか、ニューニャーと鳴きながら近づいてきた。可愛い首輪をつけていたから飼い猫だろう。
時間があったら、新文芸坐で「にせ刑事」(1967/92分/35mm)を観るつもりだったのだけど、やることが多いのであきらめた。ちょっと残念だったので、Amazon prime videoでKADOKAWA channel対象作品チャンネルに再入会して「にせ刑事」を観た。本筋とはあまり関係ないんだけど、劇中で子どもが描いた絵が大魔神。途中で映画館で観た映画も大魔神(3本ある「大魔神」のどれかは確認していない)。
「Gメン’75」の17話と18話を流し観。17話「死刑実験室」は脚本/高久進、演出/小西通雄。時効目前の強盗殺人事件の容疑者(谷村昌彦)を、草野刑事(倉田保昭)が追い詰める。昔のドラマだから気にしないでネタバレを書くけど、容疑者を外界から切り離し、少しずつ時計を速めて、時効の前日に時効になったと思わせる。容疑者が凶器の隠し場所を明かしたところで、彼を逮捕。トンデモ話になると思うけど、盛り上がるし面白い。子どもの頃、自分は「Gメン’75」のこういう話が好きだったんだろうなあ。最初に「刑事訴訟法 第二百五十条」の文面を黒地に白抜き文字を見せるのもインパクトがあっていい。18話「警察の中のギャング」は脚本/高久進、撮影/林七郎、演出/鷹森立一。こちらは街の撮り方がよかった。
WOWOWで放送していた「シコふんじゃった。」を流し観。間違いなく過去に観ているんだけど、随分と忘れているなあ。

2023年8月4日(金)
朝の散歩ではサブスクで配信が始まったばかりの「電子戦隊デンジマン MUSIC COLLECTION」を聴いた。その次に聴いたのが「スーパー戦隊 主題歌・挿入歌大全集I」。
午前8時25分からの回で『特別編 響け! ユーフォニアム ~アンサンブルコンテスト~』を鑑賞。お話に関しては原作未読なのでノーコメント。ただ、1本の映画としては物足りない。気になっていたのは映像だ。残されたスタッフ達が健闘しているのはよく分かる。ただ、あの事件で失われたものの大きさを改めて噛みしめた。
ユニクロで、この日に発売された『チェンソーマン』の原画Tシャツを購入。デスクワークとZoom打ち合わせを挟んで、再びグランドシネマサンシャインに。14時40分の回で「トランスフォーマー ビースト覚醒」【IMAXレーザーGT3D字幕版】を鑑賞。例によって3DCGのロボットの変形とバトルは見事なもので、それだけでも入場料分は楽しめた。個々のロボットの活躍をもっとヒロイックに描いてくれたら、さらに嬉しかった。物語は緩めだけど、観ていてイライラするほどではない。エピローグ部分は「おお、そうきたのか」という感じ。クロスオーバーよりも、主人公の弟についての決着の付け方がよかった。

2023年8月5日(土)
トークを前にして『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』を配信で視聴。『君たちはどう生きるか』を観た後なので、北條家の庭に鷺が現れたところで「え、やばいじゃん」と思ってしまう。続けて『マイマイ新子と千年の魔法』を観る。午後に「【新文芸坐×アニメスタイル vol. 161】『この世界の片隅に』七度目の夏」を開催。お客さんは『マイマイ新子と千年の魔法』初見の方が6割くらい、『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』は初見の方が3割くらい。このプログラムと同日同時間に同じ池袋で「丸山正雄のお蔵出し」が開催されていた。行けるものなら行きたかった。
以下はこの日のトークの内容から。片渕さんは『マイマイ新子と千年の魔法』の後、続編を考えていた。続編のタイトルは『マイマイ新子と二つの塔』か『マイマイ新子と青ひげ』(『マイマイ新子と押し入れの中の青ひげ』かもしれない)。続編は構想レベルの話であり、企画まではいっていない。新子のその後を描くなら、なぎこ(清少納言)のその後も描く必要があると考えて、海外の映画祭(アヌシーだったかな)に行く際に「枕草子」と関連書籍を大量に持って行き、それを読破したことで、なぎこのその後だけで映画を作ることができると確信。それが『この世界の片隅に』を挟んで『つるばみ色のなぎ子たち』に結実する。

第837回 今度の日曜日

なんと、1月28日で50歳になる板垣です!

 50歳ですよ、50歳。現在、希望に満ちた将来の夢を語っている10~20代の方たちも、やりがいのある自分の仕事をモノにして充実した毎日を送っている30~40代の方たちも、間違いなくやってくる50代! しかも、あっという間に! です。
 バカみたいな話、俺自身若い時は、まさか自分が50歳になるなんて思ってもみませんでした。が、いざなってみると、身体が重くなったこと以外はそれほど悪いことはなく、それどころか

20歳で業界入って30年間、今まで一度も後悔した事はありません!

 テレコム(・アニメーションフィルム)でアニメーターとしての情操教育を受け、フリーとして脚本・コンテ・演出から監督へ、そして現在まで一度も干されることもなく仕事を続けさせてもらえてて、本当に運が良い半生でした。正直「同じ苦労は二度としたくない!」と言うほど、苦労もしてこなかったので、もう一度20~49歳をやり直しても良いくらい、楽しく生きてきました。
 って言うか50歳になろうってのに現状自分、今までで一番と言っていいくらい超ド級の忙しさです。少なくとも2027年までは監督でいっぱい! 4月からはまた新入社員の指導・育成も乗っかってきて……。

さて、どうやって乗り切ろうか!?

