2002年は、『機動戦士 ガンダムSEED』と『NARUTO』が放映開始された年である。
土曜18時枠に登場した『SEED』は、現時点における平成『ガンダム』最大のヒット作である。視聴率は平均6.2%、最高8%。DVDは累計140万枚以上の売り上げを記録。平井久司の端麗なキャラデザ、チーフメカ作監・重田智によるシャープなアクションが、女性、男性、児童すべての層にアピール。シリーズ構成の両澤千晶、監督の福田己津央は、2人の主役、キラ、アスランを軸に、戦争の理不尽さを徹底して描いた。そこには、キー局・毎日放送の竹田靑滋PDが、前年の9.11を意識しつつ発信した“非戦”のメッセージも込められていた。
『NARUTO』は、岸本斉史が「少年ジャンプ」に連載中のマンガが原作。かつて、同じ「ジャンプ」の『NINKŪ −忍空−』(95年)を手がけたぴえろが再び製作を担当、ニューウェーブの忍者アクションを映像化した。その人気は原作ともども海外へと波及、世界で最も知名度の高い日本のアニメのひとつとなった。
4月には、公立小中学校と多数の高等学校が完全週休2日制を導入。子どもたちが在宅する土曜午前中は新たなアニメの開拓地となった。テレビ東京系では朝7時30分〜9時30分に『満月をさがして』『わがまま☆フェアリー ミルモでポン!』など4作が一挙にスタート。この活況は今日まで継続することになる。
前年から続く深夜やUHF枠の増加は、『おねがい☆ ティーチャー』などの“萌え”アニメを激増させる一方、かつては企画が難しかった巨匠のマニアックな名作群、例えば『幻魔大戦 —神話前夜の章—』『魔王 ダンテ』などを次々と実現に導いた。また、新たな才能やジャンルにも機会が与えられた。メカデザイナーの出渕裕、美術監督の神山健治はそれぞれ本年のTVシリーズ『RAhXePhON』『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』で監督デビューを飾った。“空気系”の嚆矢『あずまんが 大王 THE ANIMATION』、“セカイ系”の初期代表作『最終兵器彼女』、オンラインゲームの世界を舞台とした新趣向のファンタジー『.hack// SIGN』などもこの年の放映である。
2月には第1回の“東京国際アニメフェア”が開催。同年、日本動画協会も設立されている。02年は、国や都が経済効果という観点からアニメに着目し、その産業育成・活用に乗り出す最初の年ともなったのである。
リスト修正(13.05.23)
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