アニメ様の『タイトル未定』
226 アニメ様日記 2019年9月22日(日)

2019年9月22日(日)
三連休の2日目。朝から夕方までデスクワーク。午前中からいまひとつだったネットの調子が、午後にますます悪くなる。アニメスタイルで作るTシャツのサイズについて、Twitterをアンケートをはじめた( https://twitter.com/animesama/status/1175545814904492034 )。
『荒ぶる季節の乙女どもよ。』を最終話まで視聴した。序盤で「こういう作品だ」と思い込んでしまったので、後半を受けとめきれなかった。時間をおいて視聴し直そう。4話の「あ~、あるある。典型的な男子作文ね」というセリフにうけた。

2019年9月23日(月)
三連休の3日目。散歩は午前中に。それ以降はテキスト作業。夕方、吉松さんと打ち合わせ。

2019年9月24日(火)
午前中はひたすら原稿作業。昼から打ち合わせが二件。16時から中村豊さんとイベントとTシャツの打ち合わせ。確認することがあって、DVD「『もののけ姫』はこうして生まれた。 」を観る。当たり前だけど、出ている方が若い。鈴木敏夫さんはこの頃、40代後半だ。

2019年9月25日(水)
午前中はデスクワーク。社内の打ち合わせで、ある原画集に掲載されている原画が、原画マンが描いたラフ原画と作監が描いたレイアウトを合成したものではないか、ということが話題となる。中央線方面で打ち合わせ。その後、南阿佐ヶ谷から高円寺まで歩く。
TOKYO MXの『フリージ』最終回を観る。ミニコーナー「LOVE Dubai」のテーマは来年開催される「2020年ドバイ国際博覧会」だった。これは最終回らしい。

2019年9月26日(木)
暗いうちから散歩。昼までデスクワーク。打ち合わせをはさんで、グランドシネマサンシャインで『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 – 永遠と自動手記人形 -』を観る。BESTIAの上映だったためか、音響が盛り盛り。物語の語り口がゆったりとしており、描かれている人物像もクラシカル。往年の名画のようだと書くと誉めすぎになるかもしれないが、深夜アニメ発の劇場作品としては面白いテイストの作品だった。
12月に出す予定の書籍の試し刷りが出た。同じデザインで、判型を変えてB5バージョンとA5バージョン。入稿データを丁寧に作ったので、鉛筆画感がかなり出ている。A5でも問題ないけど、B5のほうがいいかなあ。

2019年9月27日(金)
猛烈に忙しかった日。早朝はテキスト作業、ウォーキング。ワイフと公園に行ってラジオ体操。午前中は原稿以外のデスクワーク。昼は打ち合わせとデスクワーク。15時から池袋HUMAXシネマズでワイフと『羅小黒戦記』を観る。アクション作画がかなりよい。それから、キャラクターに魅力がある。作品全体として素直なつくりで、それも気持ちがいい。こういう素直な作品は、今の日本では作るのが難しいのだろうか。上映が終わった後のロビーで井上俊之さんとバッタリ。事務所に戻ってから、大物のテキスト作業。猛スピードで仕上げる。

2019年9月28日(土)
早朝にテキスト作業。その後、昼まで取材の予習。15時から「この人に話を聞きたい」の取材。マンションで休んでからオールナイト「ハード&スタイリッシュ 小池健の世界」に。トークの中でも話題にしたが、この数年、小池さんを新文芸坐に呼ぶことができなかったのには理由がある。小池さんにお子さんができて、夜はお子さんをお風呂に入れなくてはいけなかったため、お呼びすることができなかったのだ。嘘のような本当の話である。今回のお客さんは『REDLINE』を観ていない方が8割か7割だった。『REDLINE』が公開された時には、こんな未来が待っているとは思わなかった。もっと『REDLINE』を上映する機会を作らなくては。

『モブサイコ100 II』オールナイトの振替上映が決定

 10月12日(土)開催を予定し、台風で中止となった『モブサイコ100Ⅱ』オールナイトの振替上映が決定した。日時は11月23日(土)。トークコーナーのゲストと上映内容の変更はない。10月12日開催のために販売したチケットは、振替上映でも使用することができる。また、払い戻しを希望されるお客様には払い戻しの対応をする。チケットの払い戻しがあった場合、その枚数分のチケットを改めて11月16日(土)から販売する予定だ。

 詳しくは以下のリンクをご覧になっていただきたい。

■関連リンク 『モブサイコ100Ⅱ』オールナイト上映会 振替上映・払い戻しのご案内[『モブサイコ100Ⅱ』公式サイト] http://mobpsycho100.com/news/hp0001/index00680000.html

第2回 出会いは衝撃的な

出会いが衝撃的だった『逮捕しちゃうぞ』で一番刺さった2輪車両がGSX-Rですね。
モデファイに頭を痛めたのが、良い思い出です。
最初は藤島さんと直でやり取りしました。
まあ、その時から長い藤島作品歴が始まりました。
この、耐久レーサーそのままのフォルムが最高です。
1回くらい乗ってみたかった。
未だに現役だったら、こんな仕様なのかな。
車両は描いてて楽しいです。
今じゃあ、TVシリーズのキャラクターの方が線多いですよ(苦笑)。

■関連リンク
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第631回 『コップクラフト』本編6話以降

 では『コップクラフト』本編話のつづき。6話はエロ本の話。ここから数話、いろいろなバリエーションの物語が続きます。原作を読んだ際「あ、この作品なんでもありだ」と楽しくなったのが、これらのネタもの的存在。そもそも初っぱなから妖精だの宇宙人だのが共存してる時点で、ただのハードボイルドなハズもなく、よってオーイシマサヨシさんのオープニング曲はありだと思ったし、画もああ作ったわけ。Aパートラストで静かに1ページめくるティラナは、アフレコ時にスタッフ、キャスト皆さんに笑ってもらえてホッとしたカットです。シナリオ(脚本)にはなかったけど、コンテ切ってて自然と出ました。あと、余計な話ですが、Aパートで初めてエロ本を見て男女が”すること”を知ったティラナが、Bパートでセシルから「私とケイは恋人だった」と打ち明けられた時、いったい何を想像したのでしょう? とかコンテやってる時に考えてました。
 7話はTV的諸事情でアニメ化できなかった原作第3巻の代わりに(?)賀東招二さんに書いていただいたオリジナル脚本です。潜入捜査ネタはその名残り。「何なら放映できるのか?」ばかり話し合ったホン読み(脚本打ち)でした。単行本1巻分にも伸ばせそうなドラマを、1話分にコンパクトにまとめたのはさすがの賀東脚本。コンテを切ってる時は、ティラナとゾーイの掛け合いが楽しかったかも。作画・演出はミルパンセ社内で、撮影もキレイで個人的に好きな話数です! 吉岡茉祐さん演じるティラナの泣きセリフ「友達だったのに……!」はウルッときました。あ、あと狙撃されるゾーイの血しぶきはパッケージ版で自分が修正させてもらいました。
 8話はティラナとクロイ(猫)の中身入れ替わり話。猫の声も吉岡さん。ホントいろいろできますね! もともとオーディションでも「猫できる?」は課題でもあったのですが、この2役は上手くいったと思います。で、ゲストキャラのヘルマンデス役は三木眞一郎さん。自分的には初監督作『BLACK CAT』のクリード役以来? 「お久しぶりです〜」と挨拶したところ、憶えていてくださったのが超嬉しかったです! 8話はなんと言ってもちょっとエロいおふざけ話なので、普段の話数からどこまでかけ離れることができるか? を念頭にコンテを切ってました。このバラエティー感が『コップクラフト』だ! と信じて。

 てとこで、来年1月には次の監督作品の発表になるっぽく、第1話のコンテやりつつ、ティザービジュアルのラフ案にとりかかる板垣でした。

あ、『コップクラフト』のパッケージイラストはレイアウト・板垣、原画・木村博美で、もう作業は3巻まですべて終わってます!

第167回 海と陸の間に 〜聖戦士ダンバイン〜

 腹巻猫です。サントラDJイベント・Soundtrack Pub【Mission#40】を10月20日(日)15時より蒲田のstudio80で開催します。特集は90年代アニメ音楽を検証する「平成アニメ・特撮音楽史 Part1」と書籍発売記念企画「渡辺宙明大全」。お時間ありましたら、ぜひご来場ください。
 詳細は下記から。
https://www.soundtrackpub.com/event/2019/10/20191020.html


 富野由悠季監督の仕事を回顧・検証する展覧会「富野由悠季の世界」が6月から開催されている。第1会場・福岡市美術館の会期が終了し、第2会場・兵庫県立美術館での開催が10月12日からスタートした。これに合わせて、CD「富野由悠季“テレビ”の世界〜TVサイズ主題歌全集〜」がキングレコードから発売された。
 「富野由悠季“テレビ”の世界〜TVサイズ主題歌全集〜」は富野監督が手がけたTVアニメ作品の主題歌をTVサイズでコンパイルしたアルバム。「TVサイズ」というのがミソで、フルサイズ音源に比べて意外にTVサイズが入手しにくかったりするのだ。実際、このアルバムも収録曲44曲中18曲が初CD化。TVサイズ音源は、フルサイズとは別録音であったり、楽曲の構成が異なっていたり、テンポやミックスが異なっていたりすることがあるからあなどれない。また、TVで作品に親しんだファンの中には「TVサイズこそがオリジナル」と考える人もいる。富野アニメファンにとっても、アニメ音楽ファンにとっても見逃せないアルバムなのだ。
 展覧会にちなんだ書籍やグッズが発売されることはよくあるが、CDは珍しい。オープニングの絵コンテをあしらったデザインも秀逸で、展覧会場で売られていたら手に取ってしまうだろう(「高畑勲展」や「永井GO展」にもこんな商品がほしかった)。一般CDショップでの流通はないが、キングレコードのECサイトやAmazonでも入手可能。展覧会場以外でも購入できるのがうれしい。

KING e-SHOP商品ページ:
https://kingeshop.jp/shop/g/gNKCD-6881/
Amazon商品ページ:
https://www.amazon.co.jp/dp/B07YSJCXQJ/

 前置きが長くなったが、今回は富野由悠季監督のTVアニメ『聖戦士ダンバイン』の音楽を取り上げたい。
 『聖戦士ダンバイン』は1983年2月から1984年1月まで放送された日本サンライズ(現・サンライズ)制作のTVアニメ作品。『戦闘メカ ザブングル』(1982)に続いて富野由悠季が原作・監督を務めたロボットアニメである。
 現代の地球に暮らす主人公がバイストン・ウェルと呼ばれる異世界に飛ばされて活躍する、昨今はやりの「異世界転移もの」を先取りしたような作品。中世ヨーロッパに似た世界に甲虫に似た巨大ロボット=オーラ・バトラーが登場する世界観が魅力で、始まった当初は「これまでにないアニメになりそうだ」とわくわくしたことを覚えている。
 音楽は現代音楽の作曲家・坪能克裕が担当した。
 坪能克裕は1947年生まれ。東京音楽大学作曲指揮科卒業。純音楽作品を発表するかたわら、子どもの歌・合唱・TV等の音楽で活躍する作曲家である。本作の前に、TVアニメスペシャル『走れメロス』(1981)、劇場アニメ『世界名作童話 アラジンと魔法のランプ』(1982)の音楽を手がけているが、シリーズもののTVアニメの音楽を担当するのはこれが初めてだった。アニメ音楽の経験が少ない坪能克裕が『聖戦士ダンバイン』の音楽担当に選ばれた背景には、キングレコードの音楽プロデューサー(当時)・藤田純二の推薦があったという。
 音楽は音響監督の藤野貞義が出したメニューに沿って作曲・録音された。音楽打ち合わせから録音まで1ヶ月。時間がないためピアノ・スケッチを作る余裕もなく、いきなりオーケストラ・スコアを書いていったと坪能克裕はふり返っている。
 純音楽ではミュージックコンクレートや即興音楽、電子音楽などを取り入れた先鋭的な作品を発表している坪能克裕だが、本作では、サウンドトラックらしいオーソドックスな音楽を提供している。バロックからロマン派時代の音楽を思わせるクラシカルな曲調の楽曲が中心。中世ヨーロッパ風の世界観を反映すれば、自然とこういう音楽になるのだろう。今にして思えば、バイストン・ウェル、オーラ・バトラーといった斬新な設定に刺激された前衛的な楽曲があってもよかった気がするが、当時のアニメ音楽としてはこれが正解だった。
 音楽集は放送当時、「聖戦士ダンバイン BGM集」「聖戦士ダンバインII」「聖戦士ダンバインIII」の3タイトルがキングレコードから発売されている。1枚目は第1回録音、2枚目は第2回録音の楽曲を中心とした内容で、3枚目は未収録音楽集。構成はいずれも氷川竜介が担当。さらに放送終了後に「聖戦士ダンバインIV 管弦楽組曲 イン・バイストン・ウェル」が発売された。現在は、CD「聖戦士ダンバイン総音楽集」ですべての楽曲を聴くことができる。
 1枚目の音楽集から紹介しよう。
 収録曲は以下のとおり。

