COLUMN

第767回 現状、やはり作るしかない!

今さらですが、“アンチ”って何ですか?

 いや、前から何度も語っているとおり、俺SNSとかをやっていない人間なので、“アンチ”って言葉が己の口から飛び出したことがありません。なので“文章なら”と、ふとここで書いてみました。芸能界ならまだしも、最近アニメ業界でも「SNSなどでアンチが」とか、「誹謗中傷だ! 訴える!」だとかが(極々一部の界隈でしょうけど)話題になったりする昨今に対し、自分はどうこうする気はありません。以前、周りのプロデューサーから「板垣さん、誹謗中傷されてますよ」とか言われたってのを話題にした時も書きましたが、正直本当にどうでもいいと言うか、そんなのにいちいち応対しているより、目の前にある仕事(作品)を作り上げる方がよっぽど面白いし!
 だから、同じ業界人には言いたいんです。スマホとか見てる前に「何しろ何か作ろうよ!」と。自分が賛辞を送られる以外の想像ができないなら、SNSなど止めた方がいい——なんて、地球全体の人口の数程繰り返し、誰もが言い尽くしましたよね。

そもそも、普通な生活を送ってたら「アンチ」って言葉は日常使わなくないですか?

“SNSの住人”として染まってしまった! と自覚するためのワードが「アンチ」だと思います。つまり「アンチ」とかを口にするようになったら、「ちょっとSNSやり過ぎかな~?」と自制したらいいと思うのです。過剰なSNS中毒により、自意識を肥大化させて人生得することなどないと思いますから。あ、あくまで私見ですよ。
 まあ、重ねて言いますが、ネットで誹謗中傷云々に関して自分は何も反論などする気もありません。その理由はと言うと、ネット界隈の“批判や悪口・罵り合い”が、特に作品とかに関しては悪いとばかりは思わないからです。そりゃ当然、作品を作る側からすると悪口を言われるのが気持ち良い訳ありません。こちとらも人間ですから。でも、例えば自分にはアニメの制作進行をリタイアし、地元に戻って普通のサラリーマンとして就職した友人が居るのですが、彼が

 
アニメという創作の道は諦めても、せめて自分の好きなアニメについて語って、誰かと喜び・興奮を分かち合いたい(もちろん批判・悪口も含めてです)!

とブログやらTwitterで語るとか。そういう楽しみくらいのアニメとの関わりを、人生に残して何が悪い? と。因みにその友人は悪口は書いていません。
 が、特定の人物に対する悪口・中傷などの場合は、深刻な犯罪まがいのものは特に、最悪の事態を招く可能性があるので、訴えるとかして止めさせるのは当然のことだと思います。自分の場合幸いそこまでに至っていないので、放って置きます。
 これも重ね重ねになりますが、

俺と同じ業界の方はスマホだSNSだは電車内での暇つぶしだけにして、作画に限らず何某かの技術を磨くこと! 技術さえ持っていれば、仕事はいくらでもあります! あり続けます! 「アニメ減る」とかありません! “人間の貪欲”に応えるように姿形を変えて増え続けるのがエンターテインメントの宿命だと思うからです! たとえ、“アニメの作り方を変えて”でも!

 こちらもあくまで私見です。ただ、こう思うのにも理由があって、ウチのような規模の会社でさえ、現在制作中のシリーズ以降、すでに次の次まで決まってきてるからです。因みに現在はシリーズ構成・総監督・音響監督その他ですが、この次のシリーズは自分、監督ではなく、また別の役職をやってみようと画策しております。