COLUMN

アニメ様の『タイトル未定』
369 アニメ様日記 2022年6月19日(日)

編集長・小黒祐一郎の日記です。
2022年6月19日(日)
丸山正雄さんの生前葬に参加する。盛り沢山で、豪華で、心のこもった催しだった。普段会えない人達に会えたのもよかった。驚いたのはプログラムのひとつとして「闇夜の国から」が上映されたことだ。井上陽水さんの同名曲のプロモーションフィルムで、出崎統監督が手がけたものだ。20年ほど前に、アニメスタイルの出崎さんのイベントで上映できないかという話があったが、その時はフィルムが見つからなかった。10年程前にも丸山さんがどこにあるのだろうか、とTwitterでつぶやいていた。その後、見つかったのですね。素晴らしい。

「闇夜の国から」については20年前にコラムに書いた。以下のリンクをどうぞ。
http://style.fm/log/05_column/oguro17.html

2022年6月20日(月)
Netflixの『スプリガン』を全話視聴。クオリティコントロールが上手い。作画がいいアクションシーンが面白いのは当然としても、作画があまりよろしくないアクションシーンも面白い。
確認することがあって『トップをねらえ2!』Blu-ray BOX Complete EditionのEX-DISCをチェック。今さらだけど、DIEBUSTER TVの構成・演出って大塚ギチさんなんだ。DIEBUSTER TVの福井裕佳梨さんとマシーン兵器のやりとりは「saku saku」のパロディで、当時でも誰もが知っているネタではなかったと思うけど、今となっては説明が必要。

2022年6月21日(火)
新文芸坐で「アポロンの地獄」(1967・伊=モロッコ/105分/BD)を観る。プログラム「パゾリーニ生誕100年(1) 日本最終特別上映篇 奇跡の丘」の1本(正確には(1)は丸数字)。映像の撮り方は1960年代の作品としては新しいものだったのだろう。話はつまらなくはないけれど、もう一押しほしかった。画が今風だから、どうしても今の目で観てしまう。

2022年6月22日(水)
午後の散歩で紫陽花の見頃が終わるらしい六義園の中をひとまわり。
出演者の中に高畑勲さんの名前があったので、それをきっかけにAmazon prime videoで「いわさきちひろ~27歳の旅立ち~」を視聴。いわさきちひろさんについて、もっと知りたくなる作品だった。僕が寝ぼけて見逃しているのでなければ、高畑さんの出番はほんの少し。
宅配レンタルDVDで『ギョ』『魔女っこ姉妹のヨヨとネネ』を再見。レンタルだから仕方ないのだけど、Blu-rayソフトで観たほうがよかったかもしれない。

2022年6月23日(木)
夕方から新文芸坐で映画を観ようかと思ったけれど、タイミングが合わなかったのであきらめる。『古見さんは、コミュ症です。』『であいもん』『エスタブライフ グレイトエスケープ』最終回を録画で観た。大塚明夫さんのツイートで、午後のロードショーで「レッド・サン」をやっていることを知って途中から観る。配信で『機動戦士ガンダムNT』『機動戦士ガンダムUC』を観る。
スターチャンネルの「ローマの休日」吹き替え6バージョン放映をチェックするの忘れていたなあと思っていたら、Amazon prime videoのスターチャンネルEXで配信してた。配信も6バージョンある。ちなみに6バージョンのうち、池田昌子さんがアン王女をやっているのが3バージョン。とりあえず、広川太一郎さんのマリオが聞けたので満足。
Amazon prime videoのアニメタイムズに『デジタル・デビル物語 女神転生』があったので観てみた。リリーズ時以来の視聴かもしれない。自分の中で、同時期の他作品と記憶がゴッチャになっていたことが分かった。

2022年6月24日(金)
また、BONESでの打ち合わせ。中村豊さんと、打ち合わせとは関係ない亀田祥倫さんに差し入れをする。今回の差し入れも和菓子だ。新文芸坐の夕方の回で「アンビュランス」(2022・米/137分/DCP/PG12)を観る。プログラム「満腹! 娯楽映画の陰と陽」の1本。「THE BATMAN-ザ・バットマン-」と2本立てだった。「アンビュランス」はお金がたっぷりかかっていたし、意外な展開もあったし、楽しめた。ただ、個人の好みで言えばB級に徹したほうが好きだなあ。冒頭の救命士キャムが最高によかった。キャムがもっと活躍したら大好きな映画になったかもしれない。「THE BATMAN-ザ・バットマン-」は冒頭だけを観て画質、音質を確認。このまま最後まで観たいくらいのよかったのだけれど、そんなわけにもいかなかいので事務所に戻る。
「僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー」を読了。「僕、はまじ」「三千円の使いかた」「むらさきのスカートの女」と同じく、紙の文庫本で読んだ。「普段は自分が読まないような本を読もう」と思わなければ手を出さなかっただろう。やっぱり自分向きの本ではなかったけれど、楽しめた。

2022年6月25日(土)
散歩の途中で芳林堂書店の高田馬場店に寄って、これから読むつもりの文庫本を3冊購入。至る病に外れなしとして「陽だまりに至る病」「殺戮に至る病」「恋に至る病」「死刑に至る病」「死に至る病」を並べて売っているのが面白かった。なお、「死に至る病」は3バージョンあった。
「中村豊 アニメーション原画集 vol.3」編集作業のために『ソウルイーター』のレイトショー新作パートを本放送以来の視聴。というか、本放送時も夕方のほうを観ていたので、レイトショーはあまり観ていないはず。
夜に「新文芸坐×アニメスタイル セレクションvol.136 平尾隆之の世界」を開催。上映作品は『映画大好きポンポさん』『ギョ』『魔女っこ姉妹のヨヨとネネ』の3本。トークの話題はこの日は上映しない『空の境界』の「第五章 矛盾螺旋」から『映画大好きポンポさん』まで。トーク終了後、楽屋で平尾さんと世間話。

突然だけど、最近思っていること。狭い観測範囲内での感想になるけど、デジタルでの編集が当たり前になって、雑誌やムック(アニメ以外の雑誌やムックも含む)のラフは熱意が減っているよなあ。デザインも色使い以外の部分ではパワーが落ちているのではないか。ひとつひとつの記事に使える時間が少ないのだろうという事情も分かるのだけれど。