COLUMN

アニメ様の『タイトル未定』
368 アニメ様日記 2022年6月12日(日)

編集長・小黒祐一郎の日記です。
2022年6月12日(日)
今週の日曜もワイフと遠出をして散歩。皇居東御苑を歩く。感心するくらいに立派な庭園だった。取材の予習で『KURAU Phantom Memory』を21話まで観た。入江泰浩さんの過去の記事に目を通した。

2022年6月13日(月)
取材の予習は続く。『KURAU Phantom Memory』を最終回まで観て、TVシリーズ『CODE:BREAKER』の序盤と終盤を観る。同作OAD全3巻を観る。『ママは小学4年生』『熱血最強ゴウザウラー』等で入江泰浩さんが作画したパートに目を通す。ちなみに『CODE:BREAKER』のタイトルの二文字目って、ロゴだと「O」に「/」なんだけど、これって機種依存文字なのね。ネットで検索して、文字化けしているページをいくつか見た。だから、この日記では「O」で表記する。

2022年6月14日(火)
「この人に話を聞きたい」で入江泰浩さんのインタビュー。監督作の『ヒーラー・ガール』の話だけでなく、アニメーター時代の仕事、制作中の自主制作作品等、色々な話をうかがう。

2022年6月15日(水)
午前中は東京都現代美術館の「井上泰幸展」に。超貴重な資料が山盛りだった。言葉にするのが難しいけれど「ホンモノ感」のある展示だと感じた。展示に関わった方々の熱意も凄い。午後は小川びい君と打ち合わせ。20年前に作った同人誌について、色々と僕が忘れていたことを教えてもらう。

2022年6月16日(木)
TOHOシネマズ池袋の朝の回で『劇場版 からかい上手の高木さん』を観る。完結編ではないのに完結編みたいな仕上がり。予想よりも満足感があった。冒頭の音響の設計が面白かった。もう一度観て、音響を確認したいくらいだ。
昼は表参道で、業界のある方と吉松さんとでシェラスコをいただく。その「ある方」とは食事に行く約束をしていたのだけれど、コロナのために約束を果たすまで2年かかった。自分と吉松さんは渋谷まで歩いて、青山ブックセンターの「『デザインのひきだし46』刊行記念 大箔覧会 in ABC」に立ち寄る。箔押し&箔加工についての展示だ。専門学校生か若いデザイナーさんかは分からないけれど、お嬢さん達が展示物を見てはしゃいでいるのが印象に残った。

2022年6月17日(金)
グランドシネマサンシャインの朝の回で『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』を鑑賞。手描きアニメ風3DCG作品として、現状で最高の仕上がりだと思った。キャラの芝居も、手描きアニメ的なアクションもよかった。3DCGで鳥山明さんの画、あるいは今までのアニメ『DRAGON BALL』に迫ろうとする意欲を感じた。内容についてはピッコロのキャラクターの膨らませ方と、ピッコロと他のキャラクターとの関係、そして、今までのシリーズからのネタの拾い方もよかった。
僕の中では『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』のカイの芝居、『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』のピッコロの芝居が繋がっている感じだ。作品外で月日を重ねたキャラクターの厚みと古川登志夫さんの芝居がシンクロしていると思えて、それがよかった。
それから、このひと月ほどで「シン・ウルトラマン」「トップガン マーヴェリック」「庵野秀明セレクション『ウルトラマン』4K特別上映」『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』を映画館で観た。ちょっと不思議な気分だ。

BONESで中村豊さんと打ち合わせ。中村さんと『モブサイコ100Ⅲ』追い込み中の亀田さんに、大量のおはぎを差し入れる( https://twitter.com/59033ihcimihsoy/status/1537737489297063937?s )。

2022年6月18日(土)
仕事の合間に、新文芸坐で「顔役」(1971/98分/35mm)を観る。プログラム「没後25年 異才・勝新太郎 型破りな表現者」の1本。二度目の鑑賞のはずだけど、冒頭の水虫に薬を塗るところとラストくらいしか覚えていなかった。非常に尖鋭的な作品だが、大きな意味での演出意図は分かる。かっこいいし「映画を観ている」気分に浸ることができた。それから勝新が可愛い。まさか勝新を可愛いと思う日が来るとは思わなかった。