COLUMN

第607回 休み時間とひとりの時間

 思えば自分が20代、アニメーターを始めた時、つまりテレコム時代から昼食・夕食は基本ひとりでした。もちろん周りから誘われた時は断らないし、若い時は先輩や後輩とよく飲みに行ったものです。

板垣は寂しがり屋なくせに「ひとりの時間」が大好き!

 早い話、自分のペースで動ける時間はひとりでいたい、と。こういう方、結構いると思いますし、逆に周りで人が働いてると、俺自身は周り(のスタッフ)に合わせる側になります。まあ、その話は後にして、何しろ板垣は散歩とひとり飯が日常。

 特にコンテを切る日々は現実から遠のきがち。ツイッターとかにも興味がない自分にとって、せめて飯時くらいニュースや映画を観る時間に使わないと、今の世の中が分からなくなってしまいます。今だけでなく昭和の映画もこーゆー時間に観ます。だから一番いいのは

飯の買い出しを兼ねてブックオフまで散歩、で購入したDVDないしBDを観ながら飯! コレ!!

 映画はもう、国・年代・監督に拘らず手当たり次第。その日の気分と、あと何より値段! そもそも黒澤明、小津安二郎、岡本喜八や、アニメだと宮崎、高畑や出崎作品など、板垣のマスターピース的敬称略な方々のソフトは、とっくのとうに定価で揃え済みなので、今さら中古で買う必要はないのです。やっぱり、

ブックオフは安物衝動買いに限る! 何も決めないで行って500円コーナーまでブラついて「今日はコレ!」を選ぶ。クソ映画上等!

 このまま行くと今回、何処に落ち着くのか想像つかないけど、とりあえず続けます。俺は常々思ってるのです。

映画とは何を観ても自分の血肉になる! 「面白い」か「面白くない」かなど究極どーだっていい。なぜなら人の感想に正解なんてない! むしろどんな作品に対しても「自分なりの感想をもつ」ことが大切である!

と。だからといってツイッターやブログで言いたい放題書くのがいいという訳ではありません。敵を作るのが怖いからとかではなく、テキストで放ってテキストで返されて、では何も伝わらないし、無駄に時間を消費するだけ。何も生まれません。まあ唯一生まれるモノがあるとすれば、人気評論家だと勘違いした手遅れな自分が仕上がるだけ。本当に評論を気取りたいのなら、その作品の悪口だろうと「他人が読んで不愉快にならないか?」を周りに確認してから上げるべきだと思います。だって周りの人の機嫌を損ねる評論は、そのつまらない作品以上に罪でしょう。本当にうまい評論とは、悪評でも面白く読ませることができるハズだから。俺にはそんな巧い文章は書けないので、評論ではなく感想文止まりで、なるべくいいところを見つけるようにしてるんです。で、評論の域に踏み込んだ悪口などは、親・兄弟・友人など

身近な人に直にしゃべる!

のがいいと思います。自分の場合も友人や白石(妻)にしゃべってウケがよくなかったら、それ以上遠くに放ったりしません。相手にとって笑えもしない個人的悪口は、ただただ迷惑なだけですから。あと、ブログや評論に限らずテキストで語り合うのは反対です。直に話したほうが誤解が少ない上、その場の空気を読む修練になりますから。ほら、やっぱりよく分からないトコに着地した。

 で、現在は『コップクラフト』第8話とオープニングのコンテに入りました! いかん、予定より数日遅れ(汗)。