ANIME NEWS

出来事で振り返るアニメ界2025
席巻する原作劇場アニメ、オリジナルは苦戦

 昭和100年の年、アニプレックスが興行を席巻。アニメ界にとどまらない存在感を示した。
 『鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座再来』は歴代2位となる386億超の興行収入を稼ぎ、歴代1位である同『無限列車編』にどれだけ迫るかに関心が集まっている。一方、製作幹事をつとめた「国宝」は181億超を記録、実写劇場作品の歴代興収を22年ぶりに塗り替えた。大作にとどまらず、インディーズ作品の続編『JUNK WORLD』、中国配信発の話題作『羅小黒戦記II ぼくらが望む未来』、ミニシアター系の『ヴァージン・パンク』と、剛速球から曲球まで硬軟とりまぜて配給を手がけているところも力強い。
 TVシリーズに目を移せば、カラーとサンライズの共同制作による『機動戦士Gundamジークアクス』が話題に。仮想戦記的なインパクトの強い設定、めまぐるしい展開で、多くの耳目を引きつけ、SNSが翌週の放映まで様々な考察や予想であふれかえった。多人数同時視聴というTVの力を存分に見せつけたと言える。
 TVアニメでは『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ』も話題作。亀山陽平監督が多くを一人で担った5分枠のシリーズで、TOKYO MX単局放映ながら、YouTubeでの配信もあって人気を集めた。2026年には総集編の劇場公開が予定されている。
 同作をプロデュースしたのが老舗のシンエイ動画。『PUIPUI モルカー』や劇場『窓ぎわのトットちゃん』など、近年話題作、意欲作を次々送り出している同社だが、今年は『トリツカレ男』『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』という大胆なビジュアルの劇場作品2作を送り出し、アニメの可能性を広げてみせた。加えて、インド向けに『おぼっちゃまくん』の新作TVシリーズを制作。来年改組50周年を迎える同社の動向からしばらく目が離せそうにない。
 『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ』はインディーズの『ミルキー☆ハイウェイ』をベースに制作されていた。インディーズ作品の劇場上映が目立ったのも今年の特徴だ。鈴木竜也『無名の人生』、Vab.png『轍を越えてゆけ』、比良坂新『忘星のヴァリシア』、村松大翔思『ただいまを返す旅』、栗栖直也『後朝の花雪』、うったまー&みゃの『LOCA!』などが劇場上映を果たしている。メジャー配給ではあるが、先に挙げた『JUNK WORLD』や安田現象『メイクアガール』なども同期した流れと位置づけてよいかもしれない。
 インディーズ作品の活況と『チェンソーマン レゼ篇』『名探偵コナン 隻眼の残像』などヒットマンガ&TVシリーズを背景にした大作の大ヒット、さらに『もののけ姫』など旧作のリバイバル上映の盛況が伝えられる一方で、オリジナル作品の苦戦が目立った。スタジオ4℃の『ChaO』、P.A.WORKSの事実上のオリジナル『不思議の国でアリスと Dive in Wonderland』、さらに細田守監督の最新作『果てしなきスカーレット』などが興行的な苦戦を強いられている。
 昭和90年代は新海誠に象徴される劇場アニメの時代だった。「昭和91年」の『君の名は。』の大ヒットに続けとばかり、劇場アニメを中心に様々なトライがなされてきた。昭和100年を迎えて、そうした風向きが変わりつつある。特定のブランドの作品とそれ以外との差がくっきりとしてきたのだ。そう言わねばならぬほど、今年のジャンプブランド旋風はすさまじかった。今やジャンプ劇場アニメの時代へと移りつつあるのかもしれない。昭和60年代はジャンプアニメの時代と呼ばれた。40年の時を経て、劇場を舞台にそれが再演されているかのようだ。気になるのは、昭和60年代はまた「アニメ冬の時代」とも言われたことだ。歴史の轍を踏むことのないよう祈るしかない(B)。

●1月

▼【出来事】神谷浩史結婚(1日)
 神谷浩史は声優。相手は女優・グラビアモデルの逢沢りな。前妻でマンガ家の中村光とは8年前に離婚していたという。声優では、1月に広瀬裕也、岩河拓吾と長谷川暖、2月に川島零士、3月に細谷佳正、5月に橋本ちなみ、6月に石上静香と柳晃平、7月に久保ユリカ、9月に内田真礼と石川界人が、それぞれ結婚を報告。
▼【ビジネス】LDH Animation発足(6日)
 ダンスグループEXILEなどをプロデュースするLDH JAPANがアニメの企画・制作に乗り出す。元ウォルトディズニージャパンの星野康二、元集英社役員の茨木政彦が顧問。
▼【TV】『ささやくように恋を唄う』Blu-ray発売中止(7日)
 NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパンがこの日発表。当初は9月より順次発売予定だったが、「制作上の都合」で延期となっていた。
▼【TV】『悪役令嬢転生おじさん』放映開始(10日)
 上山道郎のマンガが原作。亜細亜堂制作で、竹内哲也がTVシリーズ初監督を務めた。
▼【ビジネス】サイバーエージェント、CA Soa設立(10日)
 サイバーエージェントが新たなアニメ制作子会社を設立。サンライズの元プロデューサー・小川正和を社長に迎える。
▼【訃報】山田火砂子(13日)
 プロデューサー、監督。現代ぷろだくしょんに参加、夫の山田典吾監督作品でプロデューサーを務める。『エンジェルがとんだ日』で監督デビュー。
▼【イベント】第79回毎日映画コンクール発表(17日)
 大藤信郎賞に伊藤里菜監督の『私は、私と、私が、私を、』が選ばれた。アニメ関連の贈賞は今回から大藤信郎賞に一本化。
▼【劇場】『機動戦士Gundamジークアクス』公開(17日)
 劇場版ガンダムシリーズ史上初めて東宝が配給を手がける。TVシリーズの先行上映ながら興収30億超の大ヒットに。従来のファンの度肝を抜く冒頭が話題を集めた。
▼【TV】『名探偵コナン』安室透役が草尾毅に(18日)
 前任の古谷徹は不倫騒動により降板。
▼【ビジネス】ハピネット、NBCユニバーサルのビデオグラム化権を取得(20日)  ハピネット・メディアマーケティングがNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパンが権利をもつ映像作品のパッケージ制作、販売権を取得。
▼【出来事】生成AIで『エヴァ新劇場版』のポスターを作成・販売した容疑で逮捕者(23日)
 神奈川県警が中年男性2人を著作権法違反の疑いで逮捕。生成AIを使い『エヴァンゲリオン新劇場版』『遊★戯★王』などのキャラクターのセクシーなポスターを作成し、オークションサイトで販売していた。
▼【出来事】京都アニメーション放火殺人事件で被告の死刑が確定(27日)
 被告が控訴を取り下げ、一審の死刑判決が確定した。
▼【ビジネス】フジテレビ社長に清水賢治(28日)
 不祥事から辞任した港社長の後任。『Dr.スランプ アラレちゃん』や『DRAGON BALL』『こちら葛飾区亀有公園前派出所』などの企画・プロデュースで知られる。6月には親会社のフジ・メディア・ホールディングス代表取締役社長にも就任した。
▼【劇場】『メイクアガール』公開(31日)
 インディーズ作家の安田現象の初長編。少人数による制作で、内容も極めて個性的。