 はい、今回も短くてすみません(汗)。

【情報局】新作アニメピックアップ[劇場編]240124
待望の新作劇場長編『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』

 新年最初の劇場アニメ情報をお届けしよう。



 12日(金)から『傷物語  ―こよみヴァンプ―』が公開。「化物語」から始まる西尾維新の人気小説「物語」シリーズの第2弾にして前日譚にあたる作品のアニメ化だ。阿良々木暦が高校生3年に進級する前、吸血鬼と出会った春休みの顛末を描く。2016年から翌年にかけ3回に渡って上映された作品を1本に再編集。3作の総上映時間は216分だが、今回の上映時間は144分となっている。著名建築が次々登場するなど、美意識の高い映像も見所のひとつ。監督・脚本は尾石達也、アニメーション制作はシャフト。



 同じく12日(金)より『セマンティックエラー[短編アニメ版]』が上映スタート。原作は韓国のボーイズラブ小説で、実写ドラマシリーズがヒットし、劇場版前後編が作られた。日本で劇場公開に際して、実写化の前に作られた短編アニメーション全4話もあわせて上映される。12日スタートの前編には第1~3話が、26日(金)スタートの後編には第4話がつくかたちだ。アニメファンとしては、配給をブシロードの子会社とトムス・エンタテインメントが担当しているところも気になる。



 翌週19日(金)からは『メカアマト MOVIE』が公開。『メカアマト』はマレーシア製のキッズ向けTVシリーズ。あらゆるものをメカに変える能力をもつメカボットと少年アマトの活躍を描く3DCG作品だ。今回の劇場版では、邪悪なグラカカス将軍が登場し、メカボットたちを追いつめる。

≪劇場アニメリスト≫
2024年1月10日現在、編集部調べ

公開中作品

2024年1月12日(金)

『傷物語  ―こよみヴァンプ―』※『傷物語』劇場3部作を再構成した総集編

【公式サイト】https://www.kizumonogatari-movie.com/

『セマンティックエラー[短編アニメ版]』※実写版と同時上映

【公式サイト】https://semaera.jp/anime/

2024年1月19日(金)

『メカアマト MOVIE』

【公式サイト】https://www.mechamato-movie.jp/

2024年1月26日(金)

『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』

【公式サイト】https://www.gundam-seed.net/freedom/

2024年1月27日(土)

『映画 ギヴン 柊mix[前編]』

【公式サイト】https://given-anime.com/

2024年2月2日(金)

『大室家 dear sisters』

【公式サイト】https://ohmuroke.com/

『鬼滅の刃 絆の奇跡、そして柱稽古へ』※ TVシリーズ刀鍛冶の里編11話+柱稽古編1話先行上映

【公式サイト】https://kimetsu.com/anime/worldtour2024/

2024年2月16日(金)

『ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』

【公式サイト】https://haikyu.jp

2024年3月1日(金)

『映画ドラえもん のび太の地球交響楽』

【公式サイト】https://doraeiga.com/2024/

『パリピ孔明 Road to Summer Sonia』※TVシリーズの総集編

【公式サイト】https://paripikoumei-anime.com/

2024年3月8日(金)

『映画しまじろう ミラクルじまのなないろカーネーション』

【公式サイト】https://kodomo.benesse.ne.jp/open/movie/2024/

『恐竜超伝説2 劇場版ダーウィンが来た!』

【公式サイト】https://kyouryu2-darwin.com/

2024年3月15日(金)

『FLY! フライ』

【公式サイト】https://fly-movie.jp/

『私ときどきレッサーパンダ』※劇場初上映

【公式サイト】https://www.disney.co.jp/movie/lesserpanda

2024年3月20日(水)

『映画おしりたんてい さらば愛しき相棒よ』
『映画おしりたんてい なんでもかいけつ倶楽部 対 かいとうU』

【公式サイト】https://oshiri-movie.com

2024年3月22日(金)

『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション[前章]』

【公式サイト】https://dededede.jp/

2024年3月29日(金)

『あの夏のルカ』※劇場初上映

【公式サイト】https://www.disney.co.jp/movie/luca

2024年4月12日(金)

『クラユカバ』
『クラメルカガリ』

【公式サイト】https://www.kurayukaba.jp/

『ソウルフル・ワールド』※劇場初上映

【公式サイト】https://www.disney.co.jp/movie/soulfulworld

『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』

【公式サイト】https://www.conan-movie.jp/2024/

2024年4月19日(金)

『映画きかんしゃトーマス 大冒険! ルックアウトマウンテンとひみつのトンネル』

【公式サイト】https://movie2024.thomasandfriends.jp/

『劇場版ブルーロック ―EPIOSODE凪―』

【公式サイト】https://bluelock-pr.com

『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション[後章]』

【公式サイト】https://dededede.jp/

2024年4月19日(金)

『映画きかんしゃトーマス 大冒険! ルックアウトマウンテンとひみつのトンネル』

【公式サイト】https://movie2024.thomasandfriends.jp/

2024年5月10日(金)

『トラペジウム』※全4幕

【公式サイト】https://trapezium-movie.com/

2024年5月10日(金)

『ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』

【公式サイト】https://movie-umamusume.jp/

2024年5月

『コードギアス 奪還のロゼ』※全4幕

【公式サイト】https://geass.jp/roze/

2024年6月14日(金)

『RABBITS KINGDOM THE MOVIE』

【公式サイト】https://tsukiuta-movie.com/

2024年6月28日(金)

『それいけ! アンパンマン ばいきんまんとえほんのルルン』

【公式サイト】https://anpan-movie.com/2024/

2024年7月19日(金)

