第608回 物事の多面性

 現在『コップクラフト』第9話のコンテ作業中。来月中旬には全話分のコンテを終わらせて、作画にも参戦します。そこまでは社内の若手で演出・作画を突っ走ってもらって、自分は総合の打ち合わせとチェックがメイン。月並みな意見ですが、1人では作れません、アニメは。色々な人の手で作られるものです。人の手とは「人の時間」とも言い換えられます。さらに時間とは、ぶっちゃけ人生のこと。人様の人生のある一部を借りて作品を作るのが監督である以上は、各スタッフのテンションのバラつきは覚悟の上。制作中のダメ出しはもちろんあっても、最終的にでき上がったものに対して「会社がいいアニメーターを揃えられなかった云々」は言うべきではありません。なぜならいいアニメーターが揃わないのも「監督にカリスマ性がないから」でしょう。少なくとも俺は最初からそう思ってたし、監督・演出家として渡り歩いたどの会社(スタジオ)においても、「もっと優秀なアニメーターを揃えてきて!」などとは1回も言ったことはありません。それは世間で活躍しているヒットメーカーと自分を比べても仕方ないからです。「この人についていけば、私を幸せなトコへ連れてってくれるハズ」と信用されたカリスマ監督には、自然と人が集まるし、制作さんらもスタッフ集めに苦労はしないでしょう。当たり前な話。だから板垣は、監督の責任であるコンテを上げきったら作画もお手伝いするわけ。自分のカリスマ性皆無が招いた部分はおのれでできるだけ回収しないと!
 実際俺の場合「一作画マン」としても、アチコチ会社をまわったため、

アニメーター側から見た「監督」と「ダメ監督」の違いはハッキリ差をつけて接してました!

 コンテを持って自宅にこもった挙げ句連絡がつかず、何人ものアニメーターにタップと鉛筆を握らせたまま、何週間も待たせる作家気取り監督や、現場に来たら来たで、自らのザルチェックを棚に上げまくってリテイクを山ほど出して帰る監督。ずっと手を動かしてる総作監の後ろに立って話しかけ続け、終いには「飲みにいこう!」とさらに職人の時間を奪っていく(だったら最初から飲み屋でダベるべき)自分ではフランクで親しみやすいと思い込んでる監督とか。
 監督は上り詰めた地位を永遠に維持できて当然だと思ってはいけません。いつどこの現場でも寝首をかかれないように、自宅でのみ発揮される作家的センスより、現場に貢献できる実務を磨くことの方が重要です(断言)! そもそも俺自身は「上り詰めた」とも「地位を維持したい」とも思っていません、あしからず。

監督とはあくまで制作現場で作品の方向性を仕切るという「役職」であり、ある種の作家足りうることの証明でもなんでもありません!

から。よって少なくとも自分がアニメーター側として渡り歩いてきた現場では、前述のようなダメ監督は制作サイドから静かに嫌われていきました(誰にも忠告されずに)。例えば、某スタジオに原画マンとして呼ばれた際、

てことがありました。このデスク氏は、監督のコンテを今か今かと待ち続け、監督の自宅に何度も押しかけては「上がってない」の繰り返し。その監督様のコンテ待ちのおかげで、カッティング(編集)とアフレコを3回も飛ばされたために、役者(声優)さんもバラされ、さらにその間集めていた原画マンにもどんどん逃げられ、この時点でコンテが上がったところで半分以上は海外まきになるのが分かってて……。これ、デスク氏悪いですか? 俺はこのデスク氏の態度は当然だと思います。その後このデスク氏は「あの監督の作品をやらされるならオレ辞める」と会社側に進言。以降その監督はその会社に呼ばれなくなりました。実はこれに似た事例、あちこちでありました。アニメーター側から見て「あ、この監督、次はないな」と。同時期周りにいた俺と同年代のアニメーターに起こった例を挙げると、最初は「○○監督に認められて」と意気揚々付いていくと、制作中にその監督がダメ監督なのが発覚して、その制作が終わるまでとガマンにガマンを重ねつつもデスク・制作Pと「○○監督の次は、君に監督を任せたいから」という流れで監督になった、ということがありました。その際、委員会でそのダメ監督を指名した張本人のプロデューサーですら説教ひとつせず、悲しいかな自然と離れていくのがほとんど。これらの事例は、どっちが正しい悪いとかは関係なく、ただそこにあるのは現場を回す制作側が「お前とはやりたくない!」と言っている大人な現実だけ。自らの恥部をさらしますが、10年近く前に監督降板があった時に、そのことが分かってたので公では何も言い訳しませんでした。そりゃ腹も立ったし、言いたいことはありました。でも「お前とやらない!」と言わせてしまったのが俺であるのは間違いないのです! あ、もちろん周りの知人には思いっきり愚痴りましたよ。その説はご迷惑をおかけしました! また次回、この続きをGW明けで!

新文芸坐×アニメスタイル セレクションvol. 115
スクリーンで観る『ジャイアントロボ THE ANIMATION 地球が静止する日』

 昨年に続き、『ジャイアントロボ THE ANIMATION 地球が静止する日』全話上映のオールナイトを開催する。

 『ジャイアントロボ THE ANIMATION 地球が静止する日』は横山光輝原作、今川泰宏監督によるOVAシリーズだ。「水滸伝」「三国志」「鉄人28号」「マーズ」等、横山光輝作品のキャラクターがメイン、サブを問わず、続々登場。ケレンミたっぷりの演出。マンガ的なキャラクターとダイナミックなアクション。アニメ史上空前にして、おそらく絶後の豪華なキャスト陣。天野正道作曲、ワルシャワ・フィルハーモニーによるフルオーケストラのBGM。作品コンセプト、ドラマ、ビジュアル、出演者、音楽、その全てにおいて破格の娯楽作だ。

 この傑作OVAを劇場の大スクリーン、劇場の音響で楽しんでいただきたい。開催日は開催日は2019年5月18日(土)。トークコーナーのゲストについては調整中。前売りチケットの4月27日(土)から新文芸坐とチケットぴあで発売となる。

新文芸坐×アニメスタイル セレクションvol. 115
スクリーンで観る『ジャイアントロボ THE ANIMATION 地球が静止する日』

開催日

2019年5月18日(土)

開場

22時15分/開演:22時30分 終了:翌朝5時45分(予定)

会場

新文芸坐

料金

当日・一般2600円、前売・友の会2400円

トーク出演

企画中

上映タイトル

『ジャイアントロボ THE ANIMATION 地球が静止する日』全7話(1992~1998/BD)

備考

※オールナイト上映につき18歳未満の方は入場不可
※トークショーの撮影・録音は禁止

●関連サイト
新文芸坐オフィシャルサイト
http://www.shin-bungeiza.com/

アニメ様の『タイトル未定』
201 アニメ様日記 2019年3月31日(日)

2019年3月31日(日)
「アニメスタイル インタビューズ01」には『劇場版シティーハンター<新宿プライベート・アイズ>』についてのこだま兼嗣総監督、諏訪道彦プロデューサーの取材が載る。その原稿まとめの参考に『シティーハンター』の原作をチェック。原作『シティーハンター』って海原神との戦いで終わっていた印象があるんだけど、改めて読むと、その後も結構続くのね。それと、海原神の話ってドシリアスな内容だった印象なんだけど、読み直すとそれほどでもない。以下は後日の追記。気になって、wikiを見たら「後味が悪くないよう作者の意向によりコミックスに30ページ程、加筆された話が収録された」とある。ああ、なるほど。『新宿PRIVATE EYES』で、子どもの頃の香が「ハンマー少女」だったということが回想で描かれていて、えー、そうなの? と思っていたのだけど、原作終盤で「ハンマー少女」の頃の写真が出てくるのね。アニメオリジナルではなくて、原作からネタを拾ったかたちだったんだなあ。
WOWOWでやっていた『クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡』の途中から『電撃!ブタのヒヅメ大作戦』の途中まで観た。『暗黒タマタマ大追跡』は何度観ても面白い。キャスティングの謎はいつか解けるのかなあ。

2019年4月1日(月)
録画してあった「ガンダム誕生秘話」「歴史秘話 マクロスヒストリア」「絶対監督主義 シネマラボ 押井守の挑戦」を観た。「ガンダム誕生秘話」がとてもよくできていた。アニメ関連でこんな「成熟」した番組が作られたのが嬉しい。番組としての出来のよさは置いておいて、小牧雅伸さんの若き日の写真がよかった。小牧さん、24歳か。「歴史秘話 マクロスヒストリア」も悪くはない。「絶対監督主義 シネマラボ 押井守の挑戦」は、こういう書き方をすると失礼かもしれないけれど、押井さんが可愛かった。
録画予約のチェック。4月1日だけど、今日の新番組は『爆丸バトルプラネット』のみ。『モブサイコ100II』『キャプテン翼』『けものフレンズ2』が最終回で『ポプテピピック』がスペシャル版。それから新番組関連特番で「なごやか特番、八千亀ちゃん!」。
新しい元号が発表になった。SNSでも書いたけど、令和の「仮面ライダー」は 「Rライダー」と表記されるのではないか。「Hライダー対Rライダー」とか。「ライダー決戦 S・H・R!」とか。プリキュアもこれからは「平成プリキュア」と「令和プリキュア」かな。Hプリキュア、 Rプリキュアという呼称は抵抗がある。夏に出す書籍(仮に「書籍A」とする)の編集スケジュールが完成した。

2019年4月2日(火)
録画予約のチェック。今日の新番組は『ダイヤのA actII』『フリージ』。それから『アイドルマスター シンデレラガールズ劇場 CLIMAX SEASON』が新シリーズに。Anichu枠は『HUNTER×HUNTER』の再放送なのね。しかも、1時間枠。イレギュラー番組として『第2クール突入直前!盾の勇者の成り上がり#12 再放送』『一撃でわかる!TVアニメ『ワンパンマン』マジ振り返り!』。
入ったことのなかった近所の有名な飲み屋に。有名な絵本に紙を貼ってメニューにしている。斬新。

2019年4月3日(水)
昨夜、TOKYO MXで放映が始まった『フリージ』はドバイを舞台にした3DCGアニメ。公式サイトによれば「アラビアン・ビジネス・マガジンにて“最も影響力あるアラブ諸国の人々”の1人に選ばれているモハメド・サイード・ハリブが、 2005年に制作をスタートしたUAE初の3DCGアニメーションによるテレビ作品」とのこと。1話の映像縦横比率は4:3だが、ネットに上がっている動画だと、16:9のエピソードもある模様。数シリーズあるようだから、後のシリーズでは16:9になるということかもしれない。

2019年4月4日(木)
夏に出す書籍(仮に「書籍B」とする)について打ち合わせ。収録する作品について大体見えてくる。今晩始まる新番組は『叛逆性ミリオンアーサー(第2シーズン)』『BAKUMATSUクライシス』『ラビッツ インベージョン』かな。 TOKYO MXで『SHOW BY ROCK!! スタミュ』、TBSで『けいおん!』の再放送がスタート。今期は噂通りに再放送が多い。「アニメスタイル インタビューズ01」には『HUGっと!プリキュア』についての佐藤順一さんの取材が載る。それと関連して『ふしぎ星の☆ふたご姫』で確認したいことがあったのだけど、瞬時にdアニメストアで見つかった。配信ばんさい。

2019年4月5日(金)
『けいおん!』の再放送で1話を観る。地上波なのに16:9だ。いや、当たり前なんだけど(念のために説明しておくと、地上波本放送での画面比率は4:3だった。ちなみに最近まで4:3での配信があった)。1話冒頭を観て『宇宙よりも遠い場所』みたいだと思った。逆だ。『聲の形』や『響け!ユーフォニアム』を観た後に『けいおん!』を観ると、色んなことが分かる。今なら、山田尚子さんがどこから『けいおん!』にきて、『リズと青い鳥』にたどり着いたのか、そして、どこに行くのかが分かるかもしれない。

2019年4月6日(土)
20世紀末にある雑誌でインタビュー記事をやった時に(その雑誌はアニメージュでも、ニュータイプでもないです)、校正の段階で、編集者が記事の最後に「ありがとうございました。」という一文を付け足してきたことがあった。インタビュアーが取材相手にお礼を言って終わるかたちにしてきたわけだ。そういう記事もあるだろうし、お礼を言いたい気持ちも分かるけど。いや、ここは取材相手が言いたいことを言ったところで終わらせたほうがいいよ、と僕は思った(はず)。多分、戻してもらったのではないかなあ。ということを、ある取材まとめをしていて思い出した。

第607回 休み時間とひとりの時間

 思えば自分が20代、アニメーターを始めた時、つまりテレコム時代から昼食・夕食は基本ひとりでした。もちろん周りから誘われた時は断らないし、若い時は先輩や後輩とよく飲みに行ったものです。

板垣は寂しがり屋なくせに「ひとりの時間」が大好き!

 早い話、自分のペースで動ける時間はひとりでいたい、と。こういう方、結構いると思いますし、逆に周りで人が働いてると、俺自身は周り(のスタッフ)に合わせる側になります。まあ、その話は後にして、何しろ板垣は散歩とひとり飯が日常。

 特にコンテを切る日々は現実から遠のきがち。ツイッターとかにも興味がない自分にとって、せめて飯時くらいニュースや映画を観る時間に使わないと、今の世の中が分からなくなってしまいます。今だけでなく昭和の映画もこーゆー時間に観ます。だから一番いいのは

飯の買い出しを兼ねてブックオフまで散歩、で購入したDVDないしBDを観ながら飯! コレ!!

 映画はもう、国・年代・監督に拘らず手当たり次第。その日の気分と、あと何より値段! そもそも黒澤明、小津安二郎、岡本喜八や、アニメだと宮崎、高畑や出崎作品など、板垣のマスターピース的敬称略な方々のソフトは、とっくのとうに定価で揃え済みなので、今さら中古で買う必要はないのです。やっぱり、

ブックオフは安物衝動買いに限る! 何も決めないで行って500円コーナーまでブラついて「今日はコレ!」を選ぶ。クソ映画上等!