●2月

▼【イベント】野沢雅子に第66回毎日芸術賞特別賞(7日)
 孫悟空の声など長年の功績に対して。毎日新聞社主催で文学、演劇などの功績に対して贈られる。
▼【ビジネス】CyberAgent America、アニメ関連のグローバルマーケティング事業へ特化(12日)
 サイバーエージェントの子会社で、元々は米国でのインターネット関連技術の受託開発などを目的に設立された。今後は親会社のアニメ関連事業を国内外で展開するマーケティング、プロモーション業務に特化する。
▼【TV】『戦隊レッド 異世界で冒険者になる』取材記事で訂正(12日)
 10日発売のアニメージュ3月号に「作品側の不手際により未監修のインタビュー記事が掲載」されたとして、同作公式サイトにて詳細な対比表を掲載。
▼【イベント】藤本賞・特別賞に『ルックバック』(17日)
 映画演劇文化協会が劇場作品の製作者を中心に表彰するもの。製作を担った押山清高監督と企画を担当した大山良プロデューサーに贈られた。
▼【ビジネス】KADOKAWA、チップチューンを子会社に(17日)
 チップチューンは撮影、CGを担う制作会社。
▼【訃報】堀口忠彦(17日)
 アニメーター。81歳。『みんなのうた』の「ひげなしゴゲジャバル」「コンピューターおばあちゃん」や「おかあさんといっしょ」内で放映された『ふたりはなかよし』などが有名。高橋良輔が主宰する、あかばんてんのメンバーでもあった。
▼【ビジネス】湯浅政明、新スタジオame pippinを発表(18日)
 アニプレックス、コミックス・ウェーブ・フィルム、アスミック・エースが参画、湯浅自身が代表取締役を務める。
▼【イベント】富野由悠季が日本芸術院会員に選出(20日)
 日本芸術院は各分野の優れた芸術家を経済的に優遇するための栄誉機関。2021年度から放送や脚本を含む映画分野が設けられ、山田洋次、黒柳徹子が会員となっている。3月1日に正式に発令する。
▼【劇場】『ヒプノシスマイク Division Rap Battle』公開(21日)
 スマホアプリを介した観客の投票によって展開が左右されるシステムを導入。48パターンの展開があり、最終勝利チームが7通りに分かれる。興収25億円超のヒットに。
▼【出来事】『ファンタジスタドール』の著作権をめぐるトラブルで判決(21日)
 アンバーフィルムワークスと東宝・谷口悟朗とのあいだで著作権をめぐりトラブルになっていた。東宝側の行為が権利喪失事由にあたると東京地裁が判断、アンバー側の主張が認められた。
▼【イベント】ベルリン国際映画祭で水尻自子『普通の生活』に銀熊賞(22日)  銀熊賞は最高賞に次ぐもので、短編部門での受賞。ベルリン国際映画祭はカンヌ、ベネチアに並ぶ三大映画祭のひとつで、75回を数える。
▼【出来事】スタジオコメットとサンリオの係争が明らかに(25日)
 人気キャラクター・クロミの「生みの親」を巡ってスタジオコメットが裁判を提起。『おねがいマイメロディ』を制作した際に創作したとして著作者人格権を主張した。サンリオ側は著作権が自社にあるのは明白としたうえで、著作者人格権も適切に処理されているとの考えを表明。
▼【劇場】『あめだま』公開(28日)
 東映アニメーション製作の3DCG短編。原作は人形アニメーション作家ペク・ヒナの絵本。監督は西尾大介。第97回アカデミー賞 短編アニメーション部門ノミネートを受けて、短編ながら異例の劇場公開。
▼【出来事】『君の名は。』プロデューサーに実刑(28日)
 伊藤耕一郎に対し、和歌山地方裁判所が複数の未成年への不同意性交等の罪で懲役4年の実刑判決を言い渡した。

