第912回 『沖ツラ』制作話~6話 蕎麦と草履

 6話の続き~「沖縄そば」。冒頭の昔話から現代の蕎麦屋店内まで、演出もアニメーターも“室内のレイアウト”が巧く描けないのには参りました。で、コンテもレイアウトも大直し。いつもどおり、お手本を見せないと! しかも、昔話編での“●原●山”、もちろん原作どおりのネタなのですが、若手スタッフの上げた原画が思った以上、いや原作以上に●原●山で来て、慌てて直しました!
 ところで沖縄そばは自分も大好き! 昔、友人らと仲良く沖縄料理屋で飲んだものですが、その際友人の一人がトイレで席を立った隙に、その友人のどんぶりにコーレーグースを山ほど入れて、トイレから帰って来た友人が一口食って噴いた! のを思い出します。その時は他愛のない悪戯したが、辛いだけでなく結構アルコールも入ってたんですね~。
 「島ぞうり焼け」編。この話を観ても純粋に“沖縄県民っぽく”なりたがってるてーるー、“ペカー”と満面の笑みで島ぞうり焼けを自慢する喜屋武さん、共に微笑ましいです。それと「子供の頃に(島ぞうり焼けの)見せ合いっこしてケンカしたさー!」と熱くなっている喜屋武さんに、「しょうもな!!」と呆れる上間・下地に(アフレコ時)爆笑しました! もちろん原作のネタまんまですが、声が入って一段と笑えるやり取りになったと思います。
 放り投げられた比嘉さんの靴下が、愕然となった喜屋武さんの頭に乗っかるのは、田辺(慎吾)君のコンテ時アドリブです(これは、良くできました!)。
 で、「沖縄の台風」編。こちらもTUTAYAでDVD借りて~とか大変勉強になる話ですが、実はその本編内容よりも制作現場の話の方が深刻で、

作画の直しがあまりに多くて、本音を言うと途中挫けそうになりました!

作画だけでなく背景も、「どうしてこうなった……!?」って上がりの連続。色が着いた(完成した)ラッシュを観てリテイクだらけ。それは、レイアウト上のアイレベルが間違ってるとか、キャラが似てない云々の「今回はゴメンナサイ……」程度の話ではありません。少なくとも、総監督からの贅沢リテイクとは程遠い、このままでは視聴者にお見せできないレベルだったってこと。
 でも、人のせいにする気はありません。だからこそ自分が率先して黙々と直しまくったって話です。メインアニメーターに直しを指示した上で、その内半分は俺自身で作監修正する訳ですが、その自分のラフを拾って動画・仕上げしてくれるのが、社内スタッフのいる強み。ぶっちゃけ、良くない画を上げた張本人スタッフだったとしても、リテイクが終わるまで(自らのカットも含めて)大直しに付き合ってくれるのですから。
 ただそんな中ラスト辺り、てーるーの宴シーンは森(亮太)君の原画で、流石の上り。“調整”程度のキャラ修正で済ませることができて、とても感謝でした。
 でもやっぱり、

6話もコンテ、直したなあ——改めて見ると!

と、言う訳で、『キミ越え』に戻ります(汗)!

【新文芸坐×アニメスタイル vol.192】
アニメーション作家 望月智充

 8月9日(土)にお届けする上映プログラムは「【新文芸坐×アニメスタイル vol.192】アニメーション作家 望月智充」。演出家の望月智充さんにスポットを当てたプログラムです。
 望月さんは監督として『海がきこえる』『きまぐれオレンジ☆ロード あの日にかえりたい』『めぞん一刻 完結篇』等を手がけています。今回の上映作品である『魔法の天使 クリィミーマミ 永遠のワンスモア』と『魔法の天使 クリィミーマミ ロング・グッドバイ』は彼の初期の代表作と言えるものです。
 『永遠のワンスモア』と『ロング・グッドバイ』はTVアニメ『魔法の天使 クリィミーマミ』の続編として作られたOVAですが、『永遠のワンスモア』の前半はTVシリーズの総集編となっています。TVシリーズを未見の方でも、作品の内容がある程度はつかめるはずです。

 今回のプログラムでもトークのコーナーを予定しています。トークのゲストは望月智充さん、映画プロデューサーの高橋望さん。高橋さんは『海がきこえる』のプロデューサーも務めています。トークでは上映作品の『永遠のワンスモア』と『ロング・グッドバイ』についてだけでなく、望月さんの仕事について、アニメーションに対する考えについてもうかがいたいと考えています。

 なお、このプログラムと別に、新文芸坐は8月に『海がきこえる』の上映を予定しており、8月9日(土)は『永遠のワンスモア』と『ロング・グッドバイ』の前に『海がきこえる』の上映があります。そちらのチケットも購入していただければ、同じ日に連続して望月さんの作品を鑑賞することができます。

 チケットは8月2日(土)から発売。チケットの発売方法については新文芸坐のサイトで確認してください。

●関連リンク
新文芸坐オフィシャルサイト
http://www.shin-bungeiza.com/

新文芸坐オフィシャルサイト(「新文芸坐×アニメスタイル vol.192 アニメーション作家 望月智充」情報ページ)
https://www.shin-bungeiza.com/schedule#d2025-08-09-1

【新文芸坐×アニメスタイル vol.192】
アニメーション作家 望月智充

開催日

2025年8月9日(土)17時50分~21時30分予定(トーク込みの時間となります)

会場

新文芸坐

料金

2800円均一

上映タイトル

『魔法の天使 クリィミーマミ 永遠のワンスモア』(1984/85分/BD)
『魔法の天使 クリィミーマミ ロング・グッドバイ』(1985/55分/BD)

トーク出演

望月智充(演出)、高橋望(映画プロデューサー)、小黒祐一郎(アニメスタイル編集長)

備考

※トークショーの撮影・録音は禁止

第309回 にじみ出る「歌心」 〜ピコリーノの冒険〜

 腹巻猫です。前回に続いて、7月1日から配信開始された日本アニメーション作品の劇伴音楽を紹介します。今回は『ピコリーノの冒険』です。配信については下記を参照ください。

NICHI-ANI Classics公式サイト
https://sites.google.com/view/nichi-aniclassics


 『ピコリーノの冒険』は、1976年4月から1977年5月まで放映された日本アニメーション制作のTVアニメ。イタリアの作家カルロ・コルローディによる児童文学「ピノキオの冒険」を原作に、遠藤政治と斉藤博が共同で監督を務めて映像化した作品だ。
 ある日、ゼペットじいさんが作った木彫りのあやつり人形に心が宿り、動き出した。ゼペットは人形をピコリーノと名づけて愛情を注ぐが、生まれたばかりのピコリーノは何をやっても失敗ばかり。しかも、ずる賢いぼろ狐とどら猫の2人組が、ピコリーノをだまして金貨を奪ったり、泥棒の手伝いをさせたりする。森に住む仙女は、だまされて泣いているピコリーノを助け、善悪のわかるいい子になってもらおうとするのだが……。
 はせさん治と永井一郎が演じるぼろ狐とどら猫のキャラクターが強烈。あの手この手でなんどもピコリーノをだまそうとし、ピコリーノもそのたびにだまされてしまう。それでもぼろ狐とどら猫が憎めないのは、声優2人のアドリブ満載の演技のおかげだった。隠れた人気キャラである。なにせ「どら猫とぼろ狐」というキャラクターソングまで作られたのだから。
 また、占いをするカエル、夜の館に現れる大カタツムリ、子どもをロバにしてしまうおもちゃの国、ピコリーノを飲み込むクジラなど、ちょっと不気味なファンタジー要素が散りばめられているのも本作の魅力。毒気のないおとぎ話とはひと味違う作品なのである。

 音楽は歌謡界のヒットメーカー・中村泰士が担当。ちあきなおみの「喝采」、細川たかしの「心がわり」など、昭和歌謡の名曲を生んだ作曲家である。アニメソングでは本作の主題歌や劇場版『銀河鉄道999』の挿入歌「やさしくしないで」などが代表作だ。
 『ピコリーノの冒険』のオープニングでは「音楽・中村泰士」に続いて「編曲・京建輔」のクレジットがある。京建輔は本作の主題歌の編曲を担当した作・編曲家。特撮ファンには「快傑ズバット」「科学戦隊ダイナマン」の主題歌と音楽を手がけた作曲家として知られている。
 おそらく『ピコリーノの冒険』の音楽は、中村泰士が書いたメロディを京建輔が編曲する共同作業で制作されたのだろう。同時期に放映されていたTV時代劇「必殺シリーズ」の音楽が平尾昌晃と竜崎孝路の共同で作られていたのと同様のケースと思われる。中村泰士と京建輔は、TVアニメ『野球狂の詩』の1エピソード「北の狼・南の虎」でも共同で音楽を担当している。
 本作の音楽のいちばんの魅力は、中村泰士が作曲したメロディだ。歌謡曲的な哀愁があり、しかも耳に残るキャッチーな曲が多い。また、本作では中村泰士作曲による挿入歌が5曲作られていて、そのうち4曲が劇伴にアレンジされている。オープニング主題歌とエンディング主題歌をアレンジした曲もあるから、中村泰士節がたっぷり聴ける。そのメロディを生楽器中心のシンプルな編成で聴かせる京建輔のアレンジもよかった。
 「ピコリーノの冒険音楽集」では、約145曲の劇伴の中から98曲を選び、全60トラックに編集・構成した。1曲1トラックになっていないのは、1トラックを長めにしたいという要望があったから。音楽集の概略と構成意図などは下記の配信作品紹介ページを参照していただきたい。