 このまま行くと今回、何処に落ち着くのか想像つかないけど、とりあえず続けます。俺は常々思ってるのです。

映画とは何を観ても自分の血肉になる! 「面白い」か「面白くない」かなど究極どーだっていい。なぜなら人の感想に正解なんてない! むしろどんな作品に対しても「自分なりの感想をもつ」ことが大切である!

と。だからといってツイッターやブログで言いたい放題書くのがいいという訳ではありません。敵を作るのが怖いからとかではなく、テキストで放ってテキストで返されて、では何も伝わらないし、無駄に時間を消費するだけ。何も生まれません。まあ唯一生まれるモノがあるとすれば、人気評論家だと勘違いした手遅れな自分が仕上がるだけ。本当に評論を気取りたいのなら、その作品の悪口だろうと「他人が読んで不愉快にならないか?」を周りに確認してから上げるべきだと思います。だって周りの人の機嫌を損ねる評論は、そのつまらない作品以上に罪でしょう。本当にうまい評論とは、悪評でも面白く読ませることができるハズだから。俺にはそんな巧い文章は書けないので、評論ではなく感想文止まりで、なるべくいいところを見つけるようにしてるんです。で、評論の域に踏み込んだ悪口などは、親・兄弟・友人など

身近な人に直にしゃべる!

のがいいと思います。自分の場合も友人や白石(妻)にしゃべってウケがよくなかったら、それ以上遠くに放ったりしません。相手にとって笑えもしない個人的悪口は、ただただ迷惑なだけですから。あと、ブログや評論に限らずテキストで語り合うのは反対です。直に話したほうが誤解が少ない上、その場の空気を読む修練になりますから。ほら、やっぱりよく分からないトコに着地した。

 で、現在は『コップクラフト』第8話とオープニングのコンテに入りました! いかん、予定より数日遅れ(汗)。

【情報局】新作アニメピックアップ[TV編]190417
『メルヘン・メドヘン』最終2話放映

 『メルヘン・メドヘン』の最終2話の放映が決定した。
 作家・松智洋原案による、フィクションをモチーフにした魔法ものだが、著者の急逝や放映中の再放送、ソフトリリースの延期など、これまでいくつもの苦難に見舞われきた企画だ。特に最終2話が未放映のままとなっていたが、ようやく今回放映にこぎ着けた。25日(木)にAT-Xで11話と12話が間をおいての放映となる。どちらも特別無料放映なので、契約未加入であっても受信設備があれば視聴可能。製作サイドの「意地」とも言える措置に感謝したい。
 続いて、改編期の掉尾を飾るのが、NHK総合で28日深夜にスタートする2作品。『進撃の巨人 Season 3』の後半と『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星』だ。前者は民放からNHKへの局変更で驚かせた『進撃の巨人』の最新シリーズ。後者は、劇場上映された『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』6本を全13話に再編集した作品。NHKがついに『ガンダム』のキー局にと、こちらも感慨深い。放映開始に先駆け、20日深夜0時5分からは、同じく総合テレビで「#声優ぷらす×機動戦士ガンダム THE ORIGIN」と題した特別番組も予定されている。

《TVアニメ新番組リスト》
2019年4月17日現在、編集部調べ

2019年4月25日(木)

『メルヘン・メドヘン』11話

午後7時30分~(AT-X)他、順次放映 ※特別無料放送
【公式サイト】http://maerchen-anime.com/

『メルヘン・メドヘン』12話

午後10時~(AT-X)他、順次放映 ※特別無料放送
【公式サイト】http://maerchen-anime.com/

2019年4月28日(日)

『進撃の巨人 Season 3』※第50話~

深夜0時10分~(NHK総合) ※関西地方は深夜0時45分~
【公式サイト】https://shingeki.tv/season3

2019年4月29日(日)

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星』

深夜0時35分~(NHK総合) ※関西は別枠
【公式サイト】http://www.gundam-the-origin.net/

2019年7月1日(月)

『スタミュ[第3期]』

午後10時~(TOKYO MX)他、順次放映
【公式サイト】http://hstar-mu.com/

2019年7月5日(金)

『炎炎ノ消防隊』

深夜1時25分~(MBS・TBS系全国28局ネット)
【公式サイト】http://fireforce-anime.jp/

2019年7月7日(月)

『あんさんぶるスターズ!』

【公式サイト】http://ensemblestars-anime.com/

2019年7月

『Dr. STONE』

【公式サイト】https://dr-stone.jp/

『戦姫絶唱シンフォギアXV[第5期]』

【関連サイト】http://www.symphogear-axz.com/

『ありふれた職業で世界最強』

【公式サイト】https://arifureta.com/

『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』

【公式サイト】https://anime.elmelloi.com/

『魔王様、リトライ!』

【公式サイト】http://maousama-anime.com/

『ダンベル何キロ持てる?』

【公式サイト】https://dumbbell-anime.jp/

『ソウナンですか?』

【公式サイト】http://sounandesuka.jp/

『荒ぶる季節の乙女どもよ。』

【公式サイト】http://araoto-anime.com/

『かつて神だった獣たちへ』

【公式サイト】http://katsu-kami.com/

『手品先輩』

【公式サイト】http://tejina-senpai.jp/

『ギヴン』

【公式サイト】http://given-anime.com/

『胡蝶綺~若き信長~』

【公式サイト】http://wakanobu.com/

『ナカノヒトゲノム【実況中】』

【公式サイト】http://www.nhg-anime.com/

『からかい上手の高木さん[第2期]』

【公式サイト】http://takagi3.me/

『Re:ステージ! ドリームデイズ♪』

【公式サイト】https://rst-anime.com/

『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかII』

【公式サイト】http://danmachi.com/danmachi2/

『彼方のアストラ』

【公式サイト】http://astra-anime.com/

『とある科学の一方通行』

【公式サイト】http://toaru-project.com/accelerator/

『通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?』

【公式サイト】https://okaasan-online.com/

『グランベルム』

【公式サイト】http://granbelm.com/

『女子高生の無駄づかい』

【公式サイト】http://jyoshimuda.com/

『われしょ!~我ら!小動物愛護委員会~』

【公式サイト】https://www.waresyo.com/

2019年夏

『トライナイツ』

【公式サイト】https://www.ntv.co.jp/tryknights/

『コップクラフト』

【公式サイト】http://copcraft.tv/

『可愛ければ変態でも好きになってくれますか?』

【公式サイト】https://hensuki.com/

『BEM』

【公式サイト】https://newbem.jp/

2019年10月

『BanG Dream! 3rd Season』

【公式サイト】https://anime.bang-dream.com/2nd/

『僕のヒーローアカデミア[第4期]』

【公式サイト】http://heroaca.com/

『ちはやふる[第3期]』

【公式サイト】https://www.ntv.co.jp/chihayafuru/

『ラディアン[第2シリーズ]』

【公式サイト】https://www.nhk.or.jp/anime/radiant/

『PSYCO-PASS 3』

【公式サイト】https://psycho-pass.com/

『BEASTARS』

【公式サイト】https://bst-anime.com/

『GRANBLUE FANTASY The Animation[第2期]』

【公式サイト】http://anime.granbluefantasy.jp/

『ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld』

【公式サイト】https://sao-alicization.net/

『星合の空 ―ほしあいのそら―』

【公式サイト】http://www.tbs.co.jp/anime/hoshiai/

『ハイスコアガールII』

【公式サイト】http://hi-score-girl.com/

『スタンドマイヒーローズ』

【公式サイト】https://www.standmyheroes.tv/

『Fate/Grand Order 絶対魔獣戦線バビロニア』

【公式サイト】https://anime.fate-go.jp/ep7-tv/

『魔入りました! 入間くん』

【関連サイト】https://www.akitashoten.co.jp/works/irumakun/

『歌舞伎町シャーロック』

【公式サイト】http://pipecat-kabukicho.jp/

2019年秋

『かいじゅうステップ』

【公式サイト】https://www.kaijustep.com/

『ACTORS –Songs Connection-』

【公式サイト】https://actorsmusic.jp/

『トクナナ ‐警視庁 特務部 特殊凶悪犯対策室 第七課‐』

【公式サイト】http://www.tokunana.jp/

『ソマリと森の神様』

【公式サイト】http://somali-anime.com/

『七つの大罪 神々の逆鱗』

【公式サイト】https://www.7-taizai.net/

2020年1月

『空挺ドラゴンズ』

【公式サイト】https://drifting-dragons.jp/

2020年春

『啄木鳥探偵處』

【公式サイト】http://kimikoe.com/kitsutsuki/

放映予定

『むさしの!』

【公式サイト】https://www.musasi-no.com

『Z/X Code reunion』

【関連サイト】https://www.zxtcg.com/

『あひるの空』

【公式サイト】http://ahirunosora.jp/

『魔術師オーフェンはぐれ旅』

【公式サイト】http://www.ssorphen.com/anime/

『pet』

【公式サイト】https://pet-anime.com/

『バビロン』

【公式サイト】https://babylon-anime.com/

『ヴィンランド・サガ』

【公式サイト】https://vinlandsaga.jp/

『ストライクウィッチーズ ROAD to BERLIN』

【公式サイト】http://w-witch.jp/

『連盟空軍航空魔法音楽隊ルミナスウィッチーズ』

【公式サイト】http://w-witch.jp/

『アイドリッシュセブン[第2期]』

【公式サイト】http://idolish7.com/aninana/

『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』

【公式サイト】https://anime.magireco.com/

『ぼくのとなりに暗黒破壊神がいます。』

【関連twitter】https://twitter.com/boku_haka

『とある科学の超電磁砲[第3期]』

【公式サイト】http://toaru-project.com/railgun_3/

『俺を好きなのはお前だけかよ』

【公式サイト】https://oresuki-anime.com/

『ゆるキャン△[第2期]』

【公式サイト】http://yurucamp.jp/

『シキザクラ』

【公式サイト】https://www.ctv.co.jp/shikizakura/

『ご注文はうさぎですか?[第3期]』

【公式サイト】http://www.gochiusa.com/

『ドロヘドロ』

【関連YouTube】https://youtu.be/8yrNYhhZKqQ

『この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる』

【関連サイト】https://promo.kadokawa.co.jp/oretueee/

『ダーウィンズゲーム』

【公式サイト】https://darwins-game.com/

『ツキウタ。THE ANIMATION 2』

【公式サイト】http://www.tsukiani.com/

『白猫プロジェクト』

【関連サイト】https://colopl.co.jp/shironekoproject/

『EX-ARM エクスアーム』

【関連サイト】https://shonenjumpplus.com/episode/10833519556325021960

『ハイキュー!![新シリーズ]』

【公式サイト】http://www.j-haikyu.com/anime/

『理系が恋に落ちたので証明してみた。』

【公式サイト】https://rikekoi.jp/

『虚構推理』

【公式サイト】https://kyokousuiri.jp/

『まちカドまぞく』

【公式サイト】http://www.tbs.co.jp/anime/machikado/

『インフィニット・デンドログラム』

【公式サイト】http://www.dendro-anime.jp/

『小林さんちのメイドラゴン[2期]』

【関連サイト】http://webaction.sakura.ne.jp/maidragon/pc.html

『プリンセスコネクト! Re:Dive』

【公式サイト】https://anime.priconne-redive.jp/

『うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。』

【公式サイト】http://uchinoko-anime.com/

『異常生物見聞録』

【公式サイト】http://ijouseibutsu.com/

『恋する小惑星』

【公式サイト】http://koiastv.com/

『転生したらスライムだった件[第2期]』

【公式サイト】http://www.ten-sura.com/

『フラグタイム』

【公式サイト】https://frag-time.com/

『超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!』

【公式サイト】http://choyoyu.com/

『継つぐもも』

【公式サイト】http://tsugumomo.com/

『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。[第3期]』

【公式サイト】http://www.tbs.co.jp/anime/oregairu/

『ノー・ガンズ・ライフ』

【公式サイト】http://nogunslife.com/

『厨病激発ボーイ』

【公式サイト】http://chubyou.net/

『本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません』

【公式サイト】http://booklove-anime.jp/

『地縛少年花子くん』

【関連twitter】https://twitter.com/hanakokun_info

『八男って、それはないでしょう!』

【公式サイト】http://hachinan-anime.com/

『異世界チート魔術師』

【公式サイト】http://isekai-cheat-magician.com/

『グレイプニル』

【公式サイト】http://gleipnir-anime.com/

『約束のネバーランド[第2期]』

【公式サイト】https://neverland-anime.com/

『プランダラ』

【公式サイト】http://plunderer-info.com/

『number24』

【公式サイト】https://number24-anime.com/

『テンカウント』

【公式サイト】https://10count-anime.com/

『はたらく細胞[第2期]』

【公式サイト】https://hataraku-saibou.com/

『アフリカのサラリーマン』

【公式サイト】http://afusara.com/

『Re:ゼロから始める異世界生活[第2期]』

【公式サイト】http://re-zero-anime.jp/tv2/

『アズールレーン』

【公式サイト】https://azurlane-anime.jp/

『おちこぼれフルーツタルト』

【関連サイト】http://www.dokidokivisual.com/magazine/carat/

『装甲娘戦機』

【関連サイト】http://soukou-musume-senki.com/

『放課後ていぼう日誌』

【関連サイト】https://teibotv.com/

第155回 心の内側から溢れてくるものを 〜花より男子〜

 腹巻猫です。今年の7月、シカゴで開催される「G-FEST」(ゴジラと怪獣映画の祭典)の期間中にゴジラのオーケストラコンサートを開催するためのクラウドファンディングが進行中です。コンサート1部では伊福部昭と佐藤勝のゴジラの曲を、2部では大島ミチルが作曲したゴジラの音楽を大島ミチル自身の指揮で演奏する企画。「もしゴジラがシカゴに上陸したら?」との想定で大島ミチルが書き下ろす新曲も世界初演奏されるそうです。
 ああ、聴きに行きたい! でも遠い!
 そんな人のためにコンサートライブ音源のダウンロードやCDのリワードも用意されているので、ゴジラファン、大島ミチルファンの方はチェックしてみてください。プロジェクトは4月20日まで。

https://www.kickstarter.com/projects/kaijucrescendo/kaiju-crescendo/


 当コラムでも大島ミチルの作品を取り上げたことがある。ビッグバンドを取り入れた『Project BLUE 地球SOS』(2006)だ。
 しかし、大島ミチルの真骨頂は管弦楽を駆使した華麗でメロディアスな音楽。今回は、そんな大島ミチル・サウンドの魅力が堪能できる作品をあらためて紹介したい。

