COLUMN

アニメ様の『タイトル未定』
404 アニメ様日記 2023年2月19日(日)

2023年2月19日(日)
朝の散歩では「クレヨンしんちゃん TV・映画主題歌集だゾ」を聴いた。その後、サブスクにあったアルバム「クレヨンしんちゃん」「同・2」「同・3」で気になった曲を聴く。『新世紀GPX サイバーフォーミュラ』関連の歌を歌っていたダイナマイト・シゲが『クレヨンしんちゃん』のアルバムにも参加している。さらにダイナマイト・シュウ、ダイナマイトヨウも参加。『サイバーフォーミュラ』の頃はダイナマイト・シゲを謎のシンガーだと思っていたけど、ネットで検索をしたらあっという間に正体が分かった。
昼の散歩ではApple Musicのプレイリスト「はじめての『プリキュア』シリーズ」を聴く。これはいい。テンションが上がる。『プリキュア』シリーズは10作目の『ドキドキ!プリキュア』辺りまではレンタルCDをパソコンに入れて、主題歌をまとめたプレスリストを作っていた。今はサブスクで、もっと凄いプレイリストを聴くことができるのね。

2023年2月20日(月)
前日の『サザエさん』Bパート「姉さん、噂の女」(脚本:浪江裕史)はサザエさんの失敗が街中の人達の笑顔に繋がっているという話で、伊佐坂先生がそんなサザエさんのことを新聞に書いて「彼女は街の太陽のようだ」と評する。もしも、『サザエさん』に最終回があるなら、こんな話ではないかなあと思える内容だった。サブタイトル前と、最後の部分が原作パートなんだろうけど、最後の部分とメインパートとの繋がりがよくなかったのだけが残念。Cパート「磯野家は五つ星」(脚本:小林英造)はタイトル通りの「磯野家は五つ星級の楽しい一家だ」という話で、これも『サザエさん』の総括っぽいエピソード。ちなみにAパート「カツオ引退づくし」(脚本:雪室俊一)は「スタジャン」「野球」「引退」の三題噺みたいな話。雪室さんらしいモチーフの選び方とそれを使った展開が流石だった。
TOHOシネマズ新宿の9:30からの回で『BLUE GIANT』(Dolby-ATMOS)を鑑賞。音がとにかくいい。それだけで観てよかったと思えた。ただし、CGはきびしいところがあり。話も途中まではかなりいい。終盤で「あれ?」と思うところがあったけど、トータルでの印象は悪くない。この映画を観て、缶コーヒーが飲みたくなったし、ジャズを聴きたくなった。事務所に戻ってサブスクで検索したら、既にこの映画のサントラがあって、さらに原作関連のアルバムが何枚も上がっていた。便利すぎる。こんなに便利でよいのか。
午後は「アニメスタイル017」で『モブサイコ100 III』の蓮井隆弘監督の取材。『モブサイコ100 III』の取材は先週の立川総監督、亀田祥倫さんに続く、3本目。蓮井監督が語る亀田さんの仕事が興味深かった。
先週の放送でもアナウンスされていたけど、TOKYO MXの『新世紀エヴァンゲリオン』の第弐拾話「心のかたち 人のかたち」は通常枠ではなく、深夜の放送だ(放送は2月21日)。深夜に放送されることは前からアナウンスされていて、特番でも入るのかなと思っていたのだけれど、レコーダーの番組表で確認したら、セットで放送されている『マジンガーZ』はいつもの枠のままだ。これは内容に配慮した時間移動なのね。やるなあ、TOKYO MX。正しい判断です(霊幻風)。

松本零士先生が亡くなられたことを知る。素晴らしい作品を沢山残された方だ。それだけでなく、僕らの世代に与えた影響があまりにも大きい。僕達にとっての「オタク的なもの」のかなりの部分が松本先生がルーツであると思う。心よりご冥福をお祈り致します。

