今年は『宇宙戦艦ヤマト』放映50周年。第1次アニメブームからおよそ半世紀を数えることになる。アニメを取り巻く状況も大きく変わった。来年は昭和100年、戦後80年という節目の年を迎える。
そんななか、『ルックバック』がアニメ界・興行界を驚かせた。『チェンソーマン』の藤本タツキの「マンガ家マンガ」が原作。単行本1冊に収まるコンパクトな内容を、押山清高監督が自身の会社・スタジオドリアンで劇場アニメ化。60分に満たない中編で、さしたる宣伝もないまま、興収20億を上げたのだ。
『ルックバック』をはじめとして、絵描きを主役に据えた作品が目立ったのも今年の特徴だろう。アニメーターを主人公に据えたちな監督の短編『ファーストライン』、MV制作に情熱を傾ける男子高校生を描くHurray!制作の『数分間のエールを』、イラストにトラウマを抱えた女子高生が仲間と共に再起を図る竹下良平監督のTVシリーズ『夜のクラゲは泳げない』など、いずれもオリジナル。インディペンデント作品ならいざ知らず、商業作品でこうした主題が扱われるようになったのは、ひとつにはデジタル化により、従来よりも集約したかたちで制作できるようになった点があるだろう。同時に映像制作が作り手にとっても視聴者にとってもより身近なものになっているという側面も見逃せない。
その『数分間のエールを』で脚本を担当した花田十輝の仕事の充実ぶりも目を引いた。『戦国妖狐』『響け!ユーフォニアム3』『ガールズバンドクライ』『ATRI -My Dear Moments-』『天穂のサクナヒメ』『ラブライブ! スーパースター!![第3期]』と6作のTVシリーズが放映、いずれも全話の脚本を担当した。特に『ガールズバンドクライ』は、「ラブライブ!」シリーズを支えたメンバーが東映アニメーションに場を移し、「ラブライブ!」の裏返しのような尖った登場人物とテーマを打ち出して話題になった。
前述の『ルックバック』『数分間のエールを』『ガールズバンドクライ』に加え、『化け猫あんずちゃん』『劇場版モノノ怪 唐傘』『ONE PIECE FAN LETTER』など、新しいルックへの模索が相次いだ。情熱的な作画と、明暗を活かした演出が光る劇場『ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』を加えてもいいだろう。
ビジネスに視野を広げれば、東宝の積極的な動きが目を引いた。TVシリーズでは『怪獣8号』『ダンダダン』とビッグタイトルを連発。劇場作品では『劇場版 ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』が興収100億を超える大ヒット。『映画 クレヨンしんちゃん オラたちの 恐竜日記』もシリーズ歴代1位となる興収25億を達成している。作品のヒットと並行して、『ダンダダン』を制作したサイエンスSARUを子会社化、コミックス・ウェーブ・フィルム、オレンジといった有力スタジオに次々出資、北米配給のGKIDSも傘下に収めるなど、投資も活発。気になるところがあるとすれば、『きみの色』『ふれる。』といった鳴り物入りのオリジナル劇場作品の興行不振だろうか。
KADOKAWAが大きく揺れたことにも触れておこう。動画工房を子会社化し、ベルノックスフィルムを設立、制作スタジオを5社抱えることになった一方、大規模なサイバー攻撃を受け、長期にわたるシステムダウンを余儀なくされた。年末にはソニーグループが筆頭株主になることが発表されている。同社の積極性と不安定さの両面が際立ったと言えるだろう。(B)
●1月
▼【ビジネス】村田雄介、アニメ制作スタジオを設立(1日)
村田雄介はマンガ家。『アイシールド21』『ワンパンマン』等で知られる。
▼【出来事】日高里菜と内田雄馬が結婚(1日)
日高里菜、内田雄馬は共に声優。この日、それぞれが自身のSNSで報告。他にも声優では、大和田仁美と阿座上洋平、影山灯、伊藤かな恵、能登有沙、上村祐翔、田村睦心、渕上舞、大塚剛央、橘龍丸と津田美波、尾崎由香、田中正彦、徳井青空、林勇、木戸衣吹などが結婚を明らかにした。なお、平野綾も1月に結婚を報告したが、9月に入って報道を受け、離婚協議中であることを明かしている。
▼【TV】『マッシュル[第2期]』放映開始(6日)
Creepy NutsによるOPテーマ「Bling-Bang-Bang-Born」が世界的なヒットに。
▼【イベント】『君たちはどう生きるか』米ゴールデングローブ賞受賞(7日)
ゴールデングローブ賞はハリウッド外国人映画記者協会が選出するTV・映画賞。最優秀アニメーション映画賞に選ばれた。
▼【ビジネス】SUNRISE BEYOND解散(9日)
親会社であるバンダイナムコフィルムワークスに吸収合併されるかたち。同社はXEBECの受け皿として発足していた。この日発表。4月1日づけで解散。
▼【訃報】宮本貞雄(9日)
アニメーター。虫プロダクション、タツノコプロ、サンリオ、東映動画などで活躍。その後、渡米し、ディズニー・コンシュマー・プロダクトでキャラクター商品に従事。
▼【訃報】高橋春男(12日)
マンガ家。76歳。有名人の似顔絵と時評を添えた風刺コラムで一世を風靡した。かつてオープロダクションに在籍、アニメーターとして働いていた。
▼【イベント】第78回毎日映画コンクール発表(19日)
大藤信郎賞に『君たちはどう生きるか』、アニメーション映画賞に『アリスとテレスのまぼろし工場』が選ばれた。また特別賞が鈴木敏夫に贈られている。
▼【劇場】『テンカウント』制作中止(19日)