「ピコリーノの冒険音楽集」紹介ページ
https://sites.google.com/view/nichi-aniclassics/home/piccolino-no-boken

 ここからは、筆者が気に入っている曲や注目の曲を紹介しよう。
 1曲目の「口笛と人形」は口笛とチェレスタによるさわやかな曲。実は本編では使われていない。何らかのシーンを想定して作曲されたのだと思うが、音楽メニューが残っていないので、それを知ることができないのが残念だ。
 トラック2「ぼくの名前はピコリーノ」はオープニング主題歌のアレンジ曲。中村泰士らしいペーソスのあるメロディをリコーダーとアコースティックギターが奏でて、牧歌的な雰囲気をかもしだしている。
 トラック6の「よろこびのワルツ」は、第2話でゼペットに服を買ってもらったピコリーノがよろこぶシーンに使われていた。イタリア的な優雅な愛らしさがあって、1分足らずで終わってしまうのがもったいない。
 トラック9「出ました!どら猫とぼろ狐」は挿入歌「どら猫とぼろ狐」のアレンジ曲。とぼけた曲調ながら、悪だくみのためには手間を惜しまない苦労者(?)の雰囲気も出ているのが、うまいなあと思う。はせさん治と永井一郎が歌う原曲も傑作なので、機会があれば、ぜひ聴いていただきたい。
 本作のヒロインとも呼べる仙女の登場シーンに流れたのがトラック13の「ルリ色の髪の少女」。少女の姿をした仙女は声優デビュー間もない小山茉美が演じていて、とても印象的だった。この曲は仙女のテーマというわけではなく、美しい心情を描くシーンにたびたび使われている。
 仙女のテーマとして書かれたと思われるのが、トラック18「仙女さまが見ている」のメロディである。同じメロディでもう1曲「仙女さまの想い」という曲をトラック57に収録した。筆者のお気に入りの曲のひとつだ。
 トラック15の「心を持った人形」は、音楽テープでは演奏の前に「人間ピコリーノ」という指揮者(たぶん)の声が入っていた。音楽メニューに書かれていたタイトルではないかと思う。劇中ではピコリーノが夢を見る場面や花畑を見て感動する場面などに流れている。ギターと薄いストリングスをメインにしたシンプルな構成ながら、味わいのある曲である。
 トラック28「きっといい子になるよ」は、ゼペットとピコリーノの親子愛にも似た心情を描写する曲として、第1話から使用されている。第7話や第9話でピコリーノが仙女に「いい子になるよ」と約束する場面に流れているが、それもピコリーノがゼペットの気持ちを知ったからだった。ストリングスに木琴のトレモロが重なり、後半はギターがメロディを引き継ぐ。しみじみとした、とてもいい曲だ。
 次のトラック29「ふるさとは遠く」も、哀愁を帯びたリコーダーの旋律が胸にしみる曲。70年代歌謡曲の香りがただよう、昭和世代にはぐっとくる曲想である。
 次回予告に使われた「マリオネットの夢」(トラック30)は、海外ドラマ「ヒッチコック劇場」のテーマとしても知られるグノー作曲の「マリオネットの葬送行進曲」をオマージュした曲……というか、ほぼそのまんま(笑)。マリオネットをテーマにした曲だから、スタッフのお遊びなのだろう。
 トラック31「空の旅」は、第17話でピコリーノが大きな鳩に乗って空を飛ぶ場面に流れた爽快感あふれる曲。オープニング主題歌のメロディが織り込まれているのが、昔ながらの劇伴らしくていい感じだ。
 トラック37「愛をさがす旅」はピコリーノの旅の描写によく使われていた曲。フルートとピアノ、チェンバロなどが奏でる素朴で古風な曲想が、イタリアの田園風景にマッチしていた。後半はさみしげな曲調に変わる。前半と後半は同じMナンバーのAタイプとBタイプなので、1曲に編集して収録した次第。
 トラック38「月夜のふしぎ」からミステリアスな雰囲気になる。
 「月夜のふしぎ」は第32話で、仙女の館の長いらせん階段を大カタツムリが降りてくる場面に流れていた幻想的な曲。その後、おもちゃの国のエピソードでも使われている。
 トラック39「おもちゃの国」とトラック40「ロバになったピコリーノ」は、本作の中でも強烈な印象を残すエピソード、ピコリーノがおもちゃの国へ行く第38話〜第40話で使われていた曲である。フリージャズや現代音楽を思わせるサイケデリックな曲調は、本作の音楽の中でも異色。こういう曲がぴったりのシーンが登場するのが、『ピコリーノの冒険』のあなどれないところだ。おもちゃの国は、子どもが夢中で遊んでいるうちにロバに変身してしまう国で、変身したロバはサーカスに売られてしまう。原作にも出てくるダークなエピソードである。
 トラック41「ジーナの宝物」は、アヒルのジーナがピコリーノがロバになったことを知って泣くシーンで一度だけ使われた。ジーナの切ない気持ちを伝えるメロディが胸を打つ。
 トラック47「おじいさんの面影」は、挿入歌「ごめんねおじいさん」のアレンジ曲。トラック16に収録した「おじいさんごめんなさい」も同じ曲のアレンジである。このメロディはピコリーノのゼペットへの想いを表現する曲として、たびたび使われていた。
 トラック51「さめない悪夢」は、クジラの腹の中にピコリーノがのみこまれるエピソード、第50話と第51話で流れた曲。「おもちゃの国」と同じ系統の曲で、後半のロック的なエレキギターが妙にカッコいい。その次のトラック52「クジラの腹の中で」は、ピコリーノとゼペットがクジラの腹の中で語らう場面に流れたリリカルな曲。「さめない悪夢」から一転して美しい曲調に変わる展開の妙をねらった構成である。
 最終回、ゼペットと一緒に家に帰りついたピコリーノは、仙女の力で人間の少年になることができた。ピコリーノのよろこびのシーンに流れたのが、トラック58「願いがかなう日」。ギターのあたたかい響きにほっとする。これも昭和歌謡的な愛すべき曲だ。
 トラック59にはエンディング主題歌をアレンジした「おやすみピコリーノ」を収録。最後のトラック60は、オープニング主題歌の希望的なアレンジ「新しい旅立ち」で締めくくった。

 前回の『みつばちマーヤの冒険』と同様、筆者は『ピコリーノの冒険』の劇伴をあまり意識したことはなかった。大杉久美子が歌う主題歌や挿入歌は70年代から聴いていて大好きだったのだが、劇伴にまでは注目していなかったのだ。
 今回、音楽集を構成するために本編を改めて全話観て、劇伴をじっくり聴いて、予想していた以上にいい曲が多いなあと感じた。そのまま歌にできるようなメロディの曲がたくさんある。
 現在のアニメでは、これほど印象に残るメロディが豊富に使われた劇伴はなかなかない。いっぽうで、こういうメロディは古いと思われるかもしれない。いかにも70年代の音楽である。けれど、それがいい。『宇宙戦艦ヤマト』だってそうだが、歌謡曲のヒットメーカーが作る劇伴には、いわくいいがたい魅力がある。にじみ出る「歌心(うたごころ)」とでも言おうか。最近はメロディを抑えたサウンド志向の劇伴が増えてきたが、こういう「歌心」のある劇伴が復活してもいいなと思う。

ピコリーノの冒険音楽集
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第911回 『沖ツラ』制作話~6話「旧盆」と具志堅さん

 6話も沖縄知識満載で楽しい話数でした。こちらは大人数のキャラを巧くカットを割って、作画のカロリーを抑える工夫をと、これまたコンテで、結構手を入れさせてもらいました。
 思い出されるのは冒頭、ファーストテイク(TAKE 1)では、なぜか比嘉・すず姉妹が門の前で出迎えていたので、「ここ玄関でしょう?」と俺の方でレイアウト(背景原図)を描き直して、演出・背景スタッフに指示、“玄関でのお出迎え”に変更しました。本当にコンテでも“玄関”と記してあったのになぜ、いつの間に門前に変更したのでしょう? だってその前にすでに居間に比嘉一族が集まっているってことは、“勝手知ったる”云々で門は開けっぱで通過して~の玄関では?
 親戚一同でテーブルを囲んでいるカットも、TAKE 2でかなり調整した記憶があります。たとえ“止め画”でも、こういうシーンで日常感のある画が描ける人ってアニメーターの中でも限られているモノで、失敗したら俺が見本を見せるしかないのです。
 個人的に“沖メモシーサー”解説での「ひざまずきしとけ~」が好き!ハライチ・岩井さんも仰ってたとおり、小桜エツ子さん最高です!「反省中……」の小シーサーは正座の足が失敗していたので、こちらも自分で直しました。
 喜屋武さん・比嘉さんの「マドモアゼルんちゅ」はよく分からないけど笑いました。

比嘉のおじぃ役は(2話のご自身役)から引き続き、具志堅用高さん! めっちゃ良い!

何度聴いても笑えます。頭に荷物をのせたお姉さんは、音響監督・納谷僚介さんより「イメージ画だけど、おじいさん(具志堅さん)に入ってるなら、この女の人にも欲しい~」と提案されて、その場にいらっしゃった、方言指導の譜久村(帆高)さんに「やりません?」と、俺が振った気がします(笑)。

『沖ツラ』は、こういうムチャ振りをサラッと提案できるくらい和やかで楽しい、そして、リラックスしたアフレコ現場で本当に楽しかったのです!

 で、また短くてすみません。そろそろ『キミ越え』に戻ります。

第910回 『沖ツラ』制作話~5話続き……どやんちゅ!