  1. ダンバインとぶ(歌:MIO)
  2. オーラ・ロード
  3. ラース・ワウの古城
  4. 騎馬隊
  5. 聖戦士たち
  6. チャム・ファウ
  7. 暗躍
  8. ウイング・キャリバー
  9. 園遊会
  10. オーラ・バトラー
  11. 田園にて
  12. ゼラーナの旅路
  13. リムルの想い
  14. 邪悪な影
  15. 戦火の爪あと
  16. みえるだろうバイストン・ウェル(歌:MIO)

 オープニング主題歌「ダンバインとぶ」はアニメソング史に残る名曲。富野監督によるケレン味たっぷりの詩、ヒットメーカー・網倉一也によるメロディ、矢野立美のダイナミックにして華麗なアレンジ、MIO(現・MIQ)のパワフルなボーカル、すべてがそろって、現代的なカッコよさを持つ曲に仕上がった。
 トラック2「オーラ・ロード」は物語の導入となる曲。第1話で主人公のショウがバイストン・ウェルに飛ばされるシーンに流れた曲だ。ビブラフォンと管弦楽器、女声コーラスが異世界の神秘的な雰囲気を描写する。本作のファンタジー的な世界観を代表する曲である。
 トラック3の「ラース・ワウの古城」はバイストン・ウェルの古城と領主を描写する曲。次の「騎馬隊」は騎兵隊、騎馬隊の出陣をイメージした曲。いずれも古風なスタイルのオーケストラ曲で中世ヨーロッパ風世界を表現している。
 トラック5の「聖戦士たち」は曲調が変わって、ドラムス、エレキギターを入れた現代的なリズムの曲になる。戦士たちのアクション、戦いをイメージした曲である。
 妖精の愛らしさ、すばやい動きを表現する「チャム・ファウ」、バイストン・ウェルに渦巻く陰謀を表現するサスペンス曲「暗躍」が続く。
 LPレコードではA面最後に収録されたのが、トラック8「ウィング・キャリバー」。飛行するオーラ・マシンをイメージした曲だ。軽快なリズムに乗って、トランペットが奏でるヒロイックなメロディと金管楽器のオブリガートがからみあう。スピード感たっぷりの曲調は第1回録音曲屈指のカッコよさで、A面の最後を飾るにふさわしい。
 A面は全体に、物語の舞台となるバイストン・ウェルの紹介編と呼べる構成である。
 LPレコードB面は、異世界から召喚された戦士たちの歓迎の宴に使用された優雅な曲「園遊会」で幕を開ける。
 トラック10「オーラ・バトラー」は本作の音楽の聴きどころのひとつ。オーラ・バトラーの戦いを描いた曲だが、次々と曲調が変わる複雑な構成になっている。音楽メニューには「テンポはないが重々しい登場があり、少し対峙して戦いが始まる。インテンポに変化して危機があり、そしてクライマックスへ」と書かれてあり、最初から組曲的な構成が意図されていたことがわかる。演奏時間は2分余り。実はこれは短縮版で、約3分の完全版が3枚目のアルバム「聖戦士ダンバインIII」に収録されている。
 バイストン・ウェルの美しい情景を描写する「田園にて」を挟んで、トラック12は「ゼラーナの旅路」。深い悲しみを描写する曲、緊張と不安を表現するサスペンス曲、オーラ・シップ・ゼラーナの飛行をイメージした曲の3曲がメドレーになっている。旅と戦いが基調となる富野ロボットアニメを象徴するトラックである。
 『ダンバイン』の音楽の中でも極めつけの美しい旋律が登場するトラック13「リムルの想い」。拡大する陰謀と迫る危機を表現するトラック14「邪悪な影」。人間ドラマをイメージさせる曲が続く。B面は全体に、人間の愛憎から生まれる葛藤や悲哀を描いた構成になっているのだ。
 トラック15「戦火の爪あと」は3分を超える聴きごたえのある曲。オーラ・バトラーの激しい戦いをテーマにした曲だ。トラック10「オーラ・バトラー」と同様に組曲風の構成になっていて、音楽メニューには「頭に突然現れるタッチがあり、続々と襲ってくる。そして戦いの混乱に。混戦の果てに死骸と廃墟がいたましい」と指定されている。
 アルバムを締めくくるのは、エンディング主題歌「みえるだろうバイストン・ウェル」。ポップな中に切ない情感を宿した名バラードである。

 正直に言うと、『聖戦士ダンバイン』のBGM集を初めて聴いたときは、もの足りない印象を受けた。『伝説巨神イデオン』や『戦闘メカ ザブングル』の音楽と比べるとキャッチーなメロディが少なく、サウンドも古風に感じる。しかし、今はこの音楽でよかったと思っている。
 飾り気のないクラシカルな響きで構築された、落ち着いた音楽である。古風であるということは古くならないということだ。風化しない音楽。『ダンバイン』の初期の物語にはこの音楽がよく合っていた。物語が進むにつれて、より激しく重い音楽が求められるようになり、追加楽曲が作られたが、初期の異世界ファンタジー的ムードが薄れていったのは残念だった。
 坪能克裕もそう思ったかどうかはわからないが、放送終了後に発表された「聖戦士ダンバインIV 管弦楽組曲 イン・バイストン・ウェル」は神秘的なバイストン・ウェルの世界をテーマにした組曲になっている。もしかしたら、このような世界での物語もありえたかもしれない。そう思わせる味わい深い1枚だ。
 富野由悠季は『聖戦士ダンバイン』以外にもバイストン・ウェルの物語を作り続けている。アニメ化されたものでは、『New Story of Aura Battler DUNBINE』(1988)、『ガーゼイの翼』(1995)、『リーンの翼』(2005)がある。これらの作品には小六禮次郎、樋口康雄、鷺巣詩郎といった作曲家が参加し、新たなバイストン・ウェルの音楽が作られた。いずれも魅力的な音楽であるが、その原点はやはり『聖戦士ダンバイン』の音楽。もう一度ここに帰ってきたいと思わせる音楽である。

聖戦士ダンバイン 総音楽集
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アニメ様の『タイトル未定』
225 アニメ様日記 2019年9月15日(日)

2019年9月15日(日)
三連休の2日目。早朝の散歩はお休み。「設定資料FILE」の構成に手をつける。そして、床屋。連休中のToDoを片づけていくが、片づける一方で、新しいToDoが増えていく。11時からポケモンGOのコミュニティデイで、ナエトルをゲットして歩く。昼寝をはさんで、ジムで有酸素運動。

2019年9月16日(月)
三連休の3日目。雨が強かったので散歩は早朝ではなく、8時半くらいに。パラパラと降っているうちに東池袋と帰宅の飛鳥山公園を往復する。その後は主に「設定資料FILE」の構成。構成がだいたいまとまったところで、「馬越嘉彦 原画展」開催中のササユリカフェに。馬越さんの来店日(サイン会)の様子を見てから、事務所に戻って「設定資料FILE」の構成を仕上げる。
ながらで『ちはやふる』を1期1話から視聴。やっぱりよくできているなあ。それから9月7日放送の「有吉くんの正直さんぽ」をチェックする。増岡弘さんの復帰回だ。冒頭に「みなさん、ご心配をおかけしました。今日からまたワタシがナレーションを担当します」「お茶の間の皆さん、有吉くん、改めてよろしくお願いします」との挨拶があり。

2019年9月17日(火)
昨日までも仕事をしていなかったわけではないけれど、今日から2週間は猛烈に忙しいはず。午前中は企画書を書いたり、ラフを書いたり。例によって連休明けは慌ただしい。昼から打ち合わせ3本立て。散歩のメインは夕方から。南阿佐ヶ谷から中野坂上まで歩いた。

2019年9月18日(水)
暗いうちから散歩。社内打ち合わせが数回あったが、外部での打ち合わせや取材はなし。デスクワークに集中した日。1日の自分のスケジュールを細かく決めて、それに沿って作業をした。印刷会社に年末に出す書籍の束見本、試し刷りを依頼。

2019年9月19日(木)
一日、デスクワーク。原稿よりもそれ以外の作業のほうが多かった。新しいMac miniが届いたので、すぐにセッティング。今回は旧Macからデータの移行はしなかった。メール、ATOK、evernoteなどを使えるようにしたので、これで当面の作業は問題ないはず。輸入盤の『きまぐれオレンジ☆ロード』のBlu-rayが届いた。画質をチェックする。『きまぐれオレンジ☆ロード あの日にかえりたい』はビスタサイズの収録だった。
Mac miniが届くのと前後して「iCloudストレージの使用容量がもう少しで上限に達します。」という内容メールがきた。写真を削除するか、外付けハードディスクに移動すればいいんだけど、それを今やると原稿の進行がヤバくなるので、iCloud ストレージを増量。いつかダウンサイズできるのか。

2019年9月20日(金)
ワイフと新宿TOHOシネマズで『HELLO WORLD』を鑑賞。初日初回の鑑賞だった。「お話」に力が入っていて、面白かった。堀口悠紀子さんの仕事もよかった。堀口さんの画を3DCGできちんと再現しているところがあって、少し驚く。ワイフは相当にハマったらしく、鑑賞後は興奮状態。たまたま劇場にいらした『HELLO WORLD』のメインスタッフの方(あちらから僕に声をかけてくださった)に感動の言葉をぶつけていた。そのメインスタッフの方は学生時代にアニメスタイルイベントに通い、新文芸坐のオールナイトにも来てくれていたそうだ。
事務所に戻って用事を片づけてから、「世界がふり向くアニメ術」のスタッフインタビュー収録のために中野へ。一度、マンションに戻り、早めの晩飯をとってから、事務所に戻って進行打ち合わせ。

2019年9月21日(土)
三連休の1日目。ワイフと要町に食事に行った以外は基本的にデスクワーク。打ち合わせとか取材はなく、自分の作業をやるだけなので気が楽だ。
新しいMac miniを使いはじめて3日目。確認しなくてはいけない画像データをフォルダごとプレビューに突っ込んでサクサクと見る。これこれ、これが最近できなかったのよ。これで作業がスムーズになるはず。次はPhotoshopを買うよ。

第1回 誰がなんと言おうと

初めまして、今回車輌設定集を出させて頂きます、村田峻治です。今回コラムを連載するにあたり、まず浮かんだのはTODAYなんです。今はこんなデザインの軽自動車もなく、藤島康介さんのセンスを感じます。初めて『逮捕しちゃうぞ』のデザインに取り掛かったのは1994年1月。早、25年以上たっています。
当時は、「歴史に残るような完成度の設定を描く!」と息巻いておりました。だもんだから、描き込みが容赦なく、現場の人には不評だったかと思います。でも、それがあったからこそ、アーカイブするに値するデザイン集ができるのかなと思っていたりもします。

■関連リンク
【アニメスタイルの書籍】アニメーター・村田峻治による車輌デザイン集を刊行!
http://animestyle.jp/news/2019/10/03/16389/

