６月下旬の劇場作品は中短編が集まった。



　21日（金）から『大室家　dear friends』が上映スタート。『dear sisters』に続く２作目だ。なもり原作の人気作『ゆるゆり』のスピンオフで、なにかとお騒がせな少女・大室櫻子とその姉妹をフィーチャーした中編だ。１作目と同じく、監督・コンテを龍輪直征が、シリーズ構成・脚本を横谷昌宏が担う。アニメーション制作はパッショーネとスタジオリングス。



　同じく21日スタートが『銀魂／GINTAMA ON THEATER　２Ｄ　一国傾城篇』。ＴＶシリーズ『銀魂』の人気エピソードを再編集して劇場上映する企画の第２弾だ。伝説の花魁・鈴蘭からある男の捜索を頼まれた銀時たち。だが、それは将軍家の秘密へとつながっていた。監督は藤田陽一。前作同様、（いつものような）おまけ映像もついている。



　翌週28日（金）から『それいけ！　アンパンマン　ばいきんまんとえほんのルルン』が公開。劇場用アンパンマンの第35作めとなる。絵本に吸い込まれたばいきんまんは、妖精ルルンに頼まれ、不本意ながら絵本の世界を守るために奮闘することに。劇場用『アンパンマン』で川越淳と米村正二が監督・脚本でコンビを組むのは、2016年の『おもちゃの星のナンダとルンダ』以来。



　同じく28日より「GEMNIBUS vol.1」の上映がスタート。東宝が新時代のクリエイター支援を掲げ、４本の短編を集めた実験的なオムニバス企画だ。その中の１作がアニメ『ファーストライン』。『ヤマノススメ　サードシーズン』などで活躍した若手アニメーター・ちなが、若手ピアニスト・角野隼斗とタッグを組んだ短編だ。TOHOシネマズ日比谷・TOHOシネマズ梅田の２館で３週間の限定ロードショー。



　最後に紹介するのが、同じく28日より公開の『ルックバック』。原作は『チェンソーマン』などで知られる藤本タツキによる読み切りマンガ。ＷＥＢで公開されるやいなや大きな話題を呼んだことも記憶に新しい。小学生の藤野と京本は、学校新聞の４コママンガを通じて互いを意識し、ひょんなことから合作を始める。一緒に創作の道を歩むかに思えた２人だったが、その道は途中で分かれ……。『鋼の錬金術師　嘆きの丘の聖なる星』などで知られる押山清高が監督・脚本・キャラクターデザインを手がける。アニメーション制作も押山が代表をつとめるスタジオドリアン。中編ならではの密度と緊張感が予告からもうかがえるだろう。アニメスタイル読者なら見逃せない１作だ。

≪劇場アニメリスト≫
2024年６月19日現在、編集部調べ