『ヤマトよ永遠に REBEL3199 第1章 黒の侵略』※全7章

【公式サイト】https://starblazers-yamato.net

2024年初夏

『i☆Ris the Movie – Full Energy!!–』

【公式サイト】https://iris.dive2ent.com/movie/

『めくらやなぎと眠る女』

【公式サイト】http://www.eurospace.co.jp/BWSW/

2024年夏

『メイク ア ガール』

【関連サイト】https://xenotoon.com/studio

『劇場版 モノノ怪』

【公式サイト】https://mononoke-movie.com

『劇場総集編 ぼっち・ざ・ろっく! Re:Re:』

【公式サイト】https://bocchi.rocks/

『インサイド・ヘッド2』

【公式サイト】https://www.disney.co.jp/movie/insidehead2

『きみの色』

【関連サイト】https://www.toho.co.jp/movie/lineup

『映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記』

【公式サイト】https://www.shinchan-movie.com/2024/

『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE[第4作]』

【公式サイト】https://heroaca-movie.com/

2024年秋

『ふれる。』

【公式サイト】https://fureru-movie.com/

2024年冬

『劇場版 僕とロボコ』

【関連サイト】https://boku-to-roboco.com/

『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 〈ワルプルギスの廻天〉』

【公式サイト】https://www.madoka-magica.com/

公開予定

『蒼きウル』

【公式SNS】https://twitter.com/uruinblue

『ビブリア古書堂の事件手帖』

【関連サイト】http://biblia.jp/

『ユーリ!!! on ICE劇場版 ICE ADOLESCENCE』

【公式サイト】http://yurionice-movie.com/

『零世紀エメラルダス』

【公式サイト】http://zero-century.net/

『活撃 刀剣乱舞』

【公式サイト】http://katsugeki-touken.com/

『僕はロボットごしの君に恋をする』

【関連サイト】http://www.kawade.co.jp/bokurobo/

『センコロール3』

【公式サイト】https://www.cencoroll.com/

『ORBITAL ERA』

【公式サイト】http://orbital-era.com/

『ククリレイジュ ―三星堆伝奇―』
『ジュエルペット あたっくとらべる!』

【公式サイト】http://kukuriraige.com/
【公式サイト】http://kukuriraige.com/jp-attack/

『囀る鳥は羽ばたかない The storm breaks[第二章]』

【公式サイト】http://saezuru.com/

『CHERRY AND VIRGIN』

【公式SNS】https://twitter.com/candvMovie

『劇場版 OVERLOAD 聖王国編』

【公式サイト】http://overlord-anime.com/

『スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース[Part2]』

【公式サイト】https://www.spider-verse.jp/

『魔法使いの夜』

【公式サイト】https://mahoyo-movie.com/

『ベルサイユのばら』

【公式サイト】https://verbara-movie.jp/

『アイゼンフリューゲル』

【公式サイト】https://eisen-flugel.com/

『テンカウント』

【公式サイト】https://10count-anime.com/

『劇場版 ソードアート・オンライン』新作

【公式サイト】https://sao10th.net/

『JUNK WORLD』

【公式サイト】https://junkworld-movie.com/

『映画 ギヴン 柊mix[後編]』

【公式サイト】https://given-anime.com/

『狂気山脈 ネイキッド・ピーク』

【公式サイト】https://nakedpeak.jp/

『熊出没 バック・トゥ・アース大作戦』

【公式サイト】http://dianying.jp/den_ei_sai/film/F_1xx411c7XB

『つるばみ色のなぎ子たち』

【公式サイト】https://tsurubami.contrail.tokyo/

『王様ランキング[完全新作劇場版]』

【関連サイト】https://osama-ranking.com/

『ZAN』

【関連サイト】http://www.jaymentokyo.com/

『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会[劇場上映シリーズ3部作]』

【関連サイト】https://www.lovelive-anime.jp

『ロボット・ドリームズ』

【関連SNS】https://twitter.com/KlockworxInfo/status/1670156425254010880

『大室家 dear friends』

【公式サイト】https://ohmuroke.com/

『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ Licht 名前の無い少女[続編]』

【公式サイト】http://anime.prisma-illya.jp/movie/3/

『リンダはチキンがたべたい!』

【関連サイト】https://www.asmik-ace.co.jp/works/17093

『星つなぎのエリオ』

【公式サイト】https://portal.symphogear.com/

『戦姫絶唱シンフォギア[劇場版]』

【公式サイト】https://portal.symphogear.com/

『ユニコーン・ウォーズ』

【公式SNS】https://twitter.com/UnicornWars_jp

『劇場版 チェンソーマン ―レゼ篇―』

【公式サイト】https://chainsawman.dog/movie_reze/

『劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ QUARTET NIGHT編』

【公式サイト】http://utapri-movie.com

『劇場版 陰の実力者になりたくて! 残響編』

【公式サイト】https://shadow-garden.jp

『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!  前編 春の陽だまり、迷い猫』

【公式サイト】https://anime.bang-dream.com/mygo/

『BanG Dream! It’s MyGO!!!!! 後編 うたう、僕らになれるうた & FILM LIVE』

【公式サイト】https://anime.bang-dream.com/mygo/

第218回アニメスタイルイベント
作画マニアが語るアニメ作画史 1963~2000 PART2

 2024年2月18日(日)昼にトークイベント「第218回アニメスタイルイベント 作画マニアが語るアニメ作画史 1963~2000 PART2」を開催します。

 このイベントは「作画マニアが語るアニメ作画史 1963~2000」の続編で、1963年から2000年までのアニメ作画を、作画マニア寄りの目線で振り返ります。
 出演はアニメスタイル編集長の小黒祐一郎。監督、アニメーターとして知られる羽原信義さん。アニメーター、演出として活躍し、さらに作画研究家でもある沓名健一さんです。主に小黒が語り、羽原さん、沓名さんにコメントしていただくかたちになるはず。
※2024年2月2日追記:アニメーターの今村亮さんにも出演してもらえることになりました。