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第163回アニメスタイルイベント
馬越嘉彦の仕事を語る!3

 「馬越嘉彦 アニメーション原画集」シリーズの刊行を記念したイベントの第3弾を開催する。「馬越嘉彦の仕事」がトークのテーマで、特に『おジャ魔女どれみ』シリーズについての話題がメインとなる予定だ。ざっくばらんな楽しいイベントになるはずだ。現在、決まっている出演者は馬越嘉彦と長峯達也。他の出演者については決まり次第発表する。
(10/28追記)追加ゲストとして、佐藤順一さんと山内重保さんの出演が決定した。

 チケットは10月12日(土)昼12時から発売となる。詳しくは以下にリンクしたLOFT/PLUS ONEのページを見てもらいたい。また、会場では「馬越嘉彦 アニメーション原画集 第二巻」を始めとするアニメスタイルの書籍を販売する。また、今までのイベントと同様に、トークの一部を「アニメスタイルチャンネル」で配信する。

■関連リンク
【アニメスタイルの書籍】「馬越嘉彦 アニメーション原画集」! 充実の第二巻が刊行!!
http://animestyle.jp/news/2019/09/02/16189/

LOFT/PLUS ONE
https://www.loft-prj.co.jp/schedule/plusone/130619

アニメスタイルチャンネル
https://ch.nicovideo.jp/animestyle

第163回アニメスタイルイベント
馬越嘉彦の仕事を語る!3

開催日

2019年11月9日(土)
開場12時00分 開演13時00分

会場

LOFT/PLUS ONE

出演

馬越嘉彦、長峯達也、佐藤順一、山内重保、小黒祐一郎(司会)

チケット

前売1500円 当日1800円(共に飲食別・要1オーダー)

■アニメスタイルのトークイベントについて
 会場となるLOFT/PLUS ONEはトークライブができる居酒屋。入場料(今回は前売1500円、当日1800円)とは別に飲食(最低でもドリンク1杯)をお願いしている。ソフトドリンクもあるので、未成年の方でも大丈夫。 アニメスタイル編集部が開催する一連のトークイベントは、イベンターによるショーアップされたものとは異なり、クリエイターのお話、あるいはファントークをメインとする、非常にシンプルなものだ。出演者のほとんどは人前で喋ることに慣れていないし、進行や構成についても至らないところがあるかもしれない。その点は、あらかじめお断りしておく。

第630回 OPの話〜本編に戻って

■TVアニメ『コップクラフト』オープニングコンテムービー

 『コップクラフト』OPの話の続き。

C-27 はとりあえず劇場版『ゴルゴ13』とかが頭にあったかも。途切れた高架でカージャンプ! 「出崎(統)監督! CGはここまできました!」と戦闘ヘリ! 戦闘ヘリといえば『シティーハンター』のOPもヘリばっかりだったような。「戦闘ヘリが出ればOP」と。このカットもCGにあわせてラフ原・板垣、二原・吉田(智裕)くん。

C-28 戦闘ヘリ爆発、落下するマトバ&ティラナ。2人ともややテンション高め。原画(ラフ?)・板垣、作監・木村(博美)さん。

C-29 落下してくるティラナを(先に着地した)マトバがエスコートし、クルリと回って決め! ダンスに見えたら見えたで構わないけど、それほどダンスを意図してコンテを切った訳ではなく、”ハイテンション”マトバを描きたかっただけ。新人に大雑把に描かせた原画を板垣が全修。作監修正なし。

C-30、31 そびえ立つ高層ビルとマトバ&ティラナ。C-29〜31もOP曲を聴いた際、真っ先に浮かんだ画。”開放感”がテーマ。ティラナの瞳に始まり、もう一度瞳に寄るのはなんとなく計算。こちらも新人にラフから描かせつつ、自分の方で指導しつつ、ほぼ完成までたどり着いたところで木村作監によるフィニッシュ。

C-32〜35 メインキャラらの決め! まあよくあるヤツなのは分かったうえで描きました。一部木野下(澄江)さんによるラフ原ありで木村原画・作監。

 はい、OPの各カット解説でした。ま、大体オーイシマサヨシさんの歌ありきです、このOPは。今回は前作『ユリシーズ』のように「監督、OPで欲しい曲のイメージは?」とプロデューサー始め委員会方面から訊かれることなしに「オーイシさんでいきたいです!」とポニーキャニオンさんから進言されて、完全にお任せでスタートしたので、何が上がってくるのか分かりませんでした。
 で、最初に上がってきたデモの段階ですでに、

 と現行のかたちにほぼ仕上がっており、最初の感想は

なるほど! この角度からきましたか! いいじゃん、このヌケヌケとした「昭和」感!!

でした、もっとハードボイルド系のインストにするなどの可能性もあったかもしれませんが、今作の「洋風刑事ものであり、且つなんでもアリな楽しい世界観」にはピッタリだと思い、コンテも楽しくワクワクする感じに描きました! ただ、オーイシさんの歌に合うように、マトバには原作より少々テンションを上げてもらいました。
 そして、第625回までやってた各話解説に続きに戻ります。5話(からだっけ?)吸血鬼話の続き。今だから正直に語ると、社外に撒いて失敗した作画を自分や木村さん他で大直しした話数。パッケージ版でさらに修正してあります。3話もそうですが、コンテを全話上げてからの板垣の役割は”上手くいってないカット”を1カットでも多く、そして”ローカロリー”に原画を直すこと。これはこれで以外と楽しき! あと、この吸血鬼話は作画の苦労ももちろんですが、役者さんらも非常に大変な話数だったはず。そう、”ファルバーニ語”! 吉岡(茉祐)さんはもちろんのこと、大塚芳忠も。特に吸血鬼役の上坂すみれさんはご苦労されたのでは? もともと上坂さんをキャスティングした理由のひとつに外国語が堪能、とはいってもそれはロシア語であって、見知らぬ架空の言語であるファルバーニ語ではありませんから。上坂さんといえば

 と上坂さんの歌の話題で、少々お話する時間が持てて嬉しかったです。じゃ、6話以降は来週(汗)。

アニメ様の『タイトル未定』
224 アニメ様日記 2019年9月8日(日)

2019年9月8日(日)
暗いうちから散歩。その後は主にデスクワーク。ひさしぶりに原稿に集中できた。もっと「原稿だけの日」が必要だなあ。作業をしながら、Amazon Prime Videoで『劇場版 コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』を観た。想像していた内容とまるで違っていた。内容もよく分からないところがあったけど、これはTVシリーズを観ていない僕がよくない。

2019年9月9日(月)
台風のため早朝の散歩はおやすみ。そのかわり、朝、みっちりとテキストの作業を進める。昼前に散歩に行ったが陽射しが強くて、ちょっときびしかった。まだしばらく、散歩は早朝かなあ。夕方からあるプロダクションで書籍の打ち合わせ。

2019年9月10日(火)
少し寝坊したので早朝の散歩はお休み。その後はデスクワーク。昼にある企画のテキストを書く。他の作業の合間にちまちま書くつもりだったのだけど、まとまった合間の時間がとれなかったので、2時間くらいで一気に書いた。『鬼滅の刃』を1話から視聴。

2019年9月11日(水)
暗いうちから散歩。Amazon Prime Videoの新チャンネル「マイ★ヒーロー」が始まった。これは東映の特撮ヒーロー、アニメを配信するチャンネルで、再見の機会の少ない『とびだせ!マシーン飛竜』や『ビデオ戦士レザリオン』等があるのが嬉しい。とりあえず『闘将ダイモス』1話を観る。昼から中央線方面で打ち合わせ。夕方から業界のある方と食事。『機動戦士Vガンダム』について熱く語ったけど、後になって、前にも同じ方に『機動戦士Vガンダム』を語ったことを思い出した。

2019年9月12日(木)
暗いうちから散歩。午後は来年出る書籍の打ち合わせ。なかなかゴールに辿り着かなかった取材原稿のまとめが、ようやくかたちになった。いやあ、長かった。現状で39297文字。これから校正。最終的な原稿が6万文字くらいになるかと思っていたから、予想よりはコンパクトだった。

2019年9月13日(金)
暗いうちから散歩。原稿作業。ワイフと08:55からの回で「ブレードランナー ファイナル・カット【IMAXレーザーGT字幕版】」を観る。偶然にも左側の席に氷川竜介さん、右側の席に「世界がふり向くアニメ術」のプロデューサー。岡田斗司夫さんも見かけた。事務所に戻って原稿作業。取材の予習。17時から六本木で「アニメスタイル015」の取材。新橋まで歩いて、晩飯を食べてから池袋に。
ある書籍の企画が、企画書を書く前に三つNGになった。ひとつなんて、こちらから提案する前にNGだということが分かった。残りの一つはいけるかもしれないので、これから企画書を書く。企画は沢山仕込まないといけないということだ。

2019年9月14日(土)
暗いうちから散歩。昼間はデスクワークで、原稿以外の作業をいろいろ。夜はレイトショー「新文芸坐×アニメスタイル 特別編 日本アニメーション映画史『白蛇伝』『太陽の王子ホルスの大冒険』」を開催。『白蛇伝』の上映を観てからトークに。トークコーナーは叶さんに1人で喋ってもらうかたちになったけど、自分としては上手くトークを回すことができたつもり。
話は変わるが、いわゆる東映長編で、僕が観ていないのが『世界名作童話 白鳥の王子』。厳密に言うと、クライマックス以降だけを劇場で観ている。映画館に入ったら、映画の終盤だった。クライマックス以降を観て満足して、同時上映作品を観て帰ってしまったのだ。「この人に話を聞きたい」で西沢信孝監督に取材した時に『白鳥の王子』のソフトを探したが見つからなかった。1980年代には大きなレンタル屋にはあったんだけどなあ。

第629回 『コップクラフト』最終回と写真とOP


 『コップクラフト』最終回のダビング終了後、岩崎琢さんが「写真撮ろう!」ということでこうなりました。そもそも写真を撮ることはまったくない俺は、アニメ誌などのインタビュー取材の時も「写真なしなら」と条件を出すくらい。もちろん自分以外のメインスタッフが顔出しする場合は拒みませんが。まず人前に出すようにはできていません、板垣の容姿は。ここ何十年(?)もプライベートで写真を撮ったことがないくらいです。できるだけ跡形もなく死んでいきたいと思ってます。で、何かしら作品が残ってくれたらなあと。前にも言ったとおり、作品づくりは一期一会。自分にとってのスタッフさんやキャストさん、そしてその相手から見た自分との関係も一旦はその作品限り。だからこそ作ってる期間の一瞬一瞬を一所懸命に生きてるのです。で、最近は気づくと作り終わってて、さして余韻に浸る間もなく次の作品へ。

今回も例外なく、来週から次の作品のコンテに入ります!
まだタイトルは言えませんが!

 ま、そんなわけでOPの話の続き。

C-21 このカットもコンテのタイミングを基にCGカーにマトバの作画を載せてます。原画・板垣、作監・木村。
C-22 ビルをツンツン潰す女の指。なんででしょう? 結構早い時期に思いついた画です。『コップクラフト』のタイトルを聞いて思い浮かんだワードが”ペーパークラフト”で、自分は子どもの頃、紙工作が大好きでした。ラフ原を自分が描いて、社内の若手が清書。
C-23 ここのカーチェイスのバック、壊れていくビルもペーパークラフトなイメージ。実は煙とビルと空をそれぞれ円形に描いて、3〜4センチずつ回転させただけのアイデアカット。こちらもカーチェイスをCGで作った後、板垣が原画を載せました。
C-24 ティラナの変身! 木野下(澄江)さんの原画に木村作監。原作者・賀東招二さんいわく「ティラナの変身シーンのイメージは『宇宙刑事ギャバン』Aパートでの蒸着のイメージ」とのこと。「ギャバン」はAパートで変身する場合、軽くビワァン! と一瞬なんですよね(本チャンの蒸着シーンはBパートに取っておく的な意味で)!
C-25 サンテレサに広がる無数のパトライト。ネオン風クレジットを重ねて。天狗工房さんの撮影ONLYカット。
C-26 ティラナの手を引っ張り上げるマトバ。ラフ原は板垣、二原をキーアニメーターの吉田智祐くん。ま、もともと強引奈なカットです(汗)。
C-27 はとりあえず劇場版『ゴルゴ——

 てとこでまた途中ですみません(汗)!

