COLUMN

アニメ様の『タイトル未定』
235 アニメ様日記 2019年11月24日(日)

編集長・小黒祐一郎の日記です。

2019年11月24日(日)
早朝の新文芸坐に。オールナイト「新文芸坐×アニメスタイル セレクションVol. 120 スクリーンで観る『モブサイコ100 II』」の最後を見届ける。その後は、散歩とデスクワーク。「アニメスタイル015」と「この世界の片隅に 絵コンテ[最長版]」の追い込み。
オールナイトでお客さんにいただいたプレゼントを開けたら、中に立川譲監督、亀田祥倫さん、僕の人形が入っていた。僕の人形はちゃんとアニメスタイルのTシャツを着ていた。これは凝っているなあ。ありがとうございます。立川監督と亀田さんも同じものをもらっているはず。

2019年11月25日(月)
早朝から編集作業と原稿。12時から中央線方面で打ち合わせ。事務所に戻って「アニメスタイル015」の校了作業など。『AKIRA』『東京ゴッドファーザーズ』『パプリカ』等をながら観する。『パプリカ』が面白かった。何度目かの視聴かわからないくらいだけど、今までで一番面白い。公開時はこの作品に対して、色々と不満があった。なんて贅沢だったんだろう。

2019年11月26日(火)
嵐のような忙しさ。月曜の23時半に起きて、風呂に入って午前1時に事務所。10時までデスクワークで、11時から平賀スクエアで「川元利浩 SketchBook」表紙のための撮影。「この世界の片隅に 絵コンテ[最長版]」用の未使用コンテの再撮影もやってもらう。13時に事務所に戻って、原稿とラフ描き。14時半から事務所で打ち合わせ。16時から中央線方面で打ち合わせ。事務所に戻ってまたデスクワーク。この日、「アニメスタイル015」の編集作業が終了した。

2019年11月27日(水)
「アニメスタイル015」の編集作業は終わったし、取材や外での打ち合わせはないし、のんびり仕事ができるかと思ったら、やっぱり嵐のような忙しさ。「村田峻治 ANIMATION WORKS 車輌設定資料」の見本が届く。「この世界の片隅に 絵コンテ[最長版]」の校正紙が出る。
いつでもレンタルで観られると思って、DVDを買っていなかったある劇場アニメ(僕の認識では有名なタイトル)が、池袋、新宿のTSUTAYAでレンタルがなくなっていることが判明。検索すると、渋谷TSUTAYAにもないんだけど、同店舗は同シリーズ別作品はあるみたいなので、店まで足を運んだら、意外とあったりするのかもしれない。ネットレンタルはあるはずなので、いよいよとなったら、それに頼ればいいんだけど「いつでも観られると思ったものが観られなくなる」は今後も増えるのかもしれないとは思った。

2019年11月28日(木)
またまた嵐のような一日。雨が降っていたこともあり、まとまった散歩もできず。「この世界の片隅に 絵コンテ[最長版]」表紙カバーの校正紙が届く。午後はシルフィルWOWOW「世界がふり向くアニメ術」での、『うる星やつら2 ★ビューティフル・ドリーマー★』のコメンタリー収録。出演は押井守監督、上坂すみれさん、そして、僕。シルフィルWOWOWで戦争映画をコメンタリー付きで放映する企画があり、それで上坂さんが『★ビューティフル・ドリーマー★』のファンだということが分かり、このコメンタリーの企画に繋がったのだそうだ。
僕にとっての今回の収録の目的のひとつが、面堂の台詞「大笑い海水浴場」が「喜劇新思想体系」からの引用なのかどうかを、押井さんに確認することだった。それについてだけは、コメンタリーが始まる前に押井さんに「聞きますね」と言っておいた。おかげで、収録で押井さんが自分から話してくれた。他にも確認したいことをいくつも話してもらえた。ただし、話の流れで聞けなかったこともある。それはまた別の機会で。収録後、事務所に。
以下はコメンタリーとは別の話。コメンタリーの前に『★ビューティフル・ドリーマー★』を観直して思ったことだ。メガネ達に対して、僕は今でも「俺達の仲間」だと思える。より具体的に書くと、当時は自分達と同年輩の仲間で、今となっては「思い出の中の仲間」だ。
あの映画で自分が憧れを感じていたのは、学園祭の前日が延々に続くという状況よりも、あたるの家での共同生活だった。劇中のモラトリアムの塊のような日々は、心地よいだけでなく、観ている自分達を映画が肯定してくれていると思えた。それが重要だったのではないか。

2019年11月29日(金)
やっぱり嵐のような一日。「この世界の片隅に 絵コンテ[最長版]」校正作業と、「川元利浩 SketchBook」と「馬越嘉彦 仕事集 第一巻」の進行。16時から某スタジオで打ち合わせ。事務所に戻ってまた作業。Netflixの『ケンガンアシュラ』の第2期を観始める。面白い。映像もよくできている。
忙しいけれど、馬越嘉彦さんに描きおろしのラフを依頼したら2時間で超ステキなラフがあがったり、デザイナーさんから予想以上にいいデザインが届いたり、編集部スタッフがきちんと資料を読み込んで校正をしてくれたり、嬉しいことがいくつもあった。

2019年11月30日(土)
「村田峻治 ANIMATION WORKS 車輌設定資料」の発売日で、オールナイト「新文芸坐×アニメスタイル セレクションvol. 121 『海獣の子供』とSTUDIO4℃」開催日であり、さらにトークイベント「第165回アニメスタイルイベント 『この世界の片隅に』に至る道(4)」とオールナイト「新文芸坐×アニメスタイル セレクションvol. 122 Rexamination of PATLABOR the Movies」の前売り開始日だった。
昼間は年末進行で後まわしにしていた用事を片づける。その後は原稿作業。日曜いっぱいかかるかと思っていた原稿がだいたい終わる。事務所で『クレヨンしんちゃん』『ドラえもん』『僕のヒーローアカデミア』『名探偵コナン』をリアルタイム視聴した。夜は新文芸坐に。