 たしか、5話Bパートからだったような。サンエー具志川メインシティで比嘉さんとてーるーのデート(?)話。これ、まず作画云々より純粋に、

てーるーってやっぱイイ奴だよな~

と。いきなりアロハシャツ(実はかりゆしウェア)買ったり、無邪気に沖縄に溶け込もうとしてて、本当に可愛いキャラです。「かりゆしウェア!(どやんちゅ!)」から「……ごめん(しょぼんちゅ)」の比嘉さんも可愛い、篠(衿花)さんカットです。で、「こここここここここここここここここここここここここここ、恋人に~」の比嘉さんは市川(真琴)さん。表情が良かったので、お二人の作画はそのまま活かしてます。店内の利用客モブはまた森(亮太)君に助けられました。サンエーデートで「なんか得したね」、その帰路(バス内)でも「~一緒に行こうね」だと、天然で女たらしなてーるーがイヤミじゃなく、ちゃんと“笑いのネタ”でオチているのが、この原作の良いところだと思います。5話に限らず『沖ツラ』って、コンテ~作画~アフレコ~ダビング~と何度も観聴きしてるはずなのに、何度もスタッフ皆で笑いながら作らせてもらえた幸せな現場でした。
 で、5話最後は“ラジオ体操”! うちなーぐちバージョンのラジオ体操には驚き、爆笑しました! だって、

マジで何言ってるのかわからないんだもん(笑)!

 この話で特筆すべきは、長谷川(千夏)さんのコンテがいちばん活かされているパートだということです。元々の長谷川さんコンテが、時間経過(ラジオ体操の初日~1週間後)を、同ポジ(同じレイアウトの使い回し)で巧く表現できていて非常に良かった上、さらに全体カット数が抑えめであったため、自身による原図チェックもスムーズに流れた印象でした。こういうキメの細かい演出って、納品前のリテイク数でその成果が発揮されるもので、実はこの5話が全話数の中で作画・美術・撮影含めいちばんリテイクが少なかったのではないか?(なぜか1話より……)と思います。

 で、そろそろ『キミ越え』に戻ります。

第243回アニメスタイルイベント
北久保弘之の仕事3

 監督やアニメーターとして活躍し、様々な作品を手がけてきた北久保弘之さん。8月24日(日)にその北久保さんのトークイベントの第3弾「北久保弘之の仕事3」を開催します。会場は前回と同じ、阿佐ヶ谷ロフトAです。

 「北久保弘之の仕事3」では北久保さんの監督作品である『ブラックマジック M-66』『老人Z』『BLOOD THE LAST VAMPIRE』を中心にお話を伺います。トークの聞き手は小黒編集長が務めます。
 前々回、前回の北久保さんのイベントでは、トーク中に関係者席の方からコメントをいただきました。今回も同様のかたちで進める予定です。関係者席に座っていただく方が決まりましたら、改めてお伝えします。

 配信はリアルタイムでLOFT CHANNELでツイキャス配信を行い、ツイキャスのアーカイブ配信の後、アニメスタイルチャンネルで配信します。なお、ツイキャス配信には「投げ銭」と呼ばれるシステムがあります。「投げ銭」による収益は出演者、アニメスタイル編集部にも配分されます。アニメスタイルチャンネルの配信はチャンネルの会員の方が視聴できます。

 チケットは2025年7月12日(土)正午12時から発売となります。チケットについては、以下のロフトグループのページをご覧になってください。

■関連リンク
告知(LOFT)  https://www.loft-prj.co.jp/schedule/lofta/325377
会場(LivePocket)  https://t.livepocket.jp/e/imza0
配信(ツイキャス)  https://twitcasting.tv/asagayalofta/shopcart/384761

第243回アニメスタイルイベント
北久保弘之の仕事3

開催日

2025年8月24日(日)
開場12時30分/開演13時 終演15時~16時頃予定

会場

阿佐ヶ谷ロフトA

出演

北久保弘之、小黒祐一郎

チケット

会場での観覧+ツイキャス配信/前売 2,300円、当日 2,500円(税込·飲食代別)
ツイキャス配信チケット/1,800円

■アニメスタイルのトークイベントについて
 アニメスタイル編集部が開催する一連のトークイベントは、イベンターによるショーアップされたものとは異なり、クリエイターのお話、あるいはファントークをメインとする、非常にシンプルなものです。出演者のほとんどは人前で喋ることに慣れていませんし、進行や構成についても至らないところがあるかもしれません。その点は、あらかじめお断りしておきます。

第308回 野心的な試み 〜みつばちマーヤの冒険〜

 腹巻猫です。今年はアニメ制作会社・日本アニメーションの創業50周年。それを記念して、さまざまな企画が動いています。
 7月8日、日本アニメーション作品の劇伴音楽を紹介するWebサイト「NICHI-ANI Classics」が開設され、サウンドトラック音源を配信でリリースする企画が発表されました(配信自体は7月1日から始まっています)。

NICHI-ANI Classics公式サイト
https://sites.google.com/view/nichi-aniclassics

 劇伴音楽配信の第1弾として選ばれたのは、『みつばちマーヤの冒険』(1975)、『ピコリーノの冒険』(1976)、『トンデモネズミ大活躍』(1979)の3タイトル。いずれも劇伴は初商品化となる作品ばかりです。
 注目すべきは、これがレコードメーカーからの配信ではなく、日本アニメーション主体の配信であること。アニメ制作会社が自主的に過去作品のサントラ音源を配信しようという意欲的な試みなのです(一種の自主レーベルですね)。主要配信プラットフォームで聴けるので、ぜひアクセスしてみてください。
 筆者はこのプロジェクトに、配信タイトルの選定、音楽集の構成・解説などで協力しています。「NICHI-ANI Classics」の開設を記念して、当コラムでは配信第1弾の3タイトルを順に取り上げていきたいと思います。


 今回取り上げるのは、1975年に放送されたTVアニメ『みつばちマーヤの冒険』。ドイツの作家ワルデマル・ボンゼルスの児童文学をアニメ化した作品だ。
 古城の下にあるみつばちの国に生まれたマーヤは、好奇心旺盛で活発な女の子。城の周囲の花畑の外には出てはいけないと言われていたが、未知の世界へのあこがれを抑えることができないマーヤは、ある日、掟を破って外の世界へ飛び出していく。旅の仲間はのんびり屋のみつばちの男の子ウィリーとマーヤを心配してついていくバッタのフィリップ。マーヤたちの行く手には広大な自然と、さまざまな生きものたちが待っていた。困っている昆虫を助けたり、逆に凶暴な生き物に襲われたりしながら、マーヤは冒険の旅を続けて行く。
 マーヤとウィリーとフィリップのユーモラスなやりとりが楽しい作品である。現在のTVアニメではほとんど見られなくなった、やわらかい描線の作画がいいし、瑞々しい自然を水彩画風に描いた井岡雅宏の美術がまたいい。しかし、ほのぼのしたメルヘンタッチの作品というわけでもない。厳しい弱肉強食の世界が描かれたり、種の違いを超越した友情の物語があったり、神秘的な花の妖精が登場したりと、バラエティに富んだエピソードが展開する。たまに深く考えさせるエピソードもある。子ども向けとあなどれない、多様な魅力にあふれた作品なのだ(それは原作も同じ)。

 音楽は大柿隆が担当。大柿は1960年代にいずみたくが設立したオールスタッフ・プロダクションに所属し、いずみたくが作曲した歌謡曲の編曲などを手がけていた。TVアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』第1期・2期の主題歌のアレンジも大柿隆によるものである。
 筆者の勉強不足で大柿隆の詳しいプロフィールはわからなかったが、彼が作・編曲した作品から、ジャズと管弦楽を学んだ人であることが推測できる。1972年にビクターから発売されたイージーリスニング・アルバム「いそしぎ/ファンタジック・サウンドへの誘い」で、大柿が片面6曲を編曲している(ちなみにもう片面は『空手バカ一代』の音楽を手がけた小谷充が担当)。それを聴くと、大柿隆が『宇宙戦艦ヤマト』の宮川泰サウンドに通じるような、カラフルでムーディなポップ・オーケストラのスタイルを得意としていたことがわかる。
 『みつばちマーヤの冒険』の音楽にも、そのポップ&ジャジーな持ち味が生かされている。短い曲でも耳に残るキャッチーなメロディ、そのメロディを生かすシンプルで効果的なアレンジ。これは60〜70年代の歌謡曲で活躍した作・編曲家に共通して見られる特徴だ。ジャズ、ロック、クラシカルと多彩な曲調を操る、当時の歌謡曲のアレンジャーの技量おそるべしである。
 『みつばちマーヤの冒険』では2回に分けて約140曲もの音楽(劇伴)が作られた。その中には主題歌のメロディ(「みつばちマーヤの冒険」「おやすみマーヤ」)をアレンジした曲もいくつか(6曲)あるが、大半はオリジナルのメロディで書かれている。そのメロディの豊富さも驚くべきところである。
 今回配信された「音楽集」では、約140曲の劇伴の中から85曲を選んで構成した。
 「NICHI-ANI Classics」の作品紹介ページ(下記)では、配信音楽集の簡単な解説が掲載されている。配信アルバムでも解説が付いているのがこのプロジェクトの特徴(売り)なのだ。構成意図や曲の流れはその解説に書かれている(筆者が書いた)ので、ここでは解説に書ききれなかったことを補足しながら、聴きどころを紹介しよう。

「みつばちマーヤの冒険音楽集」紹介ページ
https://sites.google.com/view/nichi-aniclassics/home/mitsubachi_maya_no_boken