【アニメスタイルの書籍】アニメーター・村田峻治による車輌デザイン集を刊行!

 この秋、アニメスタイルでは、アニメーターの村田峻治が手掛けた車輌デザイン画を集めた書籍を刊行する。書名は「村田峻治 ANIMATION WORKS 車輌設定資料」だ。

 村田峻治はいくつもの作品で、自動車、バイク、戦車といった車両のデザインを担当している。彼がデザインした車輌はリアリティがあり、アニメーションのデザインとしても非常に優れたものだ。
 本書籍はそういった車輌デザインを収録した画集である。

 収録作品は『逮捕しちゃうぞ』『ああっ女神さまっ』『エクスドライバー』『GetBackers-奪還屋-』。巻末には収録作品でもある『逮捕しちゃうぞ』シリーズ等の原作者である藤島康介と村田峻治による対談を収録している。アニメファンには勿論のこと、車輌の画を描く人にも手に取ってほしい一冊だ。

 本書籍の判型はA4、総ページ数は152ページ。Amazon、「アニメスタイル ONLINE SHOP」、イベントでの販売が中心となる。書店での販売はごく一部の店舗のみとなる予定だ。

■村田峻治 プロフィール
アニメーター、デザイナー。亜細亜堂、スタジオジブリ等を経てフリー。代表作に『逮捕しちゃうぞ』シリーズのメカニックデザイン、劇場版『機動警察パトレイバー』原画、『GUIN SAGA』のキャラクターデザイン・総作画監督、『BATMAN GOTHAM KNIGHT』「Field Test」のキャラクターデザイン他など。

■書籍概要
書名/「村田峻治 ANIMATION WORKS 車輌設定資料」
編集/アニメスタイル編集部
発売日/11月30日(土)
サイズ・ページ数/A4、本文152ページ
発行/株式会社スタイル

●関連リンク
アニメスタイル ONLINE SHOP
http://animestyle.jp/shop/

Amazon
https://amzn.to/2pusZlW

第166回 10年を支えた力 〜FAIRYTAIL〜

 腹巻猫です。まもなく終了する「高畑勲展」(東京国立近代美術館)にようやく足を運びました。展示資料の物量に圧倒されます。『風の谷のナウシカ』の音楽イメージを記したメモや、『太陽の王子ホルスの大冒険』の大量のメモ、資料、譜面、『セロ弾きのゴーシュ』の音楽設計を記したノートなど、興味深いものばかり。図録に載ってない資料があるので、もう一度行きたい。10月6日まで。まだの方はお見逃しなく。


 2019年9月29日、TVアニメ『FAIRYTAIL』ファイナルシリーズ(第3期)の放送が最終回を迎えた。
 『FAIRYTAIL』は、真島ヒロが「週刊少年マガジン」(講談社)に連載した同名マンガを原作にしたファンタジーアニメである。TVアニメは2009年10月にスタート。それから、足かけ10年にわたって(中断を挟みながら)放映されてきた。ファイナルシリーズは原作の最終話までを描くシリーズで、これで物語は完結。10年間見続けてきたファンにとっても感慨深い最終回になった。
 長期にわたるTVアニメシリーズでは、途中でメインスタッフやキャストが変更になる場合もあるが、本作は監督の石平信司、シリーズ構成・脚本の十川誠志、音響監督のはたしょう二、音楽の高梨康治らのメインスタッフとメインキャストは変更がなく、番組の雰囲気は一貫している。第1期第1話からファイナルシリーズ最終話まで、全328話がほぼ理想的な形で作られたTVアニメだった。
 筆者にとっても、本作は思い出に残る作品である。第1期からずっと、サウンドトラック・アルバムの構成を担当させていただいたからだ。今回は、『FAIRYTAIL』の音楽の魅力とサントラの聴きどころについて語ってみたい。

 『FAIRYTAIL』の音楽を担当したのは高梨康治。『ゲゲゲの鬼太郎[第6期]』(2018〜)や『ゾンビランドサガ』(2018)、『BORUTO -NARUTO NEXT GENERATIONS-』(2017〜)等の音楽を手がける、アニメ音楽では超売れっ子の作曲家の1人だ。
 高梨康治の音楽的原点はロックである。それもヘビーメタル。という話は、当コラムでも一度書いたことがある(『ハートキャッチプリキュア!』の回)。
『FAIRYTAIL』の音楽もその例にもれず、ロックサウンドを基調に作られている。
 『FAIRYTAIL』は魔法を操る魔導士たちを主人公にした作品である。魔法使いのギルド「フェアリーテイル(妖精の尻尾)」に属するナツ、ルーシー、グレイ、エルザたちが、魔法の力を駆使してさまざまな事件に挑む、冒険ファンタジーアクションとも呼ぶべき作品。ファンタジーであれば、「ハリー・ポッター」シリーズのようにクラシカルでシンフォニックな音楽がつきそうなところに、ロックを持ってきたところがユニークだ。
 筆者が聞いたところによれば、高梨康治とは旧知の音楽ディレクターが本作の音楽制作にかかわっていて、その人物から声がかかったのだという。原作を読んだ高梨康治の頭に、すぐに音楽のイメージが浮かんできた。それはケルト音楽とロックを融合したケルティックメタル。ファンタジーの世界にふさわしい、斬新なロックサウンドだった。
 高梨康治とケルト音楽との出逢いは、『FAIRYTAIL』の少し前に手がけたTVアニメ『こんにちはアン Before Green Gables』(2009)にさかのぼる。世界名作劇場の第26作として制作された本作で、高梨は舞台となるプリンスエドワード島の空気感を表現するためにケルト音楽を採用(カナダ東部にはヨーロッパからの移民が伝えたケルト音楽が盛んな地域がある)。本物のフィドルやアイリッシュフルート、ティン・ホイッスルなどを用いて音楽を制作した。その経験が『FAIRYTAIL』の音楽作りに生かされている。『FAIRYTAIL』の音楽録音には、『こんにちはアン』のミュージシャンも何人か参加しているのだ。
 『FAIRYTAIL』の音楽を代表する曲といえば、「FAIRY TAIL メインテーマ」だ。弦が奏でる印象的なリフから始まり、アップテンポのリズムに乗って、ストリングスによるゆったりしたメロディが展開する。リズムは激しいのに、曲の印象は悠々としていて、どこか懐かしい。高梨康治は細かい音楽発注が来る前にこの曲の原型を書き上げ、スタッフにデモを聴かせて自分のやりたいことを納得させたという。
 『FAIRYTAIL』の初期の音楽は、このメインテーマのバリエーションとメインキャラクターそれぞれのテーマ、のどかな日常描写曲、魔法発動の曲、そして勢いのあるアクション曲などが中心になっている。
 特に力が入っているのがアクション曲で、竜の力を持つ滅竜魔導士ナツのバトル曲「ドラゴンスレイヤー」、魔法の鎧を操る女魔導士エルザのバトル曲「エルザのテーマ」、氷の魔導士グレイのバトル曲「氷刃舞う」など、燃える名曲が多数作られた(いずれもオリジナル・サウンドトラック1枚目に収録)。
 高梨康治は『FAIRYTAIL』と同時期にプリキュアシリーズの音楽も手がけている。キラキラ感とヘビーメタルを合体させたプリキュアの音楽を作る一方で、ダークな味わいもあるパワフルな『FAIRYTAIL』の音楽を作っていたのが、なかなか面白い。
 第1期から10年にわたって作られてきた『FAIRYTAIL』の音楽には、ケルティックメタル以外にもいくつかの特徴がある。
 ひとつは、楽曲に年々、新しい要素が加わって進化していること。初期はケルトの香りが強いが、追加録音では強力な敵魔導士の登場に合わせて、金属がぶつかり合うようなサウンドを盛り込んだ、重厚で緊迫感に富んだ楽曲を制作。高梨康治はこれを「インダストリアルメタル」と呼んでいた。サントラ2枚目に収録した「邪悪の槌音」「魔道の挑戦者」などがそれである。
 また、さらなる追加録音ではプログレ風の曲やデジロック風の曲などを導入。物語の展開に合わせて、音楽に変化をつけている。同時に繊細な情感を表現するシリアスな心情曲が増えてきた。サントラ盤を1枚目、2枚目、3枚目と続けて聴いていくと、その変化の過程がわかって興味深い。
 第2の特徴は、音楽を演奏するミュージシャンがほとんど変わってないこと。一般的なアニメのBGMでは、録音の都度、スタジオミュージシャンが集められるため、同じシリーズでも演奏家が変わることが多い。しかし、『FAIRY TAIL』では高梨康治を中心に、10年間、ほぼ固定したメンバーで録音が行われている。
 もともと、高梨康治はロックバンド出身の音楽家で、自身もプレイヤー(キーボード奏者)である。アニメの音楽制作でも、おなじみのメンバーを集めて、バンドのアルバムを録音するようなノリでレコーディングを進めているのだ。そのため、サウンドに統一感が出るとともに、バンドとしてのまとまりと成長が音楽にも反映し、『FAIRYTAIL』の音楽を演奏・サウンドの面で進化させている。
 『FAIRYTAIL』の第2期、3期では、第1期に作られた音楽をアレンジ、もしくはリメイクした曲がいくつか作られている。新旧の録音を聴き比べると、サウンドがより先鋭化し、深みが増しているのがわかる。同じメンバーでひとつの作品に取り組み続けているからこその味わいが感じられるのだ。

 さて、本作のために作られた音楽は第1期だけで200曲以上(劇場版を除く)。サウンドトラック・アルバムはポニーキャニオンから「FAIRY TAIL ORIGINAL SOUNDTRACK」VOL.1〜VOL.4の4タイトルが発売された。そのうち、VOL.4だけは2枚組なので、CD枚数にして5枚分がリリースされたことになる。それでも、全曲は収録されていない。
 実はサウンドトラック・アルバムを構成するとき、高梨康治の希望もあり、これまでと違う作り方をした。ストーリーに沿った選曲・曲順をやめ、音楽重視で、ロックのアルバムのような構成を試みたのだ。
 そのため、のんびりした日常曲やコミカルな曲をはずし、アップテンポのノリのよい曲を中心に選曲した。曲順も、一気にヒートアップする曲から始め、最後も盛り上がる曲で締める、コンサートのセットリストのような並びを意識している。参考にするために、名盤と呼ばれるロックのアルバムを何枚か聴いたりした。筆者にとっても勉強になった仕事である。
 およそ1年の中断をはさんで2014年4月からスタートした第2期では、アニメーション制作のスタッフが一部変わり、サウンドトラック盤の発売元もポニーキャニオンからエイベックス・エンタテインメントに変更になっている。しかし、サントラ盤の構成は引き続き、筆者が担当させていただいた。メーカーをまたがって同じ作品のサントラを作らせていただくのは、なかなかない経験で、大変ありがたかった。
 第2期では、第1期のメインテーマのテイストを受け継ぎながら異なるメロディを持つ新たなメインテーマ「FAIRY TAIL メインテーマ 2014」が作られている。
 そのメインテーマのバリエーションを中心に、メインキャラクターのテーマ、バトル曲、日常曲、心情曲、その他のストーリーに必要な曲を盛り込んだ音楽設計は、第1期と同様。追加録音と合わせて総曲数は100曲余りになる。激しいバトル曲や怪獣映画音楽的なドラゴンの曲があるいっぽうで、胸にじんわりと沁みる泣けるバラード曲が充実しているのが特徴だ。第2期のサントラ盤「FAIRY TAIL ORIGINAL SOUND COLLECTION」および「同VOL.2」(いずれも2枚組)に収録した「星霜の雫」「エルザの道」「想い出のフェアリーテイル」などは、物語を思い出しながら聴くと落涙必至の名曲である。
 第2期以降の音楽は、サントラ盤の発売元が変わったため、基本的に新作で用意されている。いわば、仕切り直しての新規制作になったわけだが、音楽の方向性はまったくブレていない。ケルトの香りがするロック・サウンドである。これも驚くべきことだ。
 いや、同じ作曲家と同じ演奏メンバーで作られているのだから、驚くことではないかもしれない。けれど、他にもたくさんの仕事をこなしながら、『FAIRYTAIL』の音楽を作るときには、そのサウンドが再現できるのは、本作の音楽イメージがしっかりと確立され、ミュージシャンの中にも染み込んでいるからだろう。
 10年間にわたって音楽的進化と変化を遂げてきても、『FAIRYTAIL』の音楽のコアはまったく変わってない。だからこそ、ファンはシリーズが変わっても違和感なく『FAIRYTAIL』の世界に入っていけるし、第1期からファイナルシリーズまでをひとつの作品として楽しむことができる。『FAIRYTAIL』の音楽は、『宇宙戦艦ヤマト』や『スター・ウォーズ』の音楽のように、音楽の一片を聴いただけで「あ、『FAIRYTAIL』だ」と思わせるくらい、作品の象徴になっている。アニメ音楽史に残る作品として聴き継がれ、演奏され続けていくに違いない。
 音響監督のはたしょう二は、最初に作られた「FAIRY TAIL メインテーマ」のメロディをフィイナルシリーズまで大切に使い続けている。ファイナルシリーズ終盤のクライマックスで「FAIRY TAIL メインテーマ」が流れてくる場面。「これは反則だよ」と思いながらも、胸の奥から熱いものがこみ上げてきて、どうしようもなかった。アニメ『FAIRYTAIL』を観続けてきたファンなら同じ思いを抱いたのではないか。10年にわたって作品を支え続けてきた音楽の力である。