原作は宝井理人のマンガ。2022年10月に劇場アニメ化が発表され、2023年公開を予定していた。中止の理由は「制作上の都合」だという。
▼【出来事】京都アニメーション放火殺人事件で被告に死刑判決(25日)
京都地裁から死刑が言い渡された。
▼【ビジネス】TBSと松竹がアニメ開発を目標に資本提携(25日)
TBSホールディングスと松竹が資本業務提携。アニメーションの共同製作やオリジナルキャラクターの開発をうたう。相互に株式を取得するかたち。
▼【劇場】『機動戦士ガンダムSFREEDOM』公開(26日)
SEEDシリーズ、20年ぶりの新作。興収50億超とガンダム劇場公開作品で歴代1位となるヒット。
▼【ビジネス】年間映画興行ランキング、アニメーションがトップ3を独占(30日)
日本映画製作者連盟が日本映画産業統計を発表。昨年の興行収入のトップ3は『THE FIRST SLAM DUNK』『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』『名探偵コナン 黒鉄の魚影』で、いずれも100億超を記録。トップ3がアニメーション作品というのは史上初めてだとした。
●2月
▼【ビジネス】ギャガ、アニメ・メディア事業部を新設(1日)
映像配給会社のギャガは組織を再編。アニメ事業室を解消し、アニメ・メディア事業部を新設。
▼【ビジネス】KONAMI animation設立(3日)
ゲーム会社・コナミデジタルエンタテインメントがアニメ制作会社を設立。
▼【TV】『わんだふるぷりきゅあ!』放映開始(4日)
シリーズ最新作。犬、猫が主演の一角を務め話題に。
▼【イベント】『THE FIRST SLAM DUNK』『名探偵コナン 黒鉄の魚影』にエランドール賞特別賞(8日)
日本映画テレビプロデューサー協会が行う表彰で、劇場作品やTVの俳優、プロデューサーが対象。
▼【訃報】石原凡(8日)
声優・俳優。68歳。病気療養中だった。
▼【劇場】『劇場版 ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』公開(16日)
興収100億超の大ヒットに。
▼【イベント】第51回アニー賞発表(17日)
長編作品賞は『スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース』。『君たちはどう生きるか』に絵コンテ賞(宮崎駿)、キャラクターアニメーション賞(本田雄)が贈られた。
▼【イベント】第43回藤本賞新人賞に『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』(19日)
藤本賞は劇場作品の製作者を顕彰するもの。『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』の製作により東映アニメーションの内藤圭佑が選ばれた。
▼【出来事】映像プロデューサー、児童ポルノ禁止法違反容疑で逮捕(21日)
女子高生にSNSで裸の画像を送らせたとして、伊藤耕一郎プロデューサーを和歌山県警が逮捕。伊藤プロデューサーはコミックスウェーブフィルム時代に『星を追う子ども』『君の名は。』などに参加。
▼【イベント】和田淳が第74回芸術選奨新人賞受賞(28日)
芸術選奨は文化庁による顕彰制度。メディア芸術部門の新人賞に『いきものさん』の成果を理由として和田淳が選ばれた。また同部門の文部科学大臣賞にはマンガ家の井上雄彦が選ばれており、『THE FIRST SLAM DUNK』ほかの成果が理由に挙げられている。
●3月
▼【訃報】鳥山明(1日)
マンガ家。急性硬膜下血腫により。68歳。週刊少年ジャンプでデビュー。アニメ化された『Dr.スランプ アラレちゃん』『DRAGON BALL』はともに大ヒットし、特に後者は世界中で人気を博した。またゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズのキャラクターデザインも手がけ、こちらも大ヒットとなった。
▼【訃報】TARAKO(4日)
歌手・声優。63歳。『戦闘メカ ザブングル』のチル、『まじかる★ タルるートくん』のタルるート、『それいけ! アンパンマン』のフランケンロボくんなど代表作多数。中でも『ちびまる子ちゃん』のまる子は広く親しまれた。なお、2代目まる子役は菊池こころが担当し、4月21日放映分より登場。
▼【イベント】東京アニメアワードフェスティバル2024開幕(8日)
11日まで。コンペティション部門グランプリに長編『リンダはチキンがたべたい!』と短編『氷商人』が選ばれた。
▼【イベント】第47回日本アカデミー賞発表(8日)
最優秀アニメーション作品賞に『君たちはどう生きるか』が選ばれた。
▼【イベント】第18回声優アワード発表(9日)
主演声優賞に市ノ瀬加那、浦和希が選ばれた。
▼【イベント】『君たちはどう生きるか』に第96回米アカデミー賞長編アニメーション賞(10日)
▼【訃報】いのまたむつみ(10日)
アニメーター、イラストレーター。葦プロダクション、カナメプロダクションを経てフリーに。『プラレス3四郎』『幻夢戦記レダ』『ウインダリア』のキャラクターデザインでアニメファンの注目を集めた。藤川桂介の小説「宇宙皇子」を契機にイラストレーターへ転身したのちも、『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』『ブレンパワード』でキャラクター原案を手がけている。
▼【イベント】第2回新潟国際アニメーション映画祭開幕(16日)