●3月

▼【ビジネス】ウルトラスーパーピクチャーズ、Ordetを吸収合併(1日)
 Ordetはウルトラスーパーピクチャーズ傘下のスタジオ。
▼【イベント】第97回アカデミー賞発表(3日)
 長編アニメーション賞に『FLOW』、短編アニメーション賞に『イトスギの影の中で』が選ばれた。
▼【イベント】押山清高に芸術選奨文部科学大臣新人賞(3日)
 メディア芸術部門で選出。受賞理由に『ルックバック』の成果が挙げられた。
▼【ビジネス】日活子会社NKアニメーションを設立(3日)
 日活のアニメーション関連事業を分社化したかたち。
▼【イベント】東京アニメアワードフェスティバル2025開催(7日)
 コンペティション部門グランプリに長編『ボートインザガーデン』、短編『一人ぼっちの洗濯』が選ばれた。
▼【出来事】「あにめのたね2025」完成披露(9日)
 2010年度の「Project A」から始まった、文化庁による作品制作を通じた人材育成事業はこれで最後となった。
▼【出来事】月刊Newtype40周年(10日)
▼【ビジネス】Aurora Animation設立(10日)
 『チェンソーマン』で監督を務めた中山竜率いるAndraftが、代々木アニメーション学院、スターリーキューブとともに立ち上げたアニメ制作会社。「環境の整備と若手クリエイターの成長支援」を掲げる。
▼【イベント】日本アカデミー賞アニメーション作品部門最優秀賞に『ルックバック』(14日)
 加えて、正賞に含まれない職能スタッフを顕彰する目的で今回から新設されたクリエイティブ貢献賞にも『ルックバック』原動画スタッフ(押山清高、井上俊之、下司祐也、新沼拓也、北田勝彦、小原秀一、タサン、秦綾子)が選ばれた。
▼【イベント】新潟国際アニメーション映画祭開幕(15日)
 20日まで。長編コンペティション部門グランプリに『ルックバック』が選ばれた。
▼【イベント】第19回声優アワード発表(15日)
 主演声優賞に岡咲美保、関俊彦が選ばれた。
▼【訃報】川浪葉子(18日)
 声優。67歳。腹膜播種により。代表作に『夢戦士ウイングマン』のアオイ、『装甲騎兵ボトムズ』のココナ、『ミスター味っ子』の山岡みつ子など。
▼【TV】『わたしの幸せな結婚[第2期]』25、26話放映延期(20日)
 25話が24日より順次放映予定だったが、「制作上の都合により」1週間延期に。
▼【イベント】AnimeJapan 2025開催(22日)
 2日間で15万人が来場。
▼【時事】放送100年
 東京放送局(現・NHK)が100年前のこの日からラジオ放送を開始。
▼【訃報】森まさあき(24日)
 アニメーター、東京造形大学名誉教授。69歳。「とんねるずのみなさんのおかげです」の番組オープニングなど、数々のクレイアニメーション作品で知られる。
▼【出来事】制作会社に公取委が指導(28日)
 アニメ制作18社を含む45社に対して、いわゆるフリーランス法に基づき是正を指導したと公正取引委員会が公表。同法に基づく指導はこれが初めて。
▼【出来事】愛河里花子、岩田光央が離婚(29日)
 この日、SNSを通じて報告。
▼【TV】『遊★戯★王 ゴーラッシュ!!』最終回(30日)
 『遊★戯★王 デュエルモンスターズ』より25年続いたTVシリーズが一区切り。4月からは「Yu-Gi-Oh! CARD GAME THE CHRONICLE」シリーズが配信でスタート。カードに登場するキャラクターを描くショートアニメシリーズで、KONAMI ANIMATIONが制作。

●4月

▼【TV】『ちいかわ』リバイバル放映(1日)
 新シリーズ制作の準備期間として通常放映を6月まで休止した。
▼【TV】『謎解きはディナーのあとで』放映開始(4日)
 ノイタミナ枠が木曜深夜から金曜夜に枠移動。あわせてフジテレビ系全国ネットに拡大。
▼【TV】『アン・シャーリー』放映開始(5日)
 原作はモンゴメリの著名児童文学。第1作「赤毛のアン」から第3作「アンの愛情」までを映像化。
▼【TV】『LAZARUS』放映開始(6日)
 渡辺信一郎監督久々のオリジナル近未来本格アクション。米国カートゥーンネットワークの単独出資による製作。
▼【TV】『Summer Pockets』放映開始(7日)
 大知慶一郎がシリーズ構成。大知は他にもこの4月スタートの『ある魔女が死ぬまで』『宇宙人ムームー』『完璧すぎて可愛げがないと婚約破棄された聖女は隣国に売られる』『戦隊大失格[2期]』でシリーズ構成を務める。
▼【TV】『機動戦士Gundamジークアクス』放映開始(9日)
 カラーとサンライズの共同制作。一年戦争でジオン公国が勝利した世界というインパクトのある設定とめまぐるしい進行で、かつてファンから初めての視聴者まで広く耳目を引きつけた。
▼【TV】『アポカリプスホテル』放映開始(9日)
 CygamesPictures制作のオリジナル。キャラクター原案をベテランマンガ家の竹本泉が担当。竹本が関わったアニメが放映されるのはこれが初めて。春藤佳奈は初監督。
▼【TV】『忍者と殺し屋のふたりぐらし』放映開始(10日)
 シャフトが手がける3年ぶりのTVシリーズ(配信を除く)。ドライな作風も話題に。
▼【時事】石破首相、映画戦略企画委員会のメンバーと意見交換(10日)
 石破首相が是枝裕和や庵野秀明と面談。海外展開に向けた支援策を強化する考えを示した。
▼【イベント】大阪・関西万博開幕(13日)
 河森正治がテーマプロデューサーの1人に就任した他、アニメ関連の展示も行われた。
▼【ビジネス】MAPPA社外取締役に福島祐一(16日)
 福島祐一はCloverWorks副社長。他社のトップがライバル社の役員となるのは異例。
▼【劇場】『名探偵コナン 隻眼の残像』公開(18日)
 3年連続で興収100億円超の大ヒットに。
▼【ビジネス】ぴえろと旭プロが資本業務提携(18日)
 2024年より業務提携を始めていたが、さらに踏み込んだかたちで連携を図る。
▼【イベント】第29回手塚治虫文化賞マンガ大賞に「1秒24コマのぼくの人生」(23日)
 りんたろうの描き下ろしマンガ単行本の日本語版。
▼【TV】『それいけ!アンパンマン』おむすびまん役が京田尚子から野沢雅子に(25日)
 京田尚子は90歳で高齢を理由に降板。
▼【ビジネス】サイエンスSARU代表に藤田雅規が就任(28日)
 この日明らかに。前代表で創業メンバーのチェ・ウニョンが退任。

