２月下旬の劇場作品はバラエティに富んだラインナップだ。
　21日（金）から上映スタートするのは２作品。
　『銀魂／GINTAMA ON THEATER　２Ｄ　かぶき町四天王篇』は前回触れたので省略させていただく。



　もう１作が『ヒプノシスマイク　DIVISION RAP BATTLE』。武力による争いが禁じられた世界でマイクパフォーマンスによるラップバトルを繰り広げる男たちを描く、人気のメディアミックス企画の劇場版だ。地区を代表する７チームと支配者である女性チームを加えた、大規模なラップバトルが開かれるが……。話題は、観客のアプリ投票によって勝敗チームが変わるインタラクティブ上映であること。勝敗によって48パターンにストーリーが分岐、７つのエンディングが用意されているという。投票には専用アプリをスマホにダウンロードし、上映開始前にスクリーンに投影されるＱＲコードを読み取ることで参加できる。監督は『バイオハザード　ヴェンデッタ』の辻本貴則。辻本は同日公開の特撮作品「ウルトラマンアーク　THE MOVIE」でも監督を務めている。脚本は百瀬祐一郎。アニメーション制作はポリゴン・ピクチュアズ。
　翌週28日（金）からは３作品が上映開始。



　『あめだま』は東映アニメーションとダンデライオンアニメーションスタジオによる３ＤＣＧ短編で、あめだまを手にした少年ドンドンが出会う不思議な出来事を描く。原作者のペク・ヒナは人形アニメーション作家でもあり、セットを組み、人形を撮影するかたちで絵本を制作している。そのテイストを西尾大介監督以下のスタッフが巧みに映像化してみせたことは、予告からもわかるだろう。今年の第97回米国アカデミー賞の短編アニメーション部門にノミネートされたことでも話題を呼んでおり、注目だ。



　『アルドノア・ゼロ（Re+）』は、地球と火星の紛争に巻き込まれた少年たちを描くオリジナルロボットアニメ。2014年に放映されたＴＶシリーズのその後を描いた新作エピソード「雨の断章」にＴＶシリーズの総集編を合わせての上映となる。監督はあおきえい、ストーリー原案が虚淵玄、シリーズ構成が高山カツヒコ。アニメーション制作はTROYCA。



　もう１作が『親鸞　人生の目的』。修行に励みながら、煩悩に葛藤する親鸞の若き日の姿を描く。『なぜ生きる　蓮如上人と吉崎炎上』『歎異抄をひらく』に続くシリーズの第３弾で、浄土真宗の始まりと教えについて、独自解釈を加え映像化。監督は青山弘、脚本は塩味鷹虎と青山、アニメーション制作はオーロックス。

　最後に映画祭にも触れておこう。吉祥寺国際アニメーション映画祭が３月21日から23日までの３日間、東京・武蔵野市にて開催。短編のコンペティションを中心にした小さなイベントだが、今回で20回めを数える。他に牧野惇監督特集や『海がきこえる』『サマーウォーズ』上映＆トークショーなどを予定している。メイン会場は武蔵野公会堂。詳しくは公式サイトをチェックしてほしい。

≪劇場アニメリスト≫
2025年２月19日現在、編集部調べ