コンペティションのグランプリに『アダムが変わるとき』が選ばれた。
▼【出来事】81プロデュース、中村大樹との契約を解除(21日)
中村大樹は声優。中村が運営する私塾においてパワハラ、セクハラ、金銭トラブルなどがあったという。
▼【劇場】『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション[前章]』公開(22日)
浅田いにお原作マンガのアニメ化。前後編での公開だが、後章は4月19日を予定していたものの「よりお客様のご期待に応えられる作品をお届けするため」5月24日に延期。
▼【イベント】AnimeJapan 2024開幕(23日)
▼【イベント】マチ★アソビ開催中止(27日)
徳島県と実行委員会が明らかにした。マチ★アソビは県が支援するアニメ・ゲームを中心としたイベント。知事が替わったのを契機に見直しの動きがあり、春開催は中止に。秋以降は規模を見直しての開催に。
▼【TV】『烏は主を選ばない』でコミカライズ作者の参画を発表(29日)
原作は阿部智里の小説。設定や一部の場面で松崎夏未によるコミカライズを参考にしていたことが判明。協議の結果、事後的ではあるが松崎をデザイン原案・演出協力としてクレジットすることで合意した。
▼【TV】『パズドラ』300話(31日)
300話を迎え、300という数字を連呼するエピソードを放映。
●4月
▼【TV】『終末トレインどこへいく?』放映開始(1日)
監督・水島努、シリーズ構成・横手美智子、キャラクターデザイン・西田亜沙子によるオリジナル。一変してしまった世界で、喧嘩別れした友人を追って西武池袋線に乗って池袋へと旅する少女たちを描く異色作。
▼【ビジネス】東映アニメーション、株式分割(1日)
投資金額の引き下げのため、前月末日を基準に1対5の株式分割を実施。
▼【ビジネス】エイトビット、バンダイナムコフィルムワークス完全子会社に(1日)
2020年より業務提携関係にあった。
▼【ビジネス】スカパー・ピクチャーズ設立(1日)
スカパーJSATがアニメを中心とした映像コンテンツの企画・製作投資・販売を行うための新会社を設立。伊藤忠商事も出資。
▼【TV】『狼と香辛料 MERCHANT MEETS THE WISE WOLF』放映開始(2日)
原作は支倉凍砂の小説。高橋丈夫が総監督として再登板、キャストも可能な限り再登板するなど、2008年から2009年にかけて2期作られたTVシリーズをなぞるようなかたちで再アニメ化。
▼【TV】『転生したら 第七王子 だったので、 気ままに魔術を極めます』(2日)
アニメーション制作はつむぎ秋田アニメLab。制作進行を置かず、従来と大きく異なる制作工程を敷いたとして話題に。
▼【出来事】「井上俊之の作画遊蕩」刊行(2日)
NEWTYPE誌での連載対談をまとめたもので、アニメーターの井上俊之がアニメ作画について語り尽くす前代未聞の書籍。井上俊之は今年、トーク活動にも熱心だった。
▼【ビジネス】BLUE RIGHTS設立(3日)
MAPPA取締役企画部長であった木村誠が3月末で退任、独立。木村はフジテレビやMAPPAで『ギルティクラウン』『呪術廻戦』『チェンソーマン』などのプロデューサーを務めてきた。
▼【イベント】日本映画批評家大賞日本映画批評家大賞発表(4日)
アニメーション作品賞が『窓ぎわのトットちゃん』に贈られた。
▼【TV】『ガールズバンドクライ』放映開始(6日)
東映アニメーションのオリジナル企画。プロデューサー・平山理志、シリーズディレクター・酒井和男、シリーズ構成・花田十輝と「ラブライブ!」シリーズを支えたメンバーによるガールズバンドもの。劇中曲を担当するバンドメンバー5人が劇中のメインキャストも兼ねた。制作サイドが“イラストルック”と呼ぶ意欲的な3DCG表現や、主人公・仁菜の感情の起伏が激しく思春期らしいキャラクターが話題に。
▼【TV】『夜のクラゲは泳げない』放映開始(7日)
動画工房のオリジナル企画。竹下良平が監督を務め、『弱キャラ友崎くん』原作・脚本の屋久ユウキがシリーズ構成を担当。イラストレーター、シンガーなどアーティスト志向の少女4人がグループを結成、配信での成功を目指す。
▼【TV】『響け!ユーフォニアム3』放映開始(4日)
放送局をNHKに移してシリーズが完結。原作小説からラストを変更したことも話題に。
▼【訃報】村松康雄(11日)
声優。91歳。老衰により。戦後の草創期からバイプレーヤーとして活躍。「しまじろう」シリーズではサンタクロースを持ち役としており、2020年11月に行われた同番組のアフレコが最後のスタジオ収録だったという。
▼【劇場】劇場版『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』公開(12日)
150億超と歴代興収を更新。
▼【劇場】『クラユカバ』『クラメルカガリ』公開(8日)
主にインディーズ系で活躍してきた塚原重義監督の初長編2作が同時公開。
▼【TV】『怪獣8号』放映開始(13日)
「ジャンプ+」連載の話題作のアニメ化。SNS上で地上波との全世界リアルタイム配信を行った。
▼【出来事】『ストライクウィッチーズ』に対する著作権侵害で書類送検(17日)
警視庁が20代男性ら4人を書類送検。『ストライクウィッチーズ』の制作資料を複製しネットで販売して1000万円ほどの売り上げを得た疑い。容疑者のうち1人は容疑を否認している。
▼【イベント】カンヌ映画祭でスタジオジブリに名誉パルムドール(17日)
