COLUMN

第819回 ちょっと、次の仕事の話~『いせれべ』の話(10)

 昨日発表があったので、ちょっと解禁。ミルパンセの次のシリーズは

『沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる』(略称『沖ツラ』)

になります!
 また少々長めのタイトルで、沖縄が舞台のコメディてとこまでで、後は続報をお待ちください。ちなみにちょくちょく話題にしていますが、さらにこの次の作品も準備中。そちらは今まで自分がやってこなかったジャンルで、脚本(シナリオ)が半分上がった(折り返し地点を越えた)ところです。
 正直、50を目の前にしてこんなに忙しくなるとは思っていなかった(汗)。「もっと早くに振ってくださればよかったのに!」「何で10年前に持ってきてくれなかったの?」などと、現状非常にアタフタ中。

 で、『いせれべ』話の続き。

【5話は監督・田辺慎吾君の脚本・コンテ・演出、
たくらんけさんのグロス話数!】

 脚本(シナリオ)の割り振りの際、「小動物のモフモフがやりたい!」と田辺君自ら名乗り出たのを記憶しています。たくらんけグロスは毎回安定の出来で、非常に有り難いです。俺的には脚本より、コンテ・作画段階で少々手を出しました。ひったくり犯を捕まえる辺りの優夜&ナイトとか。“ひったくりを追いかけるナイト”は久々に描いた動物の走りでした。同じくアクション系では大魔境でクリスタル・ディアー(鹿型の魔物)に爪を振り下ろすナイトも板垣が原画を描き直しました(放映前のPVでも使用したカットです)。あと、木村(博美)総作監の修正が入ったナイトは、毛並みも骨格もめちゃめちゃリアルでカッコよかったですね。

【6話は作画監督・吉田智裕君のコンテ・演出話数!】

 この話の脚本は『ベン・トー』(2011)で一緒にやった筆安一幸(ふでやすかずゆき)君で、お久し振り! 脚本時に手は入れてないのですが、コンテ時に“非常階段と警備員の件”を追加しました。“退路を断たれた優夜”を画的に分かりやすくするためです。非常口を通れなくしないと、大炎上中の10階フロアを横切らなきゃならない必然がなくなってしまうので。
 その大炎上と床ぶち抜き・超全力疾走など、6話のアクションシーンを担当したのが社内の中堅アニメーター・森亮太君。彼のシーンはキャラ修正こそ入るものの、動きはほぼそのまま。他話数のアクションも森君大活躍しています。
 あと、ノンクレジットですがコンテは俺の方でそれなりに修正させてもらいました。やっぱ、これも学園の生徒だ、デパート客だと“モブ”で苦労した話数。最後、女子たちの救出劇~消化後の大団円辺りの消防隊員や救護班などのシーンも撮影上りを観て「これじゃあマズい」と、自分と木村でレイアウトから大直し——大変でした。モノによっては、あまり大きな声では言えませんが、

納期までに修復可能なアングルにカット内容自体コンテから組み直し

もしました。他話数も同様なのが何箇所もあります。それに合わせて現場(社内)の動画・仕上げスタッフもギリギリまで付き合ってくれて、感謝しかありません。

 そして、また次週へ。