COLUMN

アニメ様の『タイトル未定』
302 アニメ様日記 2021年3月7日(日)

編集長・小黒祐一郎の日記です。
2021年3月7日(日)
13時から配信イベント「アニメスタイルTALK ここまで調べた片渕須直監督次回作【基礎知識編】」を開催。事前に告知していなかったけれど、ゲストとして前野秀俊さんにも出演していただいた。予想以上に濃い内容で、しかも、前回よりもまとまったトークとなった。今回は片渕さんのパソコンから、直接配信の画面に資料を出力する形式で、視聴者がモニターで全画面表示にするとクリアに資料を見ることができる。これは新鮮だったけど、クリアすぎるんじゃないのかとハラハラした。無観客イベントだが、コントレールのスタッフに観客として会場に入ってもらった。若い人ばかりで、学校の先生になったみたいだった。イベント終了後はすぐに解散。池袋に戻ってワイフと食事。イベントの打ち上げのつもりでちょっと吞む。

2021年3月8日(月)
深夜に出社し、散らかり放題になっていた事務所2階の片づけに着手。片づけ中と朝の散歩時に、気持ちを高めるために『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』歴代サントラを聴く。今さらだけど「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 オリジナルサウンドトラック」って、ボーナストラックに三石琴乃さんの「You are the only one」「蒼いレジェンド」「Fall in Star」が入っているのね。いずれも「Lilia~from Ys~」の曲のはず。自分がこれらの曲をちゃんと聴いたのはTV『新世紀エヴァンゲリオン』LDの解説書を作った時以来だ。
11時から社内Zoom打ち合わせ。次の次の次の次くらいの書籍の企画についても話す。ワイフとグランドシネマサンシャインで「シン・エヴァンゲリオン劇場版」【IMAXレーザーGT版】を鑑賞。予想していた内容とかなり違っていた。そして、見事に完結していた。『エヴァンゲリオン』がこういったテイストになったことが最大の驚きだった。細部に関してはよく分からないところがあったし、自分の考えがまとまるのもしばらく先になりそうだ。鑑賞後はワイフと焼肉屋に行って、生ビールで完結を祝った。
『BORUTO NARUTO NEXT GENERATIONS』の最新回189話「共鳴」が凄まじいまでのクオリティ。そして、脚本/絵コンテ/演出でクレジットされている名前が「・・」。つまり、点がふたつなのである(記号の小さい四角がふたつかもしれない)。匿名ということなんだろうけど、何者? 「#189キャラクターデザイン/作画監督」でクレジットされているのは夘野一郎さん。

2021年3月9日(火)
デスクワークの後、新文芸坐で「家族の肖像 デジタル完全修復版」(1974・伊=仏/121分/DCP)を観る。プログラム「芸術と魂を高め合った二人の巨匠 フェリーニとヴィスコンティ」の1本。内容をほとんど知らないで観たのだけど、タイトルから受ける印象とは随分と違っていた。セットというか美術が圧巻。自分が長生きして、改めて観たら主人公の教授に感情移入できるかもしれない。鑑賞後にWikipediaを見たところ、吹き替え版では副主人公のコンラッドを野沢那智さんが演じていたらしい。それはいいなあ。機会があったら観てみたい。
衣装製作が追い込みのワイフのために、すき家の「初号機オム牛カレー オニオンスープセット」を買って帰る。『エヴァ』コラボの「外食5チェーン共同作戦」のひとつ。クリアファイルは綾波だった。
Amazon prime videoで『UFOロボ グレンダイザー』を1話から9話までながら観。小松原さんの作監回はいいなあ。画だけでなくて、芝居もいい。『UFOロボ グレンダイザー』を1話から順に観たのは『機動戦艦ナデシコ』(『ゲキガンガー3』)の作業をやっていた時以来だ。

2021年3月10日(水)
なか卯で『エヴァ』とのコラボ親子丼を買って、引き続き追い込み中のワイフに持って行く。今回のクリアファイルはシンジだった。「アニメ様の『タイトル未定』」のテキスト作成のために「ペイン・アンド・グローリー」をAmazon prime videoでチェックする。この映画にとって、多分、とても大事な男性ヌードにボカシが入っていた。仕方ないんだろうけど、あの場面の意味が分かりづらくなっているかもしれない。
以下は思い出したこと。『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』のクライマックスの一部は、TVシリーズ放送中に関係者に聞いた「最後はこうなります」という話と重複している。その時の話だと、シンジが初号機で宇宙からロンギヌスの槍を持って帰ると……という展開だったので、前後関係はまるで違うのだけれど。
話が変わるけれど『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』の後に『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』を観たら、謎が増えた。謎といっても解釈できる範囲だけど。

2021年3月11日(木)
「佐藤順一の昔から今まで」の第16回以降の原稿まとめを進める。いやあ、楽しい。原稿以外の作業が続いたので、ボリュームのある原稿の作業は久しぶりだ。午後は某スタジオで夏以降に出る書籍の打ち合わせ。
WOWOWの『あしたのジョー』の5~8話をながら観。その後、ハードディスクに残っていた『マジンガーZ対暗黒大将軍』を観る。これも綺麗だなあ。Blu-ray BOXと同じマスターかな。『あしたのジョー』と同じく、セルよりも映像が鮮やかになっている気がする。
「呪術廻戦 公式ファンブック」に目を通す。作者の芥見下々さんのアニメ歴の話が面白い。WEB系のアニメーターが好きだというのは噂に聞いていたけど、そのことについても触れられていた。

2021年3月12日(金)
散歩、デスクワーク、Zoom打ち合わせ、対面での打ち合わせ。
Twitterでアニメについて発言をしている研究者タイプの若者がいて、機会があったら仕事を頼もうと思っていたら、既にアニメスタイルで仕事をしていた。編集部スタッフが声をかけて、取材の起こしをお願いしていたのだ。

2021年3月13日(土)
配信で、東京アニメアワードフェスティバル(TAAF)の『アニメ功労部門顕彰記念「マンガからアニメーションへ~名作劇場を創った人々~」』を視聴。東京建物 Brillia HALLでTAAFの「アニメ功労部門顕彰特別展示」の展示を見る。テキストに読み応えがあってよかった。特に伊集加代さんのコメント部分がよかった。新文芸坐で『ジャン・ズーヤー:神々の伝説』を観た。これは「TAAF2021 長編コンペティション」のプログラムのひとつで、映像の仕上がりはかなりのものだった。17時から吉松さんとSkype呑み。