団体が顕彰されるのは初めてだという。
▼【訃報】山本圭子(18日)
声優。敗血症のため。83歳。TVアニメ草創期より活躍。『サザエさん』の花沢さんや『ちびまる子ちゃん』の山田など、長寿番組のキャラクターを長年務めた。アニメでは『天才バカボン』『元祖天才バカボン』のバカボンなど代表作多数。特撮番組「がんばれ!! ロボコン」のロボコンの声も有名。
▼【劇場】『劇場版ブルーロック ―EPISODE 凪―』公開(19日)
興収20億円を超えるヒットに。
▼【劇場】『ユーリ!!! on ICE』劇場版製作中止(19日)
理由については「諸般の事情」としている。2019年公開と告知されるも延期を重ねていた。
▼【TV】ゴールデン『サザエさん』ウィーク傑作選(29日)
10月に放映55周年を迎えることを記念し、この日から1週間、既放映のエピソードから同日放映のものを選んで再放映。11月にも同様の企画を行い、さらに11月26日にはバラエティ番組「国民的アニメの祭典 サザエさん55周年SP」を放映した。
●5月
▼【配信】『T・Pぼん』配信開始(2日)
藤子・F・不二雄のタイムパトロールを扱ったマンガが原作。1989年にTVスペシャルとして放映されて以来の映像化。主人公・ぼんの暮らす時代を現代に改め、全24話のシリーズとして作られた。監督は安藤真裕、シリーズ構成は柿原優子、アニメーション制作はボンズで、Netflixにて配信。
▼【配信】サンライズロボット研究所開設(8日)
サンライズ作品のロボットアニメに関する情報発信サイトを開設。実験動画「AURA BATTLER DUNBINE SIDE L」と題する映像を公開。
▼【ビジネス】BNFととつむぎ秋田アニメLabが業務提携(14日)
両社は『転生したら 第七王子 だったので、 気ままに魔術を極めます』を4月より放映中。アニメ関連IPの創出を目指すという。
▼【訃報】梅津秀行(17日)
声優。間質性肺炎のため。68歳。名バイプレーヤーとして長年活躍。近年では『まちカドまぞく』のナレーションが印象深い。
▼【訃報】増山江威子(20日)
声優。肺炎のため。89歳。病気療養中だった。児童劇団出身で、TVアニメ初期より活躍。『ルパン三世[新]』より峰不二子役を長く務めた。また『天才バカボン』から『レレレの天才バカボン』までバカボンのママ役を担当している。他に『悟空の大冒険』竜子、『アンデルセン物語』キャンティ、『キューティーハニー』の キューティーハニー、『一休さん』のナレーターなど代表作多数。
▼【ビジネス】ピクサーが大規模な人員削減(21日)
従業員の14%にあたる175人が対象。ストリーミング事業の縮小に伴うもの。ウォルト・ディズニー社はDisney+向けオリジナル作品を増やす方針を変更、劇場長編に注力する。
▼【出来事】古谷徹が謝罪(22日)
週刊誌報道を受け、一昨年まで4年にわたり不倫関係にあった女性に対し暴力をふるったことを認めて謝罪。「作品及びキャラクターのイメージを傷つけてしまった」として『名探偵コナン』の安室透役、『ONE PEACE』のサボ役を降板した。10月に入って「DORAGON BALL」シリーズのヤムチャ役も降板。
▼【出来事】i☆Ris公式アカウントで不適切な投稿(23日)
古谷徹の謝罪投稿を引用するかたちで「おじいちゃんなにやってるん笑」と投稿していた。スタッフ個人が誤って投稿したと事情を説明、この日謝罪した。
▼【ビジネス】東宝がサイエンスSARUを子会社に(23日)
東宝がサイエンスSARUの買収を発表。チェ・ウニョン代表から全株式を取得し、子会社化。
▼【劇場】『ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』公開(24日)
人気シリーズ初の劇場用長編。監督・山本健、脚本・吉村清子、キャラクターデザイン・山崎淳、アニメーション制作・CygamesPictures。興収13億円のヒットに。陰影やタッチを活かした迫力ある画面作りも話題になった。
▼【ビジネス】ガイナックスが自己破産(29日)
1984年創業。DAICON FILMメンバーを中心に結成。『オネアミスの翼 王立宇宙軍』を皮切りに『トップをねらえ! GunBuster』『新世紀エヴァンゲリオン』『天元突破グレンラガン』などを制作。一時代を築いた。2012年頃から経営が悪化。2020年にはカラーが経営に参画したが、業務の継続が困難と判断し、今回の決定に至った。
▼【訃報】鴫野彰(30日)
演出家。胆管がんのため。70歳。タツノコプロ、ぴえろ、シンエイ動画作品を中心に長く活躍。監督作に『魔法のアイドル パステルユーミ』『がんばれ!キッカーズ』『おそ松くん[新]』など。
●6月
▼【TV】『ささやくように恋を唄う』放映スケジュール変更(2日)
9話が23日、10話が30日放映に。11話、12話は12月28日深夜に放映。
▼【ビジネス】スタジオアサッテ設立(3日)
スタジオコロリドの鈴木孝輔が設立。『ペンギン・ハイウェイ』の石田祐康監督が所属する。
▼【TV】『鬼人幻燈抄』放映延期(5日)
7月より放映予定だったが「制作の遅延により」延期に。2025年に2クール連続で放映するとしている。
▼【TV】『魔導具師ダリヤはうつむかない』委託先に関する対応を表明(7日)
制作元の颱風グラフィックスから日本の制作会社を経て、中国の制作会社へ発注。さらにそこから中国の別の制作会社へ作業委託されていたと制作過程について説明。各社にスタッフリストの提出を求めたところ、応じない会社が1社あったことから、朝鮮人民共和国(北朝鮮)の制作会社の関与が否定できないと判断、該当部分を国内スタッフで作り直し、放映すると公式サイトで明らかにした。未放映の同作のデータが北朝鮮のサーバー上にあるとの報道を受けての対応。
