COLUMN

第828回 色々整理中

どこかのCMでAIタレント(この呼び方正しいのか?)を起用して話題になり、さらにそれに対して批判的なコメントを流した役者さんが炎上したとかしないとか……!

正直、それに関する是非を語るつもりはありません。ただ、あくまで個人的な意見としては、AI(人工知能)に人間の仕事を奪われることを極端に否定する方たちは「AI断固反対!」のプラカードを掲げて運動する前に、自身の守りたい仕事内容について、もう一度落ち着いて考えた方がよいとだけは思います。
 アニメ業界においても昨今、“AI導入”について話題になることが多いのも事実で、最近我が社にも「アニメ制作にAI導入するため、現状のアニメーター作業を教えて欲しい」との相談がありました。もちろん、自分は反対プラカードを掲げる側ではないので当然協力し、開発の方に“現状の原画作業と動画作業について”を詳しく説明し、「こんな作画ツールがあると、動画人員不足を補えるのでは?」との提案をさせていただきました。
 つまり、時代が一回りして昭和の既得権益を維持しようとしている、選ばれしお金持ち人間が現状維持を叫び、俺みたいに儲かった経験もない人間は

AIに限らず新しい技術をどんどん取り込んで、新しい制作体制でアニメを作りたい!!

と、非常にシンプルに考えています。究極の究極、AIの導入により、自分の仕事に需要がなくなって食えなくなったら「仕事を辞める?」と、自問してみると「稼げなくても続けたい」という答えしかないのですよ、板垣は。
 間違っても、

「現状のやり方を変えたくないし、現状の仕事内容に+αを課すことも拒否するくせに、収入も減らしたくないし、勉強も努力もしたくない」だけの人に、“進化”を止められるのだけは本気でゴメンです!!

 元々、金持ちになった経験のない俺にとって“相次ぐ作業工程の変化”や“月15〜20万生活”など怖くもなんともありません。AI拒否を謳ってる方々の中でも、今現在なかなか上手く生活できていない人が「食えなくなる」と悲鳴を上げるのは理解できるし、それこそは国が何がしかの支援を考えるべきだと自分も思います。ただ、現状好きなこと・得意なことを職業にし、かつ莫大に稼いで豪遊している一部の富裕層らが仰る「AIに仕事を取られてなるものか!!」は、俺からすると「AIなんか出回っちゃったら、“今までみたいに楽しく稼げる仕事が回ってこなくなる”じゃないか!!」と目くじら立ててるようにしか聞こえないのです。だって、十分貯えがあるのなら、それを切り崩して暫く生活できるはずで、(稼ぎは減るけど)次の手を考えればいいだけでしょ?