 1996年9月から1997年8月まで放送されたTVアニメ『花より男子』である。神尾葉子が「マーガレット」(集英社)に連載した少女マンガを東映動画(現・東映アニメーション)が映像化した。
 のちに実写ドラマ化、実写劇場化され、韓国でもリメイクされた人気作品。今、『花より男子』といえば、井上真央が主演したドラマ版(2005、2007)を思い出す方が多いかもしれない。
 アニメ版は日曜朝8時半から、朝日放送・テレビ朝日系で放送された。この時間帯は『とんがり帽子のメモル』(1984)から現在の『プリキュア』シリーズまで連綿と続く伝統の東映アニメ枠。本作に先立つ『ママレード・ボーイ』(1994)、『ご近所物語』(1995)は少女向けのちょっと背伸びした恋愛もので、本作を含めて「トレンディアニメ3部作」と呼ばれたとか。筆者も朝からもぞもぞするような気分で観ていたことを思い出す。
 富裕層の子女が通う英徳学園高校に入学した庶民の娘・牧野つくしと学園を牛耳る男子4人組=F4との対立と友情と恋愛を描くストーリー。持ち前の正義感と反骨心からF4に宣戦布告するつくしのキャラクターが痛快な作品だ。
 つくしは、大島ミチルがのちに手がけるTVドラマ「ショムニ」(1998)や「ごくせん」(2002)、劇場アニメ『はいからさんが通る』(2017)の主人公たちにも通じるキャラクター。元祖・大島ミチル・サウンドが似合うヒロインだ。
 本作の音楽には思い切った趣向が採用されている。スタッフは「クラシック音楽でやってみたい」と希望したそうなのだ。
 この場合の「クラシック音楽」とは、ドラムス、エレキベース、エレキギターといったポップスのリズムセクションやシンセサイザーを含まない、古典的なオーケストラ音楽という意味。アニメ音楽ではオーケストラを使っていてもシンセやリズムセクションと共演するスタイルがほとんどで、生楽器のみによる正統派オーケストラ音楽は珍しい。作曲家にとっても演奏者にとっても、高い技量を要求されるスタイルである。
 映像音楽でオーケストラ音楽といえば、「スター・ウォーズ」のような大編成の音楽を連想する。が、『花より男子』の場合はちょっと違う。求められたのはスケール感よりも上品さ、優雅さだ。英徳学園のハイソな雰囲気とつくしをめぐるロマンティックな恋愛模様を描くために、古典的なスタイルのオーケストラ音楽が採用されたのだろう。  学園恋愛ものというとポップで軽快な音楽もほしくなるところだが、そこは主題歌に譲り、本編に流れるのは優美な管弦楽曲。この音楽によって、日曜朝のアニメにエレガントで大人びたムードがただよう。大島ミチルの音楽は、「ちょっと背伸びしたラブストーリー」になくてはならない要素だったのだ。
 サウンドトラック・アルバムは「変奏曲集『花より男子』〜サウンドトラックアルバム〜」のタイトルでバンダイミュージック系のエアーズから1996年12月に発売された。
 「変奏曲集」というタイトルが独特だ。70年代から「交響組曲」「交響詩」と冠されたアニメ音楽アルバムはあったが、「変奏曲集」と名づけられたものは寡聞にして他に知らない。本作の音楽の特徴を表現するとともに、「ありきたりの音楽にしない」というスタッフの意気込みが伝わってくる。
 収録曲は以下のとおり。

  1. メインテーマヴァリエーション(1)ドラマティックに
  2. 変奏曲(1)「つくしのテーマ」
  3. 間奏曲(1) 不安〜緊迫〜怒り
  4. 変奏曲(2)「道明寺司のテーマ」
  5. メインテーマヴァリエーション(2)あたたかく優しく
  6. アルビノーニ/アダージョ(恋のテーマ(1))
  7. 間奏曲(2) いじめ〜だんだんと激しく
  8. 変奏曲(3)「花沢類のテーマ」
  9. G.マーラー/アダージェット交響曲第5番第4楽章(恋のテーマ(2))
  10. メインテーマヴァリエーション(3)明るく

 「変奏曲集」と銘打つだけに、構成もクラシックのアルバムみたいである。
 主題歌は収録されず、全曲インストゥルメンタルでまとめられている。サウンドトラック・アルバムはストーリーを意識して構成することが多いが、本アルバムは楽曲のモチーフ(テーマ)に着目した構成。じっくりとメロディとアレンジを味わいながら聴きたい。

 「メインテーマヴァリエーション」と名づけられた3曲は、主題歌「普通の日曜日に」のアレンジ曲。
 アルバムの開幕を飾る「(1)ドラマティックに」(トラック1)はピアノとストリングス、木管をメインにした華やかなアレンジ。最終話ラストの道明寺司とつくしの旅立ちのシーンに(主題歌が流れる直前まで)流れた曲だ。
 中間部に配された「(2)あたたかく優しく」(トラック5)はピアノ・ソロによる変奏。第17話「やっとつかまえた」の冒頭で司がつくしを抱き上げて歩く場面などに使われていた。
 「(3)明るく」(トラック10)は勢いのある軽快なアレンジ。希望に向けて駆け出すイメージの、アルバムの締めくくりにふさわしい曲である。

 変奏曲(1)「つくしのテーマ」、変奏曲(2)「道明寺司のテーマ」、変奏曲(3)「花沢類のテーマ」の3曲が本アルバムのメインとなるトラック。各曲の演奏時間は6分以上と聴き応えたっぷり。それぞれ、キャラクターテーマのバリエーションをメドレーにした構成になっている。複数のBGMを集めたトラックととらえることもできるが、ここは、クラシック音楽でいう「テーマとその変奏」形式の楽曲として聴くべきだろう。
 トラック2「つくしのテーマ」はユーモラスな雰囲気もある愛らしく軽やかなメロディ。舞踏会の音楽のような華やかな演奏から、ストリングスによるしっとりした変奏、フルートによる優しい変奏、クラリネットと弦合奏による明るくはずんだ変奏へと展開する。つくしのキャラクターに沿った、高揚感たっぷりのトラックだ。
 トラック4「道明寺司のテーマ」では、トランペットを中心にしたシリアスな曲調でテーマが提示される。続いて、木管と弦合奏によるユーモラスな変奏で司の別の一面を描写。オーボエとハープ、弦楽器による変奏で一途な恋心を表現したあと、オーケストラによるダイナミックな変奏になる。最後に再びユーモラスな変奏に戻って終わり。司というキャラクターの多面性が音楽で表現されている。
 トラック8「花沢 類のテーマ」は、類がバイオリンを弾くという設定から「ロマンティック・ヴァイオリン・コンチェルト」として作曲された(大島ミチルによるライナーノーツより)。ハープをバックにバイオリンが歌うファンタジックな導入から始まる。バイオリン・ソロをたっぷり聴かせながら、弦合奏をともなったパセティックな変奏が続き、最後は希望的な変奏で締めくくられる。本アルバムのハイライトと呼べる曲である。
 「間奏曲(1)」(トラック3)と「間奏曲(2)」(トラック7)は心情描写曲や状況描写曲をメドレーにしたトラック。「間奏曲」というタイトルがこだわりを感じさせる。本アルバムの中でもサントラらしい曲が集まったトラックだ。恐怖やいじめを描写する音楽は緊迫したサスペンス音楽として書かれていて、のちのゴジラ映画音楽をほうふつさせるのが個人的に楽しい。
 本アルバムには既成のクラシック曲も2曲収録されている。オルガンと弦合奏による「アルビノーニのアダージョ」(トラック6)とマーラーの「アダージェット」(交響曲第5番第4楽章)(トラック9)である。
 マーラーの「アダージェット」は劇場作品「ベニスに死す」のテーマ曲として記憶する人も多いだろう。この曲は第17話で司とつくしがキスをする場面に流れた曲。まさしく「恋のテーマ」と呼ぶにふさわしい曲だ。
 こうしたクラシック曲と大島ミチルの音楽とが違和感なく共存しているのが、本アルバムのすごいところである。

 大島ミチルは本アルバムのライナーノーツにこう書いている。
 「音楽は何時の時代でも形式やスタイルが最初ではありません。(中略)心の内側から溢れてくるものを、音という言葉で表現したものが音楽ではないでしょうか」
 クラシックの形式を借りて、あるいは、アニメ音楽の枠を借りて、大島ミチルが自らの音楽を奏でたのが『花より男子』ではなかろうか。サントラではなく音楽作品と呼びたいエレガントな1枚である。

変奏曲集「花より男子」〜サウンドトラックアルバム〜
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アニメ様の『タイトル未定』
200 アニメ様日記 2019年3月24日(日)

2019年3月24日(日)
日曜だけど、例によって事務所で作業。日曜は作業をしようと思ってもなかなか進まないことが多いのだけど、今日はかなり捗った。体調もいいし、頭もスッキリしている。いつもこんな感じだったらよいのだけれど。

2019年3月25日(月)
ライターさんにまとめてもらった取材原稿が猛烈に面白くて、直すところもあまりなかった。半日スケジュールが浮いた。Echo Dotに向かって「アレクサ、戦闘開始!」と言ったら「平和な世界が好きです」と返された。午後は「アニメスタイル インタビューズ01」の取材。「インタビューズ01」の取材はこれが最後のはず。事前に質問状を提出しなかったインタビューは久しぶり。

2019年3月26日(火)
『彼氏彼女の事情』のBlu-ray BOXのサンプルが届く。ありがとうございます。解説書がかなり充実している。映像は仕事が落ち着いたところでチェックしたい。ここにこっそり書いておくけど、『彼氏彼女の事情』をBlu-ray BOX化しようと言い出したのは僕だったはず。大月俊倫さんがキングレコードにいらした頃だから、随分前だ。その時の企画がそのまま進んで、このパッケージになったわけではないと思うけど。
インターネットのBOOTHというサービスで、おてんばベッキーこと川島よしおさんの『グルームパーティー』の原稿が販売されていた。数枚まとめて5000円。うわあ、安いなあ。「グルームパーティー」は好きなマンガだった。1セットを注文する。

2019年3月27日(水)
BOOTHでは、ふくやまけいこさんの原稿販売もあった。気になっていたのだけど、起きてネットを見たら完売していた。原稿をまとめるにあたって確認したいことがあって、『名探偵コナン』の437話「上戸彩と新一 4年前の約束」を観る。上戸彩さんが演じたのは、自身をモデルにしたキャラクターだった。劇中の上戸彩さんは、以前から新一や蘭と知り合いという設定。午後はあるアニメプロダクションに行って資料を山ほどお借りする。
「グルームパーティー」の原稿が届いた。昨日注文したばかりなのに。マンガの生原稿は、アニメの原画とはまた違った存在感があるなあ。原稿用紙の端にペンの試し描きの跡があり、それが生々しい。

2019年3月28日(木)
片づけなくてはいけないことが山のようにあった日。

2019年3月29日(金)
午前3時に起きて、午前4時に事務所に。朝の散歩(とポケモンGOのレイド)を挟んで午前11時までデスクワーク。昼から三鷹方面で打ち合わせ。ササユリカフェの「劇場版『若おかみは小学生!』ができるまで展」をのぞいて、西武池袋本店の「TVアニメ『BANANA FISH』原画展覧会」に寄って、事務所に戻って、倉庫の片づけの様子を確認して、その後はキーボードを叩く。この日はずっと働いてくれていたアルバイトさんの最後の出勤日だった。来週の月曜からは社会人だ。アルバイトさんは何ヶ月もかけて、倉庫の片づけをしてくれた。
この日のWOWOWシネマは、19時15分の『ドラゴンボールZ 復活の「F」』に始まって『リズと青い鳥』、『ガールズ&パンツァー 最終章』第1話、『あさがおと加瀬さん。』『傷物語〈I鉄血篇〉』『傷物語〈II熱血篇〉』『傷物語〈III冷血篇〉』と続く。凄いプログラムだ。

2019年3月30日(土)
午前4時くらいに事務所へ入ったら、WOWOWシネマで『傷物語〈III冷血篇〉』を放映していた。この時間に相応しい無茶苦茶なテンション。昼間はずっと原稿作業。

第157回アニメスタイルイベント
アニメ様のイベント 語りまくり編

 今年も5月にアニメ様イベントを開催する。アニメ様とは本誌編集長である小黒祐一郎のニックネームだ。開催日は5月1日(水・祝)で、イベントタイトルは「第157回アニメスタイルイベント アニメ様のイベント 語りまくり編」。小黒が語りたい内容をひたすら語るイベントとなる。

 第1部では小黒が好きな「ある作品」について語る予定だ。第2部もアニメ作品やアニメ雑誌について話をする。マンガ家としても活躍しているアニメーターのサムシング吉松(吉松孝博)も出演する。

 今までのイベントと同様に、トークの一部を「アニメスタイルチャンネル」で配信する。前売り券は4月13日(土)から発売開始。詳しくは、以下にリンクした阿佐ヶ谷ロフトAのページを見てもらいたい。

■関連リンク
アニメスタイルチャンネル
https://ch.nicovideo.jp/animestyle

阿佐ヶ谷ロフトA
https://www.loft-prj.co.jp/schedule/lofta/115837

第157回アニメスタイルイベント
アニメ様のイベント 語りまくり編

開催日

2019年5月1日(水・祝)
開場12時00分 開演13時00分 

会場

阿佐ヶ谷ロフトA

出演

サムシング吉松、小黒祐一郎(司会)

チケット

前売1500円 当日1800円(共に飲食別・要1オーダー)

■アニメスタイルのトークイベントについて

 会場となる阿佐ヶ谷ロフトAはトークライブができる居酒屋。入場料(今回は前売1500円、当日1800円)とは別に飲食(最低でもドリンク1杯)をお願いしている。ソフトドリンクもあるので、未成年の方でも大丈夫。 アニメスタイル編集部が開催する一連のトークイベントは、イベンターによるショーアップされたものとは異なり、クリエイターのお話、あるいはファントークをメインとする、非常にシンプルなものだ。出演者のほとんどは人前で喋ることに慣れていないし、進行や構成についても至らないところがあるかもしれない。その点は、あらかじめお断りしておく。

第606回 作画と仕事と快感

1日集中して「画をたくさん描く」と職人としてえも言われぬ快感に満ちまくります! 今、そんな毎日!