▼【イベント】「描く人、安彦良和」展開催(8日)
アニメーター・マンガ家である安彦良和の大規模な回顧展。兵庫県立美術館を皮切りに、石見美術館でも開催。青森、北海道等も巡回予定。
▼【出来事】KADOKAWAで大規模システム障害(8日)
同社のデータセンターのサーバーがランサムウェアなどによる攻撃を受け、ニコニコ動画を中心に同社が運営する様々なサービスが停止。『Unnamed Memory』『怪異と乙女と神隠し』など放映中のTVアニメの公式サイトもダウンした。8月5日に25万人超の個人情報が流出したと発表。グループのポータルサイトが10月29日に再開した。
▼【出来事】声優アニメディア休刊(10日)
2004年に季刊誌として創刊。隔月刊化を経て、2007年から月刊化。2023年9月より再度季刊化していた。
▼【劇場】『数分間のエールを』(14日)
MVで知られる、ぽぷりか監督を中心にした少数映像制作チーム・Hurray!によるオリジナル長編。脚本を花田十輝が担当。MV制作に熱中する高校生を描く。
▼【イベント】『窓ぎわのトットちゃん』にポール・グリモー賞(15日)
アヌシー国際アニメーション映画祭にて、特別賞にあたるポール・グリモー賞が贈られた。昨年の『夏へのトンネル、さよならの出口』に続き、2年連続の選出。
▼【ビジネス】Studio 3Hz、A-1 Picturesへ事業譲渡(17日)
制作中の作品はA-1 Picturesにて継続される。
▼【訃報】三輪勝恵(19日)
声優。急性肺塞栓症のため。80歳。NHKの人形劇「ブーフーウー」のフーに抜擢され、声優業へ。代表作に『じゃりン子チエ』のヒラメ、『あさりちゃん』のあさりなど。特に『パーマン』では、1967年の第1作から2000年代の劇場版まで、長きに渡ってパーマン1号役を務めた。
▼【ビジネス】ニトロプラスがサイバーエージェントの子会社に(26日)
発行済株式の72.5%を167億円で取得。
▼【訃報】松野太紀(26日)
声優。右大脳出血のため。56歳。子役として活躍し、『星の王子さま プチ・プランス』の王子で声優デビュー。代表作に『さすがの猿飛』の服部優一郎、TVアニメ『金田一少年の事件簿』の金田一一など。
▼【劇場】『えいが それいけ! アンパンマン ばいきんまんと えほんのルルン』公開(28日)
35年の歴史で初めて週末の観客動員数ランキングで1位を獲得。配給側は2~4歳のメインターゲット以外に、高年齢未就学児や成人層の来場が例年より多く、アンパンマンとばいきんまんが力を合わせるエピソードが広く響いたと分析している。大人向け上映も行われ、6.7億円超とシリーズ歴代興収1位を記録。
▼【劇場】『ルックバック』上映開始(28日)
藤本タツキが「ジャンプ+」で発表し話題を呼んだ「マンガ家マンガ」が原作。60分に満たない中編だが、興収20億超のヒットに。
▼【劇場】『ファーストライン』公開(28日)
ちな監督初の劇場作品。東宝による才能支援プロジェクトの一環であるオムニバス企画「GEMNIBUS vol.1」中の1作。アニメーターを主人公に描くオリジナル短編。
●7月
▼【ビジネス】ベルノックスフィルムズ設立(1日)
KADOKAWAグループの新しいアニメ制作スタジオ。代表取締役にゴンゾ、デイヴィッドプロダクションの梶田浩司が就任。
▼【TV】『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』放映開始(3日)
当初は4月放映予定であったが、2月になって放映延期を発表していた。
▼【ビジネス】STUDIO DOTOU設立(4日)
CHOCOLATE、KASSEN、WACHAJACKなどCMやゲームなどを手がける3社が設立。ポニーキャニオンと業務提携し、劇場アニメ『KILLTUBE』を制作する。
▼【TV】『この世界は不完全すぎる』放映開始(6日)
春放映を予定していたが、2月になって見送りを発表していた。
▼【ビジネス】KADOKAWAが動画工房を子会社化(11日)
この日発表。KADOKAWAはすでに制作会社5社をグループ内に有しており、それらと連携を図っていくとしている。
▼【訃報】小原乃梨子(12日)
声優。病気療養中だった。88歳。児童劇団を経てTV草創期より活躍。妖艶な美女から弱気な男の子まで多彩な役柄を誇る。アニメでは『ドラえもん[新]』ののび太役が有名。他に「タイムボカンシリーズ」の三悪の女ボス、『未来少年コナン』のコナン、『ど根性ガエル』のひろしの母など代表作多数。
▼【TV】『負けヒロインが多すぎる!』放映開始(14日)
雨森たきびの小説が原作。A-1 Pictures制作。北村翔太郎は本作が初監督。主人公が一歩引いた立場から、ヒロインたちの恋愛模様を応援する姿を丁寧に描き、話題に。
▼【劇場】『化け猫あんずちゃん』公開(19日)
久野遥子と実写畑・山下敦弘が監督を務める。久野はこれが初監督。実写映像をベースとする制作手法も話題に。
▼【出来事】金田朋子が離婚(20日)
金田朋子は声優。俳優の森渉と2013年に結婚したが、この日、自身のブログにて離婚を発表。
▼【劇場】『劇場版モノノ怪 唐傘』公開(26日)
オムニバスTVアニメの1エピソード「化猫」から始まった話題作の劇場用初長編。中村健治監督の奔放なビジュアルは健在。劇場版が3部作であることも明らかになった。
