COLUMN

第431回 シナリオと舞台

 前回の続き。原作が小説である場合のシナリオ作りは、同じ文章媒体である事がかえってやりにくい時が多いです。まず作家(小説家)さんの文体によって、20ページが30分のアニメになるモノから10分にもならないモノまで様々あり、特にアクション表現などは、文章を各読者の脳内で絵に置き換える分には面白くても、不特定多数の視聴者の誰にでも分かる映像作品を作るための設計図であるべきシナリオにするには、若干分かりづらいモノって少なくないんです(まわりくどっ!)。しかも映像化すると意外に瞬殺なアクションとは逆に、説明シーンになると、原作自体に絵という最大の武器を使っていない分、果てしない説明の文章が続き、下手に原作をそのままなぞると半パート(10数分)まるまる会話シーンとかなりかねません! そんな時自分は「(原作の長いシーンを指差して)これと同じ内容を3〜4分で表現してください!」などと発注してライター(脚本家)さんを困らせたものですが、それは原作を巧いこと割愛して縮めてくださいと言ったんではなく、「同じ面白さ、同じ物量の説明を端的に表現できるオリジナルのシーンを組む事」を要求したのでした。そんな事を話題にしたある日、アニメーターの友人から

だから原作ものよりオリジナルを作るべきなんだ、アニメはっ!!

と語気を荒げて言われたのを思い出したので、オリジナルのシナリオ作りについての追加の話。俺自身の経験ではアニメ発のオリジナル作品の最大の落とし穴は

シナリオ1本1本、シリーズ構成を「こなすだけ」で
皆が満足してしまうところ!

だと思います。単純な話、マンガ、小説、ラノベなどは、まず人を楽しませるエンターテイメントとして世間に出て、その面白さは保証されてる一方、「アニメ発」はホン読みを進めて何週〜何ヶ月かすると今作ってる作品が面白いかどうか分からなくなっていき、ついには構成上の内容をこなして、皆さん(ホン読みに参加するライターやプロデューサーもちろん監督も含む)満足してしまいがち。例えば「第○話 ライバルキャラと対決して勝つ話」とシリーズ構成上あると、

となっていきます。これがいちばん怖い! 本来「ライバルをどう倒すのか!?」が「面白い話」でなければならないのに、早くシナリオUPしてホン読みから解放されたい方々は、「筋書きどおり」で強引に決定稿の判を押して監督に渡そうとするようになるんです。もう、

とわめき散らします!

 ま、なんかいろいろ話がとっ散らかっちゃったのでシナリオの話はまた今度にして話題転換。

こないだ8月1日(土)19時の回、「てーきゅう舞台」観てきました!!

「舞台化」と聞かされた時は「まさか〜冗談でしょ?」と笑った自分ですが、

完成した舞台を観た感想は「なるほど、いいじゃん!!」でした!

詳しい話は次回。