COLUMN

アニメ様の『タイトル未定』
236 アニメ様日記 2019年12月1日(日)

編集長・小黒祐一郎の日記です。

2019年12月1日(日)
早朝に新文芸坐へ。オールナイト「新文芸坐×アニメスタイル セレクションvol. 121 『海獣の子供』とSTUDIO4℃」の最後を見届ける。その後は散歩とデスクワーク。今朝の『ONE PIECE』は絵コンテが大地丙太郎さん。演出的なメリハリが効いていて、かなりよかった。
夕方、事務所で仕事をしながらヘッドホンで「ダンバインとぶ」を聴いて、「目を凝らし」から「とびこめばいい」の部分が泣けた。誇張ではなくて本当に泣けた。「疾風ザブングル」は「俺とお前の」 から「今はないけど」までが泣ける。猛烈に泣ける。やっぱり井荻麟はすごい。そして、僕は疲れている。

2019年12月2日(月)
一日、デスクワーク。主には年末にコミケで先行販売する「川元利浩 SketchBook」と「馬越嘉彦 仕事集 第一巻」の入稿やテキスト作業。昼ぐらいまで雨だったので、ウォーキングは夕方以降に。やらなくてはいけない作業はまだまだあるけど、嵐のような日々は過ぎ去った。Netflixの「ボクらを作ったオモチャたち」を1話分だけ観た。かなり面白い。面白すぎて、ながら観向きではない。
この二月ぐらい、自分は川元利浩さんにどんな作品をやってもらいたいのかを考えていた(考えたからといってやってもらえるわけではないけど)。やってもらいたいのは『新機動戦記ガンダムW』みたいな作品だな。あるいはガチガチにリアルな作品。

2019年12月3日(火)
外での打ち合わせが2件。入稿数日前の「馬越嘉彦 仕事集 第一巻」で、新たな資料が出てきた。さすがに今から構成を変えるわけにはいかないので、大半は次の機会にまわす。睡眠をとっているのでヘロヘロにはなっていないのだが、心身ともに疲弊気味。自分のせいだけど。
Netflixにて『レビウス』を視聴。偶然だとは思うけれど、『メガロボクス』にいろいろなところが似ている。先に『メガロボクス』を観ているので、その別バージョンのように感じられてそれも面白い。

2019年12月4日(水)
この日もデスクワーク。早朝に事務所に入ったら、「アニメスタイル015」が二階のテーブルに置いてあった(事務所に届いたのは火曜)。「015」も自信作ではあるけれど、このスタイルの雑誌「アニメスタイル」はこれが最後かもしれない。「川元利浩 SketchBook」と「馬越嘉彦 仕事集 第一巻」の編集が同時進行。「馬越嘉彦 仕事集 第一巻」は先行入稿分の校正紙が出た。夕方からの打ち合わせは、事務所スタッフに行ってもらうことになった。

2019年12月5日(木)
9時半までデスクワークで、その後、時間に余裕があったのでワイフと散歩。山手線で上野駅まで行って、アメ横に。絶好の散歩日和だった。10時半ぐらいに、よく見かけていたアメ横の通りの中華料理屋で早すぎる昼飯。2人で缶ビール、料理二品で1000円の激安。しかも、僕の好みの感じの料理だった。その後は上野公園を歩いて、また、アメ横に。二木の菓子で事務所打ち合わせ用のチョコ菓子を買う。考えてみたら、二木の菓子の店内に入ったのは初めてかも。13時半に事務所に戻って、その後はデスクワーク。「川元利浩 SketchBook」の校正紙が出る。いやあ、これはいい。これは「アニメの本」だ。「アニメ」が載っている本ではなくて、「アニメの本」だ。意味が分からないかもしれないけれど、達成感がある。18時半から声優博士と打ち合わせ。
「なつぞら」を再視聴中。序盤の話数に関して、本放送時は「いつになったら、アニメの話になるの?」と思っていた。構成が分かっている再視聴のほうが素直に鑑賞できる。第四週の番長登場シーン、めちゃめちゃ面白い。

2019年12月6日(金)
昼にワイフと、しゃぶ辰 西巣鴨店に。ドラマ「孤独のグルメ」にも登場したひとりすき焼きの店だ。帰りに手作りパンの店でパンを買う。午後はデスクワーク。その後、外部で打ち合わせ。「川元利浩 SketchBook」の校了。
「なつぞら」再視聴の続き。ちゃんと「なつが空いた時間に画を描いている描写」があるじゃない。演劇終了後の番長のプロボーズもめちゃめちゃ面白かった。31話で、東洋動画に吸収される前のスタジオが舞台になり、仲努、下山克己が登場。モデルがいるかどうかは別にしたとしても、人物造形はかなりいい。
36話で、泰樹(草刈正雄)がなつを可愛いと思うがあまり、孫の照男と結婚させようとし、なつを傷つけてしまう。なつが「そんなふうに照男兄ちゃんに、そう思われていたかと思うと、恥ずかしいよ。恥ずかしくてたまんないよ」「そんなこと、一度でも思ったら、もう家族でおられんよ」と言う辺りが、おそらくこの作品で一番生々しいところ。泰樹はあまりに愚かなのだけど、非常に人間的であり、悪くない。それから、このシークエンスのなつは頭がいい。
泰樹の行為が印象に残るのは、溺愛している孫のような存在であるなつを、愛するがゆえに女性として扱ってしまい、なつに「恥ずかしくてたまんないよ」と言わせてしまったから。結果的に泰樹の愛情も生々しいものと感じられてしまったのではないか。

2019年12月7日(土)
トークイベント「第164回アニメスタイルイベント 『エウレカセブン』を語ろう!2」の開催日。駅前の本屋で「アニメスタイル015」が売っているのを確認してから阿佐ヶ谷ロフトAに。トークでは、前回の「『エウレカセブン』を語ろう!」で予定していた内容を話していただくことができた。その意味でも満足。