第559回 高畑監督の話

 高畑監督が亡くなられて、何か書けることはないのか? と思っておりましたが、どこかの本に載っていたインタビューやTVのメイキングから引用して、監督について書くのもやっぱり失礼。なので自分が実際に高畑監督に遭遇した数少ない話から少々、書ける範囲で。恐らく1回目は『もののけ姫』の打ち上げパーティーで、我々テレコムのスタッフの後ろでお一人で料理を黙々と食べていらっしゃったところを、お願いして一緒に写真を撮らせていただきました! 一生の宝物! その後、帰りにトイレでも偶然お会いして「先ほどはお写真ありがとうございました!」ともう一度改めてお礼を言いました。
 2回目はたぶんまたテレコム時代、アニドウのイベント上映で大塚康生さんが前の方の席で観ていらっしゃったので、挨拶にいったらお隣に高畑監督が! 大塚さんが「ウチの若いの」と紹介してくださいました。若かった自分は歴史上の人物に値するお二人が並んでるだけで興奮したものです。
 3回目は、これは正に遭遇だったと思うのですが、高畑監督が書かれた「十二世紀のアニメーション―国宝絵巻物に見る映画的・アニメ的なるもの」という本のイベントにて、もちろん客席でファンとして! 会場はどこかのデパートだったかと。そのイベントで印象的だったのは質問コーナーで、かなり深読みしたインテリファンからの哲学的な質問に対して高畑監督が「いろいろ考えてくださるのは有り難いんですが、僕がこの本を作ったのは、単純にこれが面白いと思ったからで……、面白くないですか?」と一蹴したことです。

 あ、やばい。続きはまた次回!

150 アニメ様日記 2018年4月8日(日)~

2018年4月8日(日)
昨日に引き続き、外出の予定を入れないでずっと事務所でキーボードを叩く。作業に専念できるのは嬉しい。こんな日曜日も悪くない。

2018年4月9日(月)
トークイベント「第144回アニメスタイルイベント 南極到着記念!『宇宙よりも遠い場所』を語ろう!!」を開催。トーク中にも話したけれど、吉松さんはメインスタッフでありながら『宇宙よりも遠い場所』が好きだ。好きすぎるくらいだ。それが今回のイベントを企画したきっかけだった。企画をしたのは6話「ようこそドリアンショーへ」が放映された頃、つまり、キマリ達が南極に着く前だった。タイトルが「南極到着記念」になっているのは、僕がシリーズ終盤がどんな展開になるのか知らなかったからだ。イベントの企画が成立した後に、吉松さんに「これって最終回までに南極に到着するよね」と確認したのだった。
 放映終了直後にイベントをやるのは、アニメスタイルとしては珍しいのだけど、放映終了直後ならではの熱のあるトークとなった。吉松さんが用意してくれた制作現場を撮ったムービーも面白かった。いしづかあつこ監督は話が興味深いだけでなく、ご本人の人柄も華やか。もっともっとイベントに出てもらいたい。お客さんだけでなく、吉松さんもイベントを楽しんでくれたようだ。その意味でもハッピーなイベントだった。

2018年4月10日(火)
録画で『ゴールデンカムイ』1話を観る。本編を少し観たところで、上田耕行プロデューサーが関わっている作品なんだろうなあと思ったら、やはりそうだった。「アニメージュ」の発売日。「設定資料FILE」は『恋は雨上がりのように』と『からかい上手の高木さん』の2本立て。「この人に話を聞きたい」はおやすみ。

2018年4月11日(水)
ある作品の取材でシンエイ動画に。これで「アニメスタイル013」の取材は最後のはず。

2018年4月12日(木)
描き下ろしイラスト発注のためのラフを描く。iPad Proのおかげで、随分とラフ作業が楽になった。

2018年4月13日(金)
『ひそねとまそたん』1話を録画で観る。アニメーションとして綺麗な仕上がりで、観ていて楽しい。キャラクターは青木俊直さんのテイストが充分に活かされていて、プラスアルファの部分がまたおいしい。公開初日に『名探偵コナン ゼロの執行人』を観る。ここ数年のアクション押しだった劇場版『名探偵コナン』のよいところを引き継ぎ、推理ドラマをきっちりとやった作品だ。安室透のキャラクターが本作の魅力のひとつで、それを支えているのが古谷徹さんの存在だ。『ゼロの執行人』の前日談にあたるTV898話「ケーキが溶けた!」も古谷さんが輝いていた。
 A5サイズの本の企画を立てるために、改めて「さよなら絶望先生全書」をパラパラとめくる。この本はA5サイズなんだけど、構成が広々としていて、ページがかなり大きく見える。自分で作っておいて「あれ、この本ってA5だったっけ」と思うくらいに広々としている。A5サイズの本って、デザインによっては「大きなB6サイズ」くらいの印象になってしまうこともある。そのあたりが面白い。

2018年4月14日(土)
吉松さんとこれから作る「アニメスタイル」の打ち合わせ。

第558回 「うすい本」〜逸れます

アニメスタイル様より「アニメスタイルのうすい本」を
いただきました! ありがとうございます!

 でも正直、だいぶ前に描いた原稿なので自分でも何を描いた憶えていませんでした(汗)。俺以外のクリエイターさんたちは皆さん有名で天才な方々ばかりで、「なぜ俺も描いてるのか?」がとても謎な1冊です。振り返れば高校生の頃、「こりゃマンガ家になる才能は自分にはねーな」と挫折して以来、作家になるのを諦めてる自分が、この連載もそうですが、たまに「原稿」と名の付くものを依頼されると、他の才能豊かなアニメ作家さんほど面白いものが描けなくて描けなくて。そんな板垣に描かせてくださったことも、重ねてありがとうございます、アニメスタイル編集部様!

 まぁ、面白い原稿は苦手でも、監督をやってるとキービジュアルやBDパッケージ版権などのレイアウトはよく頼まれます。レイアウトとはつまり背景原図とキャラのラフのことで、『てーきゅう』みたいに自分でキャラデザの場合は、クリンナップ(動画の線で清書)まで俺自身でやっちゃいますが、『ベルセルク』や『Wake Up, Girls! 新章』はレイアウトもで自分で描いて、あとはキャラデザの方にお任せ! です。今までの監督作品でも同様です。こちらのほうはマンガ原稿と違ってアニメーター脳とテクニックでこなせるもので、特にレイアウトに関してはテレコム時代、大塚康生さんや友永和秀師匠から学んだので、委員会から頼まれると、各3点くらいずつ、お望みなら何点でも描いて提出します。最近だと『WUG! 新章』のパッケージレイアウトは全7巻分、それぞれ3種類ずつ案を提出しました(すでにすべて作業済み)。あ、もちろん『WUG! 新章』は本編のパッケージ修正を全カット自分で指示出しして、最終確認、T.P(動画・仕上げ)素材までチェックしました。もちろん作画スタッフも全力で取り組んでくれてます! 是非AT-Xでのリテイク版の放映、観てください、と話が逸れまくりでした、今回も。

第129回 サッカーはわが人生 〜蒼き伝説 シュート!〜

 腹巻猫です。4月14日に東京国際フォーラムで開催された「角川映画シネマコンサート」に足を運びました。『犬神家の一族』『人間の証明』『野生の証明』という濃い劇場作品3本のハイライトを上映しながらオーケストラの生演奏を聴くぜいたくなイベント。大野雄二サウンドを堪能しました。ただ、先にこちらを予約していたので、同日開催の「プリンセスチュチュ15周年記念コンサート」を聴けなかったのが残念無念。

 

 『H2』『タッチ』と野球アニメが続いたので、次はサッカー……というわけでもないが、今回は『蒼き伝説 シュート!』を取り上げたい。サッカーに打ち込む高校生たちを描いたスポーツ青春アニメだ。
 中学時代を共にサッカー部で過ごした田仲俊彦(トシ)、平松和広、白石健二の3人は掛川高校サッカー部に入部。全国大会出場をめざしてチームメイトとともに激しい試合に挑んでいく。そんな3人を見守るのがサッカー部マネージャーとなった幼なじみの遠藤一美だった。
 原作は1990年から週刊少年マガジンに連載された大島司のマンガ「シュート!」。TVアニメ『蒼き伝説 シュート!』は1993年11月から1994年12月まで全58話が放送された。アニメーション制作は東映動画(現・東映アニメーション)。シリーズディレクターは『DRAGON BALL』や『ゲゲゲの鬼太郎[4期]』『金田一少年の事件簿』『ふたりはプリキュア』などを手がける西尾大介が担当した。キャラクターデザインは荒木伸吾と姫野美智の名コンビが手がけている。
 特にサッカーファンではない筆者だが、本作は観ていた。フジテレビ日曜朝9時枠で放映されていた東映不思議コメディシリーズ最終作「有言実行三姉妹 シュシュトリアン」の後番組だったからだ。不思議コメディシリーズのファンだったのである。視聴習慣というのはあなどれない。