 トラック1「さわやかな風」はリコーダーのメロディによる短い曲。1曲目に『マーヤ』を知らない人にも興味を持ってもらうようなフックになる曲を入れたいと考え、この曲を選んだ。本作にはリコーダーを使った曲が10曲くらいあり、その素朴で愛らしい音色が『マーヤ』の世界観を象徴しているようだ。
 トラック2に収録した「みつばちの国」は、第1話でみつばちが蜜を集める場面に流れた曲。軽やかに動くストリングスのメロディが元気に働くみつばちの様子を表現する。アルバムの序盤に勢いのある曲を入れようという意図で収録した。
 続いてオープニング主題歌をアレンジした「マーヤの誕生」(トラック3)。タイトルどおり、第1話のマーヤ誕生シーンに流れた曲である。前半のおだやかな雰囲気から、後半は軽快な曲調に転じ、マーヤが元気に飛び立つイメージが広がる。なお、本作に限らず、今回配信開始したアルバムには主題歌の歌入りは収録されていない。劇伴とは権利が異なるためなのでご容赦いただきたい。
 トラック13「旅立ち」は第4話のラスト、マーヤの旅立ちの場面に流れた曲。ストリングスのメロディが大空を飛ぶ心地よさを表現し、聴いている方も爽快な気分になる。中盤で故郷を思い出すようなリリカルなメロディが登場するところもいい。
 次のトラック14「大空を自由に」も「飛翔」をイメージした曲。花畑や草原の上をくるくると飛び回るマーヤの姿が目に浮かぶようだ。
 アルバム後半に収録したトラック44「知らない世界へ」、トラック45「希望の空」、トラック82「よろこびの飛翔」なども、未知の世界へ羽ばたくマーヤを応援するような躍動感のある曲である。
 本作の音楽の魅力のひとつが、個性的な昆虫や生き物を描写する音楽。第5話のフンコロガシのシーンに使われた「葉っぱの下の力持ち」(トラック18)、第11話のミミズのシーンに流れた「ゆかいな仲間」(トラック19)、第14話のハサミムシの子どもたちのシーンをかわいく彩る「元気な子どもたち」(トラック21)、第5話や第13話などのアリの行進シーンに流れるファンキーな「アリの行進」(トラック22)など。聴いていて「なるほどなー」と思ってしまうユーモラスな表現が楽しい。
 「マーヤのマーチ」(トラック33)、「進めや進め」(トラック34)、「意気揚々」(トラック35)の3曲は、第22話「マーヤの一日隊長」のために書かれた曲。ほかのBGMとはMナンバーの体系が分けられている。おそらく映像か絵コンテを見て書かれたのだろう。これらの曲は、その後のほかのエピソードでも使用された。
 大柿隆が『ゲゲゲの鬼太郎』の主題歌アレンジを手がけたことはすでに紹介したが、その『鬼太郎』のBGMを思わせるようなサスペンス曲もある。
 「忍びよる影」(トラック23)、「つのる不安」(トラック24)、「危ない!マーヤ」(トラック25)などは、『鬼太郎』の妖怪出現シーンの音楽を思わせる不気味な緊迫曲。アルバムの後半にも、「物陰からドッキリ」(トラック50)、「こわいものが出た!」(トラック51)など、同様のサスペンス曲を収録している。「『マーヤ』にはこんな曲もあるんだ!?」と驚き、感激してもらえたらうれしい。
 また、本作にはヒーローもの的な勇ましい曲もある。
 トラック26「草原の風来坊」はトランペットのメロディがカッコいいマカロニウエスタン風の曲。残念ながら本編では未使用。
 アルバム終盤に収録したトラック76「勇気の槍を手に」は、力強いリズムとエレキギターのメロディによる勇壮な曲。これも本編未使用曲。
 次のトラック77「スズメバチをやっつけろ」は、最終回(第52話)のスズメバチ対蜜蜂の決戦場面に流れた、強い決意と勇気をイメージさせる曲。曲調が変わる中間部のピアノのバッキングがクールだ。
 最後に筆者好みの美しい曲、抒情的な曲をまとめて紹介しよう。
 トラック15の「あこがれ」はリコーダーやストリングス、ピアノなどが奏でる曲。可愛らしい前半から後半は大きくうねるストリングスのメロディになる。外の世界を知りたいと願うマーヤの気持ちを表現する曲である。
 トラック28「マーヤのやさしさ」も途中で表情が変わる曲。始めはオーボエのやさしいメロディ、中間部はフルートによる情感豊かな曲調に変化する。ふたたびオーボエのメロディに戻ってコーダとなる。第18話でマーヤが自分を食べようとしたカエルの無事をよろこぶ場面に流れた曲だ。同様の曲調は、トラック40の「夕暮れの空」でも聴くことができる。
 トラック56「すてきな花畑」は第24話でセミたちが奏でる音楽として使用された弦合奏の曲。第40話で春を夢見ながら眠るマーヤの場面にも使われた優雅な曲だ。
 素朴なメロディがフォークソングを思わせるトラック64「枯れ葉の季節」、哀愁たっぷりの歌謡曲風のトラック65「冬を前に」とトラック66「雪景色」、フランス恋愛映画を思わせるトラック67「センチメンタル」。このあたりは、たぶん大柿隆が歌謡曲やポップスのアレンジで慣れ親しんだ曲調なのだろう。『マーヤ』にはこんな曲が似合うシーンもあるのである。
 トラック69「花の妖精」は女声コーラスを使ったファンタジックな曲。花の妖精が登場するエピソードである第30話で使用された。実は花の妖精のテーマとして女声コーラスの曲がもう1曲流れるのだが、その曲は音楽テープに見つからず、収録できなかった。
 トラック79「マーヤもの想い」は、ストリングスとビブラフォン、フルートなどによる抒情的な曲。夜、葉っぱの中で休むマーヤの場面などに使われている。
 トラック80「美しい心」は、マーヤと大自然の生きものたちとのあいだに芽生えた友情や感謝の気持ちを表現する曲。チェロがリードする弦楽器のメロディが心に沁みる。
 次のトラック81「仲間たちといっしょに」はマーヤと昆虫たちとの交流の場面によく流れた曲。リコーダーとオーボエの音色が印象的な味わいのある曲だ。
 トラック84「愛のぬくもり」はストリングスとギターによる、しっとりとしたエンディング曲。第30話でマーヤが人間の少年たちの愛情あふれる行動を目撃する場面に流れており、曲名はそのシーンにちなんでつけた。
 ラストに収録したのはエンディング主題歌アレンジの「マーヤの夢」。ドリーミィなサウンドはエンディングにぴったりだ。

 実のところ、筆者は『みつばちマーヤの冒険』の音楽をそれほど意識したことはなかった。が、今回、音楽集を構成するために本編を通して観て、音楽の豊かさに驚いた。現代のアニメ音楽のような緻密で洗練されたサウンドではないかもしれないが、70年代ならではの親しみやすさと、素朴なあたたかさがある。その背景にはきっと「子どもたちに良質の音楽を」という想いがあったのだろう。筆者もその意を汲んで構成したつもりである。
 「みつばちマーヤの冒険音楽集」はサブスクでも聴けるので、ほかの用事をしながらでもいいから、ぜひお聴きいただきたい。そして、「NICHI-ANI Classics」という野心的な試みをぜひ応援してほしい。次の作品の配信につなげるためにも。

みつばちマーヤの冒険音楽集
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第909回 『沖ツラ』制作話〜箸休め(2)(スイマセン……)

監督、会社に“シーサー”送らせていただいていいですか?

 アニメ『沖ツラ』の打ち上げにて、空えぐみ先生より声を掛けられた俺。

是非~!

 そして先日届きました、立派なシーサーが! 喜屋武さん、比嘉さんのシーサー解説とかも思い出し、改めて見ると趣があって、3話のてーるーじゃないけど確かに「シーサーって可愛いよね!」と、思いました。
 スタジオに大切に飾らせていただきます!

 今回も短く、大変申し訳ありません……。仕事に戻ります。

第908回 『沖ツラ』制作話〜箸休め

先日放送された「岩井 狩野 えびちゅうの推しかるちゃー」(MBS)の話!

 自分、テレビ出演とかステージ登壇とか、とにかく極度に緊張する体質なので本来なるべくならお断りさせていただくのです。初監督『BLACK CAT』のDVD映像特典ですらパペット人形に“声のみ”出演にさせていただいたくらい……。
 今回はハピネットのプロデューサーさんより「出て欲しい」と言われました。

ハライチ・岩井勇気さんが『沖ツラ』をとても気に入ってくださってて、是非に~!

と。それは光栄なことだし、単純に嬉しい話だと思ったし、こちらの会社(ミルパンセ)にカメラを入れてのインタビュー取材と聞いていたので、「まあそれくらいなら対応可能かなぁ?」とお受けしてしまったのです。以前、『沖ツラ』制作中に2回ほどミルパンセに、沖縄のTV局の取材クルーが入ったことがあり、その際も社内スタッフたちがインタビュー受けてたり——があったので、「また、その手のかな~」と高を括っていた上での承諾でした。
 ところが“こちらの会社に取材が入ったは入った”のですが、その時は制作現場代表スタッフのインタビューで撮影監督のみ。その際いらっしゃったディレクターさんから、

「監督の収録は別日、岩井さんとスタジオ収録で宜しく!」と!