 それは作画に限らず、コンテも同様。自分は基本「画を描くのはA4サイズ1枚で30分、かけても1時間で」を目安にしてます。もちろん考える時間は必要なので、モノによると言えばモノによりますが、1枚30分を念頭に置くのとそうでないのとでは1日の生産量は確実に違うので、社内のアニメーターにもそれを促しています。例えば30分で1枚描けると、単純計算で動画なら10数枚、原画なら普通の芝居の場合1日1カット、止め口パクなら4〜5カット描けるわけ。コンテでも1日10数ページ描ければ、1週間から10日で1本(1話分)描くことができます! で、本日はレイアウト(背景原図)12カットを出したあと、次のコンテに入り、さらにこの原稿を描き上げて帰る。まあ決して手が速いとは言えませんが、まだ集中力はあると思うし、

目いっぱいの集中力で画を描くのってやっぱり楽しいのです!

 ホント集中してる時って、声をかけられるだけで

と社内に響き渡るほどの驚天動地な狼狽を見せる板垣です。スタッフもびっくりしてしまうでしょうが、その際いちばん焦ってるのは確実に俺ですから。

やっぱり夢中になって仕事する快感がある限り、続けたいアニメ作り!

 あ、そう言えばこないだ取材(インタビュー)を受けた「アニメージュ」発売してるのか、もう。興味のある方はどうぞ〜。今週もこんなんですみません。来週はもう少し長く書きます。

アニメ様の『タイトル未定』
199 アニメ様日記 2019年3月17日(日)

2019年3月17日(日)
昼間は、ワイフと缶ハイボールを片手に公園へ。芝生の上をゴロゴロする。珍しく日曜日らしいひととき。夜はLOFT/PLUS ONEでトークイベント「第155回アニメスタイルイベント 平松禎史 デザインの話・彼氏と彼女の話」を開催。事前に告知していた出演者が平松禎史さん、大塚雅彦さん、黒柳トシマサさん。それに加えて、シークレットゲスト、飛び入りゲストがあり、最終的に僕を含めて出演者が9人となった。実は開催の1週間前には「出演者が少なくてちょっと寂しいイベントになるかも」と思っていた。人数が増えたところで、僕がやるべきことはタイムキープである。普段のアニメスタイルのトークイベントだと、話を転がしてトークを膨らませていくところを、サクッと切り上げる。その一方で、ステージに上がった人に満遍なく喋ってもらえるように段取りを考える。結果として、盛り沢山で華やかなイベントになったのではないかと思う。自分の中では「LOFT/PLUS ONE的なイベント」と「Asagaya / Loft A的なイベント」がある。LOFT/PLUS ONEで開催したからといって、「LOFT/PLUS ONE的なイベント」になるとは限らないのだ。今回はLOFT/PLUS ONE的なイベントになったと思う。話は前後するが、平松さんに早めに会場に入ってもらって、「平松禎史 アニメーション画集」 と「平松禎史 SketchBook」にサインを入れていただいた。物販も好調であった。

2019年3月18日(月)
「アニメスタイル インタビューズ01」の取材。この方にインタビューをするのは27年ぶりくらいのはず。と思っていたら、こちらから切り出す前に「30年ぶりですね」と言われた。

2019年3月19日(火)
疲れがたまっていたので(翌日、風邪の引き始めだったことが分かった。最近、このパターンが多い)、半休にして昼間から自宅で横になる。窓を開けて部屋に風を入れ、Echo Dotに波の音を再生してもらう。海の近くのホテルで休んでいるという設定なのである。と書いていて、ちょっと悲しくなってきた。Netflixの「ラブ、デス&ロボット」を観始める。スタイルが多彩でぼんやりと映像を眺めているだけで楽しい。それから、夏に出す書籍のひとつが決まった。
タイトルを書かなくても、推理小説に詳しい人なら分かると思うが、ある有名な推理小説を「スマホ+Kindle」のセットで、移動時にちまちまと読んでいる。先週末に読んだ部分で、物語の途中で登場人物が「我々は推理小説の登場人物だ。言い訳などせずに、高貴な態度で登場人物であることに徹しよう」という意味のセリフを言い出した。20代の頃に「登場人物が、自分は推理小説の登場人物だ」と言い出す小説について、何かの本で読んだ。それがこれだったのか。トンデモ発言ではあるのだけれど、意外と作品のテイストに合っているというか、流れとしてはしっくりくる感じだった。

2019年3月20日(水)
Netflixで、ドラマ「チャンネルはそのまま」を観る。これは面白い。よくできている。事務所の倉庫から文庫本が入った段ボール箱が発掘されたので、アニメージュ文庫をラックに並べてみた。それなりの量があるけど、まだこれで全部ではないなあ。とりあえず「日本アニメーション映画ポスター史」の下巻を見つけたい。

2019年3月21日(木)
祭日。仕事の合間に『KING OF PRISM -Shiny Seven Stars- I プロローグ×ユキノジョウ×タイガ』を新宿バルト9で観る。応援上映だった。同行者がペンライトを持ってきてくれたので、生まれて初めてペンライトを振った。応援上映が今回のプログラムの初見だったので正確に比較はできないのだけど、おそらくは応援のおかげで面白さ倍増。今後も応援上映で観たいと思った。

2019年3月22日(金)
「アニメスタイル インタビューズ01」のテキスト作業が進む。

2019年3月23日(土)
「アニメスタイル インタビューズ01」のテキスト作業が進む。ライターさんと打ち合わせ。

第605回 『コップクラフト』のコンテ

『コップクラフト』鋭意制作中!!

 また日々コンテに追われる毎日。今週6話、来週7話、再来週8話、その間OPとEDのコンテも切ります。ちなみに公開されてるPVは、1話と2話からの抜粋。社内で育った若手の演出・アニメーターが必死に頑張ってくれたので、とてもいい仕上がり!

 とにかく今の目標は、一刻も早くコンテを全話終わらせて作画に参戦したい、ということ。まあ、毎作コンテをなるべく多く描くスタンスは、初監督作品『BLACK CAT』(2005〜6年)の頃から一貫してて、どの監督作も全体の半分以上はコンテを切ってきました。最近はありがたいことに、プロデューサーや委員会方面から「監督にはたくさんコンテを描いてほしい!」と言っていただけるようになったので、監督をやるのが楽しくなってます! でも作画も大好きなので「コンテ終わったらやります!」と言いつつ、5月末からは次のシリーズのコンテに入らなきゃならないという。次回は作画の話(予定)!

第154回 大胆で繊細で官能的 〜パタリロ!〜

 腹巻猫です。4月12日(金)19時より神保町・楽器カフェにてサントラ・トークイベント・サントラさんの帰還を開催します。出演・貴日ワタリ、早川優、腹巻猫、ゲスト・不破了三。お気に入りのサントラや作曲家について、音楽を流しながらゆるく熱く語るイベントです。お時間ありましたら、ぜひご来場ください。詳細・予約は下記よりどうぞ。
https://gakki-cafe.com/event/20190412/
(予約ページが表示されないときは、一度前のページに戻って再表示してみてください)


 声優の白石冬美さんが亡くなった。シリアスな役や元気な少年少女役もうまかったが、筆者が印象深いのは初代怪物くん(『怪物くん』[1968])をはじめとする人間離れしたキャラクター。動物や宇宙人やロボットや赤ん坊などを愛らしくパワフルに演じて命を吹きこんだ、他に代えがたい声の持ち主だった。あの声がもう聴けないと思うと本当に悲しい。
 今回は哀悼の意を込めて、代表作のひとつ『パタリロ!』を取り上げたい。
 『パタリロ!』は魔夜峰央の同名マンガを原作にしたTVアニメ。東映動画(現・東映アニメーション)の制作で、1982年4月から1983年5月まで全49話が放映された(第21話から『ぼくパタリロ!』に改題)。放映終了後の1983年7月に劇場版『パタリロ! スターダスト計画』が公開されている。
 主な舞台は常春の国・マリネラ王国。10歳の若さでマリネラ国王となったパタリロ・ド・マリネール8世を主人公に、妖しいキャラクターが次々と登場して騒動を巻き起こすギャグアニメだ。ギャグ仕立てとはいえ、少年愛(同性愛)が堂々と取り上げられており、当時としてはかなり思い切った企画だったはずだ。スタッフは原作の絵柄やテンポ感をうまく再現し、独特の世界をみごとにアニメ化している。
 声の出演も、パタリロ役の白石冬美をはじめ、美少年キラーの異名を持つボディガード・バンコラン役の曽我部和行(和恭)、美少年の暗殺者マライヒ役の藤田淑子ら、芸達者ぞろいでいずれもはまり役。サブキャラクターや各回のゲスト声優も豪華だった。音だけ聴いても充分楽しめる。主役3人の声優がみな鬼籍に入ってしまったのが残念でならない。
 と書いているが、実は放映当時はこの作品の面白さがよくわからなかった。ギャグで薄まってはいるけれど、ちょっと耽美で背徳の香りがする。今観ても、マニアックで視聴者を選ぶタイプの作品だと思う。しかし、設定や雰囲気になじむと、この世界が心地よくなり、はまってしまう。中毒性のある作品だ。

 音楽は『銀河鉄道999』の青木望。これがまたすばらしかった。
 青木望といえばストリングスを使った抒情的な音楽が持ち味。いっぽうで、歌謡曲やフォークソング、ニューミュージックの分野ではリズムセクションを生かしたモダンでカッコいいアレンジをたくさん手がけている。クラシックをルーツにしながら学生時代はバンドを組んでいたという青木望の音楽性は幅広く、『銀河鉄道999』でも第3回録音分の楽曲はジャズコンボ・スタイルのジャズっぽい曲やロック調の曲が多いのである。
 『パタリロ!』の音楽は『銀河鉄道999』とは異なるスタイルで書かれている。本作にクラシック風の華麗な音楽をつける選択もあったと思うが、青木望はそうはしなかった。ストリングスをほとんど使わず、バンド+小編成のオケでクロスオーバー・サウンドを思わせるセンスのよい音楽を提供している。
 特徴的なのは、ギャグアニメなのにギャグっぽい音楽がないこと。コミカルな曲やドタバタした曲はほとんどなく、映画音楽やクラシック曲のパロディっぽい曲があるくらい。耳に残るのは、美少年がらみのシーンに流れる官能的な美しい音楽である。
 また、本作はミステリー仕立てのエピソードが多く、ほどよい緊張感を生むサスペンス曲やパタリロが推理をめぐらす場面の「ピンクパンサー」風のミステリー曲も記憶に残る。
 全体にエレピやフルート、サックスなどがリードするしゃれた曲が多く、60〜70年代のヨーロッパ映画音楽のような味わいがある。この音楽もまた、『パタリロ!』の魅力の重要な要素だ。
 本作の音楽アルバムは、放映当時、キャニオンレコードから3枚発売されている。主題歌・挿入歌と新録ミニドラマで構成された「パタリロ! PATALLIRO TV SHOW」(1982年7月発売)、主題歌とBGMで構成された「ぼくパタリロ! PATALLIRO TV SHOW 2」(1982年11月発売)、以上2枚のアルバムからの抜粋+未収録BGMで構成された「ぼくパタリロ! 音楽総集編 PATALLIRO MUSIC TV SHOW」(1983年4月発売)である。アニメ『パタリロ!』のアルバムとしては、他に劇場版サントラ「パタリロ! スターダスト計画 完全収録オリジナル・サウンドトラック」(1983年発売)があった。
 キャニオンレコードは当時アニメ音楽に本格参入したばかり。『1000年女王』『うる星やつら』「世界名作劇場」などの音楽アルバムを発売していたが、アルバムによってできばえに差があり、まだまだ試行錯誤という時期だった。
 しかし、『パタリロ!』のアルバムは秀逸である。構成や曲タイトルに作品への愛情が感じられるのだ。特に3枚目の「MUSIC TV SHOW」はよく練られた構成で、1枚のアルバムとして完成度が高い。のちに東芝EMIから「懐かしのミュージッククリップ(34) パタリロ!」というCDアルバムが発売されるが、オリジナル・アルバムには及ばない内容だった。そのことはあとで触れるとして、今回は「ぼくパタリロ! 音楽総集編 PATALLIRO MUSIC TV SHOW」を紹介しよう。
 収録曲は以下のとおり。

A面

  1. 「パタリロ!」(歌:藤本房子)
  2. スーパーキャット参上
  3. マリネラ国歌
  4. パタリロライフ1
  5. パタリロライフ2
  6. フンニャの大テーマ
  7. マリネラ・サンセット2
  8. サスペンスA
  9. しのびよる影
  10. パタリロ危うし!
  11. バンコラン登場
  12. 「薔薇の戦士」(歌:曾我部和行)
  13. ショック1
  14. 英国情報部MI6
  15. 愛は永遠に
  16. マライヒ幻想
  17. 哀愁のマライヒI
  18. 哀愁のマライヒII
  19. 「Smoky Violet〜マライヒの愛〜」(歌:藤田淑子)
  20. アイ・キャッチャー

B面

  1. ドリーム・オン・ドリーム
  2. 忠誠の木
  3. 古代の響き
  4. 蝶の舞い
  5. タイムトリップC
  6. タマネギ飛行
  7. 「輝け!タマネギ部隊」(歌:スラップスティック)
  8. サスペンスB
  9. 空を駆けるプラズマX
  10. 翔べ!プラズマX
  11. プラズマララバイ
  12. プララへの愛
  13. 悲しみこらえて
  14. 「美しさは罪」(歌:竹田えり)
  15. 出逢いの喜び
  16. ジ・エンド
  17. 「クックロビン音頭」(歌:スラップスティック、白石冬美)
  18. パタリロより愛をこめて
  19. アイ・キャッチャー