 音楽は本間勇輔。本間は東映不思議コメディーシリーズの音楽を1987年の「おもいっきり探偵団 覇悪怒組」から8作連続で手がけていて、そのまま本作も続投することになった。
 本間勇輔は1952年、福岡県八幡市(現・北九州市)生まれ。早稲田大学商学部出身。幼い頃、家にバイオリン、ギター、オルガンがあったことから自然に楽器を始め、弾けるようになったという。
 本間勇輔の代表作といえば、TVドラマ「古畑任三郎」である。本間は1980年代後半から90年代にフジテレビのドラマやアニメの音楽を数多く手がけた。80〜90年代のフジテレビを象徴する作曲家のひとりと言えるだろう。
 本間勇輔の音楽活動の原点はCD「古畑任三郎 サウンドトラック Vol.2」のライナーノーツに詳しい。高校時代はサッカーに熱中。早稲田大学に入学してからはバンド活動にどっぷりはまる。本間が参加したのが1946年創立の名門バンド、ザ・ナレオだった。創立当初はハワイアンを演奏していたというザ・ナレオだが、本間が入学した当時はホーンセクションを擁する大編成のビッグバンド。本間はボーカルを担当し、首都圏の大学バンド界では屈指のボーカリストと呼ばれていた。本間が参加したザ・ナレオは、1975年に開催された「大学対抗バンド合戦」のポピュラー部門で優勝する。
 学生時代はほとんど譜面が読めなかったという本間だが、このバンド活動を原点にプロの音楽活動を始める。フジテレビの子ども向け番組「ひらけ! ポンキッキ」に楽曲を提供し、自ら歌も歌った。1984年放映の東映不思議コメディシリーズの1本「どきんちょ! ネムリン」(音楽・藤本敦夫)では主題歌と挿入歌を作曲(1曲、歌も歌っている)。その後番組「勝手に! カミタマン」(1985)の音楽を担当し、これが初の本格的な映像音楽作品になった。
 90年代以降はフジテレビのTVドラマ音楽で活躍。「古畑任三郎」(1994)、「まだ恋は始まらない」(1995)、「コーチ」(1996)、「こんな恋のはなし」(1997)、「いいひと。」(1997)、「ソムリエ」(1998)、「ニュースの女」(1998)、「今夜、宇宙の片隅で」(1998)、「女子アナ」(2001)、「僕の生きる道」などを次々と手がけた。ドラマではほかにNHK朝の連続テレビ小説「私の青空」(2000)、TBS系「奥さまは魔女」(2004)などを担当しているが、9割近くがフジテレビ作品だ。実写劇場作品では「メッセンジャー」(1999)、「笑の大学」(2004)、「THE 有頂天ホテル」(2005)、「バブルへGO!! タイムマシンはドラム式」(2007)などがある。FNNスーパーニュース等の報道番組のテーマ曲も手がけた。
 いっぽう、特撮・アニメファンとしては、脚本家・浦沢義雄が参加した数々の作品の音楽が忘れられない。「美少女仮面ポワトリン」(1990)を代表とする東映不思議コメディシリーズ、アニメでは『のらくろクン』(1987)、『おそ松くん』(1988)、『ひみつのアッコちゃん』(1988)、『平成天才バカボン』(1990)、『とっても! ラッキーマン』(1994)、『ふしぎ遊戯』(1995)、『はじめ人間ゴン』(1996)など。『おそ松くん』『アッコちゃん』『天才バカボン』と赤塚不二夫の代表作3作の音楽をすべて手がけた作曲家は本間勇輔だけだろう。アニメではほかに『幽★遊★白書』(1992)、『NINKU』(1995)、『GTO』(1999)などを担当。その大半がフジテレビ×スタジオぴえろ制作作品というのも面白い。
 不思議コメディやアニメ作品の印象から、コメディやギャグ作品が得意なのかと思ってしまうが、ドラマでは、恋愛ものやミステリー、アクティブなワーキングウーマンが主人公のものなど、ジャンルを問わない。音楽的にも、ビッグバンドスタイルの「古畑任三郎」「奥さまは魔女」からチェコ・フィルハーモニーで録音した「いいひと。」「私の青空」まで幅広い。どの音楽もポジティブで、ユーモアがあり、ワクワク感にあふれている。往年のアメリカンポップスやハリウッド映画音楽への憧憬が感じられるサウンドだ。子どもの頃からポップミュージックのひとつとしてサントラに憧れたという言葉(「まだ恋は始まらない」ライナーノーツ)からも本間のポップス志向がうかがえる。筆者にとっては、佐橋俊彦、大島ミチルと並んで、聴いて元気になれる音楽を書く作曲家のひとりである。

 そんな本間勇輔にとって、『蒼き伝説 シュート!』は格別な想いを持って取り組んだ作品ではないかと思う。ほかでもない。本作がサッカーを取り上げたアニメだからだ。
 本間勇輔とサッカーの縁は深い。小学生時代にサッカーと出逢った本間は高校から本格的にサッカーを始め、さらにサッカーを続けたいと早稲田大学に進んだ。しかし、高校時代からの足のケガやアルバイトが必要になったことで結局は入部せず、音楽の道に進路を転じた。
 作曲家としてデビューしたあともサッカーへの情熱は冷めず、80年代にサッカーの指導者ライセンスを取得。平日は作曲家として活動しながら、週末は少年たちにサッカーを指導していた。2008年にはさらに上級のJFA・B級指導者ライセンスを取得。SC大阪エルマーノのコーチを務めた後、2008年、セレッソ大阪のスタジアム演出を担当するスタジアムマスターに就任する。オリジナルアンセム作曲などにとどまらず、試合に足を運んで選手を激励するなど全力で取り組み、2012年に退任するまで熱心な活動を続けた。本間は自身のブログで「サッカーとは人生の道標であり、聖書のようなもの」と語っている。それほどまでに愛したサッカーを題材にしたアニメだ。力が入らないわけがない。
 『蒼き伝説シュート!』のサウンドトラック・アルバムは1994年3月にフォーライフ・レコードから発売された。収録曲は以下のとおり。

  1. エール〜あなたの夢が叶うまで〜(歌:WENDY)
  2. キックオフ
  3. 代表への道
  4. 10番〜ハットトリック
  5. ライバル〜オフサイドトラップ
  6. E.K & PK
  7. MOCHISUGI
  8. もう一つのゴール
  9. KOKURITSU
  10. 素直でいたい(歌:WENDY)

 1曲目と11曲目はオープニング&エンディング主題歌。軽快で爽やかな曲調が青春スポーツアニメの主題歌にふさわしい。90年代アニメソングの中でも「絶対無敵ライジンオー」などと並ぶ女性ボーカルバンドスタイルの名曲だ。
 主題歌の歌と演奏を担当したWENDYは広島出身の女性4人で結成されたバンド。高校を卒業したばかりの1993年4月にフォーライフ・レコードよりデビューした。作詞・作曲も自分たちで手がけている。エンディング主題歌「素直でいたい」は本作のために作られた歌ではなく、1993年5月に発売されたWENDYの2ndシングルのタイトル曲だった。しかし、本作のために書いた歌としか思えないほど作品にマッチしている。
 サウンドトラックは9トラック。3分から5分の長尺の曲で構成されている。ストーリーを追う曲順ではなく、イメージアルバム的な構成だ。各トラックはひとつの楽曲として完結していて、聴きごたえがある。本間勇輔は、本アルバムをサッカーを題材にしたコンセプトアルバムのようなイメージで作り上げたのではないだろうか。
 トラック2「キックオフ」は本作のメインテーマとも呼べる曲だ。試合の朝の目ざめを描写するようなシンセの導入に続いて、競技場の歓声のような音が遠くに聴こえてくる。オーボエ風の音色が静かにメロディを奏で始める。リズムが加わり、ふたたび力強く奏されるメロディ。試合開始の高揚感が盛り上がる。終盤は男声コーラスも加わって競技場を包む熱気が表現される。サッカー少年だった本間勇輔ならではの臨場感あふれる曲である。この曲は最終回のラストでたっぷり使用されていた。
 トラック3「代表への道」はサッカー大会地区代表をめざす選手たちの闘志や練習風景がイメージされる曲。オケヒットのアタックに続いてシンセブラスのダイナミックなメロディが熱い思いを描写。後半では、軽快なリズムに乗って口笛にも似た音色のシンセのメロディが駆け巡る。
 本間勇輔はドラマ音楽では生楽器を使用したアコースティックなサウンドを聴かせることが多いが、特撮ドラマやアニメではシンセの音色をふんだんに使っている。これは予算の都合というより、作品世界を印象づけるための意図的なサウンド設計だと思う。
 トラック4「10番〜ハットトリック」は冒頭からアップテンポで勢いのあるアクティブな曲。ドラム、ベース、パーカッションのリズムの上でシンセのメロディがめまぐるしく展開し、試合のスピード感や緊迫感を感じさせる。後半はにぎやかな曲調になり、曲名通り「ハットトリック」の達成感とよろこびが表現される。「10番」はトシがあこがれた先輩選手・久保の背番号で、のちにトシはこの番号を受け継ぐことになる。
 トラック5「ライバル〜オフサイドトラップ」は、シンセとサックスのアンサンブルで緊迫感たっぷりにライバルを描写する前半から、スリリングな試合描写の後半に転じる構成が印象的な曲。アドリブをまじえたサックスの演奏が耳に残るナンバーだ。
 続く「E.K & PK」は、シンセが可愛くメロディを奏でるポップな曲。「PK(ペナルティキック)」はともかく、「E.K」は「こんなサッカー用語あったっけ?」と思ってしまうが、これはヒロインの遠藤一美のイニシャルだろう。一美とトシ、和広、健二たちの日常をイメージした明るい曲である。
 一美役は日高のり子。一美をめぐる恋愛模様も本作の見どころのひとつだった。終盤、一美がアイドル歌手としてデビューする展開には驚いた(日高のり子が遠藤一美名義で歌うミニアルバムも発売された)。
 トラック7「MOCHISUGI」もひねった曲名である。サッカーで選手がボールをパスしないでずっとドリブルしていると「持ちすぎ」と言われる。失敗や「やっちゃった」みたいな感じを思いきりユーモラスな曲調で表現した曲だ。『平成天才バカボン』などのコミカルなアニメ作品の音楽をほうふつさせる。ユーモラスな音楽作りも得意とする本間勇輔の持ち味が発揮されたナンバー。
 トラック8の「V」は「ブイ」なのか「ファイブ」なのか迷うが、曲調からして「ビクトリー」のブイだろう。ダンサブルなリズムに乗ってふわふわしたシンセの音とサックスが気持ちの高ぶりを表現。混声コーラスが勝利のよろこびを歌い始める。まさしくアンセム(賛歌・応援歌)だ。本間勇輔はセレッソ大阪のアンセムのほか、サッカーU‐6オープニングテーマやJFAアカデミー入校式音楽なども作曲している。映像音楽でもこういう曲を書きたいと願っていたのではないだろうか。
 トラック9「もう一つのゴール」は讃美歌風のメロディと透明感のあるサウンドで奏でられるリリカルな曲。曲名が意味深だが、これはやはり、トシと一美の恋のゆくえを暗示した曲なのだろう。イントロはオルガンと鐘(チューブラーベル)の音にまじって拍手の音が聴こえてくる。教会の情景が目に浮かぶサウンドである。
 サウンドトラックの最後の曲「KOKURITSU」では、メインテーマがふたたび奏でられる。曲名はサッカー少年のあこがれ、全国高校サッカー選手権大会の開会式と決勝戦の会場となる国立競技場を意味しているのだろう。トシたちも「めざせ! 国立」を合言葉に汗を流していた。インパクトのある導入部からピアノが刻むリズムに乗ってエレキギターがメインテーマのメロディを奏でる。国立競技場をめざす少年たちの気持ちが伝わってくるようなエモーショナルな演奏が感動的だ。後半は曲調が変わり、混声合唱を伴った力強いマーチになる。選手入場の高揚感か、あるいは勝利の賛歌か。いずれにせよ、サッカーをするよろこびにあふれた熱気みなぎる盛り上がりで曲は幕を閉じる。この曲は最終回中盤のいい場面で流れていた。
 本間勇輔のサッカー愛が音になったようなテンションの高いアルバムである。サントラアルバムとしては曲数が少なく、「あの曲が入ってない」と思われるかもしれないが、音楽アルバムとしては充実している。WENDYが歌う主題歌とメインテーマを聴くだけでも気持ちがぐいっと引っ張り上げられる、元気の出る1枚だ。

