COLUMN

アニメ様の『タイトル未定』
264 アニメ様日記 2020年6月14日(日)

編集長・小黒祐一郎の日記です。
2020年6月14日(日)
トークイベントの予習で『涼宮ハルヒの消失』を途中まで観る。観るのはかなり久しぶり。予想以上に面白かった。作画もいい。ワイフに髪を刈ってもらってから新宿のロフトプラスワンに。新宿もロフトプラスワンもひさしぶりだ。無観客配信トークイベント「アニメスタイルTALK 002 沓名健一と語るアニメ作画の20年」を開催。3時間で20年分の作画を語る予定が、5時間かけて7年分(2000年から2006年)しか進まなかった。それはそれとして、やっぱりイベント形式のほうが話しやすいなあ。無観客と言っても、関係者はある程度人数がいたので、どこかの店で打ち上げをするわけにもいかず、その場で解散。

2020年6月15日(月)
ワイフとの早朝散歩は続いている。早朝散歩の後は基本的にデスクワーク。ラフをまとめて送ったり、チェックが戻ってきた原稿の再チェックをしたり。『涼宮ハルヒの消失』を最後まで観て、その後、TVシリーズ『涼宮ハルヒの憂鬱』2009年版を1話から観る。本放送時と随分と印象が違う。これは本当に個人的な話だけれど、本放送時にはハルヒのことをやや冷めた目線で(もっと言うと、上から目線で)見ているキョンに気持ちがのせられなかった。むしろ、面白いことをやりたくて、活発に動くハルヒにシンパシーを感じていた。今はキョンに気持ちを重ねて観られる。年齢のせいで見方が変わったのか、ある種のフィクションに自分が慣れてきたせいなのか。

2020年6月16日(火)
ある媒体の取材を受ける。取材の最後に「このインタビューは掲載しないでください」とお願いして終了。たとえると「映画というものをほとんど観たことのない人が、下調べもせず、専門家に映画の魅力について語ってもらう」とか、そんな取材だった。せめてテーマについて下調べはしてほしいし、最低限の資料には目を通してほしい。質問状をもらった時点で「これはマズいかも」と感じていて、先に「原稿チェックで全面的に書き直すかもしれない」と伝えていたのだが、書き直しでどうこうできる取材ではなかった。取材を受けるのが上手な人なら、相手がどんなに分かっていなくても、上手に取材を転がすんだろうけど、僕には無理だった。

2020年6月17日(水)
午前中からデスクワークとSkype打ち合わせ。12時から14時まで近所の居酒屋で、業界のある方と昼吞み。夕方から飲むつもりで時間調整をしていたら、昼飲みになってしまった。その後もデスクワーク。急に『イエスタデイをうたって』の原作を読む必要が生じてKindleで数冊を購入。
『涼宮ハルヒの憂鬱』2009年版を最終回まで視聴。今だと、堀口悠紀子さんの画も分かる。西屋大志さんの仕事もある程度は分かる。作品中の時系列は別にして、2006年に作られたエピソードより、2009年に作られたエピソードのほうが、やはり「後のエピソード」という印象。2006年に作られたエピソードを観た後で、2009年の新作を観るのも正しい見方だろうと思う。
『映画 この素晴らしい世界に祝福を! 紅伝説』をBlu-rayで視聴。馬鹿アニメでしかも燃える。キャラ愛が徹底しているところも素晴らしい。クライマックスの爆裂魔法の撮影(CG)が最高。
諏訪道彦さんのnoteの「企画のスタート11」と「企画のスタート12」と「企画のスタート13」で、『シティーハンター』の企画とプリプロダクションが日本サンライズ(サンライズ)以外の制作会社で進められていたことに触れている。今までも噂話としては聞いてたけれど、記事になったのは初めてかもしれない。

企画のスタート11(note/すわっちわ~)
https://note.com/suwacchi2/n/n5c8b8c3026d3

企画のスタート12(note/すわっちわ~)
https://note.com/suwacchi2/n/naefc973a5005

企画のスタート13(note/すわっちわ~)
https://note.com/suwacchi2/n/n1e7c91869c14

2020年6月18日(木)
ページ構成を進めている書籍はアニメスタイルの歴史の中で、いちばんマニアックなものなのではないか。自分で「これはマニアックだなあ」と思うくらいにマニアック。

2020年6月19日(金)
雨天のため早朝散歩はお休み。Netflixで『泣きたい私は猫をかぶる』 を観る。劇場作品として作られたが、新型コロナのために劇場での公開をせず、ネットで公開された作品だ。Netflixを観ている人達の年齢は知らないけれど、作品の対象年齢を考えると、やはり、配信で公開になったのは勿体なかったかもしれない。佐藤順一監督らしいバランス感覚で作られた作品であり、それから久しぶりに佐藤さんが「劇場作品」を意識して絵コンテを描いた作品であるはず。
1話だけ観ていた『グレイプニル』を改めて観始める。濃くていいなあ。昼までデスクワークで、12時から新文芸坐で「野ゆき山ゆき海べゆき〈カラー版〉」を観る。「追悼・大林宣彦 ~永遠の魔法~(1)」の1本だ(正確には(1)は丸数字)。「野ゆき山ゆき海べゆき」はタイトルだけ知っていた。しっとりした映画だと思っていたら、ヤンチャな映画だった。ヒロインのお昌ちゃんを演じる鷲尾いさ子さんがとても魅力的なんだけど、彼女の高身長のためにいろいろとギクシャクしているような気がする(後でWikipediaを読んだら、ヒロインは富田靖子さんが演じることで準備が進んでいたが、急遽、鷲尾さんに決まったのだそうだ。ただし、僕が感じた違和感がその交代に起因するのかどうかは分からない)。お昌ちゃんの弟は、学校に入るのが2年遅れて他の生徒より年長ということになっているんだけど、2年どころか5歳くらい年上に見える。それから、鷲尾さんの入浴シーンがあって、かなりの「ありがたおっぱい」だった。

2020年6月20日(土)
深夜から昼にかけてデスクワーク。13時45分からある方と居酒屋で昼吞み。世間話と仕事の相談。定例の吉松さんとのSkype飲みは今週もなし。来週は吉松さんと居酒屋で呑むかもしれない。「楽しい自粛生活が終わったね」とワイフ。
「それでも歩は寄せてくる」4巻、「衛府の七忍」9巻を読む。どちらも面白かった。