COLUMN

アニメ様の『タイトル未定』
415 アニメ様日記 2023年5月7日(日)

2023年5月7日(日)
ゴールデンウィーク最終日。「名探偵コナン 祝祭の天空都市(サンシャインシティ)」のキャラクター撮影会の最終日で、この日のみ灰原哀の着ぐるみが来る。ワイフが灰原の着ぐるみを見たいというので、付き合いで行った。撮影会の参加者(整理券をもらって撮影をする人)は見た限りでは若い女性が大半で、子供は母子連れがいたくらい。UTのコナン灰原シャツ(白地に線画)の着用率が異様に高かった。
購入したものの開封していなかった『モブサイコ100 III』のBlu-ray BOXをチェックした。気になっていたのが映像特典の「厳選・原撮映像」だ。必ずしも観たかったカットの原撮が入っていたわけではないけれど、収録されたカットの数は多かった。他の特典も盛り沢山。本編映像も綺麗だった。
北米版『メタルスキンパニック MADOX-01』Blu-rayにも目を通した。こちらも画質は好印象。映像特典も多く、特に線画設定の満足度が高かった。このくらい綺麗に収録できるなら、他のパッケージでも収録してほしい。
ゴールデンウィークは目標としていた作業の75%くらいを達成。ただ、調子が出てきたので気分は悪くない。

2023年5月8日(月)
ワイフと西武池袋本店に。最終日の「東京カレーカルチャーDX GWにっぽんカレー列島」でカレーをいただく。自分はインディアゲート(京都)で「鰹出汁のゴボウビリヤニ牛肉載せ炙り」と「鯛出汁のチキンビリヤニ(麻婆豆腐付き)」の合盛りをいただいた。量は少なめだけど、食感が面白い。今回のカレーイベントは面白かった。ダイエットを考えなければ毎日でも行きたかったくらい。
ゴールデンウィークに予定していた作業が終了。
「アニメスタイル017」関連で某プロダクションの対応スピードの早さに驚く。窓口とのやりとりをお願いしている外部スタッフの方に「この資料について問い合わせしてください」とお願いすると、あっという間に素材が届く。いやあ、素晴らしい。
朝の散歩では『新ルパン』のサントラ1~3を聴いた。今だと、1のセリフありも楽しく聴ける。
『ダロス』のBlu-rayに目を通す。画質は良好。DVDの映像特典の再録(インタビュー集)が貴重だ。

2023年5月9日(火)
「アニメスタイル017」の作業が進む。書籍も色々と進む。「アニメ様の『タイトル未定』」のためのテキスト整理。「アニメ様日記」が入院の話になって、当時のことを思い出す。

2023年5月10日(水)
朝の散歩では『君は放課後インソムニア』のサントラを聴いた。面白いアルバムだった。
WOWOWで放映されていた実写映画「3月のライオン 前編」「3月のライオン 後編」を流し観。ああ、実写になるとこうなるのか。原作をなぞってはいるけど、全体に重たい感じ。桐山零も二海堂晴信も外見を原作に寄せているんだけど、ちょっと違う。その違いは意図されたものなのだろう。川本家三姉妹と父親の決着に桐山君が関わらない(三姉妹に関わることを拒否される)のにも納得できた。
「熱風」5月号の「薪を運ぶ人 もうひとつのスタジオジブリ物語」第16回を読んだ。細田守版『ハウルの動く城』についての話が興味深い。僕の知らないエピソードがいくつもあった。僕が細田さんをジブリに紹介した話題も記事化された。

2023年5月11日(木)
この日の作業は「設定資料FILE」がメインで、並行して「アニメスタイル017」関連。そして、これから作る書籍関連。「設定資料FILE」は水曜から実作業に入った。最後のページの構成から始めたのだけど、延々と試行錯誤を続けた。自分が設定したハードルが高すぎた。
『スキップとローファー』の1話から6話を連続して観た。原作を読んでから観ると、びっくりするくらい上手に作っていることが分かる。監督がシリーズ構成を兼ねているのが上手く行っている理由のひとつなのだろう。スルスルと物語が進みすぎるのでは? というのは贅沢過ぎる感想か。
「設定資料FILE」の構成をやりながら、配信で「地獄の花園」と「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結(吹替版)」を流し観。「地獄の花園」は前から気になっていた映画なのだけど、イメージ通りの映画だった。よく作ったなあ。

2023年5月12日(金)
映画「はい、泳げません」を作業をしつつながら観。映画館で予告を何度か観ていて「こんな映画なんだろうなあ」と思っていた。綾瀬はるかさんが演じる水泳コーチと泳げない男性の恋をコメディタッチで描いたものだと思っていたわけだけど、そうではなかった。あれー。
「アニメスタイル017」の編集作業でデザイン&編集のスタッフから「このページに載っているのは第二原画ですが、文字の書き方が違っているから、レイアウトを描いた人と載っている原画を描いた人は別の人なのではないですか」という突っ込みが入り、またまたタイムシートまで戻って確認する。
最近はマメに歩いているので腰痛とは縁がなかったのだけれど、この日は午前7時半から14時くらいまで座りっ放しだったので、腰の具合がヤバそうになった。慌てて何度か歩いた。
この日の作業は「アニメスタイル017」がメインで、連絡いろいろ。それ以外は進行中の書籍の件、「WEBアニメスタイル」の簡単な原稿など。
Netflixの「サンクチュアリ -聖域-」をながらだけど、全話一気観した。よくできていた。特に役者がいい。