 第一部では1970年代末からの「名作画監督の時代」と1980年代前半の作画の流行などがテーマ。第二部はアニメ作画の大きな流れをテーマにする予定です。また、それら以外の話題にも触れるかもしれません。

 なお、前回と今回のトークの内容を加筆修正して書籍化するかもしれません。

 会場は阿佐ヶ谷ロフトA。今回はいつものイベントよりもスタート時間が早く、11時半開場、12時開演となります。配信もありますが、配信するのはメインのパートのみです。会場にいらした方だけが観覧できるパートも用意しています。

 配信はリアルタイムでLOFT CHANNELでツイキャス配信を行い、ツイキャスのアーカイブ配信の後、アニメスタイルチャンネルで配信します。なお、ツイキャス配信には「投げ銭」と呼ばれるシステムがあります。「投げ銭」による収益は出演者、アニメスタイル編集部にも配分されます。アニメスタイルチャンネルの配信はチャンネルの会員の方が視聴できます。

 チケットは1月26日(金)18時から発売となります。チケットについては、以下のロフトグループのページをご覧になってください。

■関連リンク(会場・チケット関係)
LOFT  https://www.loft-prj.co.jp/schedule/lofta/275139
LivePocket(会場)  https://t.livepocket.jp/e/ne28z
ツイキャス(配信)  https://twitcasting.tv/asagayalofta/shopcart/288056

第218回アニメスタイルイベント
作画マニアが語るアニメ作画史 1963~2000 PART2

開催日

2024年2月18日(日)
開場11時30分/開演12時 終演15時30分~16時頃予定

会場

阿佐ヶ谷ロフトA

出演

小黒祐一郎、羽原信義、沓名健一、今村亮

チケット

会場での観覧+ツイキャス配信/前売 1,500円、当日 1,800円(税込・飲食代別)
ツイキャス配信チケット/1,300円

■アニメスタイルのトークイベントについて
 アニメスタイル編集部が開催する一連のトークイベントは、イベンターによるショーアップされたものとは異なり、クリエイターのお話、あるいはファントークをメインとする、非常にシンプルなものです。出演者のほとんどは人前で喋ることに慣れていませんし、進行や構成についても至らないところがあるかもしれません。その点は、あらかじめお断りしておきます。

【新文芸坐×アニメスタイル vol. 170】
アニメ映画の音を愉しむ『BLUE GIANT』

 新文芸坐とアニメスタイルの共同企画プログラムで『BLUE GIANT』を上映します。『BLUE GIANT』はジャズをモチーフにした同名マンガを映像化したアニメーション映画。青春ドラマとしても、音楽映画としても充実した作品です。特に音響が素晴らしく、是非とも映画館で楽しんでいただきたいと思います。監督は『モブサイコ100』シリーズ、『名探偵コナン 黒鉄の魚影』等を手がけた立川譲監督です。

 日時は2024年2月3日(土)、9日(金)、10日(土)、11日(日)。10日(土)は上映後に、立川監督のトークを予定しています。チケットはそれぞれ、上映の1週間前から発売。チケットの発売方法については、新文芸坐のサイトで確認してください。

■新文芸坐
https://www.shin-bungeiza.com/schedule#d2024-02-03-3

【新文芸坐×アニメスタイル vol. 170】
アニメ映画の音を愉しむ『BLUE GIANT』

開催日

2024年2月3日(土)、9日(金)、10日(土)、11日(日)

会場

新文芸坐

料金

一般1500円、各種割引 1100円(10日(土)のみ、一般1900円、各種割引 1500円)

トーク出演

立川譲(監督)、小黒祐一郎(聞き手)

上映タイトル

『BLUE GIANT』(2023/120分)

備考

※トークショーの撮影・録音は禁止

●関連サイト
新文芸坐オフィシャルサイト
http://www.shin-bungeiza.com/

第273回 もう一度メタモルフォーゼ 〜キボウノチカラ オトナプリキュア’23〜

 腹巻猫です。1月28日(日)に浅草・ニュー酒場フレンズで開催されるサントラDJイベント・サントラサーカス!2にDJとして参加します。ぜひおいでください! 詳細は下記を参照。
https://www.gekiban.soundtrackpub.com/news/2024/01/20240122.html


 プリキュアシリーズ放映開始20周年を記念して、昨年からさまざまなイベントが開催されている。「全プリキュア展」「全プリキュア 20th Anniversary LIVE!」などなど。今回は20周年記念の施策のひとつとして放映された『キボウノチカラ オトナプリキュア’23』を取り上げよう。

