COLUMN

アニメ様の『タイトル未定』
344 アニメ様日記 2021年12月26日(日)

編集長・小黒祐一郎の日記です。
2021年12月26日(日)
デスクワークでは重めの原稿を進める。朝の散歩で『呪術廻戦』サウンドトラックの後半を聴いて、午後の散歩で『劇場版 呪術廻戦 0』のサウンドトラックを聴いた。午後の散歩は池袋から練馬辺りまでを歩くつもりだったのだけど、椎名町まで来たところで、トキワ荘マンガミュージアムが近くにあることに気づいて、そちらに。このミュージアムがトキワ荘を再現したものであるのは知っていたけれど、実際に足を踏み入れると大変なインパクト。マンガや読み物でしか知らなかったトキワ荘に、実際に入り込んだような感覚になる。これは凄い。ミュージアムの周辺も、マンガ関係の施設がいくつもあり、やたらと濃い街だった。

ながら観ではあるけれど、『らんぽう』DVD BOXを最終回まで完走。やっぱり突出していたのは18話A「宇宙海賊らんぽう大暴れ」だった。作画についても、エピソードとしての面白さとしても断トツ。摩砂雪さんの代表作のひとつだ。大雑把に言えば『未来少年コナン』+『風の谷のナウシカ』+『超時空要塞マクロス』で、特に『未来少年コナン』のパロディ部分はよくできている。本放送時も「すげえ」と思った。パロディ以外の部分も中盤からの飛ばしっぷりが素晴らしい。気になるのはどこからどこまでが脚本にあるパロディで、どこからどこまでがコンテで足した部分で、作画で広げた部分はどこなのかということだ。話が話だから、脚本の段階からアニパロだったのだろうとは思うけど。
19話Bパート「史上最大のスパイ大作戦!!」はアニメアール回。元気に、のびのびと作画している感じで楽しい。ゲストキャラの博士は作監の毛利和昭さんが描きやすいタイプなのか、妙に活き活きしている。序盤に出てくるスパイも『蒼き流星SPTレイズナー』世界のキャラみたい。パロディも多い。

以下は『らんぽう』の最終回について。
DVD BOXに21話として収録されている「らんぽうグラフィティ チュー太郎の泉ヶ丘(秘)レポート」は未放送とされているエピソード。ウィキペディアには「一部の局でのみ放送」とある(なお、ウィキペディアでは最終回は「らんぽうグラフィティ」「チュー太郎の泉ヶ丘(秘)レポート」の2本立てとなっているが、実際にはABパートで1話の構成だった)。総集編プラス新作の構成だが、シーンのチョイスと編集が上手で、総集編部分がやたらと面白い。ちなみに演出は中村憲由さん。
21話ラストで、1話で登場した宇宙人が再登場。らんぽうを現在の姿(劇中のセリフでは「できそこないのミュータント」)にしたのは彼らの計画の一部であり、1話以来の乱痴気騒ぎも、人類の未来にとって重要なことであるかもしれないことが示唆される。おお、『らんぽう』はSFだったのか。オチ部分には「宇宙大作戦」等のネタもあり。原作最終回は未読だけど、1話の宇宙人の謎については触れられていないではずなので、アニメ独自の結末だったと思われる。

2021年12月27日(月)
キーボードを叩きながら、録画してあった「BUZZ CREATORS」の「映画監督 堀 貴秀 たった一人の映像革命」を観る。面白い。番組の映像や構成もよかった。「AFTER TOKYO 2020 知られざる1970大阪万博」も観る。こちらも面白かった。

2021年12月28日(火)
仕事の合間に、ワイフと千駄ヶ谷のMOS PREMIUMに行く。お酒が飲めるモスバーガーだ。通常のモスバーガーのメニューでお酒も飲めるのかと思ったら、いわゆるグルメパーガーの店だった。バーガーも、オニオンリングも、サラダも美味しかった。
『先輩がうざい後輩の話』未視聴分をまとめて視聴中。うわあ、くすぐったい。最終回で、双葉と武田の関係について決着はつかない。勿論、決着をつけるわけにはいかないんだろうけど。シリーズを通じて、原作のキャラクターを大事にしたアニメ化だった。それから、前にも書いたけれど、作品のいい悪いではなく、色々と考えるポイントのあるシリーズだった。他にも深夜アニメの最終回を片っ端から観た。

2021年12月29日(水)
新文芸坐で「トムボーイ」(2011・仏/82分/DCP/PG12)を観る。「燃ゆる女の肖像」のセリーヌ・シアマの2本目の監督作で、引っ越した先で少年として振る舞う少女の物語。面白かったんだけど、ラストはもう一押しほしかった。リアルな話として考えたら、あのラストが正解であるかもしれないけど。
編集部のスタッフは東京ビッグサイトでブースの設営。僕は15時から新宿で、「アニメスタイル016」の中村豊さんの取材。予想よりも濃い取材となった。

2021年12月30日(木)
コミックマーケット99の1日目。今回のアニメスタイルの新刊は「中村豊 アニメーション原画集 vol.2」と「22/7 あの日の彼女たち Animation note」だ。分かっていたことではあるけれど、入場者数を制限しているため、お客さんの数は少ない。自分は途中で会場を抜け出して、葛西臨海公園辺りを散歩する。

2021年12月31日(金)
コミックマーケット99の2日目。午前中は会場を編集部スタッフに任せて、事務所で原稿作業を進める。正月にやるつもりだった取材のまとめに手をつける。とにかく手をつけることが大事だ。午後からコミケ会場に。池袋に戻り、ワイフとドーミーイン池袋に。大晦日から正月はドーミーインで過ごす予定だ。

2022年1月1日(土)
元旦は仕事をするつもりはなかったのだけれど、後回しにしていたテキスト作業を片づける。7時少し前に、初日の出を見るため、ワイフとIKE・SUNPARKに。他にも近所の人が大勢来ていた。その後、大鳥神社と鬼子母神にお参りする。元旦朝の初詣なんて生まれて初めてかもしれない。朝食の後、巣鴨までのんびりと歩く。『うる星やつら』再アニメ化が発表され、13時にティザーPVが公開された。散歩の途中でワイフと立ち止まり、スマホでPVを観る。神谷浩史さんの諸星あたるも、上坂すみれさんのラムも猛烈にいい。旧アニメ版をリスペクトしつつ、物真似に終わっているわけではない。いやあ、凄い。浅野直之さんのキャラクターも楽しみだ。