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アニメ様の『タイトル未定』
223 アニメ様日記 2019年9月1日(日)

2019年9月1日(日)
去年も9月1日にも書いたけど、今年も書く。「なんてこった。この空域には、今まで撃墜した数と同じくらいの戦艦がいる!」。ここまでも忙しかったけど、今年の残り4ヶ月はさらに忙しくなのだ。
暗いうちから散歩。久しぶりに公園でラジオ体操。ラジオ体操も毎日やらないといけないなあ。昼からトークイベント「第161回アニメスタイルイベント 『エウレカセブン』を語ろう!」を開催。充実したイベントになった。「家族の絆のハンバーグセット」はアニメスタイルイベントの特別メニューとしては傑作だと思う。池袋に戻ってから、ワイフとポケモンGOのレックウザのレイドに。

2019年9月2日(月)
暗いうちから散歩。午後にワイフと、グランドシネマサンシャインで『映画 この素晴らしい世界に祝福を! 紅伝説』を観る。賑やかで、ひたすら楽しい映画。アニメ『うる星やつら』の正統進化形といえるかもしれない。キャラクターデザインの菊田幸一さんが猛烈に沢山仕事をしているように見えたけど、多分、間違ってない。映画以外はデスクワーク。例によって原稿以外の作業が多い。
9月1日放映分の『サザエさん』を観る。田中秀幸さんのマスオ役としては2回目。田中さんはおそらく増岡弘さんの芝居をなぞろうとはしておらず、それそれでよいと思う。ひょっとしたら、今は台本が増岡弘さんの芝居を前提にした言い回しになっており、喋りづらいところがあるのかもしれない。いずれ作る側も観る側も慣れるだろう。

2019年9月3日(火)
暗いうちから散歩。その後は、デスクワーク。早く片づけなくては、と思っていた作業をふたつクリアした。午後は打ち合わせ3本立てのはずが、3本目がなくなったので、自宅に戻って昼風呂。事務所スタッフは「馬越嘉彦 原画展」の準備の追い込み。

2019年9月4日(水)
暗いうちから散歩。そして、ラジオ体操。午前中は取材原稿のまとめ。タイマーをかけて30分作業して、また30分の繰り返し。午後はササユリカフェの「馬越嘉彦 原画展」の設営を見にいく(設営作業はスタイルのスタッフが担当)。事務所に戻ってデスクワーク。

2019年9月5日(木)
早朝の散歩はお休み。午前中から、シネフィルWOWOWの「世界がふり向くアニメ術」の撮影。前回の『銀河鉄道の夜』の解説が杉井ギサブロー監督に好評だったそうで、それはよかった。今回も地方在住の編集者さんに同行してもらった。その後、事務所に戻って打ち合わせ。来年春に出す予定の書籍の、全体のページ構成・第一弾ができてしまった。急げば年末に刊行できてしまう。いや、そういうわけにはいかないのだけど。

2019年9月6日(金)
暗いうちから散歩。高田馬場まで行って戻る。11時45分からの回で、ワイフと「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」をグランドシネマサンシャインの【IMAXレーザーGT字幕版】で鑑賞。予告も入れると3時間近くの上映時間だが、長いとは思わなかった。ストーリーだけ取り出すと、多分、面白くはないのだけど、映画としては面白い。ある人からLINEで「吉田玲子脚本作品のお薦め」を訊かれて、嬉々としてタイトルを次々に送る。

2019年9月7日(土)
暗いうちから散歩。大塚から巣鴨まで行って、池袋に戻った。いつもの公園でラジオ体操。事務所に戻って、来週以降の仕事の整理。高血圧関係で病院。昼寝。午後はまた事務所に。夕方、今度開店する一人焼肉の店のプレオープンにワイフと行ってみた。値段は通常の焼肉屋よりも定食屋寄り。土曜日っぽい一日って感じ。
ちまちまとiPhoneのKindleで読んでいた推理小説を読了。 「すごいドンデン返し」があると知っていて、それで読み始めたので、だいたいどんな仕掛けかは分かってしまった。要するに叙述トリックだろうと思って読んだら、やっぱり叙述トリックだった。それが分かっていても面白かったけれど。

第628回 オープニングの話の途中

 『コップクラフト』オープニングのカット解説の続き。Youtubeに上がっているコンテ撮ムービーと照らし合わせつつ読んでください。

■TVアニメ『コップクラフト』オープニングコンテムービー

C-6 メインタイトル。前カットでブチ抜かれたラッカーが転がり込んで跳ねるラフ原までは自分。で、そのラフ原で社内の若手にニ原(清書)を頼みました。モブのシルエットはCG。あ、思い出した! モブシルエットのラスト、逃げる犯人っぽいヤツがいますが、最初の思いつきでは「OP内犯人探し」とか考えてコンテを切り始めて、途中で放り投げたのでした。

C-7 コンテをベースにCGムービーを組んでもらい、その上から自分で原画を描いて、木村(博美)さん作監。スタッフテロップをネオン風に、は最初から考えてました。

C-8 ティラナのチャンバラ、その1。木野下澄江さんのラフ原を自分が作監修正でアクションを増やしました。すみません。木野下さんとは、俺が脚本・コンテ・演出・作監で参加した『この醜くも美しい世界』7話以来だから、10数年ぶりに原画を描いていただけて大変嬉しかったです、感謝!!

C-9 トニー&ゴドノフ以下、サンテレサ市警・特別風紀班の面々。ここらもネオンテロップいっぱいに。このカットは俺のコンテを直にレイアウトとして使っての木村による直原画です。ま、このカットに限らずレイアウトは半数以上板垣のコンテ画をそのまま拡大して使用しています。

C-10 大ウソ望遠の信号機たくさん。これも自分のコンテをそのままレイアウトとして使用、演出の播磨(優)くんに指示書きをしてもらい背景へ。このくらいのカットは原画行程を通しません。

C-11 #01のみで登場したチンピラA、B、C。しっかり設定化されてたので使いました。原画は社内のホープ、小林大地くんで作監は木村さん。

C-12 キャミー&ジェミーの縦PAN↑。木野下原画の木村作監。

C-13 #07のみで登場、ゾーイ。駆けてきてパチリ! ちなみに本編でもゾーイが手にしているカメラは村田蓮爾先生の持ち物と同じもの。村田先生もはいつもこのカメラを持ち歩いていました。自分も含め、スタッフが直に手に持たせていただき、参考写真も撮らせてもらいました。ありがたいです! OP冒頭と本編マトバの愛車1号(#06まで)のミニ・クーパーも原作者・賀東招二さんの実物を見せていただき、こちらも写真をたくさん撮りまくらせてもらえました。

C-14 #03より、エルバジ対ティラナのアナザーバージョン。ラフ原・木野下に作監修正・板垣。

C-15 巨大都市から大きなストロークのT.B。一応BGとBOOK分けの指示を播磨にお任せ! でネオン風テロップ。

C-16 ややうつ気味ティラナに、ややテンション高めにやってくるマトバ(新車で!)。これも自分のコンテを下敷きに社内の新人に原画を描いてもらい、木村作監でフィニッシュ!

C-17 で、やや高テンションなマトバのサムズアップ! 100%木村原画。板垣のコンテプランよりも木村自身のマトバに引き戻してくれてます、さすが!

C-18 突如傍らに着弾(?)で、間一髪跳びのくティラナ。これも自分の大ラフに社内新人原画、そして木村作監。

C-19 あちらこちらに銃を持った黒い人。自分のコンテ(レイアウト)に今シーズンで社内に入っていただいた助っ人・岡正信さん原画。銃の描き込みがありがたし!

C-20 ティラナの着せ替えカット。「こういう可愛いカットは木野下さんに」と。そして木村作監。個人史的には『ベン・トー』の著莪あやめOP(#04のみで使用)でも似たことをやったような?

というとこで残りは次回、すみません(汗)。

アニメ様の『タイトル未定』
222 アニメ様日記 2019年8月25日(日)

2019年8月25日(日)
日付が変わったあたりで事務所に。暗いうちに散歩。新宿あたりをウロウロ。久しぶりにラジオ体操。身体がなまっていた。その後、原稿作業と原稿以外の作業。長い1日だった。

2019年8月26日(月)
一日、デスクワーク。取材の予習で『Yes!プリキュア5』『Yes!プリキュア5GoGo!』を観る。今観ると『ふたりはプリキュア Splash Star』もいい。『Yes!プリキュア5GoGo!』4話「うららの台本を届けろ!」と18話「みんなに届け! うららの歌声」は本放映時も「スペシャル回」の印象だった。うららはスタッフに愛されているなあ、とも思った。

2019年8月27日(火)
暗いうちから散歩。午前中は取材の予習で色々と観る。「プリキュアの凄いファン」こと祥太さんに作ってもらったリストが役になった。打ち合わせを挟んで、14時半から「この人に話を聞きたい」で、大塚隆史さんの取材。最初は喫茶店で始めて、撮影を挟んで、その喫茶店の個室で取材の続き。自分的には達成感のあるインタビューだった。編集部スタッフと食事をして、自分は少し歩いてから事務所に。
話は前後するが、近所の古本屋が移転したことを知る。20年くらい前はその店で色々と買っていたが、最近は店に入る回数も減っていた。これで池袋東口に昔風の古本屋はなくなったはず。

2019年8月28日(水)
暗いうちから散歩。打ち合わせ、編集作業、オールナイトの準備、イベントの準備などで、僕も事務所スタッフも大わらわ(事務所スタッフは通販作業もあり)。

2019年8月29日(木)
暗いうちから散歩。朝のツイートをして、メールなどを書いてから、ワイフと博多に向かう。新幹線の中で原稿を書いたり、仕事のメールを書いたり。博多到着は15時半くらい。ホテルに荷物を置いて、居酒屋の二◯加屋長介で食事。店は僕の好みにあわせてワイフが選んでくれた。その後、ワイフの希望で中州を歩く。

2019年8月30日(金)
暗いうちから博多を散歩。ホテルから海まで行って戻る。その後、ワイフと舞鶴公園と大濠公園まで散歩。午前中に福岡市美術館の「富野由悠季の世界」に。展示物はかなりのボリューム。見どころは富野さんの子供の頃、あるいは学生時代の作品と関連物だろうか。僕的な見どころは『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の絵コンテだった。音声解説はキャラクターの掛け合いだったけれど、ノリが不思議な感じだった。ある意味、そのノリは富野監督的。 「富野由悠季の世界」で(正確には「富野由悠季の世界」の外で)上映されていた『しあわせの王子』だが、ワイフは小学校の給食の時間に何度か観たことがあるそうだ。王子の像から剥がした金箔が何故か正方形になっているところが印象的だったそうで、上映されていたものも金箔が正方形だったので、間違いないだろうとのこと。
福岡市美術館では他の展示も見た。「コレクションハイライト2 1945 年以降の現代美術」で、アンディ・ウォーホルの作品があったのだけど、サイズが大きくて、そのことで驚いた。アンディ・ウォーホルの作品は書籍で何度か見ていたが、サイズは想像したことがなかった。博多駅のすぐ近くで飲んで、新幹線で東京に。一度、事務所に入ってから帰宅。

2019年8月31日(土)
暗いうちから散歩。午前中はメールなど。昼に軽く休むつもりが、夕方まで寝てしまう。事務所にきたアニメスタイル卒業生(今は業界の方)と世間話と食事。その後、デスクワーク。ワイフは「富野由悠季の世界」の影響で、昼は『∀ガンダム』の楽曲を聴いていて、夜は配信で『∀ガンダム』を1話から観ていた。

第627回 コンテと原画と板垣

 前回解説したとおり、”コンテ描きたがり板垣”のルーツはやはり出崎統監督のコンテにあります。もっとド直球に

コンテが描きたくて(切りたくて)アニメを始めたし、出崎アニメ以外のアニメがなくなっても俺は全然困らない(こちらはややオーバー)!