 『キボウノチカラ オトナプリキュア’23』は2023年10月から12月までNHK Eテレで放映されたTVアニメ。2007年と2008年に放映された『Yes!プリキュア5』『Yes!プリキュア5GoGo!』の主人公・夢原のぞみたちの成長した姿を描く作品である。
 『プリキュア5GoGo!』の戦いからおよそ10年後(明確な年代は語られていない)。成長したのぞみたちは、それぞれの夢を実現したいっぽうで、現実の厳しさに悩む日々を送っていた。そんなある日、のぞみたちの街に謎のモンスター「シャドウ」が出現し、人々を襲い始める。今はプリキュアに変身する力を失ったのぞみたちは、シャドウに対抗することができない。しかし、大切な未来を守りたいと願うのぞみの前に光る蝶が現れ、のぞみはふたたびプリキュアに変身する力を手にする。オトナになったプリキュア5の新たな戦いが始まった。
 まず、『Yes!プリキュア5GoGo!』では中学生だったのぞみたちの成長した姿が見られるのが本作の見どころ。声優も全員オリジナルのメンバーが再登板して、「あののぞみたちがこうなるのか」という驚きと感慨があった。そして、成長したのぞみたちがふたたびプリキュアに変身するのがもうひとつの見どころ。そのとき、のぞみたちが中学生の姿に戻るのが2番目の驚きだった。このアイデアはスティーブン・キングのホラー小説『IT』からヒントを得たのだという。
 物語の前半ではオトナになったのぞみたちの日常が描かれ、思い通りにいかない現実に悩む姿が見られる。SNSの反応を見ていると、子どもの頃に『プリキュア5』を観ていた世代の女性は、のぞみたちを現在の自分と重ねて、共感するところが多かったようである。なお、公式では一貫して「大人」ではなく「オトナ」と表記しているので本稿もそれに倣うことにする。
 プリキュア5のメンバーがひとりずつプリキュアに変身する力を取り戻し、さらに『ふたりはプリキュア Splash☆Star』のキャラクターも参戦して、物語は佳境を迎える。第9話でSplash☆Starのふたりが変身する場面は、そうなるだろうとわかっていても心にぐっとくるものがあった。

 さて、音楽はプリキュアシリーズ第1作『ふたりはプリキュア』(2004)から『Yes!プリキュア5GoGo!』(2008)まで5作品の音楽を手がけた佐藤直紀が担当。TVシリーズとしては15年ぶり、『映画プリキュアオールスターズDX3』(2011)から数えても12年ぶりのプリキュアシリーズ復帰である。個人的には、これが本作一番のトピックスだった。
 佐藤直紀は本作で、オトナになったのぞみたちの日常・心情を描く音楽や新たな敵シャドウを描写する音楽など30曲余りを書き下ろしている。旧作のBGMをリアレンジした曲もいくつかあるが、約30曲が新曲だ。
 さらに、本編では『ふたりはプリキュア』から『Yes!プリキュア5GoGo!』までのオリジナルBGMも使用されている。プリキュアの変身シーンやアクションシーンはもっぱら旧作BGMが使用されるので、いやがうえにも盛り上がった。プリキュアシリーズ開始当初から選曲を手がけている水野さやかが、本作でも選曲を担当。プリキュア音楽を熟知した水野氏ならではの、旧作へのリスペクトあふれる音楽演出に唸らされた。
 佐藤直紀は本作の音楽を担当するにあたり、旧作の音楽を聴きなおした上で作曲に臨んだという。旧作の音楽はストレートで勢いのある曲調だったが、本作はその路線を踏襲するのではなく、「オトナプリキュア」の世界観をしっかり打ち出そうと考えた、とインタビューで語っている。
 その方向性がよく表れているのが、のぞみたちの心情を描く曲である。中学生時代ののぞみたちの気持ちは「よろこび」「悲しみ」「怒り」など、色分けのはっきりした、わかりやすい音楽で表現できた。しかし、オトナになったのぞみたちの心情は、ひとつのトーンでは表現しきれない。楽しい中にも不安や迷いが、悲しみの中にも希望が宿る。ひとつの色に染めきれない想いが複雑で繊細な響きで奏でられる。
 また、この10年で佐藤直紀の音楽も変化(進化)している。
 実写劇場作品『ALWAYS 三丁目の夕日』(2005)に代表されるように、佐藤直紀の書く音楽の魅力のひとつが、心に響くメロディだった。しかし、近年の佐藤直紀はメロディを抑え、複雑な和声(ハーモニー)を用いたサウンド志向の曲を書く傾向にある。2023年に公開された『レジェンド&バタフライ』『ゴジラ-1.0』の佐藤直紀の音楽と『キボウノチカラ オトナプリキュア’23』の音楽には共通する要素が多い。これが現在の佐藤直紀サウンドなのである。
 本作のサウンドトラック・アルバムは「キボウノチカラ オトナプリキュア’23 オリジナル・サウンドトラック」のタイトルで、1月10日にマーベラスからCDと配信でリリースされた。CDは2枚組。収録内容は以下のとおり。

ディスク1

  1. 未来の鼓動
  2. 夢をかなえた先に
  3. Cafe & Bar TIME
  4. サブタイトル
  5. ベル
  6. ほろ苦い現実
  7. 輝いていたあの頃
  8. 仲間を迎えて(2023version)
  9. 不穏な予兆
  10. シャドウ
  11. 心に刺さるトゲ
  12. 進めない一歩
  13. 心の迷宮
  14. ベルの怒り
  15. ふたたびつかむ光
  16. 未来への約束
  17. ほほえみのエピローグ
  18. 夢でいっぱい(歌:春日野うらら[CV:伊瀬茉莉也])

ディスク2

  1. サブタイトル(Btype)
  2. はじける時間
  3. 迷う心(2023version)
  4. のぞみとココ
  5. 夢でいっぱい 〜Acoustic ver.〜(歌:春日野うらら[CV:伊瀬茉莉也])
  6. タイムフラワー
  7. ベルの記憶
  8. 絶望の未来
  9. 暴走するシャドウ
  10. 爆発する怒り
  11. 信じる仲間とともに(2023version)
  12. シャドウの猛威
  13. プリキュア登場(2023version)
  14. 戦うチームプリキュア
  15. バタフライエフェクト〜希望の力
  16. 素直な気持ちで
  17. 未来の選択
  18. 雫のプリキュア(歌:キュア・カルテット)