 本間勇輔は2015年に故郷、長崎に帰郷。長崎市野母崎に移住し、地域の魅力を発信するため活動しているという。映像音楽の近作は移住前に手がけたTVドラマ「素敵な選TAXI」(2014)。TVアニメは『大江戸ロケット』(2007)が今のところもっとも新しい作品である。地元にいながらも作曲活動を続けているそうなので、いつかまた、映像音楽の世界に帰ってきてほしい。

蒼き伝説シュート! オリジナル・サウンドトラック
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KAZUMI/遠藤一美
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149 アニメ様日記 2018年4月1日(日)~

2018年4月1日(日)
早朝に新文芸坐へ戻ると、オールナイト『ジャイアントロボ THE ANIMATION 地球が静止する日』の終盤だった。「Last Episode 大団円~散りゆくは、美しき幻の夜~」を途中から観る。午前中のウォーキングで練馬方面を歩いていたら、今日の夜にイベントをご一緒する泉津井陽一さんとバッタリ。
 夜は阿佐ヶ谷ロフトAで「第143回アニメスタイルイベント アニメをもっと楽しむための撮影講座3【楽しむための総括編】」を開催。このシリーズのレギュラー出演者の泉津井さんに加えて、スタジオカラー デジタル部の山田豊徳さんも登壇。山田さんにはお客さんへのプレゼントも提供していただいた。撮影イベントは企画を練り直してまたやりたい。

2018年4月2日(月)
『ロボットカーニバル』の海外版Blu-rayを観る。画面が鮮明で、当時、記事の編集作業で観たフィルムよりもずっと綺麗。セル画そのものに近い印象だ。特典も山盛りで、僕が作ったDVDの販売促進ポスターも静止画で入っていた。SNSでも話題になっていたが、映像特典でレーザーディスクバージョンとして、レーザーディスクでの再生を再現しており、A面からB面に切りかわる部分までが収録されていた。非常に満足度の高いパッケージだった。
 午後は最終日の滑り込みで、ササユリカフェの「B: The Beginning」原画展に行く。僕的には今回の展示の一番の見どころはキャラ表だった。画としてもとてもいいし、サイズがA3と無闇に大きいのも興味深かった。

2018年4月3日(火)
CSで録画したテレビドラマ版『ねらわれた学園』の1話を観たら、『Dr.スランプ アラレちゃん』のアニメ映像がない。「あれ?」と思って検索したら、wikiに「(略)『オレたちひょうきん族』『Dr.スランプ アラレちゃん』『うる星やつら』の番宣が挟まれていた」とあった。あれはドラマの一部ではなく「挟まれた番宣」だったのか。夜は『リズと青い鳥』完成披露上映会。ビジュアルに関しては予告編で期待した通りの方向性で、期待以上の仕上がり。少なくとも、もう一度は劇場で観たい。

 吉田正高さんが亡くなったことを知る。僕は直接の面識はなかったはずだ。東北芸術工科大学の教授であり、SNSでアニメ、マンガ関連について熱心に発言されていた方だ。その熱心さは驚くくらいのものだった。僕とは守備範囲も違うし、SNSで言葉を交わした回数も多くはなかったが、シンパシーを感じていた。心よりご冥福をお祈り致します。

2018年4月4日(水)
『ルパン三世 PART5』1話を観た。よかったのは冒頭にあった歴代『ルパン三世』の名場面。特に『新ルパン』と『PARTIII』のセレクトが「わかってらっしゃる」という感じ。本編はこれからに期待。「設定資料FILE」の構成をはじめる。まずは縮小コピーを並べて、密度感を探る。

2018年4月5日(木)
あるテレビ番組の制作スタッフから電話があって「今度、▼▼▼の特集をします。御社の『Febri』の画像と文章の一部を番組で使わせてもらえませんか」とのことだった。うちが記事の紹介にOKは出せないので制作委員会にあたってほしいと話した。それから、うちから「Febri」は出ていないことをやんわりと伝えた。夕方から三鷹で打ち合わせ。「設定資料FILE」の構成を終えた。

2018年4月6日(金)
『からかい上手の高木さん』の単行本がAmazonから届く。途中までKindleで購入していたのだが、仕事で使うので、事務所用に紙の本を購入したのだ。紙の本はいいなあ。カバーの手触りも本の魅力の一部だ。

 高畑勲さんが亡くなられたことを知る。言うまでもなく、数々の名作を残した巨匠であり、日本のアニメの在り方に多大な影響を与えた方だ。そして、僕を含めた多くの人が、アニメについての考え方に関して、高畑さんから強い影響を受けている。心よりご冥福をお祈り致します。

2018年4月7日(土)
この土日は取材もイベントもない。映画に行ったりしないで、ひたすらテキストを進める予定。

第557回 面接がいっぱい

3月から4月に入ってもなお、
入社希望者さんの面接が毎週のように続いています(汗)!

 作画・演出志望の方たちは、基本板垣のほうで面接します。コンテ作業の隙を見てなので大変ではありますが、いろんな人とお話できるのは楽しくもあるので続けてます。ちなみに自分の場合、面接にお呼びした時点で合格はほぼ決まってますし、実技試験などは特に設けておりません。なぜなら履歴書とポートフォリオなどの作品で、向き不向きは分かりますから。試験をするくらいなら、最初から書類選考で「申し訳ありませんが」とお断りさせていただいてます。あと個人的な「試験嫌い」ってのもあります。たった1回の試験で何が分かる? と。特にアニメは表面的に画が抜群に巧いことより、地味なルーチンワークをコツコツ続ける才能のほうが必須なんです。もちろん最低限の画力はあった上でですが、それこそ下手に緊張感漂う中、短時間で描かせるより、のびのび描かれたポートフォリオで判断してあげたほうが、本人も気が楽でしょう? まぁ、ウチみたいなまだまだ実績のない会社は、応募してきてくださるだけでも有難い話で、わざわざ足を運んでもらって試験するってのもねぇ。もっと希望者が何十〜何百人になったら考えるかもしれませんが。

148 アニメ様日記 2018年3月25日(日)~

2018年3月25日(日)
『ドラゴンボール超』最終回をリアルタイムで視聴。なかなかの盛り上がりで、ビジュアルもよかった。シリーズ終盤で人造人間17号が大活躍したのも新鮮だった。僕個人の感想としては「宇宙サバイバル編」が充実した内容だったために『ドラゴンボール超』が始まった頃に感じていた違和感はなくなった。これからどんどん続編が作られても、素直に受け入れられそうだ。WOWOWで『ドラえもん のび太のドラビアンナイト』を途中から観る。歴代映画『ドラえもん』の中では地味な印象だったんだけど、楽しかった。改めて芝山努監督の映画『ドラえもん』のよさが分かってきた。

2018年3月26日(月)
『ポプテピピック』最終回を観る。最後までテンションは下がらず。各スタッフの力もさることながら、作品をまとめたプロデューサー、あるいはディレクターの力もすごい。

2018年3月27日(火)
『からかい上手の高木さん』最終回を観る。最終回の演出も見事。シリーズ全体として、文句無しの映像化だった。ネットで『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』のアニメプロジェクトが6話「誕生 赤い彗星」で完結することを知る。『機動戦士ガンダム』本編にあたる『THE ORIGIN』の一年戦争の部分の映像化について、安彦良和総監督が取材等で語っていたが、それは実現しないということだ。僕としては残念なのが半分、安堵したのが半分。いや、安堵の気持ちのほうが大きい。一年戦争を映像化するとなると、相当のボリュームになるはずだ。OVAのイベント上映のかたちで発表していくと、完結までにかなりの歳月が必要だし、TVシリーズとして作るなら、全ての話数に安彦さんが充分に手をいれるわけにはいかないだろうと思うからだ。