とも言えます。そのくらい「コンテ」と言えば「さきまくら」、「アニメ」とは俺にとっての「出崎統」なのです(意味不明)!
 そんな構えでテレコム・アニメーションフィルムに入ったものだから、もうアウェー感が半端なかった新人時代。そりゃあ「止め! 劇画! ケレン味!」な出崎アニメ狂が、真逆の大塚康生さんや古くは宮崎駿さんらを中心に「動かせるアニメーターを」と育成を標榜したアニメ会社に入社して、「出崎! 出崎!」と連呼するわけだから、周りの先輩方からは「お前誰に何を習いに来たんだ?」「テレコムに来て出崎アニメ作る気か?」とよく攻撃されましたよ! ほぼ隠れキリシタン状態です。そのテレコム時代に板垣が「好きなアニメ」として挙げていたのが

『あしたのジョー』『宝島』を始めとする
出崎アニメと『未来少年コナン』!

でした。自分としては出崎作品と宮崎作品が並ぶのはごく自然なのですが、当時の先輩方からは奇異の目で見られていたんです、なぜか。
 もうお分かりでしょう? 俺の作画方面は小田部羊一先生から大塚・友永テレコムの、昔の言い方ではいわゆる”東映派”で、コンテ・演出方面は出崎監督に代表される”虫プロ派”の映像主義の両輪で成り立っているということが。動きに関しては大塚・友永両師匠よりたくさん教わって、コンテ(カット割り)は独学。ただ『キャプテン翼』(2002年版)の時、杉井ギサブロー監督(東映出身の虫プロ派)より、

アニメーター出身とはいえ演出家になったんだから、動き(作画)以外の”演出”で作る見せ場を考えるといいですよ!

との教えがあり、そこは常に意識するクセがつきました。よって今回の『コップクラフト』に限らずアニメの現場では大抵はつきまとう「1話あたりのカット数・動画枚数制限」内にちゃんと収まるコンテを上げるようにしています。
 で、もちろん『コップクラフト』のオープニングも例外ではありません。そして、枚数を使うトコと止めるトコ、作画と演出のメリハリがいつものテーマ。以下、カット内容についてザッ! と。カットナンバーはコンテムービーを確認してみてください。

C-1A〜2Bの4カットはベタな割り。特に新しいことをやってるつもりはありません。
C-3 夜景の横PAN→。なんとなくエンディングとリンクする感じとか。
C-4 ミニ・クーパーのキーを回す位置、コンテの画が間違ってます。
C-5 車庫から発進するミニ・クーパー。BG(背景)は2枚の置き換え。カット尻で撃ち抜かれるのは、メインタイトルのグラフィティーに使用したであろうラッカー。ラフ原は自分。
C-6 メインタイトル。

 てとこで、いつもの時間切れ。

アニメ様の『タイトル未定』
221 アニメ様日記 2019年8月18日(日)

2019年8月18日(日)
早朝に新文芸坐に。オールナイト「新文芸坐×アニメスタイル セレクションvol.118 『この世界の片隅に』三度目の夏」のラストを見届ける。昼間は大物の原稿を進めるつもりが、なかなか進まず。原稿以外の作業に切り替える。作業をしながら「臨死!! 江古田ちゃん スペシャルロングVer.」を1話から観る。16時にワイフと神田の五の五へ。吉松さんと打ち合わせを兼ねて飲む。
急に思いついて、神田からの帰りに大塚で降りて、水baに寄る。水baは足を冷たい水に浸して、お酒などを楽しむことができるスポットだ。楽しいし、快適。しかも、僕らが行った時は空いていた。ワイフも大喜び。

2019年8月19日(月)
暗いうちから散歩。昼間はデスクワーク。色々進めたけれど、もっと進めなくては。夕方にジムで少し運動。だけど、もっと運動したい感じだ。「臨死!! 江古田ちゃん スペシャルロングVer.」を最終話まで観た。ある仕事でプロフィールがほしいと言われたので書いてみた。

■プロフィール
アニメ雑誌編集者。アニメ雑誌で30年以上、活動するライター&編集者。雑誌「アニメスタイル」編集長であり、アニメの企画・脚本やイベントの企画なども手がける「アニメのなんでも屋」。株式会社スタイル取締役社長。主な仕事に『少女革命ウテナ』(プランニング)、『機動戦艦ナデシコ』(劇中アニメ設定)、『ケモノヅメ』(企画協力・文芸・脚本)、『【俗・】さよなら絶望先生』(シリーズ構成・脚色)、また、「美少女戦士セーラームーンR メモリアルアルバム」(編集・構成)、『新世紀エヴァンゲリオン』LD(ジャケット編集)、「時をかける少女 絵コンテ・細田守」(発行・編集)、「磯光雄 ANIMATION WORKS」(発行・企画)、「この人に話を聞きたい」(著書)等がある。1964年5月1日生まれ。埼玉県出身。

2019年8月20日(火)
暗いうちから散歩。その後はずっとデスクワーク。少し原稿の調子が出てきた。打ち合わせもした。イベント準備もあり、大忙し。

2019年8月21日(水)
暗いうちから散歩。午後にあるプロダクションで打ち合わせ。他はデスクワーク。録画で、アナザーストーリーズ「そして、ルパン三世が生まれた~命を吹き込んだ男たち~」を観た。原作、TVシリーズ、『LUPIN THE IIIRD』にスポットを当てた構成。僕的には『LUPIN THE IIIRD』の部分に新事実が多かった。

2019年8月22日(木)
例によって暗いうちから散歩。ワイフと午前11時に池袋マルイの「今 敏 メモリアルイベント」に。開店前に行列が出来ていてびっくり。上映会とトークショーに参加する(グッズを購入したお客さんが先着で参加券をもらえる)お客さんだったらしい。作業に関しては、例によって片づけなくてはいけないことが山積み。予定外の急ぎの作業も。夕方、ジムに行ってクロストレーナーを40分。
確認することがあって、杉井ギサブロー監督版の『グスコーブドリの伝記』を視聴。公開時は『銀河鉄道の夜』と比べてしまったけれど、比べないで観たほうがよさそうだ。

2019年8月23日(金)
早朝の散歩はおやすみ。Blu-rayで『MIND GAME』を視聴する。画面が驚くくらいに鮮明。今まで(DVDと上映で)画面がモワッとした印象だったシーンも、パキッとした感じに。床屋に行ってから「世界がふり向くアニメ術」の取材でSTUDIO4゚Cに。田中栄子さんと対談になるかもしれなかったのだけど、普通にインタビューするかたちとなった。取材の帰りに、松屋銀座の「アニメ化30周年記念企画 ちびまる子ちゃん展」に。湯浅政明さんの担当カットも含めて、展示物が豊富だった。

2019年8月24日(土)
暗いうちから散歩。昼間はデスクワークで、原稿以外の作業。取材の予習で『Yes!プリキュア5』1話から再視聴開始。始まり方がナチュラルだなあ(運命の人とかスーパー生徒会長がいたりするけど)。午後に昼寝。21時から、ワイフとグランドシネマサンシャインで「ダンケルク」【IMAXレーザー/GTテクノロジー字幕版】を鑑賞。スクリーンで観たのは三度目のはずだけど、一番よかった。そのシーンに自分が立ち合っている感じが素晴らしい。晩飯を食べた後、事務所に。

第165回 音楽ギャグでイェイ! 〜ジュエルペット サンシャイン〜

 腹巻猫です。いよいよ今週末になりました。「渡辺宙明トークライブ Part13〜『スーパーアニソン作曲家 渡辺宙明大全』出版記念!〜」、9月22日(日)13時より阿佐ヶ谷ロフトAにて開催です。会場では、書籍『スーパーアニソン作曲家 渡辺宙明大全』(辰巳出版)のほか、渡辺宙明の新曲を収録したミニアルバム「SFX巨人伝説ライン 30th Anniversary Song」と映画音楽デビュー作を収録したアルバム「渡辺宙明 新東宝映画作品集」も販売します。前売り券はe+にて発売中。ぜひ、ご来場ください!

渡辺宙明トークライブ Part13
https://www.loft-prj.co.jp/schedule/lofta/126944


 サンリオのYouTubeチャンネルで、6月からTVアニメ「ジュエルペット」シリーズ全話が順次公開されている。シリーズ放映開始から10周年を迎えたことを記念したものだ。6月にTVアニメ第1作『ジュエルペット』(2009)が、7月末に第2作『ジュエルペット てぃんくる☆』(2010)が、9月からは第3作『ジュエルペット サンシャイン』(2011)が、配信を始めた。
 TVアニメ「ジュエルペット」シリーズは、サンリオの動物キャラクター・ジュエルペットを主人公にした作品である。ジュエルペットは瞳にルビー、サファイア、ガーネットなどの宝石を持つふしぎな動物。魔法の国ジュエルランドに住み、魔法学校で魔法を学んでいるという設定だ。
 1年間放映されるTVアニメ「ジュエルペット」シリーズには、毎年、同じジュエルペットたちが登場する。デザインも声優も基本的に同じ。しかし、ストーリーや設定はシリーズごとに異なり、シリーズ間のつながりはない。ジュエルペットの性格も、少しずつ異なっている。そのおかげで、各シリーズの個性がはっきりしているのが特徴だ。
 筆者はサウンドトラック・アルバムの仕事をしたので、『ジュエルペット てぃんくる☆』と『ジュエルペット サンシャイン』はリアルタイムに全話視聴した。土曜日の朝放映されている、子ども向けの愛らしいキャラクターのアニメである。仕事でなければ、観なかったかもしれない。しかし、キッズ向けアニメとあなどっていたら、『ジュエルペット てぃんくる☆』では、夢を追う少年少女たちの熱いドラマに感動させられた(シリーズ構成とメイン脚本は島田満)。続いて始まったのが、『ジュエルペット サンシャイン』だ。これにはぶっ飛んだ。
 『ジュエルペット サンシャイン』はとんでもないアニメだった。前作の感動ストーリーから一転、パロディやブラックなギャグが満載の破天荒な作品になって、「こんなに変わっていいのか?」ととまどったものである。それは音楽演出においても同様だった。