▼【ビジネス】グローバル・アニメ・チャレンジ発足(31日)
文化庁が支援し、独立行政法人・日本芸術文化振興会の文化芸術活動基盤強化基金を活用して、若手アニメーター、プロデューサー、演出家を育成する試み。キネマシトラスが主体となる。
●8月
▼【ビジネス】FLAT STUDIOが独立(1日)
FLAT STUDIOはloundrawらが所属する制作スタジオ。クリエイターのマネジメントを業務とするTHINKRの傘下だったが、THINKRがエイベックスから独立するのを機に独立。
▼【TV】『キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦 SeasonⅡ』放映延期(6日)
「本編クオリティ維持のため、放送・配信を延期する」と公式サイトで発表。8月以降は『Season Ⅰ』のセレクション放送とし、『SeasonⅡ』は放送クールを改め、再度第1話からの放送・配信再開を予定しているという。5話まで放映し、8月7日深夜の放映を控えていたところでの告知だった。
▼【TV】『デリコズ・ナーサリー』放映開始(8日)
7月から開始予定だったが、「制作上の都合により」8月開始に変更。さらに6話まで放映したところで一旦中断し、10月より再開。8月から11月にかけて全13話を放映するという変則的な形態となった。
▼【劇場】『映画 クレヨンしんちゃん オラたちの 恐竜日記』公開(9日)
シリーズ歴代1位となる興収25億超を記録。
▼【訃報】田名網敬一(9日)
グラフィックデザイナー、映像作家、美術家。88歳。くも膜下出血のため。デザイナーとして活動を始め、イラストレーター、映像作家としても活躍。アニメーション作品も多数手がけた。8月7日より国立新美術館にて大規模な回顧展が始まったばかりだった。
▼【イベント】ひろしまアニメーションシーズン2024開幕(14日)
18日まで。
▼【劇場】『魔法少女まどか☆マギカ〈ワルプルギスの廻天〉』公開延期(16日)
2024年冬公開予定だったが、「制作上の都合により」2025年冬へと公開時期を変更すると公式サイトで発表。
▼【訃報】田中敦子(20日)
声優。61歳。所属事務所が公表。息子で声優の田中光によれば1年前から闘病中だった。アニメ、洋画吹き替えを通じ、戦う女性を演じることが多く、中でも「攻殻機動隊」シリーズの草薙素子は当たり役だった。アニメでの近年の代表作に『名探偵コナン』のメアリー・世良、『葬送のフリーレン』のフランメなど。
▼【ビジネス】東宝とバンダイナムコが資本業務提携(23日)
東宝とバンダイナムコホールディングスが資本業務提携で合意。相互に株式を持ち合うかたち。共同での企画開発を目指す。
▼【劇場】『きみの色』公開(30日)
山田尚子監督、独立後の初長編にしてオリジナル。
▼【ビジネス】尾崎雅之、バンダイナムコピクチャーズを退社(31日)
尾崎雅之はバンダイナムコピクチャーズ(旧・サンライズ)取締役。『かいけつゾロリ』『TIGER & BUNNY』『ケロロ軍曹』などをプロデュース。
●9月
▼【訃報】篠原恵美(8日)
声優。61歳。所属事務所が公表。病気療養中だった。『PROJECT “A-ko”』のB子役でデビュー。『美少女戦士セーラームーン』の木野まこと役で知られる。
▼【ビジネス】コンテンツ産業官民協議会・映画戦略企画委員会合同開催(9日)
映画・アニメ・音楽・ゲーム・マンガなど、映画およびコンテンツ産業にかかわる政府の機能の明確化、強化を掲げ、官民で議論する場がはじめて設けられた。国際競争力の強化のため、クリエーターの育成や待遇改善に取り組むという。
▼【訃報】澁谷幸弘(15日)
美術監督。石垣プロダクション取締役。持病の悪化により。代表作に『名探偵コナン』『夏目友人帳』など。
▼【出来事】ナガノアニエラフェスタで刺傷騒ぎ(22日)
ナガノアニエラフェスタは2017年より長野県でスタートしたアニメソングの野外イベント。21日から2日間の予定で開催されたが、会場内で男性が切りつけられる事件が発生し、中止となった。
▼【出来事】山本格のマネジメント契約を解除(22日)
山本格は声優。所属事務所のアイムエンタープライズが発表。「重大な契約違反が認められた」ためとし、今後の芸能活動についても廃業となるとしている。公開中の『トランスフォーマーONE』の吹替版でサウンドウェーブ役を担当していたが、上田耀司に急遽差し替える異例の発表があった。
▼【訃報】大山のぶ代(29日)
俳優・声優。老衰のため。90歳。俳優座養成所時代より、舞台、TVドラマなどに出演。人形劇「ブーフーウー」のブー役で、そのハスキーな声が知られるようになる。『ドラえもん[1979年版]』のドラえもん役で国民的に知られ、2005年のキャスト交代まで長く親しまれた。アニメの代表作は他に『ハリスの旋風』の石田国松、『無敵超人ザンボット3』の神勝平など。料理研究家としても活躍した他、エッセイや脚本など文筆家の顔も持つ。2015年にアルツハイマー型認知症であると公表していた。
●10月
▼【ビジネス】ボンズフィルム設立(1日)
ボンズが制作部門を分離。
▼【ビジネス】小川正和、バンダイナムコフィルムワークスを退社(1日)
小川正和はバンダイナムコフィルムワークス(旧・サンライズ)プロデューサー。『ガンダムビルドファイターズ』『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』などをプロデュース。
▼【訃報】山下敏成(1日)