 主題歌・挿入歌6曲とBGM32曲を収録したボリュームたっぷりの内容。2枚目のアルバムは主題歌2曲とBGM14曲の全16曲入りだったので、曲数は倍以上になっている。
 オープニング主題歌「パタリロ!」と前期エンディング主題歌「美しさは罪」は、伊藤薫の作詞・作曲。1枚目のアルバムのインナーに掲載された籏野義文プロデューサーのコメントによれば、エンディングはすんなり決まったものの、オープニングは難航したという。今となっては2曲とも『パタリロ!』にはこの曲しかないと感じられるほどなじんでいる。
 BGMパートは短いファンファーレ「スーパーキャット参上」から始まる。パタリロの親友猫・スーパーキャットの登場シーンに流れた曲である。この曲と次の「マリネラ国歌」がパタリロ・ワールドへの導入の役割を果たしている。
 「パタリロライフ1」「パタリロライフ2」はいずれもパタリロのテーマ。曲だけ聴いたらパタリロの曲とは思えないような、AOR風のしゃれた曲である。本編ではパタリロの気ままな日常やエピローグに流れることが多かった。
 「マリネラ・サンセット2」は抒情的な情景描写曲。「2」とあるのは、2枚目のアルバムに「マリネラ・サンセット」という曲があるから。
 「サスペンスA」「しのびよる影」「パタリロ危うし!」とサスペンス系の曲が続いたあと、いよいよバンコラン登場となる。
 バンコランのテーマの短いアレンジ「バンコラン登場」に続くのは、曽我部和行が歌う「薔薇の戦士」。森雪之丞作詞・作曲によるバンコランのキャラクターソングである。
 曽我部和行はキャニオンレコードからデビューした声優バンド・スラップスティックのメンバーだった(担当はリードギター)。一部の曲のヴォーカルも担当していたので歌はお手のもの。『パタリロ!』の歌には他にもスラップスティックが参加したものがある。
 「英国情報部MI6」はバンコランが所属する情報機関のテーマ。MI6は英国に実在する情報機関で、007/ジェームズ・ボンドが所属する組織としても有名。本曲も「ジェームズ・ボンドのテーマ」を彷彿させる曲調になっている。
 アコースティック・ギターとエレピをバックにフルートとサックスがロマンティックな旋律を奏でる「愛は永遠に」を挟み、本作の3人目の主役ともいうべきマライヒが登場する。
 「マライヒ幻想」はストリングスとエレキギターが交代でメロディを奏でるマライヒのテーマ。往年のハリウッド映画音楽を思わせる美しく上品な曲である。
 「哀愁のマライヒI」では同じメロディのマイナーアレンジが女声スキャットとストリングスで演奏される。まるでフランシス・レイかミシェル・ルグランかと言いたくなる、妖しくも官能的な曲だ。「哀愁のマライヒII」は同じ旋律のストリングス主体の変奏曲。ゴージャスなストリングス・アレンジが聴ける青木望らしい曲である。
 マライヒのテーマ曲は、マライヒのみならず、広く美少年のテーマとして、ほぼ毎回のように本編で使われていた。
 そして、マライヒ役の藤田淑子が歌うキャラクターソング「Smoky Violet〜マライヒの愛〜」(作詞・冬杜花代子、作曲・青木望)。
 CBS・ソニーから歌手デビューもしていた藤田淑子の歌のうまさはいまさら言うまでもない。アニメソングでは少年の声で歌う曲が多かったが、ここでは大人の女性(役は美少年だが)の声で、シティポップ風の曲を甘く歌い上げている。もう、「藤田淑子サマ素敵!」と言うほかない。第23話「殺しのライセンス」ではレコード・バージョンとは異なるピアノ弾き語りバージョンが流れる。かなうなら、いつの日か商品化してほしい音源である。
 「クックロビン音頭」をアレンジしたアイキャッチ曲「アイ・キャッチャー」でA面は終了。A面はパタリロ、バンコラン、マライヒに焦点を絞った、『パタリロ!』の濃厚な世界にひたれる内容だった。
 B面はバラエティに富んだ、動きのある曲が多い構成である。
 フルートが優雅に歌う「ドリーム・オン・ドリーム」を導入に、第28話「忠誠の木ものがたり」や第37話「ベルサイユのヒマワリ」で使われたバロック風の「忠誠の木」、エキゾティックな「古代の響き」、和風の「蝶の舞い」、SF的な「タイムトリップC」と時空を超越したパタリロ・ワールドを彩る楽曲が並ぶ。
 トラック6「タマネギ飛行」はパタリロに仕えるタマネギ部隊の活躍をイメージした曲。ワーグナーの「ワルキューレの騎行」を思わせるヒーロー音楽風の曲である。
 タマネギ部隊はみな同じ顔をしていて、タマネギみたいなヘアスタイルとメガネ、ひし形に開いた口が特徴。だが、実はそのビジュアルは変装で、素顔はみな美青年・美少年であることが第18話「輝けタマネギ!」で明かされる。その第18話のラストシーンに流れたのがスラップスティックが歌う「輝け!タマネギ部隊」。森雪之丞が作詞、森田公一が作曲を担当している。明るいマーチ風の曲調が楽しい1曲だ。
 メカニカルなサスペンス曲「サスペンスB」を挟み、パタリロが作ったスーパーロボット・プラズマXがらみの曲を集めたコーナーに入る。
 ティンパニロールとファンファーレから始まる「空を駆けるプラズマX」は軽快な曲調のプラズマXのテーマ。第21話「超(スーパー)ロボット・プラズマX」でプラズマX活躍シーンに流れていた。
 次の「翔べ!プラズマX」はプラズマXのキャラクターソング。サタンタ(子門真人)が歌うボーカル曲として作られたが、ここでは第21話に使用されたインスト版(メロオケ)が収録されている。歌入りはアルバム1枚目に収録されているので重複を避ける意図もあったのだろう。ファンにはうれしい配慮だ。
 フルートが軽やかにメロディを歌う「プラズマララバイ」、ピアノとフルートがしっとりと奏でる「プララへの愛」、エレキギターとサックスによる哀愁の曲「悲しみこらえて」と続き、一連のプラズマXのエピソードをなぞる構成。この流れはドラマティックで、ストーリーに沿った映画音楽アルバムを聴くようだ。
 前期エンディング主題歌「美しさは罪」を配したあと、美しいストリングスの曲「出逢いの喜び」が流れる。パタリロの母エトランジュの登場場面や最終話終盤のバンコランとマライヒの場面などに流れたロマンティックな愛の曲である。短いエンディング曲「ジ・エンド」でひとまずBGMパートは終わる。
 トラック17は後期エンディング主題歌「クックロビン音頭」。劇中ではパタリロ(白石冬美)が歌っているが、レコード・バージョンではスラップスティックがメインで歌い、白石冬美が合いの手のセリフを担当している。
 これで終わるかと思いきや、最後にBGM「パタリロより愛をこめて」が流れる。フィナーレのあとのアンコールの1曲といった趣である。サックスが主旋律を担当するパタリロのテーマのジャジーなアレンジ曲。ギャグで終わらせない構成がうまい。
 籏野義文は本作の青木望の音楽を「大胆で、繊細」とコメントしている。それに「(ちょっぴり)官能的」を加えてもいいだろう。これは、とても色っぽいアルバムなのだ。
 青木望の『銀河鉄道999』とは異なる一面が発揮された代表作のひとつであり、キャニオンレコード80年代初期アニメアルバムの名盤である。

 先に触れたが、本作の音楽は1990年代に東芝EMIから発売されたCDアルバム「懐かしのミュージッククリップ(34) パタリロ!」でCD化されている。内容は、主題歌・挿入歌全8曲に2枚目と3枚目のアルバムから抜粋したBGMとTVサイズ主題歌を加えたもの。
 歌はよいとして、BGMの選曲には不満がある。収録されたBGMはわずか11曲。しかも、CDなのに収録時間は46分ほど。CDのキャパシティをもってすれば、あと約30分は収録できる。それだけあれば未収録のBGMがほぼすべて入るはずだし、劇場版『パタリロ! スターダスト計画』の主題歌2曲も収録できたはずだ。
 それなのに、BGMをわずか11曲ですましてしまうとは。せっかくのCD化の機会がもったいない。しかも、ブックレットには歌曲の編曲者のクレジットがまったくないというずさんさ(「美しさは罪」のみ中村暢之編曲で他はすべて青木望編曲)。筆者がパタリロなら担当者を逆さ吊りのムチ打ち刑にするところである。
 まあ、そんな恨みごとを言ってもしようがない。その「ミュージッククリップ」も現在は入手困難。中古市場では、『パタリロ!』のアルバムはCDよりもアナログ盤の方が手に入れやすい。再生環境がある方は、ぜひレコード盤で、優雅に、『パタリロ!』の耽美な世界を堪能していただきたい。
 常春の国・マリネラ王国に今も生きる白石冬美、藤田淑子、曽我部和行に愛と感謝をこめて。

懐かしのミュージッククリップ(34) パタリロ!
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アニメ様の『タイトル未定』
198 アニメ様日記 2019年3月10日(日)

2019年3月10日(日)
「アニメスタイル インタビューズ01」の取材で、ある録音スタジオに。この録音スタジオに来たのは、25年ぶりくらいのはず。

2019年3月11日(月)
東京アニメアワードフェスティバル2019のあるプログラムに参加する予定だったが、午前中に片づけなくてはいけない用事があって、諦める。その用事とは記事の企画書を書くことだったのだが、その企画書をメールで送って、2秒でNGになった。メールを送ったのと行き違いで、お断りのメールが来たのである(企画書を送ることは、前もって伝えてあった)。Amazonで「アニメスタイル インタビューズ01」の予約が始まった。
「アニメスタイル インタビューズ01」の表紙ラフを描くために久しぶりにiPad Proを立ち上げる。最近ではiPad Proをラフ描きにしか使っていない。夜はライターさんと打ち合わせを兼ねて飲みに行く。一人飲みはすると思うが、しばらく人と飲むのは無理だろうなあ。

2019年3月12日(火)
夏に出す書籍のためにアニメーターさんと打ち合わせ。国宝級の資料を目にする。『HUGっと!プリキュア』の再視聴を始める。

2019年3月13日(水)
ゲーム「テクテクテクテク」の終了を知る。そのうち始めようと思っていた。残念。『HUGっと!プリキュア』の視聴を続ける。4話「輝け!プリキュアスカウト大作戦!」はやっぱり出来がいいなあ。OVAみたいだ。ギャグのカットで、動きの途中にすごい画を入れてる。バスケシーンも巧い。フキダシが他キャラを回り込んでくるのも新しい。8話と9話のギャップも凄い。夕方、ある方達と、30年くらい前に編集に参加した書籍についての打ち合わせ。

2019年3月14日(木)
新文芸坐でオールナイトの打ち合わせ。お昼に池袋西武地下のお菓子売り場に行ったら、ホワイトデーのお返しを買おうとしているサラリーマンでいっぱいで、まあ、僕もその一人だったわけだが、目の前で中年のサラリーマンが新宿高野の店員さんに「ゴディバ、ある?」と訊いていたのが忘れられない。新宿高野の店員さんは冷静に「あちらでございます」とフロアの奥を手で示してた。
『HUGっと!プリキュア』の視聴を続ける。15話「迷コンビ…? えみるとルールーのとある一日」はぶっとび回。オンエアで観た時にはシリーズ中のこの話の位置づけが読めなかったなあ。16話「みんなのカリスマ!? ほまれ師匠はつらいよ」はイケてる作画のイケてる回。 21話「大暴走? えみるがなりたいプリキュア!」のラストで初代のキュアブラックとキュアホワイトが登場。本放送では驚いた。ただ、改めて観ると、各話の流れとしてはそんなにはおかしくないかも。

2019年3月15日(金)
年末以降に出す書籍のためにアニメーターさんと打ち合わせ。またまた、国宝級の資料を目にする。『HUGっと!プリキュア』の視聴を続ける。 27話「先生のパパ修行! こんにちは、あかちゃん!」も、オンエアではシリーズ中の位置づけが分からなかった。

2019年3月16日(土)
『HUGっと!プリキュア』の視聴を続ける。 大人は『HUGっと!プリキュア』を親の気持ちで観ればいいのかもしれない。ドクター・トラウムのルールーに対する気持ちがよくわかる。トラウムとルールーの親子漫才が定番化すると、えみるのセリフがなくなる。

新文芸坐×アニメスタイル セレクションvol. 114
押井守映画祭2019 第三夜《ガルム&立喰師》編

 オールナイト「新文芸坐×アニメスタイル セレクションvol. 114 押井守映画祭2019 第三夜《ガルム&立喰師》編」を4月27日(土)に開催する。「押井守映画祭」は鬼才・押井守監督の作品を上映する連続プログラムである。

 今回の「第三夜《ガルム&立喰師》編」では『ガルム・ウォーズ』『アヴァロン』『立喰師列伝』の3本を上映する。いずれもデジタル技法を駆使した斬新な映像が魅力の作品だ。
 『ガルム・ウォーズ』は構想15年のSFファンタジーであり、「押井守映画祭」では初めての上映となる。仮想戦闘ゲームをモチーフにした『アヴァロン』は押井監督の代表作とも言えるものだ。『ガルム・ウォーズ』の元になった企画(『G.R.M. THE RECORD OF GARM WAR』)が凍結された後に、企画・製作されたのが『アヴァロン』であり、この2作は因縁浅からぬ関係にある。それについては、本オールナイトのトークで押井監督によって語られることだろう。
 『立喰師列伝』は人物を撮った写真を元に作られた異色のCGアニメーション。『立喰師』という押井監督ならではのモチーフも異色だ。河森正治、石川光久といった業界関係者が出演しているのも話題のひとつだ。

 トークコーナーの出演は、押井監督と音響監督の若林和弘。前売り券は2018年3月30日(土)から、新文芸坐の窓口とチケットぴあで発売開始となる。なお、会場では黄瀬和哉描き下ろしによる「押井守映画祭2019 第三夜」のポスターを販売する。