2018年3月28日(水)
『宇宙よりも遠い場所』最終回を観た。最後の最後の予想外の展開にやられた。シャッポを脱ぎます。「TVアニメ 少女終末旅行 公式設定資料集」をパラパラとめくる。書名は設定資料集だが、インタビューや本編カットも掲載、版権イラストも再録されている。つまり、ムックである。表紙のデザインもよい。僕個人としては設定資料は色指定ではなく、線画を載せてほしいところだけど、それは些末な問題であり、ムックとしてバランスのよい構成だと思った。

2018年3月29日(木)
アニメスタイルスタッフの送別会があった。社員が一人、学生編集スタッフが一人、編集部から卒業していった。お疲れ様でした。ありがとう。

2018年3月30日(金)
都内某所であるコマーシャルのための取材。2月6日(火)と同じ作品で、別スタッフへのインタビューだった。

2018年3月31日(土)
オールナイト「新文芸坐×アニメスタイル セレクションvol.101 100回記念シリーズ Best of Best(2) 『ジャイアントロボ THE ANIMATION 地球が静止する日』」を開催。トークゲストは草間大作役の山口勝平さん、音楽監督の鶴岡陽太さん。そして、飛び入りで山木泰人プロデューサーにも登壇していただいた。色々と楽しい話をうかがうことができたが、BGMについてのある裏話にはびっくり。トークの終了後に、僕も1話をスクリーンで観た。Blu-rayの映像と劇場の大スクリーン、新文芸坐お馴染みの増し増しの音響の組み合わせによる『ジャイアントロボ THE ANIMATION 地球が静止する日』の鑑賞はかなり贅沢だった。中でもバシュタールの惨劇のシーンでの楽曲が格別だった。

第556回 コンテと傲慢

最近は朝6時起きで、会社に入ってコンテを切る毎日です!

 とにかく自分にとって監督とは「コンテを切る人」のことです。もちろんTVシリーズの場合はスケジュールの都合もあるので、出崎統監督のように全話切るわけにはなかなかいかないわけだけど、それでも半分以上は自分でコンテを担当するようにしております、板垣の場合は。監督のやり方は人それぞれなので、あくまで板垣は、です! もともと出崎監督みたいに全話コンテは、拘っただけでできるほど生易しいしろものではありません。むしろ俺は以前ここで語ったとおり、「コンテ・演出」で参加してくださる方にはできるだけコンテもやっていただきます。それで総監督に徹する話数もあった方がシリーズとしては豊かなものになるからです。同じことが原画にも言えて、ぶっちゃけほぼ全修だったとしても、1割でも使える部分は使ったほうが複雑で面白い動きになることはよくあるものです。
 ただ他人に振ったコンテでもよくないものは徹底的に直さないといけません! 監督は1〜2割ちょこちょこって直してあとは諦めるものと思っている方もいらっしゃるようですが、俺はそう思えないのです。

もし、フィルムの7〜8割を決めてしまうコンテが面白くないと判断できた時、監督は全修や描き直しをしなければなりません! コンテとはそーゆー傲慢なものだと思います!

 このように、他人の描いたものを多かれ少なかれ潰してしまうことが許される傲慢な仕事だからこそ、面白いものが作れなかった時は、お客さん(視聴者)からどれだけ批判されても「すべて自分の責任です」と言えなきゃ監督なんてやっちゃダメだ! と板垣は思ってます。
 あ、ちなみにミルパンセにも新人が——作画が5人、制作が3人入りました。で、今監督してるシリーズのティザーが来月発表になるようです。そーこーしてるうちに来年放映予定のミルパンセの新作のほうもホン読み(脚本打ち合わせ)が始まりました。

147 アニメ様日記 2018年3月18日(日)~

2018年3月18日(日)
朝は散歩のついでに近くの公園で、缶コーヒーを片手にワイフと早咲きの桜を見る。11時30分からTOHOシネマズ新宿で『シェイプ・オブ・ウォーター』を鑑賞。かなりよかった。言葉にするのが難しいのだけれど、サブキャラクターの過剰な描写とか少し悪趣味なところを含めてよかった。物語や役者もいいだけど、映像も音楽もいい。全部あわせてひとつのテイストを形成していて、そのテイストがよい。それをオタク的という言葉で表現してよいのかは分からないが、作り手がある嗜好を貫いており、しかも、それがある程度は一般に届くかたちとなっていると思った。また「地味女性萌え」映画としての純度も高い。『シェイプ・オブ・ウォーター』を観た後、新宿御苑でまた桜を見た。

2018年3月19日(月)
WOWOWの「映画ドラえもん のび太の宝島」公開記念 37作一挙放送!史上最大の映画ドラえもんまつり」の『ドラえもん のび太の魔界大冒険』を録画で確認。エンディング曲が劇場公開版と同じ、「風のマジカル」だった。現在のところ、この映画のエンディングは映像ソフトでは、別の曲に差し替えられているのだ(なお、Amazonビデオの『のび太の魔界大冒険』もエンディングが「風のマジカル」になっている)。ちなみに、2013年に開催したオールナイト「新文芸坐×アニメスタイル セレクションVol. 37 芝山努の仕事『ドラえもん』編」で上映作品の1本に『のび太の魔界大冒険』をセレクトした理由のひとつが、フィルム上映なら「風のマジカル」を聴けるから、というものだった。ちなみに「風のマジカル」は、ぴえろの魔法少女シリーズの楽曲と、テイストが近いと思っている。  

2018年3月20日(火)
「アニメスタイルのうすい本」を印刷会社に入稿。  

2018年3月21日(水)
春分の日。9時45分からの回で実写映画「おかあさん」を観る。「女優人生70年企画 『凛たる人生 映画女優 香川京子』刊行記念 香川京子映画祭」の1本だ。成瀬巳喜男監督の作品を連続して新文芸坐で観ていた時期があり、その頃にタイミングがあわず、観ることができなかった作品だ。成瀬監督について詳しいわけではないけれど、僕の感覚では実に成瀬監督らしく、愛すべき作品。「画」がいい。アニメでいうところのレイアウトがいい。画面の中における事物の配置がいい。巧みに奥行きを出しているので、スタンダードの画角でも映画的に見応えのある画となっている。主人公の「おかあちゃん」役は田中絹代。映画終盤で香川京子が演じる長女が、髪結いのモデルをやって花嫁姿になるのだが、文字通りに輝くような美しさ。夫が亡くなった後で、家業のクリーニング店を手伝う男を加東大介が好演。話のはこびがいい。98分の本編の中で、いくつもの死と別れが描かれる。最後に長女が「おかあちゃんは幸せなのだろうか」と疑問に感じるが、それについての答えはでないまま映画は幕をおろす。それもいい。
 昼過ぎから、吉松さんと『宇宙よりも遠い場所』イベントの打ち合わせ。寒い日だったので、赤羽の立ち飲みおでん屋に行ったのだけど、大変な行列になっていたので、それはあきらめて昼間からやっているジンギスカンの店に。  

2018年3月22日(木)
『さよならの朝に約束の花をかざろう』で、井上俊之さんの取材。  

2018年3月23日(金)
 先日、ネットで『BLUE SEED』の中古LDを全巻分購入した。それを、打ち合わせで皆で見て、ちょっと盛りあがる。iPhoneのKindleでちまちま読んでた「コーヒーと恋愛」を読了。獅子文六が1962年から新聞で連載した小説で、ジャンルとしてはユーモア小説かな。かなりよかった。こういう小説が楽しめる年齢になってしまったか。生々しさのない感じもいいし、描かれている生活とか、登場人物の感覚(常識とか価値感とか)もよかった。  

2018年3月24日(土)
『劇場版 Infini-T Force/ガッチャマン さらば友よ』を観る。画づくりにいいところがあった。たとえば、南部博士のプロポーションがよかった。ネットで購入したMacbookが届く。小さい、軽い。これなら持ち運ぶのも楽そう。使うのはテキスト関係とメールくらいで、基本的にアプリケーションを増やさない予定。  

第555回 コンテについて

絵コンテは1週間で1本切れるのが理想!!
(だと思います)

 そりゃ、作品によっても難易度が違うし、シナリオの完成度にも左右されるものなので一概には言えないでしょうが、自分の中では「21〜22分(30分TVシリーズのOP・ED抜きの本編尺)のコンテを1週間、というか4〜5日で切れなきゃ監督なんてできない!」と思っています。だってTVシリーズは、制作が始まるとすべてが1週間刻み。ホン読み(脚本打ち)も演出・作監打ちも編集も音響も「毎週」あるんです。そこで出来の悪いコンテが上がってきた場合、数日で全修正できなければ、すべてもローテーションが1週ずつズレるわけですから。ただ監督作品の合間にイレギュラーで1本だけコンテのお手伝いを受けた場合、たいがい他の原画だのOPやEDなどのコンテ・演出などと掛け持ちになってしまい、手をつけるタイミングが遅れてしまうことが多いので、制作様には本当に申し訳なく思います。でも、手をつけて1日まるまるコンテをやれば20〜25ページは上げられます。ちなみにアクションものだと、コンテ1話分で100〜120ページくらいなので4〜5日かと。そしてシリーズのコンテが始まると毎回思うのが、

コンテは肉体労働だ!!

ってこと。もちろん頭は使った上でですが、理屈ばっかこねる前に、とにかくENDマークまで駆け抜けてから反芻するべきで——これ、マンガ描いた経験ある人は分かりますよね? 途中、どんなに気に入らなくても止めずに最後まで描き切ることこそが重要だと。コンテも同じ。プロデューサーからどんな横槍を入れられようが、SNSで何を書かれようが、四の五の言わずに描き続ける体力・精神力が必要とされるのです!

