COLUMN

第463回 ベルとうさ

近頃「板垣が『ベルセルク』とは意外だ」とか言われます!
えっ、何が!?

 俺自身は出崎統監督をリスペクトしてるので「ジャンルを問わず何でもやる!」のスタイルで今までやってきたつもりだから、そう言われる事の方が意外なんですけど。『Devil May Cry』や『戦国BASARA』も監督したし、各話コンテ・演出でも『グラップラー刃牙』や『‎獣兵衛忍風帖 龍宝玉篇』『ウルヴァリン』などをやりました。高校の頃描いてたマンガ(というか落書き)も美少女アニメ画系よりリアル劇画系ばかりだったし、劇画調はいわば自分にとって「ふるさと」なんです。本来は『てーきゅう』シリーズの方が俺からすると異端というわけ。『ベルセルク』の話はまだPV以上の事は話せないので、その異端の方、『てーきゅう』公式ライバル、

『うさかめ』が4月11日(月)より放映開始です!!

の話。原作既読な方はお分かりでしょうが、『てーきゅう』チームのライバル高である兎亀高校テニス部のマンガです。同じルーツ先生原作ですが、『てーきゅう』的なシュール・不条理ギャグではなく女子高生の可愛い日常がネタのギャグ、というよりコメディでしょうか。こーゆーユルいのもルーツ先生は巧いんですね。そのユルさをアニメにするために今作で自分がとった作り方は

コンテは切らない! 作画もしない!!

というものです。コンテも作画も大好きです。だから今回あえて手を出さないと決めました。もともと『てーきゅう』は「超低予算・超少人数のスタッフで超自分勝手に作る!」がテーマで始めて、結果それが良かったんだと思います。原作マンガの「うさかめ」で原作者・ルーツ先生が「『てーきゅう』とは少し違った笑い」に挑戦しているならば、アニメ版『うさかめ』でも

『てーきゅう』とは少し違った作り方を!

実践しなければならないでしょう? あとミルパンセも早いもので丸3年、4年めに突入。自分以外「全員新人」でスタートした会社もそろそろスタッフが育ってきました。ここらで自分は「率先して描く側」から「全体を監督する側」の作り方も学ばなければ、とも思ったんです。『ベルセルク』のように重厚な作品を眉ツリ上げて険しい顔でコンテ切ってる傍ら、

『うさかめ』の方は

ほら、アニメ作るのって楽しいでしょ?


とスタッフ皆に「フィルム作りを面白がれる現場」を心がけて作業しております。