COLUMN

第491回 楽しい楽しい同窓会

ワシが若い頃はこうじゃった!

的な昔話が俺は嫌い、いや大嫌いです。といっても自分でもたまに言っちゃうんですが。アニメ業界でよく耳にする話、「昔は制作がしっかりしていた」とかを自分自身でも口にしそうになると、即座に塞ぐようにしてます。なぜって、今の制作は今の制作なりのよさがあるのに

「自分にとって都合がいい制作がいなくなった」などのボヤキを、もっともらしく理屈をつけて「俺は警鐘を鳴らしてやってる」つもりになったって、誰も聞く耳を持たないと思うから!! その前に「自分自身が10年前より成長したかどうか?」を省みる事の方が先でしょう!?

と。どんな場でもどんな時でも、自分側が反省する要素はあるはずですから、大概の事例において。なのに昔天下をとった(業界的にはソフト何万本売ったとか)クリエイター様ほど、最近の業界に不満を漏らしてる気がします。板垣はその点、天下をとった事は皆無なので、SNSなどでその警鐘(戦い?)を目にすると、「この方は何が理想なんだろう?」と考えてしますので。自分を持ち上げてくれる制作がいい制作なのでしょうか? 車で送迎してくれる制作が? 夜中2時過ぎたら牛丼買ってきてくれる制作がご希望? いったいそれはいつの昭和で、いつのバブルですか? 例えば制作現場をお借りして作品を作ってるアニメ監督が、自分でスタッフの育成に関わってもいないのに「この会社はいいスタッフがいない! スタッフを育てるのは制作の仕事だろ? 俺は監督だぞ!」ってずいぶん勝手な話だと思いませんか? 例えば「金(制作費)を持ってこれるプロデューサーがいない」? それは

まず「あなたの監督名で金が集められる」ようになってから言いません?

 ちなみに俺自身は、そんな資格があるわけないので、スタッフを育てられる会社を自分らで作るしかないと思ってるわけです。業界全体に向けて「番組落ちるのは誰のせい!」と誰かのせいにする前に、スタッフの育成を買ってでるべきではありませんか? 業界のためを思うなら!!
 と業界四方山にイヤ気がさしてたところ、

11月13日、中学校の同窓会に出席してきました!

 もう28年ぶりに会う同窓生らに興奮し、とても楽しいひとときでした。自分の富とか名誉のためではなく、彼らが素直に面白がってくれるアニメを作りたいと思いました。