本日も脚本(シナリオ)作業とコンテチェックで、きりきり舞いです!
次作、と言うより今作は、シリーズ構成・総監督の担当なので、脚本・コンテのチェックがメインの仕事。脚本もコンテも社内の若手・新人にやってもらっています。製作委員会に対して「自分が責任を取りますから、やらせてください!」と半ば強引に。なので、近頃は毎日毎日脚本・コンテのチェック&指導三昧。
自分の場合、ことコンテ・演出に関して、じっくりと教わった特定の師匠に当たる人はいませんが、色々アドバイスを頂いたりした方々は何人もいます。最初に右も左も分らなかった初演出(処理)の時お世話になったのは、難波日登志監督——『グラップラー刃牙』(2001年版)です。それこそアニメーターである自分に取って、出来の悪いレイアウトや原画を直すのはお茶の子さいさいでしたが、背景・色彩・撮影打ち合わせ、編集(カッティング)やアフレコ・ダビングの音響周り、V編〜納品まで監督が関わる全工程においては、いちばん最初に出会った方だったのでかなり衝撃を受けたものです。
その後が同じく『グラップラー刃牙』の後半を監督をされた谷田部勝義監督。こちらは初コンテの時、ほぼそのまま使っていただけた(95%無修正)中、1ヶ所だけ“パンチが炸裂するカット”を2カット別アングルの止めが追加され、3回パンチに。「“決め”のパンチならそれらしくカットを積まないと、通常のパンチに埋没しちゃいますよ」とアドバイスをいただきました。その他「作画の出来が悪いカットでも、必要なカットは外しちゃダメ」とか、アニメーターと違う目線で演出を考える! ということを教えていただきました。
続いて、『キャプテン翼』(2002年版)の杉井ギサブロー監督。板垣がよく話題に取り上げる「アニメーター出身監督」の先駆けである杉井監督には“アニメーターから演出になるコツ”という話から、アクションの組立て方、画のトリミングのし方などを勉強させていただきました。
その後はガイナックスで、山賀博之社長・佐伯昭志監督・今石洋之監督らに混じって脚本やコンテ・演出をやったり、大地丙太郎監督『十兵衛ちゃん2』からは「監督自身が楽しんで作る姿勢」に刺激を受けたりと、思えばフリーになりたてだった2001〜2004年は「脚本・コンテ・演出・作画」で名立たるクリエイター様らと一緒に仕事をすることで、そうとう鍛えられた期間でした。
つまり、自分にとってテレコム退社後のフリーの期間に関わった監督さんらは年齢関係なく、皆先生であり師匠と言っても良いと思います!
人間、自分が謙虚でいさえすれば、周りに先生はいくらでもいるものです。
——という訳で、脚本やコンテの指導なんて教本に書いてあるようなことは「本を読め」で一蹴。それより自分が20年間渡って実践で学んで来た全てを後輩に伝授する毎日を送ってます。それこそてんてこ舞いのきりきり舞いで(汗)!
そして、更に次作の打ち合わせが始まりました(こちらはややゆっくりペースで始動します)。