2023年2月21日(火)
体調のこともあって引き籠もり気味なワイフを連れ出して、パスタ屋でランチ。店に入ってから気がついたけど、パスタ屋でパスタを食べたのはかなり久しぶり。その後、「ヤマノススメ Next Summit展 in AKIHABARA」に行った。原画の展示もあったけれど、作画マニア向けではなくて、作品のファンのためのイベントだった。それ自体は問題ない。松本憲生さんの原画を見ることができただけでも行ってよかった。
『コタローは1人暮らし』3話を観る。この話に限ったことではないけれど、他の深夜アニメと並べると「普通の面白さ」が際立つ。ぼんやりとテレビをつけていたら、バラエティ番組「ぽかぽか」に花澤香菜さんにしか見えない人が出ていて、確認したらやっぱり花澤香菜さんだった。1月から番組レギュラーをされていたのね。たった一度だけ観た印象で書いてしまうが、「声優さんがバラエティに出ている」のではなく、「綺麗なタレントがバラエティに出ている」という感じで、それに感心した。
新作鑑賞の前に、前作「アントマン&ワスプ」を配信で視聴。最初のほうでかかる曲は「人気家族パートリッジ」の主題歌だね。

2023年2月22日(水)
原画集や原画の展示について色々と考える。自分の会社で原画集を作るのもいいけど、原画集や原画展示のお手伝いをする仕事もしてみたい。
吉松さんとグランドシネマサンシャインで「アントマン&ワスプ:クアントマニア」【IMAXレーザーGT3D字幕版】を鑑賞。映画の感想としては、主人公の娘が可愛い。冒頭の日常描写の立体視がよくできていた。作品全体としては話と音楽も地味だったかな。

2023年2月23日(木)
『うる星やつら』を観る。あたるの声が阿良々々木さん(失礼、かみました)阿良々木さんみたいにだと思った。それも悪いことではない。
事情があって、DVDレンタルで「28 1/2 妄想の巨人」と舞台「鉄人28号」を鑑賞。いずれも押井守監督の作品だ。「28 1/2 妄想の巨人」は公開当時に映画館で観ているし(試写会で観たのかもしれない)、舞台「鉄人28号」は映像ではなく、生の舞台を劇場で観た。「28 1/2 妄想の巨人」の前半はあまり覚えていなかった。そして、そのパートになるまで忘れていたのだけれど、色々な人が舞台『鉄人28号」の感想をコメントするパートがあって、これが面白い。特に鈴木敏夫さんのコメントが凄い。押井さんが敏夫さんのことをどう思っているのかがよく分かる。舞台「鉄人28号」は細部は覚えていなかったけど、だいたい記憶どおり。だけど、舞台「鉄人28号」の後に「28 1/2 妄想の巨人」を観るべきだった。そこは失敗した。
新文芸坐で「月はどっちに出ている」(1993/109分/DCP)を鑑賞。プログラム「追悼・崔洋一 境界線に立ち続けた表現者」の1本。観たことのない作品だと思っていたけれど、いくつも記憶にある場面があったので、以前に鑑賞していたようだ。新文芸坐でやたらと映画を観ていた頃に観たのだろう。それはともかく、作品としては楽しめた。映像もよかったし、登場人物もよかった。ヒロインのルビー・モレノがとてもよかった。可愛いなあ。ただし、若い頃の自分だと、可愛いとは思えなかったかもしれない。イケイケの若き社長達も愛らしい。これも若い頃は愛らしいとは思わなかっただろう。主人公は在日朝鮮人で、公開当時は現在よりも、その部分がセンセーショナルだったのだろうなあ。
就寝前にドラマ「名建築で昼食を」の関連書籍「名建築で昼食を オフィシャルブック」と、原作の「歩いて、食べる 東京のおいしい名建築さんぽ」に目を通す。オフィシャルブックは基本的にアニメのフィルムブックみたいな作りだけど、画がいいので、本編カットを数点置いただけでもページが保つ。本当は脚本家とか監督のインタビューが読みたかったのだけど。