 本作のために新たに録音されたBGM33曲とエンディング主題歌(「雫のプリキュア」)、挿入歌(「夢でいっぱい」)を収録。
 構成は筆者が担当した。ディスク1はのぞみたちの日常描写からシャドウが出現し、プリキュアが復活するまでのイメージで、ディスク2は最終決戦に向けての展開をイメージして構成した。BGMは全曲収録を前提に進めていたが、諸事情により未収録が数曲ある。
 1曲目「未来の鼓動」は本作のメインテーマとして書かれた曲。第1話の冒頭、のぞみのモノローグのバックに使用された。佐藤直紀は、この曲で「オトナになったキャラクターの物語であることをしっかり演出したいと思った」と語っている。ピアノとストリングスの静かな導入から、女声ボーカリーズが加わり、最後は心臓の鼓動の音で終わる。女声ボーカルはオトナの雰囲気を、鼓動は未来への希望と不安を象徴しているようだ。
 ただ、ブックレット所収のインタビューでも語られているように、本編では女声ボーカルはオミットされ、鼓動の部分も流れなかった。また、最終話のラストシーンもこの曲で終わる構想があったのだが、実際には使用されていない。そのため、メインテーマとしての性質があいまいになってしまったのが残念なところ。代わりに本アルバムでじっくりと聴いていただきたい。
 続く「夢をかなえた先に」(トラック2)と「Cafe & Bar TIME」(トラック3)は、のぞみたちの日常シーンに流れた曲。いずれも第1話から使われている。
 トラック5「ベル」は物語のカギとなるキャラクター・ベルのテーマ。プリキュアと敵対するキャラだが、音楽は悲しみをたたえた重厚な響きで書かれている。物語が進むにつれ、その悲しみの理由が明らかになる。本曲のバリエーションである「ベルの怒り」(ディスク1:トラック14)、「ベルの記憶」(ディスク2:トラック7)、「爆発する怒り」(同:トラック10)は、ベルの心境の変化に合わせたアレンジである。
 シャドウのテーマである「シャドウ」(ディスク1:トラック10)はサスペンスや脅威をストレートに表現するのではなく、シンプルな音型をくり返すミニマルミュージック的な曲想で書かれている。『ゴジラ-1.0』の音楽との共通点を見出すことも可能だ。「暴走するシャドウ」(ディスク2:トラック9)、「シャドウの猛威」(同:トラック12)は同じテーマのバリエーション。注目すべきは、ベルの曲が3拍子で書かれていて、シャドウの曲も8分の6拍子もしくは3拍子のリズムを基調に書かれていること。ベルとシャドウのあいだにつながりがあることが音楽的に表現されているのだ。
 「ほろ苦い現実」(ディスク1:トラック6)は、本作の中でも重要な、オトナになったのぞみたちの心情を表現する曲。第1話で夏木りんが仕事のことで悩む場面や第2話でのぞみが転校した生徒・るみを心配する場面などに使用された。ニュートラルな(特定の感情を想起させない)淡々としたピアノのフレーズから始まり、ストリングスが重なって徐々に情感がふくらんでいく。不安とも悲しみともつかない複雑な響きから、終盤は希望的なトーンに転じて終わる。この重層的な響きは、過去のプリキュア音楽にない、「オトナプリキュア」ならではのものだ。「心に刺さるトゲ」(ディスク1:トラック11)、「進めない一歩」(同:トラック12)も同じタイプの楽曲である。
 本編で筆者が特に印象に残ったのは「ふたたびつかむ光」(ディスク1:トラック15)という曲。成長したのぞみたちが、ふたたびプリキュアに変身する力を手に入れる場面に必ずと言ってよいほど流れていた。
 細かく刻むストリングスのフレーズと低音の管弦楽器の唸りが、徐々に高まる緊張感と決意を表現。終盤に登場するホルンのメロディがプリキュアの力の復活を歌うが、少し陰りが感じられる。そこがいい。
 「未来への約束」(ディスク1:トラック16)と「未来の選択」(ディスク2:トラック17)は、メインテーマの流れをくむ曲である。どちらも、のぞみたちが未来へ一歩踏み出そうとする場面などに使われている。不確かで、希望あふれる未来ではないかもしれないけれど、のぞみたちは手探りで歩き出そうとする。そんなシーンを彩った曲。最終話では戦い終わったあとのエピローグ(Bパート)に、「未来の選択」と「未来への約束」が続けて流れた。本作を代表する楽曲と言えるだろう。
 あと大事な曲としては、最終話の決戦シーンを盛り上げた「戦うチームプリキュア」(ディスク2:トラック14)と「バタフライエフェクト〜希望の力」(同:トラック15)がある。「戦うチームプリキュア」は本作の音楽の中では珍しいストレートなバトル曲。「バタフライエフェクト〜希望の力」はプリキュアが最後の技を放つ場面で使用された。未来を変えていこうとする人々の想いが集まり、大きな力となる。本作のタイトルである「キボウノチカラ(希望の力)」を感じさせる壮大な曲だ。どちらも、シナリオから使用場面をイメージして書かれた曲である。次の「素直な気持ちで」(同:トラック16)も同様に、最終話のココのプロポーズの場面を想定して書かれた曲だ。
 旧作BGMのリアレンジの中では、「信じる仲間とともに(2023version)」(ディスク2:トラック14)に耳を傾けてほしい。原曲はプリキュアが力を合わせて敵に立ち向かう場面をイメージした熱い曲なのだが、本作ではしだいに劣勢になっていくイメージにアレンジされている。