●5月

▼【劇場】『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』公開(1日)
 菓子メーカー・ギンビスのロングセラーに材をとった異例の作品。
▼【ビジネス】ルミナス、STPRグループ入り(1日)。
 STPRは人気配信ユニット・すとぷりなどをマネジメントする会社で、SUPER STATE HOLDINGSグループの中核企業。同グループのAniToneの傘下にアニメ制作会社のルミナスが入る形。
▼【TV】『ジークアクス』電子番組表の表示について表明(2日)
 『ジークアクス』は「火曜プラチナイト」枠で放映中。電子番組表では放映枠単位での扱いになっており、視聴者から「正しく番組タイトルが表示されない」「放送開始時間の表示が不明瞭」「録画が不便」との声が上がっていた。視聴者に不便を強いるが、放送時間や内容の変更を示唆するものではないとして公式サイトで理解を求めた。
▼【出来事】声優のAI音声使用に経産省が警鐘(10日)
 AIを用いた声優の音声生成が広まる中、不正競争防止法に抵触する可能性について、具体例を示した。
▼【訃報】川村栄二(11日)
 作曲家。78歳。歌謡曲の編曲家として活躍するかたわら、「仮面ライダーBLACK」「五星戦隊ダイレンジャー」などの特撮番組や時代劇の劇伴を手がける。アニメでは『忍者戦士飛影』、劇場版『BLACK JACK』など。
▼【ビジネス】日テレ、ジブリ支援・新領域チーム新設(12日)
 日本テレビがジブリ専門の部署を設置。
▼【ビジネス】TBSグループがケイコンテンツを子会社化(14日)
 ケイコンテンツは『ヒューマンバグ大学』などで知られる映像制作会社。
▼【訃報】辻伸一(15日)
 アニメーター。80歳。東映動画を経て、日本アニメーションなどで活躍。劇場『北極のムーシカミーシカ』でキャラクターデザイン、劇場『綿の国星』で監督を務める。のち、作詞家へ転身し、つじ伸一名義で活動。
▼【劇場】『無名の人生』公開(16日)
 鈴木竜也監督のインディーズ作品にして初長編。『音楽』の岩井澤健治監督がプロデュースを手がける。
▼【訃報】コ・ホードマン(26日)
 アニメーター・監督。84歳。オランダ出身。カナダ国立映画庁(NFB)で立体アニメーション作品を数多く手がける。『シュシュ』『海底の宝物』が有名。『砂の城』は米国アカデミー賞短編アニメーション賞を受賞。

●6月

▼【TV】『サザエさん』イクラ役が交代(1日)
 放映開始時より務めてきた桂玲子が前回までで降板。この日から、イクラが平井祥恵、カオリが小白川愛菜、リカが北原沙弥香に交代となった。
▼【ビジネス】プロダクションIG、シグナル・エムディを吸収合併(1日)
 シグナル・エムディはIGの連結子会社。
▼【出来事】日本アニメーション創業50周年(3日)
▼【訃報】長嶋茂雄(3日)
 元プロ野球選手・監督。戦後のプロ野球を代表する人物の一人。選手引退後に半生が『ミスター・ジャイアンツ 栄光の背番号3』としてアニメ化もされた。『巨人の星』『侍ジャイアンツ』『がんばれ!!タブチくん!!』などでキャラクターとしても登場。
▼【劇場】『呪術廻戦』公式サイトが盗撮について警告(5日)
 公開中の『劇場版総集編 呪術廻戦 懐玉・玉折』の本編やエンディングの盗撮映像がネット上に出回っているとして強く警告。
▼【出来事】「国宝」公開(6日)
 実写劇場作品として歴代1位となる181億超の興収を記録。製作幹事をアニプレックスが傘下のミリアゴンスタジオと共に務める。
▼【訃報】石森史郎(9日)
 脚本家。日活、松竹で「私は泣かない」「同棲時代」など青春ものを手がける。アニメの代表作に劇場『銀河鉄道999』『ボビーに首ったけ』。
▼【出来事】坂倉花活動休止(10日)
 『ラブライブ!スーパースター!!』の鬼塚冬毬でデビュー。6月に入り、ファンクラブで「公式クレジットカード」を発表したが、批判を招き、数日経たずに受付を停止、ファンクラブ自体も運営終了する事態となっていた。
▼【出来事】葦プロが公的助成金を不正受給(12日)
 雇用調整助成金など4800万円余を不正受給したとして厚労省東京労働局が公表。
▼【劇場】『JUNK WORLD』公開(13日)
 堀貴秀監督のインディーズ・ストップモーション『JUNK HEAD』の前日譚。アニプレックスが配給。
▼【イベント】アヌシーフェスで『ChaO』に審査員賞(14日)
 アヌシー国際アニメーション映画祭の長編部門でスタジオ4℃の『ChaO』が審査員賞を受賞。グランプリはフランスの『Arco』。また、瀬戸桃子監督の『ダンデライオンズ・オデッセイ』がポール・グリモー賞を獲得。
▼【ビジネス】IGとサンリオが資本業務提携を発表(17日)
 サンリオはIGポートの第4位株主に。
▼【訃報】堀越謙三(19日)
 プロデューサー。間質性肺炎のため。80歳。ユーロスペース代表を務め、ミニシアターブームを牽引。映画美学校、東京芸術大学大学院映像研究科の設立にも尽力。近年は新潟国際アニメーション映画祭で実行委員長を務めていた。
▼【配信】『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』Netflixでスタート(20日)
 デーモンと戦う韓流アイドルグループの活躍を描く、ソニー・ピクチャーズ・アニメーション製作の3DCG作品。劇中歌が米ヒットチャートで1位を獲得するなど、北米を中心にヒット。
▼【ビジネス】フリュー・ピクチャーズ設立(20日)
 スマホゲームやプライズ事業を手がけるフリューがアニメ事業を分社化。
▼【ビジネス】DLE社長にFROGMAN(23日)
 代表取締役社長に小野亮が就任。FROGMAN名義で「秘密結社 鷹の爪」シリーズを制作している。
▼【ビジネス】クラフトンがADKを買収(24日)
 クラフトンは韓国のゲーム会社。ADKホールディングスは日本の三大広告会社のひとつで、アニメ制作に強みをもつ。
▼【ビジネス】経済産業省がエンタメ・クリエイティブ産業戦略を発表(24日)  アニメ・ゲームを中心としたコンテンツ産業の海外売上高を2033年に20兆円とする目標を掲げた。2023年時点で同産業の海外売上高は5.8兆円とされる。
▼【劇場】『ヴァージン・パンク Beaten down by repeated misfortunes, she became a mere shadow of herself. CLOCKWORK GIRL』公開(27日)
 梅津泰臣×シャフトによるオリジナル作品。小規模公開ながら、ダーティな要素の詰まった美少女×ガンアクションが一部で話題に。
▼【配信】『タコピーの原罪』開始(28日)
 「少年ジャンプ+」連載時より話題を集めたマンガのアニメ化。TBSテレビ主導の企画にもかかわらずTV放映なし、全6話を予定など、既存のフォーマットに収まらないセッティングが話題に。

