COLUMN

第489回 絵コンテの役割

10月28日、『ベルセルク』Blu-ray第1巻(第1〜6話収録)が発売されます!!
なんか自分が切った絵コンテが特典のひとつとして付くらしい!

 ちょくちょくあります、ソフトのオマケでコンテが表に出るの。正直恥ずかしいし、板垣が描いたコンテが付加価値になり得るなんて俺自身微塵も思ってません。が、プロデューサーさんから「特典で付けていいですか?」と求められて拒む理由も特に見当たらず「OK」とは言ったものの、1話分(第3話)まるまるとは(汗)。ちなみに『てーきゅう』のコンテ集は、コンテそのものが売りであるうえ、社内のスタッフとの飲み会代のためと思って覚悟を決めたもので、Blu-rayの特典である今回とはまったく感覚が違います。
 あ、あと第1期は紙と鉛筆で描いてたコンテですが、第2期はデジタル(液タブ)で描いてます。で、デジタルだと原作のコマの切り貼りや加工もやり易く、より効率化。効率化されればされるほど、

結局、コンテって原画の下敷きになるくらい、そこそこ絵を描き込んだ方が、後々効率的に物事が運ぶ! 少なくともこれからは!

 これ、昔気質の——誤解を恐れずに言うと「絵をお描きになれない演出家」の方々による詭弁、すなわち

絵コンテの絵は描き込んではならない! 
いやむしろ丸チョンこそ本物のコンテである!

は、現代では通用しないと思えてくるのです。もちろん「キャラの立ち位置」「サイズ・アングルの変化」など、フィルムの流れ的なものは充分押さえたうえでの話ですが。昔(昭和?)と違って、今はPCを手軽に使って、いっぱしな絵を描いて自分1人でアニメを作れるツールが当たり前に出回ってる時代。俺らの世代が丸チョン大ラフのコンテしか描かないようでは勝負が目に見えてるハズなのに、実は「絵が描けない」を「アニメとはいえ演出家は絵を描くべきではない」と自分に都合がいいように置き換えて、いつまでプロを名のり続けられるのでしょうか?

うん、時間! スミマセン、次週へ