 YouTubeで『ジュエルペット サンシャイン』が全話公開されて、筆者が真っ先にチェックしたのが、第25話「雨にうたえばイェイッ!」。劇中でジュエルペットの女の子ガーネットとアイドル・ディアンが手をつないで街中を走る場面にザ・ビートルズ「ハード・デイズ・ナイト」が流れる(実写劇場作品「ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!」のパロディ)。女優志望のガーネットがオーディションに臨む場面は実写劇場作品「フラッシュダンス」の名場面の完コピで、流れる音楽はもちろんアイリーン・キャラの「ホワット・ア・フィーリング」。……というのは放映版で、DVD版では似た感じの別の音楽に差し替えられている。放映とパッケージでは音楽使用料の扱いが異なることによる措置である。配信版はどちらか……? と思いながら観たが、残念ながら音楽が差し替わったパッケージ版だった。予想はしていたが、ちょっとがっかり。
 第25話に限らず、本作には既成のヒット曲を使ったパロディシーンがたくさんある。第7話の「アルマゲドン」のパロディ(エアロスミス「ミス・ア・シング」)、第35話の「卒業」のパロディ(サイモン&ガーファンクル「サウンド・オブ・サイレンス」)などのほか、日本のTV番組のテーマ曲や寺尾聰のヒット曲「ルビーの指環」を使ったシーンも登場する。いずれもパッケージ版では差し替えられていて、放映版の面白さが伝わらないのが惜しい(CS放送等では差し替えなしで放送されている)。
 しかし、そんなことを抜きにしても、本作には音楽込みで笑える名シーンが多い。音楽がからむギャグというと、名曲を使ったパロディ以外にも、シリアスなシーンにコミカルな音楽を流し(あるいはその逆の組み合わせで)異化効果をねらったものや、悲しい場面や怖い場面に大げさな曲を流して一種のパロディにしてしまうものなど、さまざまな手法がある。変わった音色の楽器やコミカルなリズムを使って音楽自体をユーモラスに仕上げるケースもある。
 『ジュエルペット サンシャイン』の場合、音楽にも多少コミカルな要素はあるが、シーン自体が突拍子もないところに音楽が追い打ちをかけるケースが多い印象である。不条理ギャグ回とも呼べる第7話「サンクスジュエルデーにイェイッ!」や第36話の前半「ジュゲムペットでウヒョイッ!」などはその典型だ。また、全編が劇中ミュージカルになった第34話「ミュージカルだよ!イェイッ!」は、歌あり踊りありギャグありの、本作の魅力が詰まったエピソード。どの回を観ても、面白くするためには音楽ひとつにも手を抜かないスタッフのこだわりが伝わってくる。

 本作の音楽を手がけたのは『ガールズ&パンツァー』『ああっ女神さまっ』などで知られる浜口史郎。『ジュエルペット』『ジュエルペット てぃんくる☆』『ジュエルペット サンシャイン』の音楽を続けて担当している。
 浜口史郎といえば、オーケストラを巧みに使ったスケール感豊かな音楽やポップで品のよい楽曲が持ち味の作曲家。けれど、「ジュエルペット」シリーズの音楽はひと味違う。生音は控えめで、打ち込み中心のキラキラしたサウンドで統一されている。宝石を瞳に宿すジュエルペットらしい音楽だ。女の子を中心にしたキッズ向けアニメとしても、カラフルで鮮やかな音色はぐっと心をつかむ要素になったはずである。
 アニメ「ジュエルペット」がシリーズごとに違った設定と物語を持っているのに合わせて、音楽もそれぞれ異なっている。たとえば、どのシリーズにも舞台となるジュエルランドのテーマや主人公のジュエルペット・ルビーのテーマなど同じ主題の曲があるのだが、浜口史郎はシリーズごとに違う曲を書いている。名前は同じでも違う世界、違うキャラクターという認識なのだ。他のシリーズものとは異なるユニークな点である。並べて聴いてみるのも面白い。
 内容はそうとう型破りな『ジュエルペット サンシャイン』であるが、音楽は比較的オーソドックスである。音楽発注時には、ここまで振り切れたアニメになるとは誰も予想していなかったのではないか。
 本作の音楽は、「ジュエルペット サンシャイン はっぴぃ×3ミュージック」のタイトルで2011年7月に日本コロムビアから発売された。タイトルの「はっぴぃ×3」は「はっぴぃ はっぴぃ はっぴぃ」と読む。これは、1作目、2作目のサントラ盤のタイトルがそれぞれ、「ジュエルペット はっぴぃ♪ミュージック」「ジュエルペット てぃんくる☆ はっぴぃ☆はっぴぃミュージック」であったのに倣ったもの。次作『ジュエルペット きら☆デコッ!』(2012)からは音楽担当が浜口史郎でなくなり、サントラ盤も発売されなくなったので、この趣向は継承されなかった。
 サントラ盤収録曲は以下のとおり。

  1. ジュエルペットサンシャインのテーマ
  2. GO! GO! サンシャイン(TVサイズ)(歌:五條真由美)
  3. 宝石の国ジュエルランド
  4. サブタイトル
  5. サンシャイン学園
  6. ルビーと仲間たち
  7. 花音のテーマ
  8. イルカ先生がやってきた
  9. ミラクルチャーム☆ジュエルフラッシュ!
  10. 3年ウメ組おちこぼれ組
  11. お気楽で行こうイェイッ!
  12. 花音の恋心
  13. たゆたう想い
  14. ルビーのやさしさ
  15. ラブラとエンジェラ
  16. ハイテンションでイェイッ!
  17. ペリドットとひなた
  18. ペリドット☆ジュエルフラッシュ!
  19. 青空のメッセージ
  20. 学園生活
  21. おしゃれなガーネット
  22. あこがれのダイアナ
  23. あの子は人気者
  24. ガーネット☆ジュエルフラッシュ!
  25. ジュエルランドの休日
  26. のんびり脱力系
  27. ゆかいな仲間
  28. イケメン組登場
  29. ほのかな恋
  30. ワニ山のテーマ
  31. ネジ川のテーマ
  32. 謎を追うルビー
  33. 晶子のテーマ
  34. スピード勝負!
  35. 友情のジュエル
  36. 夕日に向かってイェイッ!
  37. 星空のジュエリーナ
  38. 困ったルームメイト
  39. ヤバイ展開!?
  40. 大ピンチ
  41. 力を合わせて
  42. ピュアなハートで
  43. 恋は魔法
  44. サンシャインな日々
  45. 花音のキモチ
  46. 夢を追いかけて
  47. 明日もドキドキだよイェイッ!
  48. イマドキ乙女(TVサイズ)(歌:増山加弥乃&望月美寿々)

TVサイズのオープニング&エンディングテーマを含む全48トラック。
 構成は筆者が担当した。
 チャンスがあれば、もう一度作りたいサントラである。というのも、サントラを制作したのは5月末から6月初旬にかけて。番組はようやく7話か8話が放送された頃だった。そのときは、ここまでぶっ飛んだ作品になるとは予想してなかったのだ(7話まででも、十分とんでもないエピソードがあるのだが)。前作『ジュエルペット てぃんくる☆』の余韻が残っていたこともあり、前作よりも元気でコミカルな作品……でも、最後はいい話で終わる……というイメージで選曲・構成したことを覚えている。
 本作の音楽は第1回録音で約80曲が作られていた。選曲段階で落とした曲が30曲近くある。シリーズが半分くらい進んだ時期に取りかかっていたら、もう少しコミカルな曲や不穏な曲、ハイテンションの曲を入れたのになあ……。曲順と曲タイトルも、もうひと工夫していただろう。
 しかし、これはこれで、ジュエルペットらしい曲が詰まったアルバムである。
 1曲目の「ジュエルペットサンシャインのテーマ」はタイトルどおりメインテーマとして書かれた曲で(MナンバーはM1)、ジュエルペットの世界のキラキラしたイメージ、わくわく感を伝えるナンバーだ。
 オープニング主題歌「GO! GO! サンシャイン」を挟んで、「宝石の国ジュエルランド」はファンタスティックで穏やかなジュエルランドのテーマ。番組の冒頭によく流れていた曲で、皆口裕子のナレーションが聞こえてくるようだ。
 「ルビーと仲間たち」「花音のテーマ」は本作らしい楽曲で、可愛らしさを残しつつ、ちょっとずれたコミカルさをかもし出している。
 トラック8の「イルカ先生がやってきた」は第1話のイルカ先生登場場面に流れた曲。オルガンとエレキギターをメインにしたロックンロール調で、スラップスティックなギャグシーンを彩った。
 筆者が(今にして)気に入ってるのは、トラック30の「ワニ山のテーマ」。パーカッションを多用したエスニック風味の曲で、コミカルさと不穏なイメージが共存する。後半に入ってサックスのソロが登場するところが笑える。本作のイメージを伝えるユニークな曲である。その次の「ネジ川のテーマ」も一風変わった曲調で面白い。こういう、「おかしいんだか不思議なんだかわからないが、なんとなく変」という曲が『ジュエルペット サンシャイン』に一番合っている気がする。
 アルバム終盤は、大事件発生〜力を合わせて解決〜エピローグ、というイメージで構成したのだが、今なら、もうひとひねりした締めくくり方を考えると思う。でも、最終話はけっこう感動的な終わり方なので、あながちはずれてもいなかった。

 前作の『ジュエルペット てぃんくる☆』は、2013年にBD-BOXが発売されたときに、同梱の「完全版サウンドトラック」(全BGMを収録したCD2枚組)を構成させていただく機会があった。しかし、『ジュエルペット サンシャイン』は放送当時サントラCD1枚が発売されたのみで、多数の未収録曲が残っている。番組後半に登場する怪盗M-Kageの曲など、追加BGMとおぼしき曲もある。
 今回の全話配信を機に、完全版サウンドトラックを出してもらいたいなあ。既成のヒット曲の収録は無理としても、パッケージ版で代わりに使われたBGMやミュージカル回の曲、最終話の合唱版主題歌も網羅して。筆者の中で、本作は「21世紀以降の面白かったアニメ」上位にランクインする思い出深い作品。音楽ともども、埋もれさせておくには惜しい名作である。

ジュエルペット サンシャイン はっぴぃ×3ミュージック
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ジュエルペット てぃんくる☆ はっぴぃ☆はっぴぃミュージック
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ジュエルペット はっぴぃ♪ミュージック
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第626回 またOPコンテムービー

ポニーキャニオン様の公式に『コップクラフト』のオープニング・コンテムービーを上げていただきました!

■TVアニメ『コップクラフト』オープニングコンテムービー

 ここ何作かはコンテ自体をStoryboard Proで描いてたりするので、コンテ撮ムービーは簡単にできます。ってか動きを確認しながらカットを割ってる感じですから常に。  絵コンテ——今まで何回もこの連載で語ってきたこの絵コンテというヤツに憧れてアニメ業界に入ったのが板垣です。中学3年生の頃「月刊アニメージュ」で初めて目にした出崎統監督の絵コンテのショック! 出崎監督特集で紹介されていた、たった1ページの『あしたのジョー2』のコンテに理由も分からず「凄えっ!!」と感動し、「出崎アニメのカッコよさのすべてがここにある! 自分もこんなコンテを描いて『ジョー2』のようなアニメを作りたい!」と。出発点はそれ。小・中・高とマンガを描いてたけど、カリカリとペン入れをしてペタペタとホワイトで修正する繰り返しの作業に、なんとなく面白味を感じなくなった俺の目の前に、”アニメーターにイメージを与えるラフが画の連なり”に将来の希望を見たのです。その時見た「アニメージュ」の特集で、出崎監督のコメントに「(アニメをやって)初めて描いた動画が動いた時も面白いと思ったけど、バイトで初めてコンテを切った時、これはなんて面白い仕事だ! と思った」とありました。「しかも動いて音までつく!」とも。

 う、時間です、申し訳ありません!

