COLUMN

第635回 12話〜「どうしよう(汗)」

 前回の続き『コップクラフト』12話をもう少し。ラストは賀東招二さんに締めていただこうと、後半は永井真吾さんからバトンタッチ。最終回の割に登場人物が少ない(何しろマトバとチャン、ティラナとゼラーダの2組の会話(問答?)が6割を占める)話数ですから、ホン読み(脚本打ち)の時も、その後のコンテ時も、間が保つどうか不安でした。でも9話のBパートから3.5話分の長編事件の解決編ゆえに、当然犯人の動機やらの説明も長くなるわけで、これをコンテでは開き直って長尺カットでしゃべらせまくりました。説明ゼリフはなるべくカットを割らないほうが話を聞き易いのですが、その代わり退屈しないようにレイアウトで見せる工夫をし、あとは役者さんの力を信じるシーンとなったんです。で、それがもう津田健次郎さんや大塚芳忠さん、吉岡茉祐さん佐藤拓也さんら役者の皆さんのおかげで、逆に長回しが活きる緊張感のあるシーンに仕上げていただけました。例えば冒頭の「殺してやるぞ、ゼラーダ!」とか、脚本で書かれてたものを読んだ時は「ちょっとストレート過ぎて、マトバが悪いヤツに見えるかも?」と感じたんで、コンテ時躊躇したんですが、アフレコ時、津田さんが尋常じゃない気迫をのせてくださったので、ちゃんと「殺したいくらいの憎しみ」が伝わってきて、結果的にドラマへ引き込むのに寄与してくれました。あと、最後の「3回まわって、ワン」のくだり、賀東さんから「ラスト、どうでしょう? なんかアニメっぽいかな〜?」と相談されたのですが、自分からは「いいんじゃないでしょうか。あまり大きなネタで締めるより、ケイとティラナの日常に戻すのは正解かと」と言って、「3回もまわって」はOFFにして見せず、マトバにカメラを残し、そのリアクションで間を保たせて、マンガっぽさを少し消すようにしました。それから、吉岡さんによるティラナのモノローグはアフレコ時『Wake Up, Girls!』を思い出してました、自分。

 さあ、あとは

来遊の打ち上げの挨拶、どうしよう(汗)!

 何しろ板垣は人前に出るのも話すのも苦手! これ前々から言ってるとおり、作品のイベントや舞台挨拶、TV出演などで出演依頼があっても、原作者や他のスタッフさんらが出るのに自分だけ出ないのは無礼って時だけは出ますが、そうでない場合は「現場作業を優先させてください」とお断りさせていただいてます。ところが打ち上げの挨拶だけはスタッフ・キャストの皆さんに「お疲れさまでした」を言わないわけにはいきません1 使命感のみでマイクを握るんですが、毎回何を話していいのか分かりません! そもそも今までの監督作品の打ち上げで、何をしゃべったのかを憶えていないくらい毎回緊張するのが「監督からの挨拶」とゆーヤツです。誰が考えた儀式なんだ!?