アニメーター。『菜々子解体診書』や『ダイバージェンス・イヴ』でキャラクターデザインを務める。所属するゼロジーが発表。
▼【TV】『歴史に残る悪女になるぞ』放映開始(2日)
監督の柳瀬雄之が全13話中6話の原画をひとりで担当、演出・作画監督も兼任。うち5話は絵コンテも担当しており、驚異的な仕事ぶり。
▼【TV】『ダンダダン』放映開始(4日)
「ジャンプ+」連載の話題作。山代風我はこれが初監督。
▼【TV】『メカウデ』放映開始(4日)
福岡のTriF Studioが原案・制作を手がけたオリジナル。つむぎ秋田アニメLabなど、地方に拠点を置く制作会社の活躍が目立った。
▼【劇場】『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』真生版公開(4日)
300カット超をリテイク。レーティングもPG12からR15+に変更。
▼【劇場】『ふれる。』公開(4日)
長井龍雪、岡田麿里、田中将賀のチームによる新作長編。
▼【TV】『らんま1/2[2024]』放映開始(6日)
1989年版以来のTVアニメ化。メインキャストは前作をおおむね踏襲。
▼【ビジネス】青二プロ所属声優をAI音声に活用(7日)
CoeFontと青二プロが提携。所属声優の音声データを用いてAI音声を生成、音声ナビ用に提供する。多言語化にも対応する。
▼【TV】『殿と犬』放映開始(10日)
西田理英のマンガを原作にしたショートアニメシリーズ。主人公の殿のキャストのみ異なる4つのバージョンを同一週に放映。
▼【ビジネス】ぴえろと旭プロダクションが業務提携(11日)
「高品質な作品を安定的に制作できる体制の強化を進める」ためという。
▼【TV】『科学冒険×サバイバル』で訂正(12日)
5日放映の第1話で取り上げた「雷から身を守る姿勢」に誤りがあったとして、お詫びを放映。さらに26日放映にも昆虫の描写に誤りがあったとして訂正。また、12月7日には予定を変更して12話を放映、10・11話は未放映となっている。
▼【訃報】池田繁美(13日)
美術監督。69歳。SNSで家族が報告。アトリエムサを主宰。『聖戦士ダンバイン』『魔神英雄伝ワタル』『ΠΛΑΝΗΤΕΣ』など、サンライズ作品を中心に活躍。
▼【イベント】『Origami』に米国学生アカデミー賞銀賞(14日)
学生アカデミー賞はアメリカ映画芸術科学アカデミーが主催。金森慧監督の『Origami』がアニメーション部門銀賞を受賞した。来年のアカデミー賞の短編部門候補となる。同作はデジタルハリウッド大学の卒業制作。
▼【訃報】中川李枝子(14日)
児童文学作家。89歳。老衰のため。「いやいやえん」でデビュー。「ぐりとぐら」シリーズで知られる。『となりのトトロ』では「さんぽ」の作詞を手がけた。
▼【ビジネス】東宝がコミックス・ウェーブ・フィルムに出資(15日)
CWFは新海誠作品の制作で知られる。創業者の川口典孝会長からの申し出を受け、6%超を取得した。CWFは5月に創業者の川口から社長が交代、美術スタジオ・美峰への資本参加を発表したばかり。
▼【ビジネス】東宝がGKIDSを子会社化(15日)
子会社であるToho InternationalがGKIDSを完全子会社化する。GKIDSは北米でアニメーション配給を手がける配給会社。インディーズに強く、スタジオジブリやカトゥーン・サルーン製作作品の北米配給を手がけたことで知られる。
▼【訃報】西田敏行(17日)
俳優。76歳。青年座を代表する役者のひとりであり、「おんな太閤記」「池中玄太80キロ」などのTVドラマでお茶の間にも親しまれた。他に劇場作品「釣りバカ日誌」シリーズなど代表作多数。日俳連の代表としても活躍した。アニメでは劇場版『がんばれ!! タブチくん』3作でタブチくんを演じている。
▼【出来事】「ボルテスVレガシー」公開(18日)
「ボルテスVレガシー」は『超電磁マシーン ボルテスV』をフィリピンで実写リメイクしたTVシリーズ。その冒頭をまとめた総集編が逆輸入され、劇場上映。
▼【TV】『ONE PIECE FAN LETTER』放映(20日)
ノベライズ短編を元にした特別編。監督・石谷恵、作画監督・森佳祐、脚本・豊田百香という東映アニメーション研究所の同期が集結。充実した画面作りが目立つ近年の『ONE PIECE』の集大成的な仕上がりで、視聴者を驚かせた。
▼【訃報】木村昇(21日)
歌手。72歳。この日、公式SNSにて10月中旬に亡くなったと発表。TALIZMANのボーカルとして「ウルトラマン80」の主題歌を担当、作曲も手がけた。アニメでも『ルパン三世[新]』や『未来警察ウラシマン』『科学救助隊テクノボイジャー』などの主題歌を様々な名義で担当している。
▼【イベント】ちばてつやに文化勲章(25日)
ちばてつやはマンガ家。『ハリスの旋風』『あしたのジョー』など代表作多数。アニメ化作品も多い。
▼【ビジネス】オーバーラップHDがMUSA傘下に(28日)
オーバーラップホールディングスは出版やアニメなどを手がけるオーバーラップの持株会社。
▼【訃報】楳図かずお(28日)
マンガ家。88歳。胃がんのため。恐怖マンガの第一人者として知られる。文化庁長官表彰など、顕彰多数。恐怖におののく表情はアイコンとして広く引用されている。代表作に『漂流教室』『わたしは真悟』。『まことちゃん』は劇場アニメ化もされた。また『アンデス少年 ペペロの冒険』では主題歌の作詞を手がけている。
▼【イベント】第37回東京国際映画祭(28日)