●7月

▼【TV】『勇者刑に処す 懲罰勇者9004隊刑務記録』放映延期(1日)
 10月開始を予定していたが、「さらなる作品クオリティの向上」のため、来年1月開始に変更。
▼【ビジネス】BS松竹東急からJ:COM BSへ(1日)
 2月に松竹がBS松竹東急からの撤退を表明。開局からわずか3年で変更に。
▼【TV】『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ』放映開始(3日)
 亀山陽平監督が監督・脚本・制作。自身のインディーズ短編の続編にあたる。TOKYO MX単局ながら大きな反響を呼んだ。
▼【TV】『フードコートで、また明日。』放映開始(7日)
 成家慎一郎のマンガのアニメ化。全6話で、1クールの残りはアンコール放送(EDのセリフを変更)という変則的な構成。7月期のKADOKAWA作品は、『ぬきたし THE ANIMATION』『カラオケ行こ!』『夢中さ、きみに。』など変則的な編成が相次いだ。
▼【TV】『New PANTY & STOCKING with GARTERBELT』放映開始(10日)
 元々ガイナックスが著作権を保有していたが、カラーへ移ったのち、トリガーが譲り受けて続編が制作された。
▼【TV】『ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います』映像ソフト発売延期(10日)
 7、8月に発売予定だった映像ソフト5、6巻の発売延期を発表。5巻は12月発売、6巻は2026年1月発売となった。6月末に原作イラストを担当していたがおうの不祥事が明らかになり、7月放映の『追放者食堂へようこそ!』でもキャラクター原案表記が放映開始直前に公式サイトから削除されるなど、各社が対応に追われた。
▼【劇場】『砂時計サナトリウム』公開(12日)
 『ストリート・オブ・クロコダイル』で一世を風靡したクエイ兄弟による19年ぶりの劇場用ストップモーション作品。
▼【配信】『火垂るの墓』をNetflixで配信(15日)
 スタジオジブリ作品が国内配信されるのはこれが初めて。
▼【劇場】『鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座再来』公開(18日)
 歴代2位となる興収386億超を記録。さらに北米、中国大陸でも大ヒットし、全世界興収が日本映画として初めて1000億円を突破した。
▼【ビジネス】TBSホールディングス、アニメ投資会社を設立(22日)
 新会社名はSAND B。アニメーションを中心としたコンテンツの企画開発を掲げ、毎日放送とも連携していく。テレビ東京でアニメ・ビジネス本部本部長を務めた川崎由紀夫が社長に就任。
▼【TV】『ぬきたし THE ANIMATION』放映開始(23日)
 美少女ゲーム原作のアニメ化。TOKYO MXではMX2がメインチャンネルとなり、MX1では音声のみという変則放映。
▼【TV】『カラオケ行こ!』放映開始(24日)
 全5話のうち、4話までをまず放映し、同じ原作者の『夢中さ、きみに。』全5話を挟んで、アニメオリジナルエピソードとなる5話を放映するという変則的な構成。
▼【配信】『My Melody & Kuromi』Netflixで配信(24日)
 『PUIPUIモルカー』で知られる見里朝希の新作ストップモーション。制作はWIT STUDIOの新スタジオであるTORUKU。
▼【ビジネス】ソニー、バンダイナムコに出資(24日)
 ソニー・グループがバンダイナムコホールディングスの株式1600万株を約680億円で取得。業務提携契約を締結した。
▼【イベント】TAAF、フェスティバルディレクターの交替を発表(24日)
 10年間務めてきた竹内孝次が退任。後任はスタジオジブリの西岡純一。
▼【TV】KADOKAWA、7月期4タイトルの「二次利用ガイドライン」公表(28日)
 これにより「YouTubeで切り抜き動画や、解説・考察動画等の公開が可能」になるとした。対象作品は『盾の勇者の成り上がり Season 4』『New PANTY & STOCKING with GARTERBELT』『まったく最近の探偵ときたら』『フードコートで、また明日。』。
▼【ビジネス】WHITE FOXがアルファポリスの子会社に(31日)
 アルファポリスはネット発の小説やマンガの出版・運営を手がける出版社。近年は自社刊行物のアニメ化によるビジネスの拡大を目標に掲げており、制作会社の確保が課題だった。