第145回アニメスタイルイベント
アニメ様のアニメ語りvol.2

 2018年5月4日(金)昼に「第145回アニメスタイルイベント アニメ様のアニメ語りvol.2」を開催する。アニメスタイル編集長の小黒祐一郎(通称・アニメ様)をはじめとするメンバーが、アニメについて語りまくるトークイベントだ。

 メインパートとなる第1部「アニメ様のアニメ語り」でとりあげるテーマは『新ルパン』の愛称で親しまれている『ルパン三世』TV第2シリーズだ。『新ルパン』の名作、傑作、異色作を取り上げ、全体としてどういった作品だったのかを小黒が解説。『ルパン三世』のビギナーでも理解できる内容となるはずだ。また、当日はトークを聞く参考となるペーパーを配布する予定だ。  マンガ家としても活躍しているアニメーターのサムシング吉松(吉松孝博)も出演。他の出演者、第2部以降の内容については決まり次第告知する。

 今までのイベントと同様に、トークの一部を「アニメスタイルチャンネル」で配信する。会場は阿佐ヶ谷ロフトA。前売り券は2018年4月1日(日)から発売開始となる。詳しくは以下のリンクを見てもらいたい。また、会場ではアニメスタイルの関連書籍を販売する。

■関連リンク
アニメスタイルチャンネル
http://ch.nicovideo.jp/animestyle

阿佐ヶ谷ロフトA
http://www.loft-prj.co.jp/schedule/lofta/86022

第145回アニメスタイルイベント
アニメ様のアニメ語りvol.2

開催日

2018年5月4日(金)
開場12時00分 開演13時00分 

会場

阿佐ヶ谷ロフトA

出演

サムシング吉松、小黒祐一郎(司会)

チケット

前売1500円 当日1800円(共に飲食別・要1オーダー)

■アニメスタイルのトークイベントについて

 会場となる阿佐ヶ谷ロフトAはトークライブができる居酒屋。入場料(今回は前売1500円、当日1800円)とは別に飲食(最低でもドリンク1杯)をお願いしている。ソフトドリンクもあるので、未成年の方でも大丈夫。 アニメスタイル編集部が開催する一連のトークイベントは、イベンターによるショーアップされたものとは異なり、クリエイターのお話、あるいはファントークをメインとする、非常にシンプルなものだ。出演者のほとんどは人前で喋ることに慣れていないし、進行や構成についても至らないところがあるかもしれない。その点は、あらかじめお断りしておく。

新文芸坐×アニメスタイル セレクションvol. 102
湯浅政明の『カイバ』

  2018年4月28日(土)に開催するオールナイトは「新文芸坐×アニメスタイル セレクションvol. 102 湯浅政明の『カイバ』」だ。

 『カイバ』は湯浅政明が監督のみならず、原作(マッドハウスと共同)から手がけたTVシリーズで、2008年にWOWOWで放映された。記憶のコピーや売買、肉体の乗り換えが可能になった異世界を舞台に、記憶を失った主人公カイバの愛と冒険を描くSFエピックであり、湯浅政明ならではの独創的な作品だ。『夜明け告げるルーのうた』『夜は短し歩けよ乙女』の伊東伸高、サイエンスSARUのCHOI EUNYOUNGもスタッフとして参加している。

 今回のオールナイトでは、全12話を一挙上映。上映素材はDVDとなる。トークのゲストは湯浅政明を予定。前売り券は3月31日(土)から新文芸坐とチケットぴあで発売される。

    

新文芸坐×アニメスタイル セレクションvol. 102
湯浅政明の『カイバ』

開催日

2018年4月28日(土)

会場

新文芸坐

料金

一般2600円、前売・友の会2400円

トーク出演

湯浅政明、小黒祐一郎(司会・アニメスタイル編集長)

上映タイトル

『カイバ』(全12話)

備考

※オールナイト上映につき18歳未満の方は入場不可
※トークショーの撮影・録音は禁止

●関連サイト
新文芸坐オフィシャルサイト
http://www.shin-bungeiza.com/

●関連記事(WEBアニメスタイル・旧サイト)
『カイバ』湯浅政明監督・公開インタビュー(1)
http://www.style.fm/as/13_special/mini_interview/kaiba_event1.shtml

【artwork】『カイバ』 第1回 メインキャラクター
http://www.style.fm/as/02_topics/artwork/artwork_kaiba1.shtml

146 アニメ様日記 2018年3月11日(日)~

2018年3月11日(日)
「アニメスタイルのうすい本」の山内重保さんの取材原稿をまとめる。この日は東京アニメアワードフェスティバル2018の3日目で、いくつか行きたいプログラムがあったのだけど、取材があったので学生編集スタッフに代わりに行ってもらった。後でどんな内容だったのかを教えてもらうことになっている。夕方から阿佐ヶ谷で『少女終末旅行』の取材。  

2018年3月12日(月)
山内重保さんの取材原稿が仕上がる。その日のうちに山内さんからチェックが戻る。素晴らしい。この日は東京アニメアワードフェスティバル2018の4日目で、僕は「アニメ功労部門顕彰記念 『北斗の拳』-高見義雄・須田正己の仕事―」に参加。大画面で観るTV『北斗の拳』は新鮮だった。登壇者の梅澤淳稔さんが、芦田豊雄さんに「毎回それまでになかったことに挑戦するように」と言われた話で、例として挙がったのが「セルと背景を破ったカット」と「セルの絵の具が乾く前に、画を崩しながら撮影したカット」だった。その話題になったときに「ひょっとしたら、あのカットとあのカットの話かな」と思ったら、正解だった。どちらも印象に残るカットだ。『ベムベムハンターこてんぐテン丸』の後で、梅澤さんが『とんがり帽子のメモル』に参加して、佐藤順一さんが『北斗の拳』をやるかもしれなかったという話が面白かった。
 テレ朝チャンネル2の「EXまにあっくす 特濃 ~帰ってきたザザーンさん~」で放映された「アニメちゃん」を録画で観る。これは1984年に公開された映画で、一度もソフト化されていない。僕も初めて観た。タイトルは「アニメちゃん」だが、実写作品である。ひょっとしたら、オープニングがアニメだったりするのではないかと思っていたが、そんなことはなかった。同じく「~帰ってきたザザーンさん~」で放映された「ザ・サムライ」がインパクト強し。これは月曜ドラマランドで放映されたもので、同名マンガの映像化。言葉にするのが難しいのだけれど、あの頃のオタク的作品のテイストが濃厚。さらに月曜ドラマランドらしいユルい感じがあってたまらない。  

2018年3月13日(火)
「アニメスタイルのうすい本」の井上俊之さんの取材原稿をまとめる。辻田邦夫さんとイベント打ち合わせ。中央線方面で書籍関係の打ち合わせ。昨年秋からお願いしていた打ち合わせがようやく実現した。  

2018年3月14日(水)
DVDで『BLUE SEED』を観る。映像特典の『BLUE SEED OMAKE THEATER』は観ていないものもあるなあ。『OMAKE THEATER』3話の「X-FILE ~国木田のばやい~」は地面がセル描きになっているところは歩くと危険だとか、ドアが背景描きだと開けないとか、そういったネタのメタもの。1話「奇稲田を見守る男」のオゲレツなオチはよく覚えていた。  

2018年3月15日(木)
『BLUE SEED』を最終回まで観る。続けて『BLUE SEED2』を視聴。『2』は初見かと思ったけど、覚えているセリフがあったから、少なくとも1話は観ていたようだ。TAKADA BANDのオープニング曲、エンディング曲はCDで何度も聴いているなあ。『2』の3話「美人OL6人旅 秘湯大爆破」は、作画監督が桂憲一郎さんでかなりの見応え。
 仕事の合間に「水玉螢之丞 おしごといろいろ展」に行く。水玉さんの仕事は濃くて、なおかつ洗練されており、さらにジャンルの幅が驚くほど広い。改めてそれを確認した。それから、自分の嗜好や想いと客観性のバランスが絶妙で、アウトプットが猛烈に上手い人だった。そんなふうに、ご本人に言ったら「やめてくださいよ」とおっしゃったに違いないけれど。  

2018年3月16日(金)
「アニメスタイルのうすい本」の平松禎史さんの原稿を受け取る。続けて『さよならの朝に約束の花をかざろう』の取材。  

2018年3月17日(土)
「アニメスタイルのうすい本」用のサムシング吉松さんとの対談原稿をまとめる。WOWOWの「映画ドラえもん のび太の宝島」公開記念 37作一挙放送!史上最大の映画ドラえもんまつり」で『ドラえもん のび太の恐竜』を観る。この企画は「初のハイビジョン一挙放映」が売りで、驚くくらい映像が鮮明。しかも、ビスタサイズなのも新鮮だ。  

第554回 カッティングが始まりました

まだタイトルは発表できない
次のシリーズのカッティングが開始となりました!

 これから毎週コンテを出しまくるわけです。個人的にコンテを出して即コンテ撮、即カッティング(編集)の流れが好きです。自分の場合、コンテ撮でも

と、アニメーター計算でそのカットの原画構成が分るので、楽しく編集できますから。とにかくコンテとドラマが繋がっていくのが毎週毎週ホント面白い! あ、ちなみに今シリーズは久しぶりの他社(ミルパンセではない)作品となります。『WUG! 新章』の間にお話をいただいていたんです、たしか。内容はアクションもの。以前に一緒にやったことのあるプロデューサーから、自分の名前が出たらしいです。ありがたや。制作会社も初めてのトコで、初めてのスタッフと仕事をするのは、これはこれで楽しみ。放映は年内、いつかはまだ言えません。コンテに追われてるので、今回は短くてすみません!