新文芸坐×アニメスタイル セレクションVol. 120
スクリーンで観る『モブサイコ100 II』

 2019年10月12日(土)に開催するオールナイトは「新文芸坐×アニメスタイル セレクションVol. 120 スクリーンで観る『モブサイコ100 II』」。
 ONEの同名マンガを映像化した『モブサイコ100』は、現在までにふたつのシリーズが制作されている。今回のプログラムでは、第2シリーズ『モブサイコ100 II』全13話と、OVA『モブサイコ100 第一回霊とか相談所慰安旅行~ココロ満たす癒やしの旅~』を上映。愛すべきキャラクター達の活躍を劇場のスクリーンで楽しんでいただきたい。

トークのゲストは立川譲監督とキャラクターデザインの亀田祥倫。前売券は9月14日(土)から新文芸坐窓口とチケットぴあで発売となる。

新文芸坐×アニメスタイル セレクションvol. 120
スクリーンで観る『モブサイコ100 II』

開催日

2019年10月12日(土)

開場

開場:22時15分/開演:22時30分 終了:翌朝6時(予定)

会場

新文芸坐

料金

当日・一般3000円、前売・友の会2800円

トーク出演

立川譲、亀田祥倫、小黒祐一郎(司会)

上映タイトル

REDLINE(2010/102分/35mm)
TVシリーズ『モブサイコ100 II』全13話
OVA『モブサイコ100 第一回霊とか相談所慰安旅行~ココロ満たす癒やしの旅~』

備考

※オールナイト上映につき18歳未満の方は入場不可
※トークショーの撮影・録音は禁止

●関連サイト
新文芸坐オフィシャルサイト
http://www.shin-bungeiza.com/

アニメ様の『タイトル未定』
220 アニメ様日記 2019年8月11日(日)

2019年8月11日(日)
コミックマーケット96の3日目。午前中は事務所。馬越嘉彦さんが会場に来るのにあわせて、自分も午後に会場へ。馬越さんにはアニメスタイルのブースの前で看板を持っていただく。
コミケの行き帰りで、Kindleで「さすがの猿飛G」を読む。細野不二彦さんが描いている「さすがの猿飛」の続編だ。あまりにも絵柄が変わっていて驚くが、細野さんの絵が変わっているのは「さすがの猿飛G」を読む前から分かっていたことだ。そのこと自体で文句を言ってもしかたがない。「さすがの猿飛G」はリメイクとか、息子の話とかではなくて、「さすがの猿飛」の続編だった。あれ、原作「さすがの猿飛」の最終回ってどんな感じだったっけ? と思って「さすがの猿飛」の最終刊をKindleで購入して読む。あ~、こんな話だったか。続編が描かれてもおかしい終わり方ではない。だけど、やっぱりこの頃の細野さんの画が好きだと思ってしまう。

2019年8月12日(月)
コミックマーケット96の最終日。事務所で作業をして、午後から会場に。久保田誓夫妻がブースに遊びに来てくれたので、久保田君にアニメスタイルの看板を持ってもらう(久保田君は「さんづけ」にすると「さんづけはやめてください」と言うので、久保田君と表記します)。
話は前後するが、午前中に取材のまとめ作業をやって、テープおこしのクオリティが高くて驚いた。おこしをしている人が、文章の書き手として美意識が高くて、きちんと推敲している感じ。さらに話が変わるが、SNSで「お似合いですよ」と書こうとしたら「『お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ』ですよ」と変換された。すっかり忘れていたけど「お似合い」で『お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ』と変換するように単語登録していたのだ。

2019年8月13日(火)
コミケ明けで、事務所はお休み。暗いうちから散歩。午前中にグランドシネマサンシャインで「ライオン・キング」【IMAXレーザーGT3D字幕版】を鑑賞。一部のシーンで「画角が1.43:1のフルサイズまで広がる」仕様で、クライマックスがとんでもなくよかった。映画の一場面に立ち合っているような臨場感だった。それだけでも観たかいがあった。その後は事務所を片づけたり。

2019年8月14日(水)
暗いうちから散歩。午前中にグランドシネマサンシャインで劇場版『ONE PIECE STAMPEDE』を観る。盛り沢山だし、新しい魅力もあるし、さらに見せ方のポイントもおさえている。トータルで現代の観客が求めるものになっていると思う。「ここでウソップの活躍がほしい」と思ったところでウソップの活躍があるとか、そういうところがいい。今まで、劇場版『ONE PIECE』に関して、最後が「強い敵VSルフィ」になってしまうのがちょっと不満だった。今回の『STAMPEDE』も最後には「強い敵VSルフィ」になってしまうのだけど、そこまでに各キャラクターの活躍と見せ場がたっぷりあるので、不満は感じなかった。ハンコックの扱いが難しいというのも分かった。活躍させすぎると別のアニメになってしまう。それが分かっていても、いつかハンコック大活躍編が観たい。

2019年8月15日(木)
一日、デスクワーク。いろいろ片付けたけど、まだまだ終わらず。

2019年8月16日(金)
風が強かったけど、暗いうちから散歩。その後は「設定資料FILE」の構成。同じことを何度も書いているかもしれないけれど、同じ仕事を30年以上も続けると上手になるなあ。他にはAmazonのへの搬入スケジュールについての相談など。
作業をしながら「全裸監督」を最終話まで視聴した。僕的には黒木香さんの撮影のエピソードが、飛び抜けて面白かった。作品全体としては、テレビではできない内容だし、映画でやったとして、多くの人が観に行くかというと、そんなことはないだろう。その意味ではネット配信ならではの作品になっている。今後、このくらいの企画と作り込みの作品が連発されるようになるのだろうか。
Amazon Prime Videoで「LUCY/ルーシー」を観た。最初はAmazonのオリジナルかと思ったけど、2014年に公開された映画なのね。『GHOST IN THE SHELL』に似ていることについては、wikiでも指摘されていた。『モブサイコ100』と似ているのは偶然? それとも両作がお手本とした作品があるのだろうか。
15時からある方と早すぎる晩ご飯。そして、早めに就寝。

2019年8月17日(土)
暗いうちから散歩。昼間はデスクワークと昼寝。オールナイト前に、Blu-rayソフトで『リトル・ニモ』月岡貞夫版のパイロットフィルムを観る。4分×2本で計8分かな。テレコム版(近藤喜文×友永和秀版)、出崎統版よりも原作に忠実。作画は普通。月岡貞夫版はペンシルテストのようなものだという説と、セルアニメで90秒のものが3本あるという説を聞いていたけど、どれも違った。夜はオールナイト「新文芸坐×アニメスタイル セレクションvol.118 『この世界の片隅に』三度目の夏」に。

以下はトークで語られたことのメモ
・『リトル・ニモ』の近藤喜文×友永和秀版パイロットフィルムは、近藤喜文さんが監督だった時期に制作したもの。高畑さんが監督だった時代のイメージを利用している。具体的に言うと、高畑監督時代に友永さんが描いた絵コンテがもとになっている。足りないカット等は片渕さんがコンテを描いている。
・近藤喜文×友永和秀版パイロットフィルムは、スタッフがアメリカ研修で学んだことをかたちにするために作った習作であり、「こういった映画を作るぞ」というプランをかたちにするのものではない。
・同パイロットフィルムは近藤喜文さんが映画のプランを組み立てる間に、手があいたスタッフが作ったものであり、近藤さんは「夜空の色はこうしたい」といった意見は言っているが、制作にはほとんど参加していない。
・これは前に取材でも話題になっているが、近藤喜文×友永和秀版パイロットフィルムはカメラを横にして撮影し、フィルムの1コマの面積を大きくした70ミリフィルムで制作されている。当時、『リトル・ニモ』の本編を70ミリ作品にすることだけは決まっていた。
・70ミリで制作するにあたって、トレスマシンではなく、ゼロックスを使用した。

新文芸坐×アニメスタイル セレクションVol. 119
ハード&スタイリッシュ 小池健の世界

 ハードかつダンディな作風で知られる監督&アニメーターの小池健。2019年9月28日(土)開催のオールナイトでは彼の作品にスポットをあてたプログラムをお送りする。上映作品は『LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標』『同・血煙の石川五ェ門』『同・峰不二子の嘘』『REDLINE』の4本だ。

 『LUPIN THE IIIRD』はハードな内容とアニメーションとしてのクオリティの高さで『ルパン三世』ファンから高く評価されているシリーズだ。『次元大介の墓標』『血煙の石川五ェ門』『峰不二子の嘘』で小池健は監督、キャラクターデザイン、作画監督などを務めている。
 『REDLINE』はオリジナルの長編アクションアニメ。この作品でも小池健は、監督、デザイン、作画監督などを兼任。彼の個性が色濃く出た作品であり、代表作だ。

 前売りチケットは、9月7日(土)から新文芸坐窓口とチケットびあで発売となる。

新文芸坐×アニメスタイル セレクションvol. 119
ハード&スタイリッシュ 小池健の世界

開催日

2019年9月28日(土)

開場

開場:22時45分/開演:23時00分 終了:翌朝5時(予定)

会場

新文芸坐

料金

当日・一般3000円、前売・友の会2800円

トーク出演

企画中 小池健、小黒祐一郎(司会)

上映タイトル

REDLINE(2010/102分/35mm)
LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標(2014/51分/DCP)
LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門(2017/54分/DCP)
LUPIN THE IIIRD 峰不二子の嘘(2019/56分/DCP)

備考

※オールナイト上映につき18歳未満の方は入場不可
※トークショーの撮影・録音は禁止

●関連サイト
新文芸坐オフィシャルサイト
http://www.shin-bungeiza.com/

第625回 日々『コップクラフト』

 前回の続き、『コップクラフト』の各話。2話は1話の続き、当たり前です。マトバが自宅にティラナを連れていく〜マトバの「おやすみ」までのくだりが、自分的に描いて気に入ってたところだったりします。原作を読んだ時からティラナとマトバって、自分の初監督作『BLACK CAT』のイヴとスヴェンにダブってたんですが、『コップクラフト』2話は『BLACK CAT』とは違った角度から見た「オジサンと少女」の関係を楽しんで描きました。公園のベンチでマフラーを巻いて震えてる負けん気なティラナの表情と白い息、作画もいい感じに上がったと思います。マトバの家の玄関から自室までのくだりでの、1話の同ポジ(レイアウト・背景の兼用)の多用はもちろん意図的で、日常感を出すための常套でよくある演出。手抜きとかではありません。同ポジの繰り返しに一部分の変化(ティラナ)を加えることで、そこを立たせるのが目的ってヤツ。
 3話、はっきり言って最初の作画外撒き話数。今、あらゆるアニメ制作現場で作画監督が足りてません。最初から先方より「作監が半分しか入れられません」と泣きが入っている場合も少なくありません。それでもこちらはお願いせざるをえないわけですから、今回も恨むどころか受けていただけただけでも感謝しかないのです。ただ「直させていただきます」と。その直しに社内のスタッフを駆り出して、自分も陣頭指揮に当たったり、原画を描いたり直したりとやり倒し、キャラデの木村(博美)さんにもティラナなどをガッツリ直してもらい、とにかくラストの動仕素材のデジタル修正に至るまで相当苦労した話数。あと、いわゆる「パンツを見せるかどうか問題」は賀東(招二)さん村田(蓮爾)さんと「無理に重力に逆らってまで隠すよりは、アクションの中で自然に見えるのはOK」とホン読みの時から決めてあったし、木村さんがその設定を描かれていたので、使わぬわけにはいかないので見せました。BD版ではもう少し見えるカットが増えてると思います。エルバジとのチャンバラはなんでもあり! な自由な作画で遊び心で描きました。
 で、4話はまた社内話数。1、2話とこの4話あたりまでは、自分が別会社の『ユリシーズ』でボロボロになってた時で、ウチの社内の若手らが本当によく頑張ってくれて嬉しかったです! そう、観た方々が多少驚かれたであろう、A・Bパートで話を割ったくだり。ことの成り行きは賀東さんより「3話で収めるのは無理そうで、かと言って4話まるまるはもたない(汗)」の一言からです。ホン読みでそれを打ち明けられて誰からともなく「じゃ最初の章は3.5話で切りましょうか」と。俺も「そのほうがどこで話の区切りがつくか分からなくなって面白い! 残りのページ数からオチが先読みできちゃう間の抜けた推理小説みたいなのを回避できるし!」って感じで決まりました。じゃ、続きはまた次週。