新文芸坐×アニメスタイル セレクションvol. 114
押井守映画祭2019 第三夜《ガルム&立喰師》編

開催日

2019年4月27日(土)

開場

22時15分/開演:22時30分 終了:翌朝5時5分(予定)

会場

新文芸坐

料金

当日一般3000円、前売・友の会2800円

トーク出演

押井守、若林和弘、小黒祐一郎(司会)

上映タイトル

ガルム・ウォーズ〈字幕版〉(2014・日=加/92分/DCP)
アヴァロン(2000/106分/35mm)
立喰師列伝(2006/104分/35mm)

備考

※オールナイト上映につき18歳未満の方は入場不可
※トークショーの撮影・録音は禁止

●関連サイト
新文芸坐オフィシャルサイト
http://www.shin-bungeiza.com/

アニメ様の『タイトル未定』
197 アニメ様日記 2019年3月3日(日)

2019年3月3日(日)
日曜日ではあるけれど、事務所で作業。これから映画館で観るつもりの映画がどんどん増える。

2019年3月4日(月)
「アニメスタイル015」の記事の企画書を1本書いた。午後は 「あにめたまご2019」関係者試写会に行く。今年は『Hello WeGo!』『斗え!スペースアテンダントアオイ』『チャックシメゾウ』『キャプテン・バル』の4本。『Hello WeGo!』はコンセプトがいい。あのロボットが活躍する作品をもっと観たい。『斗え!スペースアテンダントアオイ』は手描き的な3DCGかな。技術面で可能性を感じる作品だった。『チャックシメゾウ』はアイデアがいい。『キャプテン・バル』はキャラ立ちがいい。このままTV放映できるくらい、キャラクターものとして完成している。4本とも楽しめた。

2019年3月5日(火)
「アニメスタイル015」の記事の企画書を2本書いた。夕方に吉松さんと打ち合わせ。ようやく「アニメスタイル014」を手渡す。目の前で、いしづかあつこ監督が吉松さんを褒めちぎっている記事を読んでもらった。照れまくるかと思っていたけど、その場では派手に反応してくれなくて残念(後でTwitterで「いしづか監督の吉松評がじつにこっぱずかしいのであった。」とつぶやいていた)。

2019年3月6日(水)
TAAF2019前夜祭で『ロング・ウェイ・ノース』を観る。スチールを1枚見たくらいで、ほとんど予備知識なしに観た。想像していた内容とまるで違っていたけれど、楽しめた。美術と色彩設計を含めたスタイルがよい。上映の後に、井上俊之さんと竹内孝次さんのトークがあった。リラックスムードのトークで、よい感じだった。山本崇一朗さんの新連載「それでも歩は寄せてくる」が読みたくて、週刊少年マガジンを買った。山本さんがTwitterで発表していた「将棋のやつ」を下敷きにした作品という位置づけなのだろう。単行本も出たら買おう。
それまで「アニメスタイル015」で進めていた本のタイトルを、「アニメスタイル インタビューズ01」に変更することを決めた。

2019年3月7日(木)
半額で購入できるということだったので、AmazonのEcho Dotを購入した。初めて使ってみたけど、面白い。就寝時に波の音を流すのもよさそう。池袋駅前でポケモンGOのレイドをやっていたら、目の前にいる方があるアニメーターの方にそっくり。というかご本人? レイドが終わったところで声をかけたらご本人だった。その方もレイドに参加していたそうだ。午後に「アニメスタイル インタビューズ01」のインタビュー。

2019年3月8日(金)
記事作成の参考にするために、とある会社に行って、とある作品の絵コンテを読ませていただく。帰りに、有楽町マルイで開催されていた「さよならの朝に約束の花をかざろう展」に立ち寄る。『リズと青い鳥』『若おかみは小学生!』『ペンギン・ハイウェイ』3本立てのオールナイトの告知をする。

2019年3月9日(土)
11時から「アニメスタイル インタビューズ01」の取材。午前中にインタビューがあるのは珍しいなあ。『転生したらスライムだった件』を22話まで観た。やっぱり面白い。毎回面白い。

第153回 本物か? 偽物か?〜ギャラリーフェイク〜

 腹巻猫です。サントラDJイベント・Soudtrack Pub【Mission#38】2018年劇伴大賞&メモリアルの開催が、いよいよ今週末となりました。3月23日(土)15時〜20時、蒲田studio80にて。昨年発売されたサウンドトラックと、昨年以降に亡くなった映像音楽ゆかりの音楽家を振り返ります。思い出の曲、お気に入りの曲をお持ちください。大好きだった藤田淑子さんの追悼コーナーを設けようと思っています。お時間ありましたら、ぜひおいでください。
http://www.soundtrackpub.com/event/2019/03/20190323.html


 魔夜峰央のマンガを原作にした実写劇場作品「翔んで埼玉」が快進撃を続けている。「テルマエ・ロマエ」の武内英樹監督だけに、奇天烈なことを大真面目にやる面白さが炸裂。劇場を出るとき、つい「埼玉ポーズ」をとってしまいそうになる(埼玉県民じゃないのに)。
 この「翔んで埼玉」の音楽を手がけているのが2人組の音楽プロデューサー・ユニット、Face 2 fAKE。筆者はサウンドトラック・アルバムの解説書のインタビューを担当させていただいた。2人で楽しみながら作ったというケレン味たっぷりの音楽が、埼玉の「伝説」に説得力を持たせている。
 Face 2 fAKEはAchilles DamigosとOh!Beの2人で結成されたユニット。Achillesはギリシャ人の父と日本人の母の間に生まれ、10歳までギリシャで育った。Oh!Beはシャンソン歌手の母と讃美歌作家の父の間に生まれた日本人。2人はそれぞれソロで音楽プロデューサー、作・編曲家として活動していたが、Oh!Beがオーストラリアに住んでいたときに出会って意気投合。ユニットを組んで活動するようになった。「Face 2 fAKE」というユニークなユニット名は「Face to Face」をもじってつけられた。2人のマルチな音楽性を合わせるとフェイクっぽい音楽も作れるという意味が込められているそうだ。EXILE、Kinki Kids、SMAP、BoA、島谷ひとみ、郷ひろみら多彩なアーティストとコラボレーションしているポップス界のヒットメーカーである。
 Face 2 fAKEが映像音楽を手がけるようになったのは武内英樹監督との出会いがきっかけだった。たまたまとあるバーで知り合ったことから、フジテレビのTVドラマ「できちゃった結婚」(2001)の音楽の一部を依頼されて手がけることになる。以降、「ウエディングプランナー SWEETデリバリー」(2002)、「電車男」(2005)、「小早川伸木の恋」(2006)、「ホームレス中学生」(2008)、「全開ガール」(2011)といったTVドラマで武内監督と組んでいる。筆者がFace 2 fAKEの名前を覚えたのも、「電車男」だった。
 だから、「翔んで埼玉」の音楽をFace 2 fAKEが担当したのは、いわば必然。武内監督と長年組んできた2人だからこそのアイデアやセンスが「翔んで埼玉」の音楽に盛り込まれている。
 R&B、ポップス、ジャズ、ロック、ダンスミュージック、クラシックと駆使する音楽スタイルは多彩。「音楽ユニット」でなく「音楽プロデューサー・ユニット」と名乗っているところからも、作・編曲にとどまらない戦略的な音楽づくりをしていることがうかがえる。単に音楽を提供するだけでなく、アーティストをどう見せるのか、映像とどう絡んでいくのか、そんな演出的視点、もしくはメタ音楽的視点で音楽づくりをしているのがFace 2 fAKEなのである。
 そのFace 2 fAKEが音楽を担当したTVアニメが、2005年に放映された『ギャラリーフェイク』だ。

 『ギャラリーフェイク』は細野不二彦のマンガを原作にしたTVアニメ作品。2005年1月から同年9月まで全37話が放送された。アニメーション制作はトムス・エンタテインメントと東京キッズが担当している。
 贋作専門の画廊ギャラリーフェイクのオーナー藤田玲司を主人公に、美術品の売買や鑑定・修復などにまつわる人間ドラマを描く作品。石坂浩二がナレーションを担当しているのがニヤリとさせられる。
 『ギャラリーフェイク』の音楽にFace 2 fAKE。「フェイク」の符合は意図したものだろう。偶然かもしれないが、そう思ったほうが面白い。
 本作でFace 2 fAKEが採用した音楽スタイルはジャズとクラシック。現代的なデジタルサウンドは控えめに、ビッグバンドジャズの曲や70年代クロスオーバー風の曲、しっとりしたピアノ曲、弦主体のクラシカルな曲などが全編を彩っている。美術品と贋作をテーマにしたミステリータッチの作品にぴったりの音楽である。
 サウンドトラック・アルバムは放映終了間際の2005年9月にアニプレックスから発売された。収録曲は以下のとおり。

  1. Theme of Gallery Fake
  2. ラグタイム(歌:勝手にしやがれ)
  3. Bad person
  4. Victoria’s Secret
  5. Cat walk
  6. Magi! Magi!
  7. 思い過ごしの効能(歌:サンタラ)
  8. Mystery Clock
  9. Theme of Sara
  10. Tanz like a Gun
  11. だから、私は歌う(歌:ナチュラル・ハイ)
  12. pray
  13. December rain
  14. the past
  15. the past (piano ver.)
  16. ビューティフルライフ!(歌:OUTLAW)
  17. Theme of Fujita
  18. Chain Reaction
  19. Memories
  20. Autumn leaf
  21. Anything For You(歌:PUSHIM)

 番組で使用された2曲のオープニング主題歌と3曲のエンディング主題歌がすべて収録されている。ファンにはうれしい1枚だ。
 構成はBGMの間にボーカル曲を挿入するスタイル。BGMが3〜4曲続いたあとにボーカル曲が現れて空気が変わる。メリハリの効いた、うまい構成である。
 お気に入りのトラックをいくつか紹介しよう。
 トラック1の「Theme of Gallery Fake」はビッグバンドジャズのスタイルで書かれたテーマ曲。ミュージカルのオープニングのような、ゴージャスな幕開けの曲だ。ここは、華やかなオークションの開幕という雰囲気だろうか。
 トラック3「Bad person」は、海外の刑事ドラマやスパイドラマの音楽を思わせる、緊迫感と高揚感のあるアップテンポのジャズ。本作のミステリーものとしての一面を象徴する曲である。フェイク(贋作)を使ったたくらみが成功するのか? そんなサスペンスに富んだシーンが浮かぶ。この曲は次回予告にも使われていた。
 トラック9の「Theme of Sara」は、藤田のアシスタントを務める少女・サラのテーマ。エキゾティックなメロディラインを持つジャズが、アラブの王族の娘・サラによく似合う。劇中でサラの登場シーンにたびたび流れていた。
 この曲を沈んだトーンにアレンジした曲「Memories」も悲しみや孤独を表現する曲としてよく使われている。
 藤田が絵画の修復に挑む場面などに使われていたのがトラック10「Tanz like a GUN」。爽快感のあるフュージョン風の曲である。「Tanz」とはドイツ語でダンスのこと。軽快なギターのバッキングの上で自在に歌うサックスやフルートのソロが気持ちいい。
 「祈り」と題されたトラック12「pray」は、ピアノ・ソロから始まるリリカルな曲。後半から弦が加わり、情感豊かに展開していく。サラにスポットを当てたエピソード「レディー・サラ(後編)」(第24話)のラストで、すれ違っていたサラと藤田の心がようやく通いあう感動的な場面に使用されていた。
 トラック13「December rain」は全編を通して耳に残る悲哀曲。ハープのイントロに導かれ、弦楽器が切なくもロマンティックなメロディをたっぷりと奏でる。後半に現れる哀感に満ちたヴァイオリン・ソロが胸を打つ。第2話「傷ついた『ひまわり』」でサラの悲しい過去が明かされる場面に流れていた。
 主人公・藤田のテーマであるトラック17「Theme of Fujita」は本アルバムの聴きどころのひとつ。ファンキーなイントロから始まり、ブラスとフルートがスリリングなかけあいを聴かせる。70年代クロスオーバー風のカッコいい曲だ。第1話「贋作画廊の男」で藤田がオークションで勝利する場面など、手に汗握るクライマックスに使用されることが多かった。1曲目の「Theme of Gallery Fake」よりもこちらのほうが本作のメインテーマという印象である。
 BGMパートのラストは、小さなバーの中だけでドラマが展開する第25話「雨やどり」やメトロポリタン美術館を舞台にした最終話「メトロポリタンの一夜」でくり返し流れたピアノと弦合奏の曲「Autumn Leaf」。繊細で、ちょっとメランコリックで美しい。美術館や画廊で静かに絵を眺めている気分にぴったりの曲だ。派手でケレン味たっぷりの1曲目「Theme of Gallery Fak」と対をなすような、穏やかな終幕の曲である。

 『ギャラリーフェイク』の音楽は、ちょっと古いスタイルの人間臭い音楽である。ジャズを貴重にした曲調は60〜70年代の映画音楽を思わせる。アクションよりもドラマをじっくり見せる本作には、こういうスタイルがはまっている。良質の映画音楽アルバムを聴くような充実した1枚だ。
 しかし、気になることがある。
 ところどころにミュージカルやジャズの名曲、ミシェル・ルグランやニーノ・ロータ、ヘンリー・マンシーニといった海外の映画音楽作曲家の名曲を思わせるフレーズやリズムが顔を出すのだ。これはオマージュなのか、お遊びなのか。それとも、巧妙にしくまれたフェイクなのか……?
 いや、そんなことを考えること自体、すでにFace 2 fAKEの術中にはまっているのだろう。

ギャラリーフェイク オリジナル・サウンドトラック
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「翔んで埼玉」オリジナルサウンドトラック
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アニメ様の『タイトル未定』
196 アニメ様日記 2019年2月24日(日)

2019年2月24日(日)
早朝に新文芸坐に。オールナイト「新文芸坐×アニメスタイル セレクションvol. 112 SPECIAL PROGRAM 幻魔・妖獣・迷宮・AKIRA!!」の終盤に立ち合う。前回の日記で書き忘れていたけれど、今回のオールナイトで久しぶりに、りんたろう監督にお目にかかった。相変わらず、りん監督はダンディだ。