第128回 叙情性という源流 〜H2〜

 腹巻猫です。3月28日にマーベラスから発売される「プリキュア ボーカルベストBOX 2013-2017」の構成・解説を担当しています。CD6枚組のうち5枚が『ドキドキ!プリキュア』から『キラキラ☆プリキュアアラモード』まで5作品のボーカルベスト。6枚目がTVサイズ主題歌とBGMを収録したボーナスディスクになっています。BGMは劇中で使用されながら、これまで発売されたサウンドトラックに未収録だった曲(バージョン違い含む)を中心に選びました。初収録音源は29曲。プリキュアのサントラ盤を聴いて「本編で流れたあの曲が入ってない……」と思っていた方は、ぜひどうぞ。

プリキュア ボーカルベストBOX 2013-2017
http://www.amazon.co.jp/dp/B0788XQ5XS/

マーベラスの商品情報ページ(初収録音源表記あり)
https://www.marv.jp/titles/mc/9257/

 

 今回取り上げるのは1995〜1996年に放送されたTVアニメ『H2(エイチツー)』。あだち充の同名マンガを原作にした作品だ。  あだち充作品のアニメ化は『みゆき』(1983)に遡る。80年代は『ナイン』(1983)、『タッチ』(1985)、『陽当たり良好!』(1987)と続けてTVアニメ化され、一気にあだち充人気を盛り上げた。
 90年代はOVAで『スローステップ』(1991)、次いで『H2』(1995)がTVアニメ化された。21世紀に入ってからは『クロスゲーム』(2009)がTVアニメ化されている。この間に『タッチ』の単発スペシャルアニメが1998年と2001年に放映。あだち充作品はいまだ根強い人気(普遍性と呼ぶべきか)を持っているのだ。
 かくいう筆者もけっこうあだち充作品が好きなひとりである。たぶん、代表作はほとんど読んでいる。どれを読んでも同じという人もいるが、その変わらなさもまた安心する。好きな作家の作品を読む楽しみとはそういうものだろう。

 さて、『H2』は1995年6月から1996年3月まで、テレビ朝日系で全39話が放送された。未放映のエピソードが2話あり、それはDVD-BOXに収録されている。監督は70年代後半からタツノコプロ作品を中心に活躍したうえだひでひと。アニメーション制作は葦プロダクション(現プロダクション・リード)がメインで担当した。あだち充作品のアニメ化といえば杉井ギサブロー監督の『タッチ』がひとつの完成形と呼べるが、本作も原作の雰囲気をうまく映像化したいい作品である。
 物語はあだち充おなじみの青春野球もの。主役は4人。親友で野球のライバルでもある国見比呂(声・古本新之輔)と橘英雄(宮本充)、比呂の幼なじみで比呂に密かな想いを抱きつつ英雄と交際する雨宮ひかり(今村恵子)と比呂が進んだ高校の野球愛好会(のちに野球部に昇格)のマネージャー・古賀春華(鈴木真仁)。名前の頭文字が「H」の2組の少年少女が織りなす物語だ。
 残念ながらアニメ版は原作の物語の最後まで描かれずに終わっている。まだまだこれからというところで終わるので、不完全燃焼の思いが残る。
 それでも本作は愛すべき作品だ。主役4人の声もキャラクターに合っていてよかったし(主に俳優として活躍する古本新之輔と今村恵子、本作がアニメ初レギュラーの宮本充、『赤ずきんチャチャ』(1994)でデビューしたばかりの鈴木真仁というフレッシュな顔ぶれだった)、作画も丁寧で安定していた。安心して落ち着いて見られるアニメだった。

 そして音楽は現在、映画音楽作曲家として国内外を問わずに活躍する岩代太郎が担当している。
 岩代太郎といえば、「レッドクリフ」「マンハント」などのジョン・ウー監督実写劇場作品、樋口真嗣監督の「日本沈没」、田中芳樹原作のTVアニメ『アルスラーン戦記』など、スケールの大きなダイナミックな作品を手がける作曲家という印象が強いかもしれない。
 しかし、『H2』前後の岩代太郎は、大林宣彦監督の実写劇場作品「あした」、TVドラマ「白線流し」、劇場アニメ『フランダースの犬』など、じっくり聴かせる繊細な音楽が得意な作家という印象だった。特に筆者が印象深いのは毎週楽しみに観ていた「白線流し」の音楽だ。『H2』と「白線流し」はアニメと実写ドラマという違いこそあれ、高校を舞台にした青春ものという枠組みは同じ。筆者の中ではひとつながりの印象なのである。
 岩代太郎は1965年5月1日、東京生まれ。1989年、東京藝術大学音楽学部音楽科作曲専攻を首席卒業。1991年、東京藝術大学音楽学部大学院修士課程を首席修了。大学院修了作品「To The Farthest Land Of The World/世界の一番遠い土地へ」はシルクロード国際管弦楽作曲コンクール最優秀賞を受賞した。
 現代音楽界の星と呼びたくなるきらびやかな経歴だ。しかし、作曲家をめざしたのは映像音楽の作曲家になりたかったからだという。
 岩代太郎の父・岩代浩一も作曲家だった(NHK教育「できるかな」の音楽などを手がけている)。音楽が身近な環境に育ち、小学生時代から独学でピアノを始めた。中学時代は友人とバンド活動。中学2年生のときに作曲家を志す。それは岩代の中では「映像音楽の作曲家になる」ということと同義だった。なぜ映像音楽の作曲家だったのか。小学生の時に観た劇場作品「ジョーズ」(1975)のジョン・ウィリアムズの音楽や「サスぺリア」(1977)のゴブリンの音楽が強く印象に残っていた。しかし、それがきっかけかどうか、明確な理由はわからない、と岩代太郎は2016年4月に上梓した著書「映画音楽太郎主義 サウンドトラックの舞台ウラ」(全音楽譜出版社)の中で書いている。ともかく、父の後押しもあって、東京藝術大学に進学。本格的な音楽教育を受けることになった。
 岩代は1991年、大学院修了と同時にNHKスペシャル「ファッションドリーム」の音楽でプロデビューを果たす。
 その後は、実写劇場作品「課長 島耕作」(1992)、「あした」(1995)、「あずみ」(2003)、「蝉しぐれ」(2005)、「日本沈没」(2006)、「レッドクリフ」(2008)、「聯合艦隊司令長官 山本五十六」(2011)、「魔女の宅急便」(2014)、「マンハント」(2017)、TVドラマ「君といた夏」(1994)、「沙粧妙子 最後の事件」(1995)、「あぐり」(1997)、「葵 徳川三代」(2000)、「義経」(2005)などの音楽で活躍。近年は映画音楽に軸足を置いて海外にも活動の場を広げている。
 アニメ作品は『H2』を皮切りに『みどりのマキバオー』(1996)、劇場『フランダースの犬』(1997)、劇場『明治剣客浪漫譚 維新志士への鎮魂歌』(1998)、劇場『MARCO 母をたずねて三千里』(1999)、劇場『鋼の錬金術師 嘆きの丘の聖なる星』(2011)、『翠星のガルガンティア』(2013)、『Blade & Soul』(2014)、『アルスラーン戦記』(2015)、『正解するカド』(2017)、『A.I.C.O. Incarnation』(2018)などを手がけている。実写劇場作品やTVドラマに比べると数は多くないが、聴きごたえのある作品ばかりである。
 『H2』は岩代太郎が職業作曲家としてデビューして4年目の作品である。だからこそ、作家の原点とも呼べる瑞々しい音楽を聴くことができるし、その瑞々しさがあだち充作品の世界と絶妙にマッチしている。
 本作のサウンドトラック・アルバムは、キングレコードから2枚発売された。1995年6月に発売された「H2 オリジナル・サウンドトラック」と1996年3月に発売された「H2 オリジナル・サウンドトラック2」である。1枚目は比較的長めの曲を中心に全13曲を、2枚目は1分から2分ほどの短めの曲を中心に全24曲を収録している(いずれも歌曲を含む)。
 1枚目から紹介しよう。収録曲は以下のとおり。

  1. 虹のグランドスラム(H2メインキャラヴァージョン)
  2. ALL OF YOUNGSTAR
  3. HIGH SCHOOL MORNING
  4. BASSBALL HERO
  5. HIGH SCHOOL WINDS
  6. HIGH SCHOOL ROAD
  7. ゆるやかな虹のように(歌:西脇唯)
  8. A PASSAGE TO BASEBALL
  9. HIGH SCHOOL MELODY
  10. THE CROSSING
  11. YOUTHFUL ZONE
  12. FAR AND AWAY
  13. 「二人」に帰ろう(歌:西脇唯)