 そう、最初っから「監督はスタジオのゲストで~」とミルパンセ側には伝えていたそうで、完全に俺の聞き違いの勘違い。今さらお断りもできず、5月某日~会社で仕事を終えてから(都内某所の)スタジオへ向かいました。
 緊張で控え室弁当も食えず、ディレクターさんより段取りの説明をされ、間もなくスタジオ入り。せめてもの救いは、方言指導の譜久村帆高さんが一緒だったこと。ちょっとだけリラックスできました。
 で、スタジオ収録直前、忙しくて伸び放題の髪をネックウォーマーに放り込み帽子状にした板垣の頭に気付いたスタッフさんが「はみ出た髪、入れちゃいましょうか?」「お願いします」と。
 MCの岩井さんも巧く俺をのせてくださって、周りのアイドルの方たちや譜久村さんとも楽しくお話できて、結果とても楽しかったです。カメラが回っていないとこでも「二期やってくださいよ」ととても気さくな岩井さんでした。——が!

大変申し訳ありません! 収録~放送された番組本編、自分は観ていません! ごめんなさい!

 これは今回の番組に限らずのことで、自分が映った番組など、とても恥ずかしくて観ることができないのです。完パケ(白箱)をいただいた場合でも、本棚に置いてはありますが、自分は観ることはないでしょう。
 とにかく作った作品はスタッフ皆の力の結集なので、多くの方々に観ていただきたいのですが、板垣個人は承認欲求が大変低い人間なのです(汗)。プロデューサーの皆さん、今後もいろんな企画を持ってきていただきたくとは思いますが、番組出演や登壇などの依頼はお断りさせていただくとは思いますが、御容赦ください。そもそも、俺の話を聞いたって為にもならなきゃ、面白くも何ともないですから。

 はい、本来の仕事に戻ります。

第307回 羊の下の狼 〜小市民シリーズ〜

 腹巻猫です。前回取り上げた『天久鷹央の推理カルテ』に続いて、今回も探偵が活躍するミステリー作品を取り上げたいと思います。6月末で最終回を迎える「小市民シリーズ」です。こちらは高校生探偵が活躍する青春ミステリー。一風変わった音楽と音楽演出が特徴です。


 「小市民シリーズ」は米澤穂信のミステリー小説を原作に、監督・神戸守、アニメーション制作・ラパントラックのスタッフで制作されたTVアニメ。第1期(第1話〜第10話)が2024年7月から9月まで、第2期(第11話〜第22話)が2025年4月から6月まで放映された。
 小鳩常悟朗と小佐内ゆきは、人並はずれた推理力と洞察力を持ちながら、平凡な日常にあこがれて「小市民」をめざす高校生。2人は中学時代に関わった事件の苦い体験から、探偵のようにふるまうことをやめ、「小市民」として生きることを選んだのだ。しかし、2人は新たな事件に巻き込まれ、謎を解かざるをえなくなってしまう。
 小鳩と小佐内は、恋人とも友人とも異なる「互恵関係」を結んでいる。2人は協力しあうこともあれば、互いに秘密で行動することもある。その微妙な関係が緊張感を生む。事件を通して2人の関係が徐々に変化していくのが、青春ミステリーらしい味わいになっている。
 アニメ版では小説ではできない独特の演出が見られる。小鳩と小佐内が話をしていると、突然背景が変わり、2人のいる場所が移動したように見えることがある。しかし、それは一種の心象風景で、実際は移動していないのだ。視覚的な変化をつけることでセリフの多いシーンを飽きさせずに見せ、同時に言葉の裏にある感情を表現しているのだろう。
 音楽演出にも特徴がある。前回取り上げた『天久鷹央の推理カルテ』で1話あたりの使用曲数が少ないという話をしたが、本作はそれに輪をかけて少ない。1話あたり2〜6曲くらい。音楽が少ないぶんセリフと画面に集中することになる。そして音楽が流れると、特にドラマティックなシーンでなくても「何かが起こっている」という気分になる。これも小説ではできない演出である。

 音楽(劇伴)はTVアニメ『約束のネバーランド』『ニンジャラ』等の劇伴を手がける小畑貴裕が担当。『約束のネバーランド』も「小市民シリーズ」と同じ神戸守監督作品だった。
 月刊Newtypeの2024年9月号に神戸監督と小畑貴裕が本作について語るインタビューが掲載されている。以下、そのインタビューを参考に本作の音楽を読み解いてみよう。
 神戸監督から小畑には「舞台は岐阜の郊外ののどかなイメージだけど、音楽には少しとがった要素がほしい」とオーダーがあったという。そこで小畑は、日常感を重視しつつも、特徴のある音を取り入れて音楽を作っていった。
 具体的には、さまざまな民族楽器が使われている。アイルランドのティン・ホイッスル、フィドル、イタリアのオカリナ、マンドリン、12弦ギターなど。ファンタジー系の作品で使われるような楽器が日常描写や情景描写に使われ、地方都市の素朴な風景にふしぎな味わいを加えている。作曲にあたり、小畑は物語の舞台になった土地(岐阜)まで足を運んで、現地の空気感を参考にしたそうだ。
 女声ボーカルが入る曲も印象的だ。その代表が本作のメインテーマである「小市民シリーズMain Theme」という曲。神戸監督はもともと、歌詞のついた曲をいくつか作り、それを推理シーンに流すことを考えていたという。しかし、小畑が作った最初のデモがすごくよかったので、それ1曲でいこうということになったそうだ。
 ほかにも、曲によっては変拍子を入れたり、あるべき拍子を1拍抜いたりといった、すぐには気づかないけれどなんとなく違和感を感じるような工夫がほどこされている。
 音楽演出の特徴としては、先述したとおり、1話あたりの曲数が少ないことが挙げられる。神戸監督から小畑には「この作品ではあまり音楽を使わない。だけど、使いたいシーンではフル尺で使いたい」と話があったそうだ。神戸監督は第1話のクライマックスにメインテーマを流そうと決め、そこから逆算して絵コンテを切っていったという。音楽を限定して使うことで最大限の効果を上げようとしたことがうかがえるエピソードである。
 もうひとつ、スイーツを食べるシーンが多い本作ならではの試みがある。カフェやレストランで流れるBGM、つまり現実音楽を演出に取り入れていることだ。小鳩と小佐内がスイーツを食べながら話をするシーンでは店内のBGMがずっと流れている。それらはすべて小畑貴裕のオリジナル曲で、場面に合わせて選曲されている。目立たないように流れている店内BGMだけど、シーンの雰囲気をコントロールし、2人の会話にほのかな色づけをする役割を果たしているのだ。
 本作のサウンドトラック・アルバムは、2025年6月18日に「TVアニメ『小市民シリーズ』オリジナル・サウンドトラック」のタイトルでバップからリリースされた。CDと配信があり、CDは2枚組。
 収録曲は以下のとおり。

ディスク1
1-01.小市民シリーズMain Theme
1-02.キュートな小佐内さん
1-03.復讐
1-04.ミステリアス
1-05.捜査
1-06.推理する小鳩常悟朗
1-07.謎解き
1-08.おいしいココアの作り方
1-09.推察
1-10.二人の日常
1-11.フラッシュバック
1-12.スイート・メモリー
1-13.静かな景色
1-14.のどかな街並み
1-15.さて、ケーキを食べよう
1-16.忍び寄る不安
1-17.緊迫
1-18.約束のいちごタルト
1-19.ハンプティ・ダンプティ
1-20.Bittersweet
1-21.泣きながら、タンメン
1-22.泣きながら、タンメン (No Vocal ver.)
1-23.トロピカルパフェ
1-24.スイーツ巡り
1-25.Race Against The Clock
1-26.小市民シリーズMain Theme (pf ver.)

ディスク2
2-01.小市民シリーズMain Theme (inst ver.)
2-02.不審火
2-03.夜のパトロール
2-04.瓜野のプライド
2-05.瓜野の決意
2-06.小市民シリーズMain Theme (Major ver.)
2-07.My Home Town
2-08.メイルシュトロム
2-09.Four Season
2-10.逃避
2-11.独白
2-12.小市民シリーズMain Theme (Gt ver.)

 2枚に分けて劇伴38曲を収録。主題歌は収録していない。
 ディスク1が第1期で作られた曲、ディスク2が第2期用に作られた曲(メインテーマを除く)という構成。おそらくこれで全曲である。通常のTVアニメの曲数(40〜50曲)と比べて極端に少ないことがわかる。しかも、この中には劇伴として使われた曲だけでなく、店内BGMとして使われた曲も10曲くらい含まれている。

