COLUMN

第818回 監督の仕事~『いせれべ』の話(9)

『いせれべ』4話はREVOROOTさんのグロス話数! 
非常に助かりました! ありがとうございます!

 REVOROOTさんの演出・作画、サッカーシーンも女子更衣室シーンも総作監が入っていない段階でも安定のクオリティで素晴らしかったです。
 コンテは俺が直接切り(描き)ました。他話数もコンテのチェックは全部自分でやってたのですが、一からやったコンテはこれだけ? な気がします。ま、部分的にアクション部分とかを、最初から俺の方で引き取った話数(10話とか)もありますが、1本まるまるはこの4話のみ。
 自分の中にある監督の仕事での一番は、コンテの主導権を握ること! その考えでここ10年続けてきた“基本全話コンテ”を『いせれべ』では自ら封印。それは今作が板垣の“総監督デビュー”作だから。
 里見哲朗P(今回はプロデュース協力)より、もう何年も前から助言されていたやり方です。里見P曰く、

板垣さんは最前線に立ち過ぎ! むしろ最後列で援護する作り方をやってみては?

と。これは彼の会社、ライデンフィルムで制作した『劇場版 カードファイト!!ヴァンガード ~ネオンメサイア』(2014) の監督を終えた後辺りから『COP CRAFT』(2019)の時も同様のことを言われてたので、今回はあくまで総監督。
 つまりコンテの前——シナリオ(脚本)段階で押さえて、コンテは別の人に撒き、その上りを修正する、です。
 そんな中4話はスケジュール的に適当な描き手が見つからず、自分に回ってきた訳。ま、久々に“白紙のコンテ用紙”に向かうのは新鮮だった、という1本でした。

 また次回~。