COLUMN

第488回 アニメ、作ります!

これでなんのわだかまりもなく、日々素直にいろんな物事に対して幸せを感じられる状態となりました!!!

 幸せって何? 俺にとっては「アニメを作る事全般」です。自分の場合、ジャンル・題材はなんでもよく、作れるだけで幸せ。もちろん「何が何でも何かしらの意味ある作品を作りたい!」と念じてる人も全然ありでしょう。特にオリジナルのアイデアが泉のように沸き出す天才監督はどんどんオリジナルを作ればいいと思うし、シリーズ何本も掛け持ちする総監督さんもそれはそれで好きにやればよいと思います。はたまた「作るよりも語る・論ずる」に注力するのも大変重要でしょう。そう、

仕事への関わり方は人それぞれ。いろいろあっていい!!
(出崎統監督[劇場]『BLACK JACK』ラストシーンより)

のです! だから板垣個人は「なんでも一所懸命作る」が関わり方だというだけです。

一所懸命作ったモノは、たとえ記録には残らなくても
観た人の記憶には必ず残るはず!

と信じて。おめでたいヤツだ、と笑いたい方はどうぞ笑ってくださって結構です。「そんなふうに作品だけ作ったって世の中変わるわけねーじゃん、板垣よ」って? うん、そうね。

ってか、最初から「アニメ作って世直し」なんて
考えてねーもん、こちとら!

 むしろ俺、「変えたい」と考えるほど悪いと思ってないんです、世の中。「世の中悪い」と考えてる人のほとんどは、自分が勝手にいちばん楽しかった時期と比べてるだけでしょ? 例えば、我々世代のアニメ話だと「1990年代初頭の宮崎アニメ(ジブリ作品)」を勝手に基準に定めて「今はあんなのなくなった! なんて時代だ!?」と憂いてるだけ。現にウチに来る入社志望の新卒さんとの面接で、「好きなアニメは?」と訊いて宮崎アニメを答える人の少ない事少ない事。だから、自分は「アニメを語る・論ずる」人になりたくないんです。今になっても己が90年代ピークの価値観で語るのが目に見えてるから。限界が見えてるタバカリを人前でするくらいなら、どんな仕上がりになるか自分でも分からないアニメを、黙々と作り続けたいと真剣に考えてます。