 1曲目は久保田利伸が歌う前期主題歌をアニメのメインキャラを演じる声優4人が歌ったバージョン。オリジナル歌唱版が収録されなかったのは歌手の所属レーベルが異なるためだろう。久保田利伸の歌うオリジナル版はソニーミュージックからシングルCDで発売された。作詞・作曲ともに久保田利伸が担当。自身も野球部に所属していたという久保田の感性が生かされた、いい歌である。メインキャラ歌唱バージョンはオリジナル版とはカラオケが異なり、オリジナル版のファンキーなテイストが薄れた代わりにロック色が強くなっている。このバージョンは最終回のラストシーンに使用された。
 13曲目はシンガーソングライターの西脇唯が歌う前期エンディング主題歌。これがまた、番組を観ていたファンには忘れられない超絶な名曲。サビを聴くだけでアニメの映像と当時の気分がフラッシュバックする人もいるだろう。やはり、あだち充アニメには名曲が多いのだ。7曲目は、エンディング主題歌シングルのカップリング曲として発売された挿入歌である。
 残る10曲がBGM。2分から4分を超える長い曲ばかりが集められている。音楽アルバムとして聴ける充実した内容だ。
 トラック2「ALL OF YOUNGSTAR」は第1話の冒頭場面に流れた曲。医者から肘の故障を告げられた比呂が中学卒業を機に野球をあきらめようと川原でグラブを焼く場面だ。そこに春華が現れ、ふたりの出逢いとなる。ハープのアルペジオと弦のアンサンブルでじんわりと始まり、サックスの主旋律が現れる。スローバラード風の叙情的なメロディだ。ドラムが控えめにリズムを刻み始め、弦とサックスの合奏へ。物語の始まりを告げる、爽やかでちょっとノスタルジックな胸に沁みる曲だ。
 本作の音楽の特徴がすでに現れている。それはサックスの音色。『H2』ではサックスがメロディを受け持つ曲が多く、その艶やかな音色が音楽全体の基調音になっている。高校生たちの青春を描くアニメにサックスというのは、あまりない組み合わせではないだろうか。ふつうならエレキギターとか、トランペット、トロンボーンなどの金管を持ってくると思う。サックスは高校生よりももっと大人びたイメージだ。
 しかし、サックスの音色は青春時代の屈折や大人になりかけた少年少女の心の機微を表現するのに予想外にぴったりくる。絶妙の音楽設計である。映像を彩るサックスの音のおかげで、『H2』はちょっと大人になった視点から青春時代を思い出すような、独特の空気感を持った作品になったのではないだろうか。
 トラック3「HIGH SCHOOL MORNING」はピアノと弦でじわっと始まる日常曲。「じわっと」、もしくは「じんわりと」始まる曲が多いのも本作の音楽の特徴。頭からぐいぐい出る曲がほとんどない。非常にやさしい感触の音楽になっている。
 メインのメロディを受け持つのはケーナ(だと思う)。これも意表をついた組み合わせだが、聴いていると高校のグランドの上に広がる青空が見えてくるような気分になる。ケーナの素朴な音色が大地と空を感じさせるのだ。やさしく穏やかな曲である。比呂たちの日常シーンなどに使用された。
 トラック4「BASSBALL HERO」は軽快なリズムから始まるアクティブな曲。ギターのカッティングとドラム、ベースのリズム。そこに上下する弦のフレーズが乗って緊迫感を演出。40秒を過ぎて、サックスのフェイク気味のメロディが加わる。試合場面によく流れた躍動感のある曲だ。サックスの音色も手伝って、ちょっとおしゃれな雰囲気になっているのが特徴。90年代のアニメらしいテイストである。
 川面に光がきらめくような美しいイントロで始まるトラック5「HIGH SCHOOL WINDS」は、タイトルどおり、爽やかな風を感じさせる曲。主旋律を受け持つのはアコースティックギター。これぞ青春アニメといいたくなるサウンドである。流れるようなピアノと弦の上で奏でられる解放感のあるギターのメロディ、その合間に入ってくる高音のケーナの音色の組み合わせが心地よい。第1話で高校に入学した比呂たち4人の姿を紹介するモンタージュの場面に流れたほか、比呂たちの野球への想いを描く場面などに使われた印象深い曲である。
 次の「HIGH SCHOOL ROAD」はクラシカルな弦合奏から始まる感動曲。なんと美しい旋律。ストリングスが奏でる心洗われるメロディに陶然となる。岩代太郎の生みだす叙情的なメロディの魅力が生かされたナンバーだ。この方向性の音楽の名作が『フランダースの犬』。未聴の方はそちらのサントラもぜひ聴いていただきたい。曲はたっぷり1分近く弦合奏を聴かせたあと、サックスのメロウな旋律に受け継がれる。ここでもまたサックスなのだ。2分を過ぎて、ふたたび弦合奏に戻り、Aパートと同じ旋律が繰り返されて終わる。制服姿の英雄とひかりが並んで下校する場面など、青春時代の記憶を刺激する甘酸っぱいシーンに流れていた。
 トラック8「A PASSAGE TO BASEBALL」は2部構成。最初のパートはちょっと沈んだ気分を表現する弦とキーボード主体の曲。途中からサックスも加わり、ややメランコリックなトーンで青春時代の苦悩を奏でる。肘の故障のため野球への夢を断たれた比呂の気持ちを描いたような曲だ。2分を過ぎて曲調が一転し、軽快なリズムに乗せてフリー演奏風のサックスが湧き上がる想いを表現する。このパートは肘の故障が誤診と知り、ふたたび野球ができることを知った比呂のよろこびを表現しているようだ。
 トラック9「HIGH SCHOOL MELODY」はアコースティックギターとサックスによるリリカルで美しいバラード曲。メロウでおしゃれで、ヨーロッパの青春映画の音楽を聴くようだ。これが「高校のメロディ」だなんて、どんな高校生活なのだろう。しかし、ほかの曲でもたっぷりサックスが聴こえてくるので、いきなりこんな曲が流れても違和感がない。これも音楽設計のマジックである。
 弦のトリルが緊張感を表現する「THE CROSSING」は試合場面によく流れた曲。
 続く「YOUTHFUL ZONE」はアコースティックギター、ストリングス、サックスという編成で奏でられる、ややノスタルジックだけれど、けして後ろ向きではない想いを描写する曲。第1話で野球部のない千川高校に進学した比呂が、野球愛好会のマネージャーになっていた春華と思いがけなく再会する場面、第9話で、比呂と同様に野球への夢を断念しようとしてあきらめきれない柳が少年野球の練習風景をスケッチする場面など、迷いの中に希望が垣間見える場面に流れている。
 BGMパートの最後の曲「FAR AND AWAY」は締めくくりにふさわしい、希望を感じさせる曲。ミニマムなリズムとストリングスをバックに、サックスが比呂たちのはるかな夢を歌い上げる。これも海外の青春映画音楽を思わせるスケール豊かで爽やかな曲だ。本編では最終話の終盤、甲子園で戦う英雄を応援しに行ったひかりが、比呂に「おいで」と心の中で呼びかける場面から、地元で黙々と練習に励む比呂とそれを見守る春華の場面にまで流れている。比呂と英雄とひかりと春華、4人の夢とお互いの関係はこれからどうなっていくのか? このあと続く物語を想像させる名シーンに流れた大切な曲である。
 サウンドトラック1に収録されなかったコミカルな曲や明るく陽気な曲、試合シーンを彩る躍動的な曲、次回予告音楽などはサウンドトラック2で補完された。サウンドトラック2には後期主題歌2曲と主役4人が歌うキャラクターソングも収録されているので、ぜひ1枚目と合わせて聴いてもらいたい。

 80年代の『タッチ』では芹澤廣明が書いたオールディーズの香りがする音楽が、明るさとペーソスと滑稽さが入り混じった等身大の青春像を演出していてすばらしかった。およそ10年を経て作られた『H2』の音楽は、それに比べてぐっと叙情的で大人びた雰囲気だ。海外映画音楽のように洗練されていて、じんわりと胸に沁みる。
 その叙情性こそ、岩代太郎の音楽の核をなす要素のひとつだと思う。先に紹介した本「映画音楽太郎主義 サウンドトラックの舞台ウラ」の中で岩代は「僕が自分の音楽の中で最も失いたくないと意識しているのは叙情性だ」と語っている。どんな壮大な音楽、スリリングな音楽を書いても、岩代太郎は心の琴線にそっと触れるような叙情性を潜ませてくる。『H2』には岩代太郎の音楽の源流が流れているのである。

H2 オリジナル・サウンドトラック
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H2 オリジナル・サウンドトラック2
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映画音楽太郎主義 サウンドトラックの舞台ウラ
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145 アニメ様日記 2018年3月4日(日)~

2018年3月4日(日)
レンタルDVDで『みつあみの神様』を観る。朗読劇をDVD化したもので、アニメーションパートは舞台背後のスクリーンに映っているものを撮っているので観やすくはない。アニメーションパートは板津匡覧さんが監督・絵コンテ・キャラクターデザイン・作画監督を担当。新宿TOHOシネマズで『映画ドラえもん のび太の宝島』を観る。お話について「あれ?」と思うところはあるのだけれど、楽しく観ることはできた。特に映画前半に作画的な見どころが多い。
 イベント前に阿佐ヶ谷のファミレスで、「アニメスタイルのうすい本」のために井上俊之さんの取材。夜は「第142回アニメスタイルイベントアニメの作画を語ろう 2018年春」。第1部は「磯光雄の作画を語る! PART2」で井上俊之さんとcoosunが登壇。coosunが用意した解説用の映像が素晴らしく、勉強になった。第2部は井上さん、平松禎史さんによる『さよならの朝に約束の花をかざろう』のトーク。この2人ならではの内容の濃いものとなった。第3部は井上俊之さんに『エロマンガ先生』の作画について語っていただく予定だったが、第1部がボリュームアップしてしまったので割愛。『エロマンガ先生』についてはまたの機会に。  

2018年3月5日(月)
取材の予習。『NieA_7』『迷い猫オーバーラン!』『少女たちは荒野を目指す』『生徒会の一存』等を視聴。『NieA_7』はBlu-rayで観たのだけど、驚くくらい鮮明。居酒屋のカウンターで『STEINS;GATE』のムックを読む。  

2018年3月6日(火)
イオンシネマ大井で『映画 中二病でも恋がしたい!Take On Me』を鑑賞。いろいろとユルい感じなのだけど、そのユルさが楽しさに繋がっていた。しめるところはきっちりしめて、ファンムービーとしては文句のない仕上がりになっていた。六花が勇太を愛するうちに、中二病が抜けていくことが示されているところがよかった。元々、大人目線で中二病を描いている作品であり、落ち着くべきところに落ち着いた感じだ。観た後にファミレスに行きたくなった。  

2018年3月7日(水)
「設定資料FILE」の構成。構成をしながら、1話から『からかい上手の高木さん』を観る。楽しい。連絡いろいろ。書籍ふたつの企画が大きく前進。  

2018年3月8日(木)
「この人に話を聞きたい」取材。第百九十八回で登場していただくのは佐藤卓哉さん。写真はかなりの変化球となった。カメラマンの平賀正明さんは、その場でのオーダーに対して、臨機応変に応えてくれた。さすがだ。  

2018年3月9日(金)
インタビューの前に『さよならの朝に約束の花をかざろう』関係の取材(紙媒体、WEB媒体)をまとめて読んだ。多い多い。30本以上の記事に目を通したはず。『さよ朝』関係の記事にはいいものが多かった。具体的に言うと、ユリイカの上田麻由子さん、エキサイトレビューの丸本大輔さんのインタビューがよかった。11時半から『さよ朝』取材。11時半スタートして18時終了。6時間半ぶっつつけ。最初の予定では間に休憩をはさむ予定だったのだけど、1本目の取材が長引いたので、休憩もなくなったのであった。  

2018年3月10日(土)
「あにめたまご2018完成披露上映会」に行く。上映された4本の中では『えんぎもん』と『Midnight Crazy Trail』がよかった。『Midnight Crazy Trail』の絵コンテはワタナベシンイチさんで、かなりナベシンさんらしい感じだった。  

第553回 小学生板垣

2人で1人、藤子不二雄先生!!