 ディスク1から紹介しよう。
 1曲目「小市民シリーズMain Theme」は本作のメインテーマ。アコースティックギターとフィドルによる前奏から始まり、ユリカリパブリックが歌うメロディに展開する。劇伴でありながら、歌詞のついた歌でもあるという曲。第1話のクライマックス、といっても小鳩と小佐内が会話するだけのシーンに流れて、2人の関係を印象づけていた。1期の最終回(第10話)で2人が互恵関係を解消しようと話し合うシーンに流れたのもこの曲。第2期の最終回(第22話)のラストシーンも同じ曲で締めくくられた。
 メインテーマのバリエーションには、ボーカルを笛に置き換えたインスト・バージョン(inst ver.)、ピアノ・バージョン(pf ver.)、ギター・バージョン(Gt ver.)、メジャー・バージョン(Major ver.)がある。インスト・バージョンは第8話と第10話で、ピアノ・バージョンは第10話と第21話で、ギター・バージョンは第15話で、メジャー・バージョンは第17話で使用された。メインテーマのフレーズは変形されて、ほかの曲にも引用されている。
 2曲目「キュートな小佐内さん」と3曲目「復讐」は小佐内ゆきのテーマ。どちらもメインテーマの変形だ。小佐内の少女っぽい風貌を表現するのがピチカートやビブラフォンの音色を使った「キュートな小佐内さん」。心の内にある狼のような一面を表現するのが「復讐」。「復讐」は2本のチェロの旋律を重ねて小佐内の2面性を表現した曲だ。第9話で小佐内が誘拐事件の背景を小鳩に話す場面に流れていた。
 「ミステリアス」(トラック4)、「捜査」(トラック5)、「おいしいココアの作り方」(トラック8)、「推察」(トラック9)などは、小鳩と小佐内が謎を解こうとする場面によく使われた曲。シンプルな構成ながら、ゆれるリズムと民族楽器の音色などでミステリーっぽい雰囲気をかもし出している。「おいしいココアの作り方」は、第2話で小鳩がココアの作り方をシミュレーションする場面に流れていた。
 「推理する小鳩常悟朗」(トラック6)と「謎解き」(トラック7)は小鳩常悟朗のテーマ。これもメインテーマの変形だ。曲名通り、小鳩が推理する場面などに使われている。
 笛の音がさわやかな「二人の日常」(トラック10)を挟んで、「フラッシュバック」(トラック11)と「スイート・メモリー」(トラック12)は小鳩と小佐内の心情を描写する重要曲。メランコリックなチェロのメロディによる「フラッシュバック」は第1期後半のエピソード『夏期限定トロピカルパフェ事件』で小鳩と小佐内が事件をふり返るシーン(第9話、10話)に使われた。第2期では2人が中学生のときに関わった事件を回想する場面でも流れている。女声ボーカルがしっとり歌う「スイート・メモリー」は第10話で2人が互恵関係を解消したあと、小佐内が雨の中を赤い傘をさして帰っていく切ない場面に使用。メインテーマの変奏である。憂いをたたえた曲調が2人の胸に秘めた想いを代弁しているようだ。
 ほっとひと息つく日常シーンに流れた3曲(「静かな景色」「のどかな街並み」「さて、ケーキを食べよう」)を挟んで、サスペンス描写曲が登場する。
 「忍び寄る不安」(トラック16)と「緊迫」(トラック17)は小鳩と小佐内の動揺や憤りを表現する曲としてしばしば使われた前衛ジャズ風の曲。第1期後半で描かれる誘拐事件にからんで使用されたのが記憶に残る。「緊迫」では、低くうなるようなバスクラリネットの音が効果を上げている。
 収録位置は離れるが、トラック25の「Race Against The Clock(時間との競争)」もサスペンス描写曲のひとつ。本作には珍しい、ストレートに焦燥感や緊迫感をあおるタイプの曲である。第4話で小佐内と連絡が取れないことを心配した小鳩がバスに乗って駆けつけようとする場面が唯一の使用だった。
 ディスク1で残った7曲、トラック18「約束のいちこタルト」〜トラック24「スイーツ巡り」は、いずれも飲食店や商店街などで流れるBGMとして使用された曲である。ピアノ、ドラムス、ウッドベースのピアノトリオのスタイルで作られた「Bittersweet」はジャズ出身の小畑らしい曲。ピアノも小畑が弾いている。堤田ともこが歌う演歌「泣きながら、タンメン」が異色だが、これは商店街やラーメン屋で流れている曲。街ではおなじみのヒット曲らしく、いろんな場所でこの歌が聴こえてくる。

 ディスク2も簡単に紹介しよう。
 トラック2「不審火」〜トラック5「瓜野の決意」は、第2期前半の『秋期限定栗きんとん事件』のエピソードで使われた曲。小佐内にいいところを見せようとする新聞部の1年生・瓜野のための曲が作られているのが特徴だ。
 トラック6の「小市民シリーズMain Theme (Major ver.)」は、第17話で小鳩と小佐内が一度解消した互恵関係を復活させる場面に使用。主旋律をメジャーに転調して使うアイデアが効いている。
 続いて収録された3曲、「My Home Town」(トラック7)、「メイルシュトロム」(トラック8)、「Four Season」(トラック9)は、いずれも飲食店やホテルのラウンジで流れるBGMとして使われた曲。ちなみに「ハンプティ・ダンプティ」も「メイルシュトロム」も店の名前なのだ。
 「逃避」(トラック10)と「独白」(トラック11)の2曲は、第2期後半のエピソード「冬期限定ボンボンショコラ事件」のために用意された曲。前衛ジャズ風の「逃避」ではバスクラリネットと弦が不穏な調べを奏で、「独白」は弦楽器と笛が哀感を帯びたメロディを聴かせる。物語の大詰めとなる第21話と第22話で使用された。

 『小市民シリーズ』の音楽の大半は、一聴すると、そんなに変わった音楽には聞こえない。けれど、よく聴くと使われている楽器や演奏法、リズムやメロディの崩し方などに独特の工夫がある。日常に溶け込みながら、じわじわと日常を異化していくような、スリリングな要素を秘めた音楽である。そんな音楽の中で憩いとなるのが、店内BGM用に書かれた軽快な曲や優雅な曲なのだが、劇中では、その曲をバックにおだやかでない会話が交わされる。小市民にあこがれても小市民になりきれない小鳩と小佐内の屈折が、音楽と音楽演出にも反映されているのだ。劇中の小佐内ゆきは羊の着ぐるみで狼の本性を隠した少女のように描かれているが、このサントラも、羊のような親しみやすさの裏にとがった牙を隠した音楽である。

TVアニメ『小市民シリーズ』オリジナル・サウンドトラック
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【新文芸坐×アニメスタイル vol.191】
押井守映画祭2025《うる星やつら 編》

 上映イベント「押井守映画祭」は押井守監督が手がけた作品を連続して上映するシリーズプログラムです。他の【新文芸坐×アニメスタイル】のプログラムと同様に新文芸坐とアニメスタイルの共同企画でお届けしています。
 「押井守映画祭2025」の第二弾として、7月26日(土)に《うる星やつら 編》を開催します。上映作品は『うる星やつら オンリー・ユー』(1983年)と『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』(1984年)。いずれもTVアニメ『うる星やつら』(1981年版)放送中に公開された劇場版です。『オンリー・ユー』は押井監督にとって初の劇場監督作品であり、『ビューティフル・ドリーマー』は彼の代表作のひとつと評されています。
 作品上映の前にトークコーナーを予定しています。ゲストは押井監督と古川登志夫さんのお二人。古川さんは『うる星やつら』(1981年版)や今回上映する2本等で主人公の諸星あたるを演じただけでなく、押井監督の『機動警察パトレイバー』と『御先祖様万々歳!』でも主人公を演じています。トークの聞き手はアニメスタイル編集長の小黒祐一郎が務めます。

 チケットは7月19日(土)から発売。チケットの発売方法については新文芸坐のサイトで確認してください。 なお、今回の「押井守映画祭」でも押井守映画祭オリジナルグッズを販売する予定です。

●関連リンク
新文芸坐オフィシャルサイト
http://www.shin-bungeiza.com/

緊急告知!押井守映画祭オリジナルグッズを販売します!!
https://animestyle.jp/news/2025/04/30/29056/

【新文芸坐×アニメスタイル vol.191】
押井守映画祭2025《うる星やつら 編》

開催日

2025年7月26日(土)17時00分~22時05分予定(トーク込みの時間となります)

会場

新文芸坐

料金

3800円均一

上映タイトル

『うる星やつら オンリー・ユー』(1983/89分/デジタル)
『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』(1984/98分/35mm)

トーク出演

押井守(監督)、古川登志夫(出演)、小黒祐一郎(アニメスタイル編集長)

備考

※トークショーの撮影・録音は禁止

第907回 『沖ツラ』制作話~5話“魔除け”~てーるーとデート

前回、オープニング・コンテ撮ムービーでお茶濁しで、すみませんでした!

 まだ、出していないOPコンテ~例えば『いせれべ』とかありますが、またの機会に。
 で、前々回5話の続き。“魔除け”話、この件も俺、結構コンテを描き直していると再確認。そして、最初の教室・掃除シーンも篠衿花さん原画、ということはほぼ作監修なしで篠さんの画。比嘉さん良い表情しています。「やしが大丈夫!!」と“琉球直伝”ポーズや、「まよけ~」で“OK”サイン~などの喜屋武さんは原作のコマ画より、“手のポーズ”が身体のシルエットから出るように自分の方で拘って調整したと思います。テレコム時代から、大塚康生さんや友永和秀師匠にこっぴどく叩き込まれたノウハウが“止め画”だからこそ活かされていたりします。てーるーの手に“サン”を握らせる辺り、篠作監と市川(真琴)作監が混在していますね。俺の方で適材適所の振り分けをしていました。
 次、“てーるーを誘ってしまう比嘉さん”話。夏休みの時間経過を日捲りカレンダーで見せる演出にしたのですが、納品前に“~年”表記が物語内時間と現実とでズレているとか何かの理由で、急遽消したと思います。実際、具志川ビーチ堤防の通称“てーるーベンチ”がマンガもアニメも数年前のデザインを採用していますし。
「十時茶まで待てない!」は実際の番組を模して再現したのですが、個人的にこーゆーの好き! 一緒に「待てな~い」するすずが可愛いくて~。
 バス停前で「あれ?比嘉さん!」とてーるーの呼び掛けに、背後で振り向いている人らは1話同様、もちろん“比嘉さん”たちです。ま、気づいていますよね。バス内・最後部座席で知らぬ間に隣にいるてーるーに“!?”の比嘉さんの顔、面白い! 原作まんまです!
 そして、アバンより“○○しようね”問題の伏線回収でAパート終わり。ここは田辺(慎吾)監督の構成勝利かと。
 はみ出して、“からあげさんをとりあえず食べる~”はシナリオ時なかったものをこちらで足しました。やっぱ、出したからには唐揚げ、気になって。

 という訳で、また短くてすみません。『キミ越え』に(汗汗)!

