COLUMN

第803回 『いせれべ』OP総括

 『いせれべ』OPの話、続き。
【c-020〜023】モテモテ優夜の現実世界と異世界の女子シャッフル。わざとバラしてその中から、佳織に絞ろうとしたんだと思います。
【c-024】走りは当然全原画! 【c-025】“佳織の腕を掴む優夜”こーゆーカットを作画する際のコツは「一度フレームからOUTさせかけてから、引き戻す!」テレコム時代『BATMAN』で友永和秀師匠から習ったまんまを再現。
【c-026】“佳織を捕まえた優夜のまま現実世界から異世界へBG(背景)スライド!”曲を聴いてかなり早い段階で思いついたカット。異世界の背景は、さて何処でしょう? 原作既読の方なら分かっていただけるかと。
【c-027∼029】ちょっとドラマチックなムードにしてみました。c-029はやっぱりリップシンクロ。
【c-030】前カット(c-029)のシルエットから大きくT.B! 白ベタに黒シルエットのツーショットは『ROCKY』のキービジュアル(?)のイメージでした。“男女シルエットに縦横に流れるメインタイトル”は同じく曲を聴いて、おそらくいちばん最初に思いついたカットかと。
【c-031∼033】の点描は現放送話数的にネタバレが含まれるのでここでは語りません。
 で、最後のメインタイトルの出し方は撮影さん任せに各キャラの点描を自分が監督・田辺に指示して手配させました。実は「いせかいでちーとすきるを~」のタイトルをリップシンクロさせて読ませているのですが、編集時ズタズタに詰めていったら、認識できなくなってしまいました……(汗)。
 OPに関して総括すると、まずはやっぱり

月詠みさんの「逆転劇」(作詞・作曲:ユリイ・カノン)が、
大変良かった!!

と。確かプロデューサーさんより「曲のイメージは?」と訊かれて、「ドラマチックで抑揚ありのアップテンポ」と答えたのですが、想像をはるかに上回る原作コミット感! には只々驚きました。最高の主題歌ありがとうございました!
 そして、“主題歌の力強さ”に加え、

キャラデ&総作監・木村博美の“美しい画”!!

でしょう! 全カットにびっしり作監修正を入れてくれて、フィルム全体に“艶”を出してくれました。木村曰く「今まででいちばん満足な修正を入れられた」そうです。落ち着いたら何かの機会に彼女の作監修正集をお披露目したいものです。
 まあ、これだけの好条件がそろっていたら、そりゃあ良いOPになるはずです。

 てことで仕事に戻ります。