●8月

▼【出来事】ぴえろからスタジオぴえろへ社名変更(1日)
 創業時の社名に。2002年にスタジオぴえろと版権管理会社であるぴえろプロジェクトが合併し、ぴえろを社名としていた。
▼【ビジネス】ガイナがCreator’s Xの子会社に(1日)
 ガイナは元・福島ガイナックス。木下グループの傘下から移籍すると同時にBENTEN Filmへ商号を変更。
▼【訃報】関根明子(1日)
 声優。がん闘病中だった。この日所属事務所より発表。ゲーム「ときめきメモリアル」の如月未緒が有名。夫は同業の柴田秀勝。
▼【TV】『その警察官、ときどき野獣!』制作中止(4日)
 虎井シグマの同名マンガが原作。3月末にTVアニメ化が発表されたばかり。理由については「諸般の事情」としている。直前に原作の版元移籍が明らかになっていた。
▼【出来事】平野綾、離婚報告(5日)
 自身のSNSにて俳優の谷口賢志との離婚を明らかにした。昨年1月に結婚したものの、まもなく別居していた。
▼【訃報】NoB(9日)
 歌手。腎臓がんのため。61歳。MAKE-UPのボーカルとしてメジャーデビュー。『聖闘士星矢』の主題歌「ペガサス幻想」を担当。音楽プロデューサーなども務める。後年「轟轟戦隊ボウケンジャー」「天装戦隊ゴセイジャー」の主題歌も担当するなど、特撮ヒーローソングで活躍した。
▼【訃報】櫻井智(13日)
 声優。53歳。多臓器がんのため。アイドルグループ・レモンエンジェルとしてデビュー。グループ名を冠したアニメで声優も務めた。のち声優に転身。代表作に『マクロス7』のミレーヌ、『怪盗セイント・テール』の羽丘芽美など。
▼【劇場】『[劇場編集版]Summer Pockets』4週連続公開(15日)
 Keyによる恋愛アドベンチャーゲームが原作。4月から始まったTVアニメを4人のヒロインのエピソードごとにまとめ、シリーズの放映中に上映。
▼【訃報】長峯達也(20日)
 演出家。53歳。東映アニメーションで演出家として活躍。代表作に『ハートキャッチプリキュア!』『ドラゴンボール超』(ともにシリーズディレクター)、劇場版『ONE PIECE FILM Z』(監督)。
▼【ビジネス】庵野秀明がプロダクション・アイジーの取締役に(21日)
▼【TV】『ダンダダン』公式サイトで劇中楽曲について表明(22日)
 18話に登場した「Hunting Soul」について「YOSHIKI様及びX JAPAN様に対して事前のご説明に思いが至らなかったことでご心配をおかけしてしまった」と表明。X JAPANの「紅」を想起させる楽曲で、YOSHIKIがSNS上で取り上げたことから波紋を呼んでいた。
▼【出来事】『SEKIRO: NO DEFEAT』が制作手法について声明(22日)
 生成AIを一切使用していないと公式サイトで表明。SNSを中心に生成AI使用を疑う声が上がっていた。人気ゲームが原作で、8月に沓名健一監督によるアニメ化が発表されたばかり。
▼【出来事】「世界を変える30歳未満」にけろりらが選出(25日)
 ビジネス誌Forbes JAPANが選ぶ「Forbes JAPAN 30 UNDER 30」の1人にアニメーターのけろりらが選ばれた。
▼【ビジネス】東映アニメーション、大阪スタジオ設立(26日)
 東映アニメーション初の地方スタジオ。背景美術を中心にスタート
▼【TV】『こめかみっ!ガールズ』放映延期(27日)
 10月から2026年4月に変更。「視聴者の皆さまにより良い作品をお届けするため」「プロジェクト全体の進行を精査した結果」という。
▼【訃報】土師孝也(27日)
 声優。アプトプロ代表。心筋梗塞のため。アラン・リックマンの吹き替えでも知られる。近年の代表作に『忍たま乱太郎』のドクタケ城主(2代目)や『Princess Principal』のノルマンディー公、『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』の大魔王バーンなど。
▼【劇場】『不思議の国でアリスと Dive in Wonderland』(29日)
  篠原俊哉監督×P.A.WORKS制作。ルイス・キャロルの「アリス」2部作をベースにした事実上のオリジナル作品。