第242回アニメスタイルイベント
ここまで調べた『つるばみ色のなぎ子たち』13 女房名からぎりぎりまで可能性を煮詰めて出身家系を探る 編

 片渕須直監督が制作中の次回作のタイトルは『つるばみ色のなぎ子たち』。平安時代を舞台にした作品のようです。
 『つるばみ色のなぎ子たち』の制作にあたって、片渕監督はスタッフと共に平安時代の生活などについての調査研究を進めています。その調査研究の結果を披露していただくのが、トークイベント「ここまで調べた『つるばみ色のなぎ子たち』」シリーズです(以前は「ここまで調べた片渕須直監督次回作」のタイトルで開催していました)。

 7月19日(土)昼に「ここまで調べた『つるばみ色のなぎ子たち』13」を開催します。サブタイトルは「女房名からぎりぎりまで可能性を煮詰めて出身家系を探る 編」です。片渕監督によれば、女房の名前から出身家系について探っていくと、思いもよらなかった可能性に出会ってしまうとか。今回はそういった考察を中心にトークを進めていきます。興味深い話題が飛び出すことでしょう。

 出演は今回も片渕監督、前野秀俊さん。聞き手はアニメスタイルの小黒編集長が務めます。会場は阿佐ヶ谷ロフトA。今回のイベントも「メインパート」の後に、短めの「アフタートーク」をやるという構成になります。配信もありますが、配信するのはメインパートのみです。アフタートークは会場にいらしたお客様のみが見ることができます。

 配信はリアルタイムでLOFT CHANNELでツイキャス配信を行い、ツイキャスのアーカイブ配信の後、アニメスタイルチャンネルで配信します。なお、ツイキャス配信には「投げ銭」と呼ばれるシステムがあります。「投げ銭」による収益は出演者、アニメスタイル編集部にも配分されます。アニメスタイルチャンネルの配信はチャンネルの会員の方が視聴できます。また、今までの「ここまで調べた~」イベントもアニメスタイルチャンネルで視聴できます。

 チケットは2025年6月21日(土)正午12時から発売となります。チケットについては、以下のロフトグループのページをご覧になってください。

■関連リンク
告知(LOFT)  https://www.loft-prj.co.jp/schedule/lofta/322769
会場&配信チケット  https://t.livepocket.jp/e/5tg3a
配信チケット(ツイキャス)  https://twitcasting.tv/asagayalofta/shopcart/381187

 なお、会場では「この世界の片隅に 絵コンテ[最長版]」上巻、下巻を片渕監督のサイン入りで販売する予定です。「この世界の片隅に 絵コンテ[最長版]」についてはこちらの記事をどうぞ→ https://x.gd/57ICr

第242回アニメスタイルイベント
ここまで調べた『つるばみ色のなぎ子たち』13 女房名からぎりぎりまで可能性を煮詰めて出身家系を探る 編

開催日

2025年7月19日(土)
開場12時30分/開演13時 終演15時~16時頃予定

会場

阿佐ヶ谷ロフトA

出演

片渕須直、前野秀俊、小黒祐一郎

チケット

会場での観覧+ツイキャス配信/前売 1,800円、当日 2000円(税込·飲食代別)
ツイキャス配信チケット/1,500円

■アニメスタイルのトークイベントについて
 アニメスタイル編集部が開催する一連のトークイベントは、イベンターによるショーアップされたものとは異なり、クリエイターのお話、あるいはファントークをメインとする、非常にシンプルなものです。出演者のほとんどは人前で喋ることに慣れていませんし、進行や構成についても至らないところがあるかもしれません。その点は、あらかじめお断りしておきます。

第906回 『沖ツラ』制作話~OPコンテ撮ムービー

 前回の続きで5話をやろうと思ったのですが、新作『キミと越えて恋になる』鋭意制作中で本日バタバタ! 公式で発表されているとおり、今回は木村(博美)さんと共同監督なのですが、相変わらず自分もアニメーターなため、「作画以降は全部お任せ!」とは行かずまた作画修正をやっています。
 さらに、今回は『異世界でチート能力(スキル)を手にした俺は、現実世界をも無双する』同様、音響監督も兼任(こちらも納谷僚介さんと共同)故、選曲やら音響用ムービーのチェックなど、大忙し……。
 それらが重なった訳で、本日はちょっと寄り道。

『沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる』
オープニング・コンテ撮ムービー公開!

ということでご勘弁を(汗)。

第306回 ミステリーサウンドの継承 〜天久鷹央の推理カルテ〜

 腹巻猫です。犯罪捜査を題材にしたミステリーものの音楽にジャズやロックが使われるようになったのはいつからでしょう? 劇場作品では50年代の犯罪サスペンス「死刑台のエレベーター」あたりが原点で、60年代の「夜の大捜査線」や70年代の「黒いジャガー」「ダーティハリー」などでイメージが固まったと思います。
 日本では、60年代のTVドラマ「七人の刑事」で山下毅雄が渋いジャズを聴かせ、同じ作曲家によるTVアニメ『わんぱく探偵団』(1968)がそのサウンドを継承しました。70年代に入ると、TVドラマ「太陽にほえろ!」のロックサウンドが刑事ドラマ音楽のイメージを一新。こちらも同じ作曲家(大野克夫)によるTVアニメ『名探偵コナン』がサウンドを受け継いでいます。今回は、そんなミステリーサウンドの系譜につながる作品、『天久鷹央の推理カルテ』を取り上げます。


 『天久鷹央の推理カルテ』は2025年1月から3月まで放映されたTVアニメ。知念実希人による人気ミステリー小説を、監督・いわたかずや、アニメーション制作・project No.9のスタッフで映像化した作品である。4月からは橋本環奈主演によるTVドラマ版も放映されている。
 天医会総合病院の統括診断部部長を務める天久鷹央は、超人的な記憶力と知性を持つ天才医師。小柄で童顔のため少女に間違えられることもあるが、ほかの医師が診断困難とした患者の病因をつきとめ、警察も手に負えない事件の真相を暴いていく。いっぽうで鷹央には他人の感情を理解できない欠点があり、そのせいで人に嫌われたり、もめごとを起こしたりすることもしばしば。そんな鷹央のもとに、今日も不可解な患者や事件が持ち込まれる。
 診断に特化した医師が探偵役の医療ミステリーである。医院の屋上に家を建てて暮している主人公・天久鷹央のキャラクターが強烈で、多少展開に無理があっても許してしまう。

 音楽は3人組のジャズロックバンド、fox capture planが担当。以前当コラムで取り上げた『青春ブタ野郎』シリーズでは青春ものらしいリリカルな曲が多かったが、本作では本領発揮とも言えるジャズ&ロックスタイルの曲をたくさん提供している。fox capture planが音楽を手がけたドラマ「ブラッシュアップライフ」や「コンフィデンスマンJP」などのサウンドが好きな人にはたまらない音楽だ。
 fox capture planのピアニスト・岸本亮は本作の音楽について、「鷹央が推理しているときの脳内を音楽でどう表現するか」にこだわったとコメントしている(アニメ公式サイトより)。鷹央は感情をあらわにするキャラではないから、何を考えているのか、映像だけではわかりづらい。鷹央のキャラクター描写を助けているのが音楽だ。たとえば、鷹央が謎を解き、真相にたどりつくシーンによく使われた曲「Q.E.D.」は、鷹央の頭の中でなにが起こっているかを視聴者に想像させる音楽になっている。
 サウンドトラック・アルバムの解説書に掲載されたfox capture planのインタビューによれば、本作ではエレキギターを使った曲があるのが特徴だとのこと。fox capture planにはギタリストがいないので、ふだんギターを使う曲はあまり書かないのだそうだ。エレキギターはメインテーマ「天久鷹央」でもフィーチャーされていて、鷹央のキャラクターを印象づけるサウンドになっている。
 ほかには、探偵ものらしいオーソドックスなジャズの曲が聴けるのも楽しいところ。ミステリーにはやっぱりジャズだろう。そう考えるサントラファンの期待を裏切らない音楽である。
 本作の音楽の大きな特徴のひとつに、曲数の少なさがある。
 サウンドトラック・アルバムに収録された音楽は全28曲。筆者がチェックしたところ、劇中で流れた曲はほぼすべてアルバムに収録されている。昨今は1クールの作品でも40曲くらい劇伴を作るのがふつうだが、おそらく本作では30曲程度しか作っていないのではないか。少ない曲数での音楽演出を可能にしたのが、音楽の作り方と使い方である。
 まず音楽の作り方について。本作の音楽では、たとえば同じメロディを2回くり返す場合、ジャズの演奏でよくあるように2コーラスめのメロディをくずしたり、アドリブを入れたりして変化をつけている。その特徴を生かして、劇中では前半と後半を使い分けて別の曲のように聴かせている。また、同じ楽曲のミックス違いを用意することでバリエーションを増やし、音楽演出の幅を広げている。
 次に音楽の使い方について。本作では1回の話数で使用される劇伴の曲数が少ない。だいたい1話あたり10曲程度で、エピソードによっては5、6曲の場合もある。べったりと音楽を流さず、映像をじっくり見せ、セリフを聴かせる、実写のドラマを思わせる演出になっている(TVドラマ版は逆に音楽が多すぎるくらい)。また、本作のストーリーは1〜3話でひとつの事件が解決するスタイル。基本的なフォーマットが決まっているので、「こういう場面にはこの音楽」という定番の音楽演出がある。その代表が先に上げた、鷹央が真相をつかむシーンに流れる「Q.E.D.」である。定番の音楽演出には、聴きなじみのある曲で視聴者の心を高揚させる効果もある。おそらくスタッフは、この作品なら、いたずらに曲数を増やす必要はないと考えたのだろう。少し話がずれるが、『機動戦士ガンダム』(1979)だって劇中でよく使われた音楽は30曲くらいしかないのである。それがかえって1曲1曲の印象を強めることになった。劇伴って、そういうものでよいのではないか、と思う。
 本作のサウンドトラック・アルバムは「『天久鷹央の推理カルテ』Original Soundtrack」のタイトルで、2025年3月26日にアニプレックスから発売された。CDの解説書にはfox capture planのインタビューが掲載されている。
 収録曲は以下のとおり。