2019年2月25日(月)
「アニメスタイル014」発売日。難産ではあったけれど、内容の詰まった号になったと思う。皆さま、よろしくお願いします。

2019年2月26日(火)
「劇場版『若おかみは小学生!』絵コンテ 高坂希太郎」発売日。最初に『若おかみは小学生!』の絵コンテを見たのは、有楽町マルイで開催された「劇場版『若おかみは小学生!』公開記念原画展」だった。展示されていたのが1色のコピーだったので、僕はこの作品の絵コンテは1色だと思い込んでいた。だから、絵コンテ本の企画はオール1色で出したし、絵コンテ本としては大型のB5判にしようかとも思っていた。ところが、絵コンテの現物をお借りしたら、驚いたことに色がついていた。何色もの色鉛筆を使って描かれたページもある。ここでフルカラーで出版しないと、この絵コンテがオリジナルのかたちで世に出ることがないかもしれない。そう考えて、フルカラーの本にすることにした。当然、フルカラーは1色よりも印刷費がかかる。サイズや本の構成を考えていくつか印刷の見積もりをとった(横長の本にして、1ページにコンテを2枚ずつ掲載する構成の見積もりもとった)のだけれど、最終的にスタンダードなA5判に落ち着いた。本編未使用シーン、カットの絵コンテも収録した。皆さま、よろしくお願いします。
夜は「アニメスタイル015」の最初の取材。この8年くらい気になっていた謎が解けた(後日追記。この段階だと「アニメスタイル015」で進めていた書名が「アニメスタイル インタビューズ01」に変更することになった)。

2019年2月27日(水)
午前中はこれから出す書籍の企画で、ある制作会社の方と打ち合わせ。夜はテレビ局系のプロデューサーと食事しつつ打ち合わせ。何故か『機動戦士Vガンダム』の過激さについて熱く語る。

2019年2月28日(木)
午前中は事務所。昼から、三鷹の森ジブリ美術館の企画展示「映画を塗る仕事」展に。多数のセルが解説付きで展示されていた。アニメの技術や表現に興味がある方は必見の展示だ。僕も勉強になった。マシントレスの線が極めて細く、綺麗なセルが何点かあり、これは凄いなあと思った。高畑勲監督、宮崎駿監督がアニメーション制作の参考にしたというロシアの絵本の挿絵のコピーも展示されており、興味深かった。夜は映像制作会社のプロデューサーと食事しつつ打ち合わせ。

2019年3月1日(金)
新宿ピカデリーで『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第七章 新星篇』を観る。ラストについては「気持ちは分かる」だ。たとえば、僕が「『さらば宇宙戦艦ヤマト ―愛の戦士たち―』のリメイクを考えてみて」と言われたら、ああいったラスト(この日記がアップされる頃にも未見の方がいると思うので詳しくは書かない)を考えるかもしれない。だから、「これはよくない」とは言えない。一言だけ言うなら「気持ちは分かる」なのだ。僕の隣で観ていた初老の男女(おそらくはご夫婦)は上映が終わったところで拍手をしていた。お二人はラストを含めて『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』に納得し、感動したのだろう。そんな観客がいることも分かる。
僕としてはシリーズ全体について「ここはいいなあ」と思うところもあったし、首をひねるところもあった。前にも書いたかもしれないが、昔からのファンにとっては「ここはいい」「ここは納得できない」と言い合うのが楽しい作品なのだと思う。『宇宙戦艦ヤマト2199』と『2202』に対する僕の想いは複雑だ。いずれまとめてどこかで話したい。

2019年3月2日(土)
TOHOシネマズ新宿で『スパイダーマン:スパイダーバース』を3D IMAXで観た。確かによく出来ているし、映像のスタイルも魅力的。ただ、作っている人達にはすでに「次のステージ」が見えているのではないかなあと思った。

新文芸坐×アニメスタイル セレクションvol. 113
2018年傑作アニメ! リズ・ペンギン・若おかみ

 2019年4月13日(土)に、オールナイト「新文芸坐×アニメスタイル セレクションvol. 113 2018年傑作アニメ! リズ・ペンギン・若おかみ」を開催する。
 上映作品は、山田尚子監督を筆頭に『聲の形』の主要スタッフが集結し、2人の少女の関係を繊細に描いた『リズと青い鳥』。石田祐康監督とキャラクターデザイン・新井陽次郎のコンビによる初の長編であり、初々しくも洗練された仕上がりとなった『ペンギン・ハイウェイ』。人気児童文学シリーズを原作にベテラン・高坂希太郎監督が腕を振るい、多くの観客の涙を絞った『劇場版 若おかみは小学生!』。2018年に公開されたアニメ映画の中から、傑作中の傑作3作品を選んだプログラムだ。

 トークのゲストは、『劇場版 若おかみは小学生!』の高坂希太郎監督、『ペンギン・ハイウェイ』の石田祐康監督を予定。前売券は3月16日(土)から新文芸坐窓口とチケットぴあで発売となる。

新文芸坐×アニメスタイル セレクションvol. 113
2018年傑作アニメ! リズ・ペンギン・若おかみ

開催日

2019年4月13日(土)

開場

22時15分/開演:22時30分 終了:翌朝5時30分(予定)

会場

新文芸坐

料金

当日・一般2600円、前売・友の会2400円

トーク出演

高坂希太郎、石田祐康、小黒祐一郎(司会)

上映タイトル

リズと青い鳥(2018/90分/DCP)監督:山田尚子
ペンギン・ハイウェイ(2018/118分/DCP)監督:石田祐康
劇場版 若おかみは小学生!(2018/94分/DCP)監督:高坂希太郎

備考

※オールナイト上映につき18歳未満の方は入場不可
※トークショーの撮影・録音は禁止

●関連サイト
新文芸坐オフィシャルサイト
http://www.shin-bungeiza.com/

第603回 お疲れさまでした!

 時系列的(?)に、昨日の興奮が冷めないうちに筆をとります(現在3月9日早朝)。一言で言って

「Wake Up, Girls! FINAL LIVE〜想い出のパレード〜」感動でした!

エイベックス様、とてもいい席ありがとうございました。『てーきゅう』絡みで花澤香菜さんの武道館ライブにお呼ばれした時買ったオペラグラスを持参し、自前の望遠アングルも織り込んで楽しませていただきました。

ライブはもう、最高でした!!! WUGさんたちはいつにも増して可愛く美しく、そしてカッコよく! 自分がコンテ切る時に幾度となく聴いた名曲に次ぐ名曲の数々が、彼女たちの生歌・ダンスでリアルタイムで再現される、本当に贅沢な空間に包まれた3時間半(以上)! けしてオーバーな表現ではなく、まるで夢のよう。WUGさんたちも、熱狂するファンたちも、すべてが輝いていました!!


一段上の列の松田恵里子さん(脚本)も、隣の席の神前暁先生始め、田中秀和さん、広川恵一さんら(MONACA)音楽チーム、そして自分と同じ誕生日の監督も皆同じ気持ちだったと思います。WUGさんたち7人、完璧に凄い! そんな彼女たちと仕事をご一緒できたなんて幸せなことでした。公演中後ろの席のテレビ東京の菅沢正浩プロデューサー(アニメ内では仙台ローカルTV局のPのモデルの方)から握手を求められ、

と感慨深げに仰られました。お手伝いコンテから始まって、最終的に『新章』を監督しただけの板垣と違い、最初っから『WUG!』アニメのアフレコに(毎回美味しい差し入れ付きで)立ち会われていた菅沢さんにとって、思い入れはハンパなかったんでしょう。

で、終盤。WUGさんたちからの「手紙」では感涙(まわり皆)!


 そして今回のFINALの公演が終わった時にお渡しするプレゼント用に

我々アニメ制作スタッフよりWUGさんたちへ寄せ書き色紙を7枚、ご用意させていただきました!


と制作さんに寄せ書きを集めてきてもらったのです。撮影やCG班などは外の人たちなので。もちろん最終段階で社内スタッフも総出。内容的には

7人それぞれの似顔絵とアニメWUG!キャラの共演、且つ7枚合わせると大きな1枚の絵になる仕掛け。いつか再び7人集まりますように、との願いを込めました!

が、この7枚の色紙、エイベックスのPより「こういうのは(ネットなどに)上げない方が美しいかと!」とのご意見があり、「ああ、なるほど。そうかもな」ということで、今回は一般公開はしないことになりました。あしからず。あと、今回の公演後の関係者挨拶はなしと決まっていたので、色紙はP経由でWUGさんたちの手に渡ったのでした。

 (ここからは3月13日筆)さらに今週『COP CRAFT』のアフレコ時、吉岡茉祐さんとの会話。

アニメ様の『タイトル未定』
195 アニメ様日記 2019年2月17日(日)

2019年2月17日(日)
キッズステーションで放映された『幽★遊★白書』の新作「TWO SHOTS」「のるか そるか」を視聴。2本あわせて30分ほどの小品で、オープニングはなし。キャストとスタッフはエンディングでまとめてクレジットされる。キャラクターデザインは北山真理さんと渡邊敬介さんが連名で、総作画監督は丸藤広貴さん。監督と絵コンテは阿部記之さん。音響監督は森田洋介さん。作品として派手さはないが、外してはいない。ちゃんと『幽★遊★白書』になっている。飛影が邪王炎殺黒龍波を使う時に、BL影が入ってケレンのある画になっている(エフェクトもあの感じになっているカットもあり)ところも「わかっている」感じ。「のるか そるか」のサブタイトルの出方はTVシリーズと同様で、「TWO SHOTS」は違ったパターン。「のるか そるか」はTVシリーズの各話に連なるエピソードという意味か。エンディングで「ジョルジュ早乙女/西村知道」とクレジットされているけど、ジョルジュ早乙女のセリフはコエンマの脇で「あ⋯⋯ああ⋯⋯」と小声で言っているあれだけ? レギュラーを勢揃いさせるために呼んだのだろうか。

2019年2月18日(月)
昼に資料の雑誌をKindleで次々に購入し、次々に目を通す。後で確認したら、大した金額ではなかった。よかったよかった。『プリキュア』シリーズの『ハートキャッチプリキュア!』『ハピネスチャージプリキュア』以外の作品で、ショッカーの戦闘員のような戦闘員が出てくるシリーズがあったかどうかを事務所スタッフに確認してもらう。なんと、最新作の『スター☆トゥインクルプリキュア』に出ていたことが判明。確認してもらってよかった。

2019年2月19日(火)
「この人に話を聞きたい」原稿の仕上げ。久しぶりにタイマーをかけて作業をする。45分でセットして、タイマーが動いている間は原稿以外のことはしない。メールの返信も後回し。それを繰り返す。原稿のための確認で、またまた『ハートキャッチプリキュア!』と 『ONE PIECE FILM Z』を視聴する。夜はワイフと飲み放題30分299円の居酒屋に。ファミレスのドリンクバー感覚で、様々なお酒が飲み放題。ワイフの言葉を借りると「色んな意味でダメになりそう」。

2019年2月20日(水)
「アニメスタイル014」の見本が編集部に届く。2月25日発売です。よろしくお願いします。夜は平松禎史さんとイベントの打ち合わせ。アニメスタイルのイベントで、事前に打ち合わせをするのは珍しいことだ。

2019年2月21日(木)
池袋HUMAXシネマズで『劇場版 Fate/stay night [Heaven's Feel] Ⅱ.lost butterfly』を観る。1本目同様に盛り沢山で、物語のボリュームが凄いのだが、流れが分かってきたこともあって、今回のほうが物語が追いやすかった。生々しいところもあって、それが新鮮だった。午後は馬越嘉彦さんと打ち合わせ。

2019年2月22日(金)
まなびwithのCMのナレーションが増山江威子さんだった。ちょっと嬉しい。取材の予習で『名探偵コナン』TVアニメの初期話数を視聴。画が違うのは分かっていたこととして、新一と蘭の関係性が今とまるで違う。2話で蘭は新一のことを「気になる」「大好き」と言っている。それがこの前のスペシャルで「わたし達 付き合ってるって 事で、いいん だよね?」にまでたどりついた。20数年かけてここまで関係が進んだのだなあ。
ササユリカフェの「ペンギン・ハイウェイ展」に行く。今回の展示も貴重な資料が沢山あった。キャラクターデザインの初期稿もよかった。ポーズ集が決定稿になるまでの過程は、石田祐康監督と新井陽次郎さんのやりとりがうかがえて興味深かった。ポスター案はおそらくは画描きではない、宣伝サイドの方の案も入っていて、それもよかった。

2019年2月23日(土)
昼間は床屋などのプライベートな用事が多くて、取材の予習は進まず。夜はオールナイト「新文芸坐×アニメスタイルVol.112 SPECIAL PROGRAM 幻魔・妖獣・迷宮・AKIRA!!」を開催。トークのゲストはりんたろう監督と丸山正雄プロデューサー。今回は『妖獣都市』のBlu-ray発売がきっかけのプログラムなので、上映の最初は『妖獣都市』。他は公開順に並べた。『妖獣都市』と『幻魔大戦』に関しては9割くらいのお客さんが初見で、それだけでもプログラムを組んだかいがあるというもの。

第602回 賀東さんに村田さん、津田さん、吉岡さん

『COP CRAFT』メインキャスト・スタッフが発表されたらしいです!(板垣も発表前日に急に知った)原作・シリーズ構成は賀東招二先生!

