COLUMN

第449回 今年もそろそろ

今週、某ミュージックPVを納品しました!

内容に関しては後ほど、という事なんですが、今作は自分がコンテの調整と全体の作画のコーディネート——早い話、新人アニメーターの面倒を見て、納品までの全体を監修しました。コンテとディレクターは新人を立てたんです。結構楽しく作る事ができたので、発表されたら是非観てください。で、そーこーしてる間に今年もそろそろ終わり。2015年は『てーきゅう』メインだったのですが、それ以外にもスピンオフ『高宮なすのです!』があって、来年の新シリーズのホン読み、コンテ、あと『Wake Up, Girls!』のお手伝いと社内の新人養成など、改めて振り返るとあれこれありましたね〜。でも、総合すると「会社を育てる」という仕事だったと思います。

ミルパンセで作品を作る場合、
「新人育成」を外しては考えられませんから!

 つまり、どこかの会社から超ウマなスーパーアニメーターを何人も引き抜いて作った会社じゃないからこそ「スタッフ全員の総合力を鍛える」必要があるわけ。劇場『WUG!』後編もウチのスタッフは、原画・動画・仕上げまでを兼ねた人が多いはず(スタッフロールを見てください)。

どんな作品に対してでも「今現在の総合力に合わせた作り方」を考えて取り組む。それが自分とウチのやり方です!

 早い話、スタッフのその時々の力量に合わせて、作画の進め方や撮影処理、それこそ演出スタイルさえも変えて作る、と。例えば「スケジュール的に自分が直接ディレクションはできない」「でもキャラと内容はこちら側に任せてもらえる」「会社のスタッフは全員ほぼ新人」、この条件下で板垣が考える作り方は、

新人を大抜擢して、コンテ・演出をやってもらい、少ない線で少々ユルめのキャラを作って、一回り小さなサイズではっきりメリハリのある動きを描き、撮影処理濃いめ!

となります。「新人抜擢」は新人しかいない会社なら当然で、「少ない線・ユルめキャラデ」はキャラの崩れが気にならず基本ノー作監(キャラ修正なし)が可能で、「ひとまわり小さいサイズ〜」は限られた時間を少しでも有効に使うため。「メリハリのある動き〜」は動画が思いきって線を引けるし、「撮影処理濃く〜」も作画の荒くなってしまった箇所を隠す効果です。

あとは自分が全体を総合監修する!!

で作ろうと。コンテも原画の自分が新人に解説しながら修正を入れまくる(小さなサイズで作画するのはここにおいても効果的)事で吸収してもらって「スタジオ力」を高めていき、

 あ、あとこないだ高畑BOXと一緒にポチッた『おにいさまへ…』のサントラ! もう最高過ぎてアニメ本編をまた観始めました(もともとDVDは持ってましたので)。自分が高校生の頃の出崎アニメで……。