●9月

▼【TV】『姫騎士は蛮族の嫁』放映延期(3日)
 原作はコトバノリアキのマンガ。10月放映を予定していたが、「更なるクオリティの向上を図るため」放映延期を発表。2026年4月放映予定。
▼【ビジネス】フロンティアワークスが横浜アニメーションラボを子会社化(5日)  横浜アニメーションラボは『鬼人幻燈抄』などを制作。
▼【TV】『とんがり帽子のアトリエ』放映延期(6日)
 原作は白浜鴎のマンガ。7月に本年放映としてTVアニメ化を発表したばかりだったが、「より一層高いクオリティで作品の魅力をお届け」するため延期を発表。2026年放映を予定。
▼【TV】『週刊ラノベアニメ』で少女の左手がラケットに(7日)
 『週刊ラノベアニメ』は4つのショートアニメで構成されるオムニバス。「ファムファタル育成計画」9話で、テニスをしているキャラクターの左手がラケットになっている映像があり、話題を集めた。
▼【ビジネス】民放5局BS4Kから撤退方針(8日)
 開局以来赤字が続いているため、2027年1月の再認定を申請しない方向だとの報道。
▼【TV】『DIGIMON BEATBREAK』チーム名変更(10日)
 10月放映の「デジモン」シリーズ最新作で、主人公たちのチーム名をゴールデンドーンからグローイングドーンへ変更すると公式サイトで発表。変更前のものと同名の秘密結社が19世紀に実在した。
▼【ビジネス】フジテレビHDが東映アニメーション株を売却(10日)
 この日発表。資本の最適化のため、政策保有株式の売却を進めるという。清水賢治社長は引き続き東映アニメーションの社外取締役を務める。
▼【配信】『チェンソーマン』総集篇、配信開始(12日)
 劇場版『レゼ篇』の公開に合わせ、TVシリーズを2部構成で再編集。演出の見直しがなされ、単行本巻末エピソードを映像化した短編を追加。ファンから好評を得た。
▼【イベント】「HOKUSAI ぜんぶ北斎のしわざでした展」開催(13日)
 特設ミニシアターで、田辺修、大塚伸治が担当したアニメも上映。
▼【出来事】小野賢章、花澤香菜が離婚(14日)
 SNSにて、この日発表。2020年に結婚を発表し、人気声優同士のカップルとして話題を呼んだ。
▼【TV】『異世界マンチキン―HP1のままで最強最速ダンジョン攻略―』放映延期(16日)
 10月より放映予定だったが「更なるクオリティの向上を図るため」放映延期に。新たなスケジュールは未定。
▼【劇場】『ひゃくえむ。』(19日)
 『音楽』の岩井澤健治監督のメジャー第1作。魚豊のマンガ原作のアニメ化で、前作同様、ロトスコープ技法が用いられている。
▼【劇場】『チェンソーマン レゼ篇』公開(19日)
 原作は藤本タツキのマンガ。原作の中でも人気の高いエピソードで、興収98億超の大ヒットに。
▼【TV】『対ありでした。~お嬢さまは格闘ゲームなんてしない~』放映延期
(22日)
 3月に2025年放映と告知していたが、「関係各所とのスケジュール調整の結果」延期に。2026年を予定。8月から9月にかけて、10月放映を予定していた作品が相次いで延期を発表する事態となった。
▼【時事】NHKラジオ第2停波へ(30日)
 来年3月末の廃止が、この日の経営委員会で決定。支出削減が狙い。

●10月

▼【TV】『おそ松さん[4期]』12.5話放映(1日)
 最終回に12.5話として総集編を放映。公式SNSで「本当の最終回、第13話は絶賛制作中」と告知。
▼【TV】『矢野くんの普通の日々』放映開始(1日)
 田村結衣のマンガが原作。亜細亜堂制作で、松尾晋平の初監督作品。
▼【TV】サイバーエージェントがアニメ制作子会社Studio Kurm設立(1日)
 WIT STUDIOの岡田麻衣子が代表取締役社長に。アニメーターの亀田祥倫も同社に参加する。
▼【TV】『悪食令嬢と狂血公爵』放映開始(3日)
 当初4月放映を予定していたが、1月下旬に延期が発表されていた。
▼【ビジネス】オーバーラップ、東証グロース市場上場(3日)
 オーバーラップホールディングスはメディアファクトリーから独立するかたちで創業、オーバーラップ文庫やアニメ製作などを手がける。初値は公開価格を下回った。
▼【イベント】インディーアニメマーケットX!2025開催(4日)
 インディーズ作品の展示即売会で、昨年に続き2回目。
▼【出来事】斑尾アニフェス2025中止(6日)
 10月25、26日の開催が予定されていたが「制作運営上の諸事情」により中止に。斑尾エリアの魅力を再発信することを目的に2月に開催が発表されていた。
▼【劇場】『アイカツ!×プリパラ THE MOVIE 出会いのキセキ!』公開(10日)
 女児向けカードをベースにする2大TVアニメシリーズが、メーカーの垣根を超えてコラボレーション。
▼【劇場】『ホウセンカ』公開(10日)
 監督・木下麦、脚本・此元和津也の『ODD TAXI』コンビによるオリジナル長編。
▼【劇場】「月1エヴァ EVANGELION 30th MOVIE Fest.2025-2026」スタート(10日)
 エヴァンゲリオンシリーズの劇場作品を連続でリバイバル上映する企画。
▼【劇場】『轍を越えてゆけ』公開(10日)
 スタジオDOT制作、Vab.png監督のインディーズ作品。今年は他にも群青比良坂新『忘星のヴァリシア』、村松大翔思『ただいまを返す旅』、栗栖直也『後朝の花雪』、うったまー&みゃの『LOCA!』などのインディーズ作品が劇場上映されている。
▼【イベント】竹宮恵子、野沢雅子が文化功労者に選出(18日)
 竹宮恵子はマンガ家、野沢雅子は声優。声優の選出は黒柳徹子に続くもの。
▼【劇場】『ゾンビランドサガ ゆめぎんがパラダイス』公開(24日)
 サイゲームス×MAPPAによるオリジナルTVシリーズの劇場版。
▼【劇場】『もののけ姫』4Kデジタルリマスター版上映(24日)
 当初61館での上映だったが、週末動員ランキングで4位という好評を受け、11月7日より171館に拡大上映。
▼【TV】『ONE PIECE』来年の放映ペース変更を告知(28日)
 現在放映中のエッグヘッド編は年末で終了。来年1~3月を充電期間とし、新シリーズとなるエルバフ編は4月より放映開始。以後「原作1話分をアニメ1話分」とする方針へ変更、来年は年間最大26話となると告知した。
▼【配信】『スター・ウォーズ:ビジョンズ』Volume 3配信開始(29日)
 日本のアニメスタジオが競作する「スター・ウォーズ」のスピンオフシリーズで、ディズニープラスにて独占配信。大平晋也が監督を担当したエピソード「BLACK」がアヌシー国際アニメーション映画祭の短編部門にコンペインした。
▼【時事】戦隊シリーズが来年で終了との報道(30日)
 放送中の「ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー」を最後にシリーズが終了するとの報道が相次いだ。「スーパー戦隊シリーズ」は長期にわたって続いてきた東映の集団ヒーローもので、広義には1975年の「秘密戦隊ゴレンジャー」より始まるとされる。後番組は「超宇宙刑事ギャバン インフィニティ」。