 賀東先生より第一声で「先生はやめてください」とのことでしたので、以降は賀東さんで! 賀東さんと言えば、ゴンゾ時代、某プロデューサーより『フルメタル・パニック!』の演出を振られたのですが、当時スケジュールが合わず(多分、他社でコンテ・演出と原画で忙しい時期だったからだと)、監督と顔合わせまでして結局お断りしてしまったことを思い出します。ゴメンナサイ。原作イラスト・キャラ原案の村田蓮爾さんとは同じくゴンゾ時代、ちょくちょくお話したことがありました(2002〜2003年頃?)。その後、自分が『BLACK CAT』をやる前、実は別タイトルが候補に挙がってて、その企画のキャラ原案が村田さんの予定だったのです。こちらは結局流れて、自分は『BLACK CAT』をやることに。もちろんその時は村田さんとは会わずじまい。そして今回、15~16年ぶりの再会で、当時のゴンゾ話で盛り上がりました。
 ホン読み(脚本打ち)時、賀東さん村田さんとは、とても役に立つアドバイスから下らないエロ話までいろいろ繰り広げて、毎週毎週勉強になって本当に楽しかったです! で、現時点で残すは最終話のみ。ちなみにコンテは先週言ったとおり、自分が描いた端からカッティング(編集)。それが毎週。とにかく頑張ります!
 キャストはマトバ役が津田健次郎さん。ティラナ役に吉岡茉祐さん。この間、第1話のアフレコでしたが最高でした! 津田さんは賀東さんの一推しで、大人の男っぽさがマトバにピッタリ! 吉岡さんは『Wake Up, Girls! 新章』から結果的に引き続きっぽくなった感じですが、特に『WUG! 新章』とは関係なく、正規にオーディションで決まったんです。で、自分が聴いて「あ、ティラナだ!」と感じたから推しました。自分が「WUG! びいきだ」と言われるのを覚悟で

俺、ティラナは吉岡さんがいいと思うんですけど!

と進言したところ、賀東さんにも村田さんにもプロデューサーさんらにも即賛同が得られて決定となりました! 自分的には、ただの可愛いヒロインではなく、常に自分を律し、凛としつつもどこか健気なところを、吉岡さんのティラナから感じたんです。でも、今並べてみると、やっぱりまゆしぃと近いのかも?

第156回アニメスタイルイベント
『若おかみは小学生!』絵コンテ コメンタリー

 4月7日(日)に「劇場版『若おかみは小学生!』絵コンテ 高坂希太郎(以下、絵コンテ本と表記する)」刊行を記念したトークイベントを開催する。タイトルは「『若おかみは小学生!』絵コンテ コメンタリー」だ。タイトル通り、高坂希太郎監督に絵コンテ本の内容にそって、作劇や演出についてのコメントをいただくという企画である。聞き手はアニメスタイルの編集長である小黒祐一郎が務める。
 トークはイベント来場者が、絵コンテ本を持っているという前提で進める。是非とも絵コンテ本を持って来場するか、イベント会場で絵コンテ本を購入していただきたい。また、今回のイベントのトーク部分は、通常のアニメスタイルイベントよりもやや短く、おおよそ2時間を予定。

 トーク終了後に同会場で高坂監督のサイン会を行う。会場で販売した絵コンテ本に、サインを入れてもらうかたちだ。イベント会場で販売する絵コンテは50冊を予定している。

 今までのイベントと同様に、トークの一部を「アニメスタイルチャンネル」で配信する。前売り券は3月9日(土)から発売開始。詳しくは、以下のリンクのLOFT/PLUS ONEのページを見てもらいたい。

■関連リンク
アニメスタイルチャンネル
https://ch.nicovideo.jp/animestyle

LOFT/PLUS ONE
https://www.loft-prj.co.jp/schedule/plusone/113464

【アニメスタイルの新刊】劇場版『若おかみは小学生!』絵コンテブックをフルカラーで刊行! 未使用シーンも収録!!
http://animestyle.jp/news/2019/02/18/15109/

第156回アニメスタイルイベント
『若おかみは小学生!』絵コンテ コメンタリー

開催日

2019年4月7日(日)
開場12時00分 開演13時00分 

会場

LOFT/PLUS ONE

出演

高坂希太郎、小黒祐一郎(司会)

チケット

前売1500円 当日1800円(共に飲食別・要1オーダー)

■アニメスタイルのトークイベントについて

 会場となるLOFT/PLUS ONEはトークライブができる居酒屋。入場料(今回は前売1500円、当日1800円)とは別に飲食(最低でもドリンク1杯)をお願いしている。ソフトドリンクもあるので、未成年の方でも大丈夫。 アニメスタイル編集部が開催する一連のトークイベントは、イベンターによるショーアップされたものとは異なり、クリエイターのお話、あるいはファントークをメインとする、非常にシンプルなものだ。出演者のほとんどは人前で喋ることに慣れていないし、進行や構成についても至らないところがあるかもしれない。その点は、あらかじめお断りしておく。

第152回 サントラ一本勝負 〜YAWARA!〜

 腹巻猫です。3月23日(土)にサントラDJイベント・Soundtrack Pub【Mission#38】を蒲田・Studio80にて開催します。特集は「2018年劇伴大賞」。大賞といっても得票数でベストを決めるなんて野暮なことはせず、サントラファンの琴線に触れた曲を流しながら、2018年の映像音楽(サントラ)シーンをふり返ります。推薦したい曲、思い出の曲があればお持ちください。リクエストもどうぞ。詳細は下記を参照ください。
http://www.soundtrackpub.com/event/2019/03/20190323.html


 今回は1989年にスタートしたTVアニメ『YAWARA! a fashionable judo girl!』を取り上げる。
 原作は浦沢直樹が1986年から1993年まで「ビッグコミックスピリッツ」に連載したマンガ作品。祖父から柔道の英才教育を受けた女子高生・猪熊柔が柔道界にデビューして勝ち進み、バルセロナオリンピックをめざす物語だ。
 TVアニメは1989年10月から1992年9月まで全124話が放送された。ほかに劇場版が1992年に公開、TVシリーズ終了後の1996年にTVアニメスペシャルが放映されている。めっぽう強いのに愛らしい主人公・柔に人気が集まった。「柔ちゃん」のニックネームを生んだヒット作である。アニメ版に先立って公開された浅香唯主演の実写劇場版(1989年4月公開)を記憶している人も多いだろう。
 TVアニメ『YAWARA!』の音楽を手がけたのはピカソの森英治。ピカソはTVアニメ『めぞん一刻』の主題歌「シ・ネ・マ」などで注目された3人組のバンドで、森はキーボーディスト、作・編曲家として活躍していた。アニメ音楽では、ほかに『めぞん一刻 完結編』(1988)、『空中ブランコ』(2009)などを担当。ちなみに作詞家・森雪之丞は森英治の実兄である。
 『YAWARA!』は柔道を題材にした作品だが、ちょっとユーモラスな青春ものとしての側面が強い。音楽も、スポ根的な熱血系の曲や力強い曲はどちらかというと脇役で、さわやかな曲やしゃれたポップス風の曲、しっとりした曲が主役になっている。都会的なポップスを発表していたピカソのカラーが強く出た印象だ。

 サウンドトラック・アルバムはキティレコードから3タイトルが発売された。一見するとサウンドトラックであると気づかない、独特のアルバム名がつけられている。
 1枚目は1990年9月に発売された「YAWARA! 恋の一本勝負 オリジナル・サウンドトラック」。「YAWARA! 恋の一本勝負」という作品のサントラ盤のようだが、TVシリーズのBGMを中心としたサウンドトラック・アルバムである。
 2枚目は1991年4月に発売された「YAWARA! 名場面サウンドセレクション!!」。名場面を彩ったBGMを収録したアルバムだ。解説書には各曲の使用場面が紹介されている。
 3タイトル目が1992年9月に発売された「YAWARA! MEMORIES」。ボーカル集とBGM集の2枚組。BGMはTVシリーズ後期の音楽を森英治と共同で担当したAXISSの曲が中心になっている。
 この他にソングアルバム「YAWARA! SONGS!!」「YAWARA! COVERS!!」と劇場版『YAWARA! a fashionable judo girl! それゆけ腰ぬけキッズ!!』のサウンドトラック盤が発売されていた。

 1枚目の「YAWARA! 恋の一本勝負 オリジナル・サウンドトラック」から紹介しよう。収録曲は以下のとおり。

  1. Introduction
  2. ミラクル・ガール (Opening Theme)(歌:永井真理子)
  3. Jingle(Half Size)
  4. MC 猪熊滋悟郎/永井一郎
  5. 《BGM希望編》
  6. さやかの決意
  7. 柔の決断
  8. 優しい少女
  9. 猪熊家のだんらん
  10. 希望
  11. MC 松田耕作/関俊彦
  12. GLORIA(歌:関俊彦)
  13. 《BGM戦い編》
  14. 決勝進出
  15. さやかの猛特訓
  16. 対決・対戦・敵意
  17. 挑戦デビューさっそうと
  18. Eye Catch
  19. MC 本阿弥さやか&風祭進之助/鷹森淑乃&神谷明
  20. 《BGMくつろぎ編》
  21. 憧れ
  22. 清らかな人
  23. なんとなく
  24. 理解
  25. 夢、そして感動
  26. MC 猪熊 柔&滋悟郎/皆口裕子&永井一郎
  27. 夢がはじまる時(歌:皆口裕子)
  28. 《BGM刹那編》
  29. もの憂げに…
  30. 回想
  31. 少女の迷い
  32. ひとり海を見て
  33. もの想い
  34. Jingle(Full Size)
  35. MC 猪熊 柔(皆口裕子)
  36. スタンド・バイ・ミー (Ending Theme)(歌:姫乃樹リカ)

 音楽+セリフ(MC)+ボーカル曲で構成した充実の内容だ。
 BGMを「希望編」「戦い編」「くつろぎ編」「刹那編」の4つのブロックにまとめて収録。各ブロックの前後にジングル、アイキャッチ等の短い曲、ボーカル曲、MC(セリフ)を収録して大きな流れを作っている。
 ブックレットはオープニング&エンディングのカットと劇中の名場面を掲載したフルカラー豪華版。帯では名場面集を「写真集」と表記しているのが面白い。
 単なるサウンドトラック・アルバムでない。かといって、子ども向けの「歌とおはなし」とも違う。「CDでアニメの世界を楽しみたい」というファンの気持ちに応えた、秀逸な構成とパッケージだ。
 1曲目の「Introduction」はオルゴール風の音色が奏でる「ミラクル・ガール」のスローテンポアレンジ。『YAWARA!』の世界へのおだやかな導入である。
 すぐに続いて、軽快なイントロの「ミラクル・ガール」が流れ始めるのが最高に気持ちいい。永井真理子がはつらつと歌う初代主題歌である。1989年から1990年にかけてのヒットソングとしても思い出に残る曲だ。
 サブタイトルやエンディングに使われた短い曲「Jingle」のあとに猪熊滋悟郎のセリフ(MC)がインサートされる。短いセリフだが、永井一郎の名調子が楽しい。
 「BGM希望編」は明るくさわやかな曲が集められたブロック。
 トランペットが軽快なメロディを奏でる「さやかの決意」。フルートとサックスが軽やかな「柔の決断」。クラリネットが飄々と歌う「猪熊家のだんらん」。躍動感のある「希望」。主要人物が次々現れる導入編といった趣だ。
 トラック10は柔の才能をいち早く見抜いたスポーツ記者・松田のセリフ。試合に向かう柔に向けた応援の言葉になっている。松田(関俊彦)が歌う軽快なロック調のボーカル曲「GLORIA」が続く。
 次の「BGM戦い編」は、柔道界での柔の活躍を描くブロックだ。
 緊張感ただよう「決勝進出」。畳みかけるようなスピード感のある曲調で聴かせる「さやかの猛特訓」。焦燥感をあおる重厚な曲「対決・対戦・敵意」。勝利を予感させるヒロイックな「挑戦デビューさっそうと」。いかにも「スポーツアニメ」という雰囲気の曲が集まっていて、アルバムの中でも盛り上がるところである。
 トラック16「Eye Catch」で一息ついたあと、柔のライバル・本阿弥さやかとそのコーチ・風祭のセリフが挿入される。バックはピアノ、ギター、シンセなどによるしゃれた雰囲気の曲。二枚目半の風祭と勝気なさやかとのかけあいが『うる星やつら』を思わせてニヤリとさせられる。
 続く「BGMくつろぎ編」はあこがれや感動など、華やぐ心情を表す曲を集めたブロック。
 80年代らしいキラキラ感、フワフワ感のあるシンセの音がたっぷりフィーチャーされている。ポップでしゃれたサウンドは、大人向けの青春ドラマに流れてもおかしくない。このあたりが「YAWARA!」の音楽が他のスポーツアニメと一線を画すところだ。
 柔(皆口裕子)が歌う挿入歌「夢がはじまる時」は柔の心情を描いたアイドルポップ風の曲。歌詞の中で柔道のことはまったく触れられず、柔の恋する気持ちだけが歌われているのが本作らしい。
 「BGM刹那編」は柔のゆれる気持ちや迷いを描いたブロック。ピアノソロによる「もの憂げに…」やアコースティックギターとストリングスによる「回想」、もの思う柔の場面によく流れたヴァイオリンとピアノの曲「少女の迷い」など、森英治の持ち味が生かされた端正で美しい曲が堪能できる。じっくりと落ち着いて聴きたい、本アルバムのクライマックスである。
 最後のMC(セリフ)は柔のモノローグ。3分近いリリカルな曲をバックに、柔道で勝ち進むよりもふつうの女の子としての日常を願う柔の気持ちが語られる。まるでアイドルのアルバムみたいに。

 いや、まるで、ではないのだ。
 アルバムを最後まで聴いて気がつく。本アルバムは、柔をアイドルに見立てた、「YAWARA! 恋の一本勝負」というイメージアルバムなのである。ブックレットに掲載されたアニメの名場面集が「写真集」と表記されているのも、アイドルのアルバムと考えればおかしくない。
 キャラソンをメインにしたキャラクターアルバムというのはあるが、サントラでキャラクターアルバムを作ってしまったのが、本作のユニークなところである。『うる星やつら』『みゆき』『めぞん一刻』といったアニメ作品の音楽制作に関わってきたキティレコードの経験とノウハウが結実した1枚と言えるだろう。
 本アルバム以外の『YAWARA!』のアルバムも、同様のコンセプトで作られている。サントラにはこんな聴かせ方もあるのだ。新時代の到来を感じさせる意欲的なアルバムである。

YAWARA! 恋の一本勝負 オリジナル・サウンドトラック
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YAWARA! 名場面サウンドセレクション!!
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YAWARA! MEMORIES
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