2023年5月13日(土)
SNSで年齢が近い方が『トニカクカワイイ』をどう楽しめばいいのか分からないと書いていたけれど、僕は楽しんでいる。夫婦で温泉に入る話も微笑ましくてよかった。自分が若くて独身だったら、違った観え方をするんだろうなあ。
TOKYO MX2で「J-BOT ケロ太」という番組が始まった。飯能でケロ太というロボットが活躍するドラマで、印象としては東映の不思議コメディーに近い。どこかの局でやっていた番組なのかと思ったら、これが本放送らしい。
朝の散歩の後、朝のツイートを挟んでワイフと「春バラの早朝開園」をやっている旧古河庭園に。旧古河庭園は「緑に触れたい」というワイフの要望だった。薔薇を見ているうちに雨が降ってきた。しばらく雨宿りをしてから旧古河庭園を出る。旧古河庭園の後に六義園に行く予定だったけれど、それは中止。
新文芸坐で「翔んだカップル オリジナル版」(1980/122分/35mm)を鑑賞。プログラム「二十三回忌 哀惜・相米慎二」の1本だ。

以下は半月くらい経ってから書いた「翔んだカップル オリジナル版」の感想だ。
映像内で表示される作品タイトルは以下の通り。
…………
翔んだ
カップル
ラブコールHIROKO※オリジナル版
…………
相米慎二監督のデビュー作。これが初見と思って観始めたのだけれど、モグラ叩きのシーンを始め、記憶にあるシーンや展開があったので、観たことがあったようだ。テレビ放映で断片的に観たのかもしれない。
鑑賞中には「演出としてはやりきれていないのではないか」と思っていたけれど、鑑賞してからしばらく経って振り返ってみると、「突出した演出的」と「青春映画のバランス」がいいと思うようになった。公開当時、映像に関してかなり新しかったはずで、その新しさは今となっては体感はできないが、想像はできる。今観ても凄いのは間違いない。物語に関してはやや説明不足。ただし、想像で補える範囲だ。登場人物の描写や言動に「あの時代」の空気感、気分が色濃い。
一番よかったのが、それぞれ別にデートをしていた田代勇介(鶴見辰吾)と杉村秋美(石原真理子)、山葉圭(薬師丸ひろ子)と中山わたる(尾美としのり)が合流してダブルデートになるところ。高層ビルと鯨のアドバルーンの使い方がお洒落。この時代のお洒落だ。アニメで言うと『魔法の天使 クリィミーマミ』とか『魔法のスター マジカルエミ』に感覚が近い。高層ビルのカフェ(?)で4人がお茶をするカットがあるのだが、ちょっと気怠い感じで、これもいい。このカットはもっと長いショットだったのを、つまんで短くしたのかもしれないし、ダブルデートで別のシークエンスも撮っていたのではないかという気もする。もっと長いバージョンがあるなら観てみたかった。
最初の公開版が106分で、オリジナル版が122分。最初の公開版は観ていないはずだけど、そちらのほうがまとまりがよかったのではないかと想像。
これも想像だけど、オリジナル版にはプロデューサーからの「薬師丸ひろ子のアップを増やせ」というオーダーで足したのではないかと思われるシーンがふたつある(公開版からあるのかもしれないけど、観ていないので分からない)。ひとつが勇介が秋美のマンションに行っている日に、圭が窓ガラスにスプレーで「勇介 バカ」と書く数カット。もうひとつが、秋美のマンションから帰った直後の、圭が階段を降りるだけの謎の場面。両方ともそこまでの演出から浮いているし、後者は物語的に意味のない描写だ。Wikipediaでも触れられ、DVDの特典のトークでも話題になっていたけれど、モグラ叩きのシーンについて、プロデューサーから「アップカットを入れて撮り直すように」という指示があったが、相米監督は同じような長回しの1シーン・1カットで撮ったのだそうだ。それと同様に薬師丸ひろ子のアップを増やせ」というオーダーが出たのではないだろうか。
圭が自転車で坂を走り降りてゴミ箱に突っ込んで、その後に立ち上がって勇介と歩き出す場面もよかった。ここも長回しの1シーン・1カットなのでスタントマンを使うことは不可能。こんなに「体当たりの演技」という言葉が相応しいものも珍しい。
若々しい魅力に溢れた映画で、それは若者4人の恋愛模様を描いているからということもあるのだけれど、それだけでなく、役者の元気さ、撮影現場の楽しさが反映されているのだろう。