11月6日まで。ラトビアのギンツ・ジルバロディス監督『FLOW』のジャパンプレミア上映を含め、内外の作品を多数上映。
▼【出来事】“ネタバレサイト”運営者を逮捕(29日)
『OVERLOADⅢ』や『「劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』などのセリフを詳細に文字起こししてサイトに掲載し、著作権を侵害したとして、宮城県警が運営者を逮捕。これを受けて『OVERLOAD』アニメ公式サイトは通常のファン活動を制限することはないと表明。一方、容疑者の弁護人は、報道は警察の言い分そのままであり、捜査の仕方もきわめて乱暴だと抗議している。
●11月
▼【訃報】喜多道枝(6日)
声優。89歳。老衰のため。TVアニメ草創期から活躍。『フランダースの犬』のネロ、『花の子ルンルン』のトゲニシアなどで知られる。
▼【劇場】『ロボット・ドリームズ』公開(8日)
スペインのパブロ・ベルヘル監督が初めて手がけたアニメーション。小規模公開ながら話題を呼び、国内興収が1億円を突破した。
▼【訃報】谷川俊太郎(13日)
詩人。92歳。老衰のため。「二十億光年の孤独」でデビュー。「マザー・グースのうた」「ピーナッツ」の翻訳でも知られる。『鉄腕アトム』『ビッグX』などの主題歌の作詞を手がけたほか、実写とアニメを用いた市川崑監督の『火の鳥』では脚本を担当。
▼【訃報】堀絢子(18日)
声優。89歳。老衰のため。TVアニメ草創期より活躍。『マッハGoGoGo』のクリ坊、『ムーミン[1期、2期]』のミイ、『ガンバの冒険』のイカサマなど、代表作多数。特に『新オバケのQ太郎』のQ太郎、『忍者ハットリくん』のハットリカンゾウ、『チンプイ』のチンプイなど、藤子不二雄作品での活躍で知られる。また、『プリンプリン物語』のカセイジンなどNHKの人形劇との縁も深い。
▼【訃報】柏原満(18日)
音響効果技師。91歳。『鉄腕アトム』の音響に携わったことからこの世界へ。代表作に『サザエさん』『宇宙戦艦ヤマト』『ドラえもん[新]』など。
▼【TV】『ハイガクラ』8話以降放映延期(18日)
制作会社と製作サイドが協議し、「クオリティの維持や本作の魅力をお届けできる制作を行うための時間が必要である」と判断したという。この日発表。8話が放映される予定だった25日以降は1話より再放映する。
▼【訃報】久里洋二(24日)
アニメーション作家、マンガ家、イラストレーター。老衰により。96歳。1960年に柳原良平、真鍋博とともにアニメーション三人の会を結成、インディペンデントアニメーションに大きな足跡を残した。1967年度の大藤信郎賞受賞。人形劇「ひょっこりひょうたん島」のオープニングでも知られる。
▼【ビジネス】日テレ系列地方局4社が経営統合へ(29日)
日本テレビホールディングスは、札幌テレビ放送、中京テレビ放送、読売テレビ放送、福岡放送の系列4社が持ち株会社を設立し、経営統合すると発表。来年4月1日に読売中京FSホールディングスを設立、日本テレビホールディングスがその20%以上の株式を保有する。
●12月
▼【TV】『ONE PIECE』フランキー役交代(8日)
『ONE PIECE』フランキー役から矢尾一樹が降板。後任は木村昴に。
▼【訃報】間宮芳生(11日)
作曲家。95歳。肺炎のため。日本の民謡を題材にした現代音楽で知られる。アニメでは高畑勲監督と組んだ『太陽の王子ホルスの大冒険』『火垂るの墓』が有名。
▼【イベント】大藤賞とアニメーション映画賞を一本化(14日)
毎日映画コンクールがリニューアルを発表。来年の授賞からアニメーション部門を大藤信郎賞に一本化する。アニメーション映画賞は1989年にそれまでの大藤賞と並ぶかたちで創設、主に長編に授与されてきた。
▼【ビジネス】東宝がオレンジに出資(17日)
株式取得と増資により、オレンジの20%弱の株式を保有する。
▼【ビジネス】ソニーグループがKADOKAWAと資本提携(19日)
ソニーはKADOKAWAの株式の10%を取得、筆頭株主になる。来年1月7日に実施すると発表。11月に買収報道があり、両社の動向が注目されていた。
▼【配信】『UZUMAKI』配信開始(20日)
Netflixにて独占配信。原作の伊藤潤二の絵柄を活かしたビジュアルに注目が集まる。
▼【出来事】オフィスPAC事業停止(20日)
来年3月をもって事業を停止すると発表。同社は秋元羊介、遠藤綾らが所属する声優事務所で東北新社の子会社。
▼【訃報】森田拳次(23日)
マンガ家。老衰のため。85歳。代表作の『丸出だめ夫』『ロボタン』はTVアニメにもなった。
▼【TV】『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅤ』12話放映延期(24日)
この日、公式サイトで発表した。「制作上の理由により」と説明。12話の放映日は未定となっている。11月に9話の放映日を1週間延期したばかりだった。
▼【TV】『戦国妖狐』最終回放映(27日)
この日の22話で最終回を迎えた『戦国妖狐』を含め、今年花田十輝が全話脚本を担当した作品はTVシリーズ6作と劇場版1作。本人いわく放映脚本数が100本を超える大活躍だった。
▼【劇場】『ロード・オブ・ザ・リング ローハンの戦い』公開(27日)
実写劇場作品「ロード・オブ・ザ・リング」3部作の前日譚。原作の追補編に書かれた記述を大きく膨らませたもので、企画・製作や脚本はハリウッドサイドが担うも、監督には神山健治が抜擢され、アニメーション制作もStudio Sola Entertainmentが担当。