  1. 天久鷹央
  2. My mood
  3. 1年目の研修医
  4. 捜査
  5. 原因
  6. 救急要請
  7. 懐疑心
  8. 緊迫
  9. Q.E.D.
  10. Dr. Sherlock
  11. 鷹と小鳥
  12. 一件落着
  13. 蘆屋炎蔵
  14. 呪いの墓
  15. 不可解
  16. 医師として
  17. 致命的問題
  18. 終幕
  19. 正体
  20. 逃がすな!
  21. 救った命
  22. 胸の内
  23. 空虚
  24. Silent Night -Ameku Takao’s Detective Karte Ver.-
  25. 願い
  26. Good night emotional wounds
  27. SCOPE -Anime Instrumental Ver.-
  28. will be fine feat.Anly -Anime Instrumental Ver.-

 歌は未収録で、すべて劇伴音楽で構成されている。
 曲順は、本編使用順にこだわらず、本作の全体的なイメージを音楽で再現した印象だ。
 トラック1「天久鷹央」は本作のメインテーマ。ドラムのリズムを導入にエレキギターがワイルドなフレーズを奏でる。オルガンが加わって、ロック調のノリのよい演奏が展開する。天久鷹央のキャラクターを表現した勢いのある曲だ。劇中では第1話の鷹央の登場シーンなどに使用されている。
 トラック2〜トラック12は、よく使われるおなじみの曲を並べた構成。
 トラック2「My mood」は「鷹央が自分の部屋で聴いている音楽」という設定の曲。ピアノトリオによる軽快なジャズだ。fox capture planのコメントによれば、自分たちの本来のスタイルは抑えて、作品世界の中のジャズトリオが演奏した曲というイメージで演奏したとのこと。
 トラック3「1年目の研修医」は鷹央にあこがれる研修医・鴻ノ池舞のテーマ。ユーモラスなシンセの音を使ったほのぼのした曲だ。
 トラック4「捜査」とトラック5「原因」は、不可解な事件が起こって警察や鷹央が捜査を進める場面によく使われた曲。緊張感と不安感ただよう曲調がミステリーの雰囲気を盛り上げている。
 トラック6「救急要請」は歯切れのよいフレーズの連続で緊迫感と焦燥感をあおる曲。医療ドラマ「救命病棟24時」などを思わせる曲調がカッコいい。
 トラック7「懐疑心」とトラック8「緊迫」は毎回のように使用された不安曲。じりじりと心を圧迫するような曲調が、謎が深まる場面や事態が急展開する場面などに効果を上げていた。  トラック9「Q.E.D.」は、すでに紹介したように、鷹央が事件の真相に気づく場面に流れた定番曲。鷹央の頭の中で脳のシナプスが発火し、推理がフル回転する。そんなイメージをスリリングなピアノとエレキギターのアンサンブルで表現し、謎が解ける瞬間をドラマティックに演出している。
 次のトラック10「Dr. Sherlock」は、鷹央が関係者を集めて事件の謎解きをする場面によく流れた曲。ピアノとストリングスを主体にした軽快な曲調で真相が明らかになっていくカタルシスを表現している。「Q.E.D.」とセットで使われる印象だ。
 トラック11「鷹と小鳥」は鷹央の下に配属された医師・小鳥遊(たかなし)優の登場シーンによく流れた日常曲。エフェクターを効かせたギターのフレーズとのんびりしたリズムが緊張感をほぐしてくれる。続くトラック12「一件落着」も、事件が終わったあとの平和なひとときを描写する、リラックスしたジャズの曲である。
 トラック13「蘆屋炎蔵」とトラック14「呪いの墓」は、陰陽師の墓にまつわる奇怪な事件を描いたエピソード第4〜6話で使用された和風の曲。三味線や笙の音が歴史を感じさせるとともに、不穏な雰囲気もかもしだす。fox capture planには珍しいタイプの音楽である。
 トラック15〜21は、特定のエピソードにフォーカスしたというよりも、ふたたび本作全体の雰囲気を再現した構成。
 ギターを使ったミステリアスな曲「不可解」(トラック15)に続いて、ピアノとストリングスによる沈んだ曲調の「医師として」(トラック16)が、鷹央と小鳥遊が感じる無力感や苦い思いを描写する。
 トラック17の「致命的問題」は、鷹央と対立する院長・天久大鷲をイメージした曲で、第7話で大鷲が統括診断部の廃止を決めようとする場面に使用された。
 メランコリックな曲想のトラック18「終幕」はすっきりしない幕切れを思わせる曲。まだ事件は終わらず、軽快な曲調で鷹央の謎解きを描写する「正体」(トラック19)とアップテンポの追跡曲「逃がすな!」(トラック20)が、アルバムの終盤を盛り上げる。
 ストリングスがやさしく奏でる「救った命」(トラック21)は、ようやく訪れた大団円に流れる曲だ。
 これでアルバムが終わってもおかしくない。が、まだ聴きどころが残っている。
 トラック22〜26は、第8話と第9話で描かれた「天使の舞い降りる夜(前編・後編)」で使用された曲で構成されている。小児科病棟に入院した少年たちに起きた事件と彼らの友情を描くエピソードである。本アルバムの中でもとりわけエモーショナルな曲が並んだブロックだ。
 鷹央と難病の少年・健太との回想シーンに流れる「胸の内」(トラック22)、鷹央の健太への複雑な想いを描写する「空虚」(トラック23)。いずれも繊細なピアノソロの演奏で、鷹央にも人間的な弱さがあることを伝える重要な曲である。
 トラック24の「Silent Night -Ameku Takao’s Detective Karte Ver.-」は、「きよしこの夜」をfox capture plan流にアレンジした曲。劇中で流れる現実音楽であると同時に、鷹央が表に出さない心情を表現する役割も果たしている。
 トラック25「願い」は鷹央と健太の交流のシーンに流れたピアノソロ。しみじみとした、あたたかい曲調が心にしみる。
 トラック26「Good night emotional wounds」は、トラック2の「My mood」と同じく、鷹央が自分の部屋で聴いている音楽という設定で書かれたジャズの曲。第9話のラストシーンに使用された。
 本編ではこのあと、第10〜12話で描かれる最後のエピソードが続くのだが、アルバムとしては、ここでエンディングになる。第8・9話の印象を残して終わるのは後味がよいので、いい構成だ。
 トラック27と28は、それぞれオープニング主題歌とエンディング主題歌のインストルメンタル・バージョン。ボーナストラック的な配置だが、劇中でもしっかり使われている。
 トラック27「SCOPE -Anime Instrumental Ver.-」は第1話をはじめ、鷹央の部屋のBGMとしてたびたび使用されていた。トラック28「will be fine feat.Anly -Anime Instrumental Ver.-」は最終回(第12話)で使用されているから、アルバムの締めくくりとしてはぴったりだ。

 『天久鷹央の推理カルテ』のサントラ盤は、ジャズ・ロックを使ったミステリーサウンドの系譜を現代に受け継ぐ好アルバムである。ピアノ、ベース、ドラムスというピアノトリオの編成で結成されたfox capture planは、このスタイルの音楽にぴったりのバンドだと思う。この路線はぜひ続けてもらいたいし、せっかくバンドなのだから、劇伴のライブもやってほしいなあ〜。

「天久鷹央の推理カルテ」Original Soundtrack
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第905回 『沖ツラ』制作話~訂正と4話~5話へ

 いきなりですが、ご本人より指摘していただいたため、最初に訂正させてください!

以前『沖ツラ』作画スタッフ・市川真琴さんを「キャリア3年」と解説してしまいましたが、正確には「5年」でした! 大変失礼しました!

もう少し細かく言うと、市川さんは『沖ツラ』制作期間中では5年目、今年春から6年目に突入! になります。と言うのも、『蜘蛛ですが、なにか?』から参加しているのを憶えていて、その後『いせれべ』『沖ツラ』——“3作目”というのが頭にあったことによる勘違いでした。毎年監督していたけど、全てが1年で作り終えていないわけですから、3作で3年と結びつけるのは安直でした。本当に申し訳ありませんでした。
 まあ……あと、それなりに歳を取って、

自分の体感より現実に流れる時間の方が遥かに早い現象!

ってヤツで……。
 そして続き、4話Cパート(ED開け) “指笛講座”編。構成(ラフ脚本)では最初、Bパート本編の“比嘉さんが指笛をすず・なおや・てーるーに教える”件の後に入っていたパートでした。それを「内容が重なるから」とCパートにまわしました。指笛お手本に比嘉さんがもう一度登場するところ5も可笑しくて良いですね。Cパート比嘉さんは前述の市川さんによる作監でした。
 で、5話“~しようね問題、前振り”編のアバン。こちらはメインアニメーター篠(衿花)さんによる作監。オフィス・イメージの喜屋武さんや、ファミレス・イメージの比嘉さん、非常に良い感じにしていただけました!

 今回も短くてすみません!また、『キミ越え』へ!