現在放映中の『輪廻のラグランジェ Flower declaration of your heart season2』のオープニング主題歌で、中島愛が歌う「マーブル/忘れないよ。」のシングル盤が 8月1日に発売となる。前シーズンに引き続き作曲にラスマス・フェイバーを起用し、作詞には岩里祐穂という豪華な組み合わせ。
さわやかな歌唱にポップなメロディ、そして随所に捻ったコード進行や変則的なリズムが光るタイトル曲は、初期の坂本真綾サウンドの発展型を思わせる仕上がり。音質も素晴らしく、ソリッドかつ広がりのあるサウンドは、カーステレオのお供にもぴったりだろう。そして注目すべきは前シリーズの主題歌「TRY UNITE!」「Hello!」のライブバージョンを収録している事だ。カラオケも含め7トラックを収録しており、コストパフォーマンスに優れた1枚と言えるだろう。
『輪廻のラグランジェ season2』オープニング主題歌「マーブル/忘れないよ。」
初回限定盤:VTZL-47/1,890円/フライングドッグ
8月1日発売予定
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『輪廻のラグランジェ season2』オープニング主題歌「マーブル/忘れないよ。」
通常盤:VTCL-35134/1,365円/フライングドッグ
8月1日発売予定
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『咲』の外伝『咲 阿知賀編 episode of side-A』のTVシリーズ放映がひとまず終了した。後日公開されるという残り3話も気になるところだが、まずは7月25日にサウンドトラックが発売されたので紹介したい。全36曲で73分の収録内容だ。オープニング主題歌「MIRACLE RUSH」およびエンディング主題歌「SquarePanicSerenade」「Futuristic Player」は、それぞれTVサイズで収録している。音楽は『咲』に引き続き渡辺剛が担当している。
第1話冒頭に使用された「桜咲く吉野」は、阿智賀女子学院の地元・奈良県吉野町の情景を描写する音楽だ。オルゴール、ハープ、ウィンドチャイムといった煌びやかな音色に、フルートとファゴットの雅な旋律が絡み、桜の名所である吉野のムードが満開。本作は4月に放映開始したため、時期的にもドンピシャの楽曲だ。
「選手入場」や「勝利」は、まるでロールプレイングゲームのような高らかなファンファーレ。いかにも大仰だが、これが「全国大会が開かれるほど麻雀が大人気」という『咲』の世界観にはしっくりくる。
ブックレットには渡辺剛のコメントがあり、劇中では「園城寺怜と宮永照がポイントになる」と語っていた。その怜のテーマ「一巡先を見る物」はチュブラーベルから始まる神秘的な雰囲気。怜が対局でリーチをかけるシーンの音楽だ。同じ傾向の「ダブル!ふたつ先へ…!」と共に、様々な金属音を用いながらマイク・オールドフィールドを思わせる幻想的な音響を作り出している。僕の印象ではオルゴール、サントゥール、明珍火鉢、石琴などを使用しているように聞こえるが、実際のところは分からない。作曲者に聞いてみたいものである。その他「怜の思い」「竜華と怜」など、アニメ本編と同じく怜はBGMの曲数でも優遇されている。
そして放映中に話題になったのが宮永照絡みのBGMだ。特にテーマ曲「宮永照」は、まるで伊福部昭の怪獣映画音楽のような激しく重厚なサウンド。本作がただの美少女麻雀アニメではなく、異能の力がぶつかるバトルの要素を持っている事を音楽が主張している。これは前シリーズも同様で、宮永咲と天江衣の対局では「神の領域」「圧倒的な力を目前として」などの重厚なBGMが2人の異能ぶりを引き立てていた。「やり過ぎ」とも思えるほど極端な作風の劇伴が、作劇を牽引していくのが『咲』の特徴であり、それだけ音楽の重要性も高いと言えるだろう。(和田 穣)
『咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A』オリジナルサウンドトラック(音楽:渡辺剛)
LASA-5173/3,000円/ランティス
発売中
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