 旧作BGMの使用では、『プリキュア5』『プリキュア5GoGo!』からの選曲が多いのは当然として、『ふたりはプリキュアSplash☆Star』と『ふたりはプリキュア』『ふたりはプリキュアMax Heart』の曲もけっこう使われている。第1話でのぞみがるみと話をする場面に『ふたりはプリキュア』の「未来を信じて」という曲が流れるなど、随所に「これは!」と思う選曲がされている。とりわけ、最終話の決戦シーンで『ふたりはプリキュアMax Heart』の「三人の絆」が流れたのは感動した。旧作のサウンドトラック・アルバムは現在、配信で聴くことができるので、劇中で流れた曲を探してみるのも楽しいだろう。
 ただ、物語が進むにつれて、成長したのぞみたちの心情を描く曲の出番が少なくなり、旧作BGMが使用される場面が増えてきたのは、本作の独自性が薄まったようで少し惜しいなと思った。歴代プリキュアが共闘する「プリキュアオールスターズ」とあまり変わらなくなってしまうからだ。キャラクターの成長を描くこととプリキュアを描くことのバランスを取るのは難しい。答えは見つからないけれど。
 オール新曲で構成された本アルバムは、いわば純度100%の「オトナプリキュア」の世界。佐藤直紀が構想した、オトナになったのぞみたちの音楽を味わってほしい。

キボウノチカラ オトナプリキュア’23 オリジナル・サウンドトラック
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アニメ様の『タイトル未定』
426 アニメ様日記 2023年7月23日(日)

2023年7月23日(日)
取材の予習で『世界一初恋』第1期を全話観た。1話から4話がぶっちぎりの面白さ。4話まではエメラルド編集部編集者の小野寺律と同編集部編集長の高野政宗の話だ。本放送時に5話でマンガ家の吉野千秋が主人公になって、当惑したのを思い出した。あれ、前回までの話は? と思ったのだ。今回も当惑した。8話と9話はエメラルド編集部編集者の木佐翔太と書店バイトの雪名皇の話。雪名は大学生のイケメンで女性客にモテモテ。その彼が木佐が担当したマンガのファンで、木佐が担当したマンガには共通するものがあると言う。木佐が雪名の自宅に行くと、本棚に木佐が担当したマンガの単行本がズラリと並んでいた。雪名は書店バイトとして木佐が担当したマンガを売りまくっており、さらにこれからもキャンペーンをやって売ってくれると言う。木佐は雪名の顔が好きで、片想いしていたのだが、雪名も木佐が好きだと言ってくれる。本放送時にもSNSで書いたはずだけど、これは編集者としては夢だよね。自分の好みの相手が、自分が編集を担当した作品が好きで、名前を出していないのに自分が担当した作品に共通するものを見つけて、全てを好きだと言ってくれる。さらに書店員として売りまくってくれる。その上で自分のことを好きだと言ってくれる。妄想の純度が高い。
ネットで長濵博史監督の『うずまき』のPVを観る。凄い出来になりそうだ。就寝前に「事情を知らない転校生がグイグイくる。」15巻を読む。よかった。正直に言うと感動した。話もいいんだけど、コマ割り(ページ構成)も素晴らしかった。

2023年7月24日(月)
マッドハウス50周年記念上映イベントのための人気投票の結果を見る。作品部門の上位にりんたろう監督作品がないところに時代が変わったことを感じた。人気投票のキャラクター部門で得票数上位の10人のうち『ギャラクシーエンジェル』のキャラが3人、『宇宙よりも遠い場所』のキャラが3人だった。おお、そうなのか。ちょっと嬉しい。特に、今でも『ギャラクシーエンジェル』を好きな人がいるのが嬉しい。
ワイフとグランドシネマサンシャインで「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」【IMAXレーザーGT字幕版】を鑑賞。作りが豪華でそれはそれでいいのだけど、ひとつひとつの描写がたっぷりしすぎかな。165分の作品だけど、お話だけだったら90分くらいにまとまったのでは。いや、そのたっぷりした感じがいいと思う人もいるんだろうけど。トム・クルーズはやはりお年を感じさせて「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」に続けて、ベテランが頑張っているのを応援しながら観る映画だった。ネガティブなことを書いているみたいだけど、配信で観るよりも劇場で観たほうがよかったし、IMAXで観てよかった。「ミッション:インポッシブル」の前にやっていた「デューン 砂の惑星PART2」のIMAX版予告が凄かった。ほぼ全カットがフルサイズIMAX画角(1.43:1)だった。これは楽しみ。
取材の予習で『純情ロマンチカ』と『ひぐらしのなく頃に』を数話ずつ観る。『純情ロマンチカ』と『世界一初恋』だと、やっぱり『世界一初恋』のほうが観やすい。『ひぐらしのなく頃に』のトゲトゲした感じが今となっては新鮮。

2023年7月25日(火)
取材の予習で『ゴールデンタイム』1話から7話を観た。編集作業中の「作画マニアが語るアニメ作画史 2000~2019」で、確認したいことがあって『トップをねらえ2!』全話を流し観した。

2023年7月26日(水)
朝の散歩の途中で、大塚公園でラジオ体操に参加。この公園には何度か来ているけど、ラジオ体操に参加したのは初めて。公園として広いし、陽射しと日陰のコントラストもいいし、人が多いし、子どももいるし、蝉の鳴き声も大きいし、実に夏らしい時間だった。午後は検査のために病院Bに。移動と病院での待ち時間で「プロジェクト・シン・エヴァンゲリオン ―実績・省察・評価・総括―」に目を通す。これが『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』を総括する書籍になるのだろうか。