●11月

▼【イベント】永井豪に旭日小綬章(3日)
 永井豪はマンガ家。『デビルマン』『マジンガーZ』などアニメ化作品多数。
▼【TV】『チコちゃんもまったりでおじゃる』放映(3日)
 NHKの人気バラエティ番組「チコちゃんに叱られる!」と『おじゃる丸』のコラボ企画。
▼【TV】『千歳くんはラムネ瓶のなか』放映延期(5日)
 11日より放映予定だった第6話以降の放映を12月2日以降に繰り下げ。理由について「制作上の都合および本編クオリティ維持のため」と公式サイトで発表。
▼【劇場】『トリツカレ男』公開(7日)
 いしいしんじの小説をシンエイ動画が劇場長編化。キャラクターデザインを担当した荒川真嗣による大胆なビジュアルも話題に。
▼【劇場】『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』公開(7日)
 中国の配信作品発の劇場アニメ第2弾。シンプルで温かみのあるキャラクターデザインと工夫をこらしたアクションで話題となった前作がさらにパワーアップ。アニプレックスが配給。
▼【劇場】『呪術廻戦』「渋谷事変」特別編集版&「死滅回游」先行上映(7日)
 前シリーズの総集編に1月からTV放映される「死滅回游」編の1、2話を加えたかたち。興収18.5億超のヒットに。
▼【配信】『藤本タツキ 17-26』配信開始(8日)
藤本タツキのマンガ短編8作を制作スタジオ各社がアニメ化する競作企画。Amazon Prime Videoで独占配信。配信に先駆け、10月には2部に分けて劇場上映された。
▼【訃報】仲代達矢(8日)
 俳優。肺炎のため。92歳。日本を代表する名優で「影武者」「乱」など黒澤明作品をはじめ、小林正樹、岡本喜八といった著名監督作に出演。アニメでは『哀しみのベラドンナ』『かぐや姫の物語』『ジョバンニの島』などで声優を務めた。
▼【訃報】八巻磐(11日)
 撮影監督。84歳。代表作に『シリウスの伝説』『幻魔大戦 HARMAGEDON』『カムイの剣』など。
▼【出来事】声の保護と多言語化協会設立(14日)
 声優や俳優の声の権利保護に加え、日本語以外の多言語化を目指す団体。生成AIの発展と声優業との両立を目指す。
▼【劇場】『果てしなきスカーレット』公開(21日)
 細田守監督の4年ぶりの最新作。公開規模に比べ興行が振るわず、その点も論議を呼んだ。
▼【イベント】第12回新千歳空港国際アニメーション映画祭開幕(21日)
 コンペティションのグランプリは長編部門『エンドレス・クッキー』、短編部門『God is Shy』
▼【訃報】西村知道(29日)
 声優。79歳。9月に体調を崩し一時休業すると発表されていた。『うる星やつら』の校長、『SLUM DUNK』の安西先生、『魔神英雄伝ワタル』のシバラク、『おじゃる丸』マイクなどで知られる。

●12月

▼【イベント】岩上敦宏に「映画の日」特別功労章(1日)
 岩上敦宏はアニプレックス社長。『鬼滅の刃』「国宝」の製作に対して。映画産業団体連合会による表彰で今年70回を数える。
▼【ビジネス】KADOKAWAがSOZOを買収(2日)
 SOZOはライブイベントを中心にエンターテインメント事業を手がけるシンガポールの会社。アニメ・フェスティバル・アジアを主催するなど、日本のコンテンツの東南アジアへの展開に強い。
▼【ビジネス】ツインエンジン、マンガ配信スタート(3日)
 2026年夏よりマンガ事業を本格的に始めると発表。
▼【劇場】『ズートピア2』公開(5日)
 ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの新作。すでに興収60億円超のヒットに。
▼【出来事】グロービジョンにフリーランス法違反で勧告(5日)
 グロービジョンはKADOKAWA子会社で音響制作の老舗。声優に取引条件を明示せず、期日までに報酬を支払わなかったとして、公正取引委員会が違反を認定、再発防止を勧告。
▼【出来事】ガイナックス破産手続終結(10日)
 法人は消滅し、42年の歴史に幕を閉じた。
▼【イベント】第1回あいち・なごやインターナショナル・アニメーション・フィルム・フェスティバル(12日)
 コンペティション金熊賞に『エンドレス・クッキー』が選ばれた。
▼【TV】『僕のヒーローアカデミア』完結(13日)
 原作と歩調を合わせつつ、全8期170話をかけたロングシリーズとなった。なお、2026年5月に単行本描き下ろしエピソード「その後のデクたちの物語」の映像化が予定されている。
▼【訃報】石原良(14日)
 声優、ナレーター。急性心不全のため。青二プロダクションの創設メンバーの1人。
▼【ビジネス】81プロデュースが米国系音声AI企業と業務提携(15日)
 大手声優事務所の81プロデュースがイレブンラボジャパンと業務提携したと発表。所属する声優の声をイレブンラボの技術を使い、必要に応じて多言語化するという。
▼【ビジネス】東宝、英配給会社を買収(19日)
 買収されたAnime Limitedは、イギリスやフランスでアニメを中心に日本作品の配給を行っている。
【出来事】公取委がアニメ業界に厳しい指摘(24日)
 公正取引委員会がアニメや映像などコンテンツ産業の制作に携わるクリエイターと発注者側との取引実態調査の結果を公表。独禁法やフリーランス法などに抵触する行為を指摘。今後も注視していく方針を示した。