2023年2月24日(金)
入院までにやっておきたい作業を次々に片づける。「100カメ」の「アニメ進撃の巨人」を録画で観た。面白かったし、よくできていた。通常は映像として残らない場面が沢山映っていた。
午前中にHuluで「血ぃともだち」を観る。話は変わるけど、映像配信サイトで「押井守」で検索して、最初にヒットするのが「花束みたいな恋をした」なのはいかがなものか。それだけ「花束みたいな恋をした」が観られているということなんだろうけど。「血ぃともだち」はこれが初見。『ぶらどらぶ』は「血ぃともだち」のギャグバージョンなんだろうと思っていたけれど、「血ぃともだち」も想像していたほどはシリアスではなかった。午後はバンダイチャンネルで「トーキング・ヘッド」を観る。こちらは数度目の視聴。
珍しく若い人の相談にのって色々と話した。「面白いものを見つけて、それを人に伝えるのが編集者の仕事なんだから、まずは面白いものを見つけるところから始めるのがいい」が結論だった。
某作品の線画設定が制作会社にないかもしれないという話になって、事務所スタッフの一人が「ムックを作った時のデータがMOに入っているんじゃないですか。前にMOを事務所で見ましたよ」と言う。いや、「ムックを作った時」って、20年以上前の話でしょ。MOを見たのって10年前とか15年前じゃないの。と思っていたら、別の事務所スタッフが倉庫から設定のコピーが入った封筒を発掘してくれた。その20年以上前のムックを編集した時のコピーだ。出てくるものはすぐに出てくるなあ。

配信でドラマ「名建築で昼食を」を最終回まで観る。最終回がよかった。この後にスペシャルの横浜編、第2期の大阪編があるらしいけど、第1期最終回で終わりでいいんじゃないのかなあ。具体的には春野藤(池田エライザ)が弟子をやめたいと言った後の植草千明(田口トモロヲ)の芝居(主に目の芝居)と、その後の藤の反応がよかった。2人は恋愛関係には至っていないのだけれど、2人とも少しだけそれを期待していたということが、ここで分かる。期待していたのは恋人ではなくて、友達と恋人の中間くらいの関係だったのかもしれないけれど。その後のシーンで、藤の「ちょっと生々しい感じ」の描写があったのもよかった。ラストシーンで千明の前に再び現れた藤が、女っぼい感じ(大人っぽい感じ)になってるのは、これからの関係の変化を予想させるもので、それを感じさせる演出が素晴らしかった。だから、ここより後は描かないほうがいいんじゃないの、と思った。
さらに「名建築で昼食を」の話を続ける。ずっと気になっていたのだけど、藤と千明が食事をした時にランチ代はどちらが出していたのだろうか。普通に考えたら、千明が出すはずだけど、そうするとオジさんが若い女の子を可愛がっている感じが出てしまってよくないのだろうなあ。どうして僕がこのドラマにこだわるのかというと、千明と藤の関係が、地味な、あるいはオタク的な趣味に生きる中年以上の年齢の男性としては夢のシチュエーションのひとつだと思えたのだ。さえないけれど、自分の趣味については一家言ある男性が、その趣味を通じて若くてセンスがよくて、美人の女性と知り合う。その女性は男性の言うことに感心してくれて、さらに彼自身にも興味をもってくれる。まあ、嬉しいよね。それはよく分かる。千明と藤の関係がよかったのは、千明が女性に対してガッついていないところと、藤が元カレと別れていて、今は恋愛モードでなかったということ。現実にもああいった関係はあると思うけど、どちらかが色気を出して、恋愛以上の関係になるか破綻するだろうと思う。

2023年2月25日(土)
「入院前に行きたい店に行っておこう」シリーズで、早めの時間に「いきなり!ステーキ」に。昼に新文芸坐で「勝手にしやがれ 60周年4Kレストア決定版」【4K上映】(1960・仏/90分/DCP)を鑑賞。プログラム「表象のグラデーション ゴダールからストーンズへ ゴダール」の1本。「勝手にしやがれ」は二度目の鑑賞。前回は新文芸坐でフィルム上映だった。もっとノイズがあるというか、ゴチャゴチャした作品の印象があったのだけれど、今回はDCP上映のためか随分とすっきりした印象だった。前回は作り手がノリノリで撮っている印象だったけれど、今回はそうでもなかった。
映画以外はほぼ1日、コラム原稿を書いていた。大変に充実した1日だった。
ちなみに入院は27日(月)から。手術は28日(火)の予定だ。