編集長・小黒祐一郎の日記です。
2022年1月2日(日)
引き続きドーミーイン池袋に。温泉に入って、散歩して、読書をした。正月らしい1日。Kindleで「三体」を読了。面白かったし、凄い作品だけど、前半のほうが面白かった。本格推理小説で前半の謎の提示部分が一番面白いのに感覚が近い。映像化が進んでいるようだけど、映画よりはネット配信ドラマのほうが向いているだろうなあ。改めてアニメの予告映像を観てみた。
2022年1月3日(月)
事務所に入って原稿に着手。数日ぶりの原稿作業は楽しい。やるのが原稿作業だけでいいというのも嬉しい。
ネットで幻の作品「’80アニメーション ザ・ベストテン」を観る。公式な配信ではない。ある人がフィルムを入手し、それを高解像度スキャンをしてアップしたのだそうだ。ソフト化もTV放送もされたことのない作品だ。「アニメ様365日」で取り上げた時には、記憶モードで書いた。
アニメ様365日[小黒祐一郎] 第47回 「’80年アニメーション ザ・ベストテン」
http://www.style.fm/as/05_column/365/365_047.shtml
実際の映像を観てみると、記憶モードで書いた割りには、あまり間違っていなかった。「アニメ様365日」で、この中で使われた『Dr.スランプ アラレちゃん』の映像がパイロットフィルムのものではないかと書いた。確かにパイロットフィルムのものだった。確認できてよかった。
2022年1月4日(火)
朝から昼で、原稿作業が一山越える。その後、新文芸坐で「お早よう〈デジタル修復版〉」(1959/94分/DCP)を観る。プログラム「2022年新春興行 マイスター・小津安二郎の世界」の一本だ。物語はあっさりしたものだが、構図が素晴らしい。アニメで言うと、レイアウトが猛烈にいい。縦の構図が多くて、それが面白い。奥行きの出し方もいい。画面を観ているだけで楽しかった。
2022年1月5日(水)
散歩と原稿。いつまでもサブスク見放題にあると思っていた深夜アニメがレンタルになっていることを知り、少しばかりショックを受ける。昼間の居酒屋で、堺三保さんと食事をしつつ世間話。話題が『劇場版 呪術廻戦 0』から「マトリックス レザレクションズ」に移ったところで、隣のテーブルで食事をしていた若い男性がいきなり僕らの会話に割って入って「すいません。『マトリックス』はこれから観るので(ネタバレは)やめてもらえますか!」と言った。勿論、そこで「マトリックス」はやめたのだけど、我々は隣のテーブルの人に丸聞こえになるくらい大きな声で話していたのだろうなあ。反省反省。
うちのATOKは「16時に※※さんとあいます」を「16時に※※さんと『THE IDOLM@STER』」と変換する。
2022年1月6日(木)
雪の日。昼間は散歩とデスクワーク。「アニメスタイル016」の企画書を色々と書く。夕方から羽田市場食堂で吉松さんと呑む。途中からワイフも参加して、たっぷり食べて吞んだ。吞み終わった頃には雪はやんでいた。
2022年1月7日(金)
朝は雪で地面が凍っていた。履いている靴が雪や氷に弱くて、何度か転びそうになった。「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」公開日。グランドシネマサンシャインの朝8時10分の回で、ワイフと観た。IMAXでいい席がとれなかったのでATMOSにした。お話に関しては文句の付けようがない。僕は過去の映画「スパイダーマン」は観ていないものもあるし、細部を忘れているものもある。熱心なファンはもっと楽しめたことだろう。登場人物で言うと、MJの彼女感がよかった。
編集者の高橋和光さんが亡くなられたことを知る。1990年代には顔を合わせることが多かったし、高橋さんが編集しているムックに僕が参加したこともあった。最近は連絡をとることは滅多になかったが、昨年、電話で連絡をいただいて、ある書籍の企画について相談にのった。その時は用件だけで終わったけれど、近況などを聞いておけばよかった。心よりご冥福をお祈り致します。
2022年1月8日(土)
昼間はワイフと谷根千を歩く。今回は初めての道を歩いたのだけど、趣深い民家が多く、楽しめた。夜はレイトショー「新文芸坐×アニメスタイルSPECIAL フリクリ レイト」を開催。ゲストは鶴巻和哉監督と今石洋之さん。京都から佐藤裕紀プロデューサーもいらっしゃった。他にもキングレコードの方、TRIGGERの方もいらして、楽屋も賑やかだった。トーク終盤の今石さんの発言が『フリクリ』と自分の今までを総括するような内容で素晴らしかった。それを受けるかたちの鶴巻さんのまとめもよかった。