 藤子先生に関しては、かなり以前にも2〜3回触れたので詳しい解説は割愛しますが、自分にとっての「藤子不二雄」とは、初めて意識した「作家」なんです。俺の記憶では、手塚治虫先生よりも先に憶えた名前で、もちろんそれまでもアニメは観ていたけど、原作者が誰かなんて気にもしたことがなかったわけ。ところが1979年に放映開始した『ドラえもん』、続く『怪物くん』で

あ、どうやらアニメには元になるマンガがあって、それを「原作」と呼ぶんだ! で、『怪物くん』は『ドラえもん』と同じ藤子不二雄という人がマンガを描いているのか!

と認識できたのでした。もちろん1987年にコンビ解消される前なので、同じ原作者という体での記憶です。原作の存在が分ってからの板垣は、藤子不二雄マンガに夢中になっていき、『ドラえもん』『怪物くん』の後も『プロゴルファー猿』(TVスペシャルのちシリーズ)『忍者ハットリくん』『パーマン』と80年代半ばの藤子アニメ全盛期とともにあった小学生時代を過ごしたのです。藤子アニメの新作が放映されると、すぐにそのキャラをそらで描けるようになって、クラスの皆のラクガキ帳に描いてあげて喜んでもらえることが自分でも嬉しい、という毎日。小学生の時は、よく絵画で賞状だの盾だのをもらってましたが、それはたいして嬉しくなかったのに、目の前のクラスメイトが、自分の描く藤子キャラで喜んでくれるのが本当に嬉しくて、調子にノッて描きまくりました。
 で、ついには自分でもマンガを描きたくなり、家ではオリジナルのマンガを描き始めたのです。それが小学3年生ごろ?

あ、ちなみにアニメの仕事でも
なんとか賞や権威にはまったく興味ありません!

144 アニメ様日記 2018年2月25日(日)~

2018年2月25日(日)
 早朝に新文芸坐に。劇場に着くと「新文芸坐×アニメスタイル セレクションvol.100 100回記念シリーズ Best of Best(1)」の『アリーテ姫』の終盤だった。『アリーテ姫』は何度も観ているはずだけど、スクリーンだと新鮮な気持ちで視聴できる。昼は「少年ハリウッド 第26話完全版完成披露上映イベント」に足を運ぶ。入場料は高めだったけれど、クラウドファンディングで協力した人よりも安い金額で観るわけにはいかないわけで、その料金設定に納得。観客は9割以上が女性だった。僕は男性であるうえにコアな『少年ハリウッド』のファンというわけでもないので、一番後ろに近い席に座った。しかし、実は客席の背後にもスクリーンがあり、後ろの席のお客さんは椅子を反対に向けて観るという形式の上映で、結果的に僕は最前列に近い場所で鑑賞することになってしまった。上映中、周囲のお客さんは熱心にサイリウムを振っていて、ああ、こんな前の席にサイリウムも持たないオッサンが座ってしまって、すいません、という気持ちに。
 「アニメ様日記 2018年2月11日(日)~」のテキストを仕上げるために、西崎義展さんに取材した回の「この人に話を聞きたい」を読み直す。さらにちょっと気になることがあって、自分のブログを検索する。

【仕事】次回の「この人に話を聞きたい」は西崎義展さん
http://animesama.cocolog-nifty.com/animestyle/2009/09/post-d458.html

西崎義展さん
http://animesama.cocolog-nifty.com/animestyle/2010/11/post-3acf.html

 後者のエントリーで、僕が西崎さんに「自伝を読みたいです」と言ったとあり、少し驚いた。すっかり忘れていた。  

2018年2月26日(月)
最新分まで含めて『3月のライオン』をまとめて数話視聴。面白いし、演出もよかった。  

2018年2月27日(火)
作業しながら『恋は雨上がりのように』を改めて1話から視聴。やばい、ふた回り目のほうが楽しい。最初は女子高生が中年男を好きになるなんて、現実味がないと思うところがあったのだけど、中年男の店長もある程度は理想化された存在であることが分かり、素直に視聴できるようになった。というか、あきらの一挙一動をニヤニヤしながら観てしまう。取材の予習でSTEINS;GATE』を再視聴をはじめる。
 夕方から「アニメスタイルのうすい本」のために山内重保さんに取材。「アニメスタイルのうすい本」をまとめるにあたって「こういう記事もほしい」と思い立ち、急遽取材を申し込んだのである。取材の後、阿佐ヶ谷ロフトAで開催されていた「吉松孝博のプライベートムービーの世界DX」に顔を出す。  

2018年2月28日(水)
昼間から夕方にかけて、新文芸坐で「アトミック・ブロンド」「ベイビー・ドライバー」の2本立てを観る。ワイフとの付き合いで観ることになっていたのだが、ワイフの予定がズレて、一人で観ることになった。両方ともよくできたアクション映画で、2本まとめての鑑賞は豪華。名画座ならではの体験だった。  

2018年3月1日(木)
『STEINS;GATE』を最終回まで観る。劇場版の時も観直しているから、3度目の視聴だったはず。序盤に関していうと、主要登場人物がどんなキャラクターなのか分かってから観たほうが面白い。  

2018年3月2日(金)
取材の予習で『好きっていいなよ。』を全話観る。スタッフ配置としては『舟を編む』の前哨戦というか、この作品の延長線上に『舟を編む』があるのだろう。  

2018年3月3日(土)
『好きっていいなよ。』原作コミックス第11巻DVD付き限定版収録「誰かが」を観る。物語よりも表現に重きを置いた作品で、佐藤卓哉監督らしいともいえるし、黒柳トシマサさんらしいともいえる。マニアらしい言い方をすると「『好きっていいなよ。』における『蝉時雨』である」。
 フィルムセンターで『ヤスジのポルノラマ やっちまえ!!』を観る。1971年に公開された劇場アニメーションだ。僕がこの作品を知ったのは「日本アニメーション映画史」だった。「いつかは観たい」どころか「一生観る機会はないだろう」と思っていた作品だった。内容はかなり無茶苦茶。作り手は意図して無茶苦茶なものを制作しているはずなので、これは悪口ではない。中盤からクライマックスにかけて「ええっ!」と驚く展開がいくつもあった。この作品を自分の中でどう位置づけすればいいのかはまだ分からない。  

第144回アニメスタイルイベント
南極到着記念!『宇宙よりも遠い場所』を語ろう!!

 4月9日(月)夜に開催するトークイベントは「南極到着記念!『宇宙よりも遠い場所』を語ろう!!」。放映中のTVアニメ『宇宙よりも遠い場所』についてのトークイベントだ。

 出演はいしづかあつこ監督、本作ではキャラクターデザイン・総作画監督の吉松孝博(WEBアニメスタイルの読者には「サムシネ!」でもお馴染み)。『宇宙よりも遠い場所』は高校生の女の子達が南極に行くというユニークなコンセプト、軽やかでなおかつ感動的な物語など、見どころの多い作品だ。今回のイベントでは『宇宙よりも遠い場所』がどのように作られたのか、たっぷり語っていただく。

 トータルで2時間半ほどの、普段よりも少し短いイベントとなる。トークの一部を「アニメスタイルチャンネル」で配信する予定だが、いしづか監督の出演は配信のないパートとなる。前売り券は3月17日(土)午前10時から発売だ。詳しくは以下の阿佐ヶ谷ロフトAのリンクを見ていただきたい。

■関連リンク
アニメスタイルチャンネル
http://ch.nicovideo.jp/animestyle

阿佐ヶ谷ロフトA
http://www.loft-prj.co.jp/schedule/lofta/84659 

第144回アニメスタイルイベント
南極到着記念!『宇宙よりも遠い場所』を語ろう!!

開催日

2018年4月9日(月)
開場18時30分 開演19時30分 終演22時予定

会場

阿佐ヶ谷ロフトA

出演

いしづかあつこ、吉松孝博、小黒祐一郎(司会)

チケット

前売1500円 当日1800円(共に飲食別・要1オーダー)

■アニメスタイルのトークイベントについて

 会場となる阿佐ヶ谷ロフトAはトークライブができる居酒屋。入場料(今回は前売1500円、当日1800円)とは別に飲食(最低でもドリンク1杯)をお願いしている。ソフトドリンクもあるので、未成年の方でも大丈夫。 アニメスタイル編集部が開催する一連のトークイベントは、イベンターによるショーアップされたものとは異なり、クリエイターのお話、あるいはファントークをメインとする、非常にシンプルなものだ。出演者のほとんどは人前で喋ることに慣れていないし、進行や構成についても至らないところがあるかもしれない。その点は、あらかじめお断りしておく。