2023年7月27日(木)
「作画マニアが語るアニメ作画史 2000~2019」についての打ち合わせで「『ケモノヅメ』の話数は話をカタカナのワで表記するのが正しいのではないですか」という意見が出た。つまり、第1ワ「初めての味」とか、第2ワ「辛酸の決別」とか、第3ワ「しょっぱい新月の夜」と表記するのが正しいのではないか、ということだ。確かにそんな表記を見たなあと思って確認する。本編ではサブタイトル画面に話数表記はない。しかし、バンダイチャンネルの表記は第1ワ、第2ワ、第3ワ……だ。おそらくこれは放映当時の『ケモノヅメ』公式サイトで、第1ワ、第2ワ、第3ワ……と表記していたことの名残であるに違いない。そして、その表記は公式サイトを構成していたワタシが決めたことなのである。この混乱はワタシか、ワタシのせいか。バンダイチャンネルが話数表記にこだわっているのも偉いと思った。
新文芸坐で「ノートルダム 炎の大聖堂」をどんな内容か知らないで観た。観る前にはノートルダム大聖堂再建の映画かと思っていたけど、ポスターを観るとミステリ映画のようでもある。上映が始まってから火災をモチーフにしたドキュメンタリー風の映画だということが分かった。どうやって撮ったんだ? と思う映画でもあった。 『サイボーグ009』(1968)の19、20話を観た。やたらと作画がいいところがあった。取材の予習で『極主夫道』を数時間分観た。Amazon prime videoの「Creator’s Time アニメ監督 今千秋」1から3も観た。

2023年7月28日(金)
朝の散歩では池袋から新宿まで歩いた。そして、新宿中央公園でラジオ体操に参加した。散歩中は「魔法の天使クリィミーマミ80′s J-POPヒッツ」を聴いた。よかった。太田貴子さんが凄い。同アルバムの「優と俊夫からのメッセージ」は優と俊夫のかけあいなんだけど、俊夫が年齢を重ねている感じがよかった。かけあいの中で、 みどりや木所さんも歌いたがっていたという内容の台詞があった。如月みどりを演じた安西正弘さんも、木所隼人を演じた亀山助清さんも、既に亡くなっているのだ。それを聞いてしんみりする。
デスクワークを挟んで快活CLUBに。初めてなので会員登録をした。ここって店員と話をしないで入店、退出できるシステムなのね。『純情ロマンチカ』『世界一初恋』の原作に目を通す。取材の予習で『Back Street Girls』『クールドジ男子』を数時間分ずつ観た。

2023年7月29日(土)
新文芸坐で「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」(1999・独=米/105分/BD/ドキュメンタリー)を鑑賞。プログラムのフルタイトルは「オノ セイゲン presents「オーディオルーム 新文芸坐 ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」Vol. 6」。やらなくてはいけない作業が多くて、映画を観ている場合ではなかったのだけど、気分転換が必要と感じて新文芸坐に足を運んだ。この映画を観たのは二度目で、前に観たのは新文芸坐で開催された音楽ドキュメンタリーのオールナイトだった。今回の上映に関して言うと、音がかなりよかった。
取材の予習で『魔界王子 devils and realist』『アルカナ・ファミリア La storia della Arcana Famiglia』『映画 ハピネスチャージプリキュア! 人形の国のバレリーナ』を観た。

第836回 アニメを観るというのも仕事

昨今、アニメがまったく観れていません! 昨今と言うかもうここ10年!

 これは別に「今のアニメは観るに値しない!」と憤慨してるからとか、「昔のアニメの方が面白かった!」の懐古主義でもありませんし、かつて昭和から活躍されている先輩アニメーターの方々からしょっちゅう言われた「アニメを仕事にしたら、アニメじゃなく実写を観ろ!」の説教を実践してるとかじゃ更々ありません。もちろん、テレビ・劇場・ネット問わず、面白いアニメがたくさんあるのも想像がつくし、観れるものなら観たい気持ちは山々なんですが、ただただ本当にリアルにアニメ観てる時間がないんです!
 まあ、元々幼少の頃から“ひねくれ者”の俺。どのみち、能動的に自分から「観たい!」と思うまでは観ない性格で、実を言うと今話題の世界一有名な日本人アニメ監督の大作をまだ観ていないばかりか、2024年も今のところ、観に行く予定すらありません。ついでに白状するなら、その巨匠の作品は2004年作品から観ていません。観たくないというのではなく、観る気にならないのです。あと、ついでに“実は未だ観てないカミングアウト”をすると、まだ本線のシリーズが終わってもいないのに、頭っから作り直そうとしている某シリーズも25年間で1話も観たことがありません。
 別にそれらの作品を否定する気は全くありません! 間違いなく、凄く面白いんだと思います! でも、

世界中の皆が「面白い!」と絶賛する作品なら、
俺が観なくてもいいじゃん!

と思うし、これまで50年その価値観で生きてきたのが板垣という人間なんです。
 でも、そうとばかりは言ってられません。新しいアニメを観ないと、アニメ界の現状が見えなくなるので、何とか「アニメを観る」努力をしようと、飯の時間とかで、いきあたりバッタリに新番のPVだけでも観るようにしています。で、最近ようやく『SPY✕FAMILY』の何話かを珍しく丸々1話分観ました。非常に無駄なく整理され、落ち着いたカット割りで、やっぱり“予想どおり”面白かったです。「これはウケるし、売れるわ!」と。

ほらね? どーせ面白いんです、アニメは!
そんなことは知ってるんです!

 そして、またアニメスタイル様より『カードキャプターさくら』髙橋久美子さん関連本&「今村亮ラクガキ画集」などを頂きまして、ありがとうございます! こういう本を頂けると、アニメ観るより手軽にいつでも巧い方々の画を見れるので非常に嬉しいのです!