寒暖差の大きな日が続く11月。劇場アニメの公開も濃淡が激しい。11月後半はぐっと本数が増えた。さくさく紹介していこう。



　11月22日（金）からは『銀魂／GINTAMA ON THEATER　２Ｄ　金魂篇』が上映開始。人気ＴＶシリーズ『銀魂』のエピソードを再編集して送る「銀魂オンシアター２Ｄ」の第３弾。金髪ストレートパーマの侍・坂田金時。万事屋を営む彼の前に、銀髪天然パーマの男が現れる。彼は坂田銀時と名乗り、敵愾心をむき出しにしてきた。監督は藤田陽一。制作はバンダイナムコピクチャーズ。



　同じく22日から『ヤマトよ永遠に　REBEL3199　第二章　赤日の出撃』もスタート。『宇宙戦艦ヤマト』のリメイクシリーズの最新作。『ヤマトよ永遠に』をベースに全７章で再構成したうちの第２章となる。今回はかつての『ヤマトよ永遠に』のキーパーソンだったサーシャがいよいよ登場。演じるのはかつてサーシャを演じた潘恵子の娘である潘めぐみと発表されている。どのようなかたちで登場するのか、ファンならば気になるところだろう。総監督・シリーズ構成は福井晴敏、アニメーション制作はstudio MOTHER。
　翌日23日（土）からは『鼠小僧次郎吉』が公開。山中貞雄は戦前に活躍した実写監督で、名声は高いが残されているフィルムは少ない。そこで、残された脚本をベースにアニメ化したのが本作だ。監督はアニメ界の巨匠・りんたろう。アニメーション制作はスタジオＭ２。製作はジェンコとフランスのMiyu Productions。昨年、第１回新潟国際アニメーション映画祭で上映された短編である。東京・渋谷のユーロスペースにて、山中貞雄作品やりん監督の代表作と合わせての上映となる。



　翌週29日（金）から『俺だけレベルアップな件　-ReAwakening-』が上映スタート。韓国発の人気ネット小説のアニメ化。ゲートを通って現れるモンスターを退治すべくハンターが活躍する世界。一度、特殊能力に目覚めれば、そのレベルが上がることはない――はずだった。だが、最弱ランクのハンターである旬は、ある日、レベルアップできる能力を身につけていた。今年１月から放映されたＴＶシリーズの総集編に、来年放映予定の第２期の冒頭にあたる13、14話を加えたものとなる。監督は中重俊祐、シリーズ構成は木村暢、アニメーション制作はA-1 Pictures。
　同じく29日（金）スタートが『劇場総集編　幻日のヨハネ　SUNSHINE in the MIRROR』。「ラブライブ！」シリーズの第２作『ラブライブ！サンシャイン!!』のスピンオフとして昨年放映されたＴＶシリーズの総集編。夢破れヌマヅに戻ってきたヨハネだが、そこでの新たな出会いが待っていた。監督は中谷亜沙美、シリーズ構成は大野敏哉、アニメーション制作はサンライズ。



　同じく29日（金）から『PUI　PUI　モルカー　ザ・ムービー　 MOLMAX』が公開。キッズ向けストップモーション作品ながら大きな話題を集めた『PUI　PUI　モルカー』が、３ＤＣＧとなってスクリーンに登場。モルモットとも車ともつかない不思議な乗り物モルカー。消えてしまったモルカーを探すため、モルカーのポテトたちは捜索に乗り出すが……。ＴＶシリーズ第１作で原案・監督を務めた見里朝希は今回は総監修。監督はまんきゅう、脚本は柿原優子が担う。制作はモンスターズエッグ。
　気になるイベントの話題にも触れておこう。来月12月14日（土）に東京・シネクイントにて「渋谷パイロットフィルムフェスティバル」が開催される。パイロットフィルムとは、実制作に入る前にテストとして作られる映像作品のこと。今回はアニメを中心に宮崎駿が関わった『ユキの太陽』から岩井澤健治監督の『ひな』まで、多彩な作品が集結。その後、実際の作品に結実したものもあれば、パイロットフィルムだけに終わったものもある。全７プログラムだが、すでにいくつかは完売している。ユニークな企画だけにどうかお見逃しなく。



　最後にアニメーションではない作品も紹介しておこう。11月30日（土）から「ニッツ・アイランド　非人間のレポート」が、東京のシアター・イメージフォーラムで公開。バーチャル・ゲームの世界に飛び込んだ監督たちが、そのゲームのプレイヤーたちにインタビューを試みるというドキュメンタリーだ。スクリーンに映し出されるのは３ＤＣＧの映像というのがポイント。厳密にはアニメーションとは呼べないものの、アニメーション映画祭でも上映されている“問題作”だ。アニメーションと非アニメーションの境界について考えたい人なら注目だろう。

≪劇場アニメリスト≫
2024年11月21日現在、編集部調べ