作画話の続き。前回、作画に関して厳しめな話をしましたが、もう少し正直に深堀を。
俺がテレコム・アニメーションフィルムで大塚康生さんや友永和秀師匠教わった“原画”とは、理屈&リアリティでがんじがらめの、大よそ“自由に楽しくお絵描き”とは程遠い仕事!!
でした。1枚1枚の原画を丁寧に捲られて「このポーズとこっちのポーズのシルエットの変化が~」とか「波の散り方は~、炎の動きは~」などといちいち“芝居”と物理法則の指導が入り「とにかく黙ってこう描くべき」と。せっかく試験に合格してハレて原画になれたのに「やっぱり難しい……」とまた動画に戻る人が何人もいたぐらい、その楽しさは厳しさに裏打ちされた真剣な仕事でした。が、個性・多様性は二の次な昭和教育を受けた自分らとは違い、時代は令和。それ故、自分がミルパンセで新人を指導する時、
「とやかく言わずこうしろ!」と強制的に言うより、「一応セオリーとしてはこうだけど、あとは自分なりのやり方を見つければよい!」
的な言い回しを心掛けていました。で、今回はっきり言ってその自分の指導のし方が仇になっていたことが、如実に結果として現れた訳です。つまり、何年も前から繰り返し教えたハズのことが、皆大好き“多様性と人それぞれ”思考によって、俺が目の前で実演して見せても「あれは板垣さんのやり方~」と聞き流すだけで、その後ついてくるハズの“それぞれ自分なりのやり方”を見つけられていなかったのです。キャラのポーズだけでなく、海、水、炎、土煙他エフェクト——緩い。
別に俺の描き方を真似なくてもいいから、“好きに描いた”各々の研究結果を見せてくださいよ!
といった仕上がり。で、若手が元気な現場を作るという目論見は見事に外れて、緩い先輩が、只々優しく甘く根拠のない指導によって緩い後輩を育てる現場ができ上がりそうになっているのが分かって、「このままでは駄目な作品と駄目なアニメーターができ上がてしまう!」と、多様性総作監中止! 「取り敢えず今回は、俺のラフをトレスして!」と全編、責任を取って直し捲った訳です。
もちろん、俺の言ったことを自分なりに吸収して、上達している人達もいるし、今後もまた若手そして今年入社した新人らにも期待して、新たに更新版指導方法を模索中な毎日です。