COLUMN

008 『京騒戯画』の松本理恵監督(2013年10月9日)

 昨日、あるベテランプロデューサーと打ち合わせをしていて『京騒戯画』の話になった。彼は『京騒戯画』をネット配信では観ておらず、なんの予備知識もなく、TV放映を観たのだそうだ。「もう驚くようなアニメなんて出てこないだろうと思っていたけれど、まだ、あんなすごいもの出てくるんだね」。ベテランプロデューサーは『京騒戯画』を大絶賛だ。めくるめくイマジネーション、動きの魅力、それを含めたアニメーションとしてのセンスのよさを褒めちぎった。「いろいろな作品やクリエイターの影響を受けているのは観れば分かるよ。だけど、マネに終わっていない。いいところを上手くまとめている。しかも、あれだけいろいろなことをやっていて、途中でパワーダウンしないのも、すごいよねえ」。さすが、ベテランプロデューサーの分析は的確だ。
 スタッフについて訊かれた僕は、『京騒戯画』の監督が松本理恵という東映アニメーションの俊英であり、彼女が演出した『マリー&ガリー』のパイロット版も才気奔る出来であったこと、TVシリーズの『プリキュア』でも光る仕事をしていたこと、劇場デビュー作品『映画 ハートキャッチプリキュア! 花の都でファッションショー…ですか!?』が力作であったことを説明した(要するに自分が、以前から松本監督に注目していたことを自慢したのである)。ベテランプロデューサーは、老舗の東映アニメーションでこれほど飛び抜けた才能が生まれたことに驚き、活躍の場を与えていることに感心していた。
 ベテランプロデューサーが観たのは、2011年に配信されたPVを再編集した0話「予習篇」であり、次の放映がTVシリーズの1話となる。シリーズもネット配信版と同じく、かっとんだ内容になるのだろうか。楽しみだ。

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