僕が『ルパン三世』描いてて面白かったのは「劇中劇」なんだよ。ルパンが銭形とかいろんなモンにバケる(変装する)でしょ? 中身はルパンだと分かった上で銭形の芝居を描くのが楽しかったんだよね〜
これもどこかのインタビューで語られているかもしれませんが、俺が大塚さんから生でこのお話を聞いた時はまだアニメーターの駆け出し。ただ動かすだけでなく、キャラの内側(内面)を考えて描くということ、「なるほど〜」と嬉しかったのと、大塚さんの仰ることが逐一「アニメーターの矜持」として自分の胸に刻み込まれていった時期だった気がします。
板垣くん、カニ買ってきたよ〜!
当時、代々木アニメーション学院の講師をされていた大塚さん。地方校を精力的に回った際、必ずお土産を買ってきてくださいました。好評だったのは札幌校帰りの毛ガニ。田中敦子さんや青山浩行さんら先輩方と黙々といただきました!
よし、コツが分かった! ちょっと持ってきなさい
自分のテレコム時代、その頃は原画・動画の簡易再生機はクイック・アクション・レコーダーというマシンで、原画の確認をしていると、ちょくちょく大塚さんが覗き込んで「何描いてんの?」と訊いてくださいます。で、自分が例えば「濁流に矢を投げるんですが、どんな飛沫(しぶき)になるんですかね〜?」とか相談すると、「分かった」と大塚さんの机に促し、目の前で解説しながらササッと参考を入れて教えてくださるんです。作品はなんであれ、です。とにかく大塚さんはサービス精神旺盛! 作品の壁などお構いなしでなんでも教えてくださいました。この時期の大塚さんを見習って、ミルパンセ社内スタッフの育成に取り組んでいるのです。
短くてゴメンナサイ!